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新潟シューベルティアーデ シューベルトの歌曲 その世界を味わう Vol.12

2020年2月23日(日) 14:00 青陵ホール 新潟シューベルティアーデ シューベルトの歌曲 その世界を味わう Vol.12

みんなのシューベルト
 春の想い
 セレナーデ
  中森千春(Ms) 栄長敬子(Pf)
 ミューズの子
  高橋宣明(T) 栄長敬子(Pf)
私のフランツ
 《4つのカンツォーネ》
 この骨壺に近づいてはならぬ
 ご覧よ あの白い月を
  高橋宣明(T) 栄長敬子(Pf)
 その顔から私は学んだ
 私の大好きな人よ 覚えていてください
  田辺千枝子(S) 片桐寿代(Pf)
みんなのシューベルト
 死と乙女
 音楽に寄せて
  佐藤匠(Br) 八子真由美(Pf)
みんなのシューベルト
 君はわが憩い
 子守唄
  高橋宣明(T) 栄長敬子(Pf)
私のフランツ
 勝利
 夜曲
 ヘリオポリスより
  佐藤匠(Br) 八子真由美(Pf)
 エルラフ湖
 ゴンドラ乗り
 ドナウ川の上で
  中森千春(Ms) 栄長敬子(Pf)
みんなのシューベルト
 水の上で歌う
 アヴェ・マリア
  田辺千枝子(S) 片桐寿代(Pf)

   ※作曲家は全てシューベルト

青山の御幣稲荷神社へ詣でて、みなとトンネルを4往復走り、昼食を摂ってから、青陵ホールへ。開演20分前に到着。
感想は「シューベルトへの並々ならぬ愛情溢れる、豊かで、実りあるコンサートを楽しむ」です。
今回のプログラムは、よく知られた曲達を「みんなのシューベルト」、あまり知られていないけれども出演者が愛する曲達を「私のフランツ」と銘打って、バランス良く編み上げられました。
まずは「みんなのシューベルト」からメゾソプラノで2曲。柔らかく、草木の芽吹きが匂い立ち、爽やかな甘やかさを、落ち着いた艶めきと、溢れ出る喜びで満たす「春の想い」。影を宿し、切なさを込めて、恋の痛みを緩やかに訴え、ほろ苦い希望に、仄(ほの)かな灯(あか)りを点す「セレナーデ」。内に秘めた浪漫を薫らせ、伸びやかに歌心を解き放ちました。
続いてテノールが歌う「ミューズの子」。細やかに飛び跳ね、ぴちぴちと生きの良い水飛沫(みずしぶき)を上げて、明るく喜びを伝え、風薫る季節の息吹を誘(いざな)いました。
次は「私のフランツ」のパートで、《4つのカンツォーネ》から、引き続きテノールが2曲。ゆっくりと安らかに時を刻み、瑞々しい若さに満ち満ちて、青春の輝きを謳歌する「この骨壺に近づいてはならぬ」。生き生きと弾(はず)み、まろやかな清々(すがすが)しさを香らせて、早鐘を打ち鳴らす「ご覧よ あの白い月を」。穏やかさと、ときめきを届けました。
さらにソプラノで2曲。優しさを淡い艶めきで包み、悩ましく揺れる心を語り掛け、一途に希望の光を追い求める「その顔から私は学んだ」。思い詰めた表情で悲しみを伝え、胸に秘めた想いを解き放って、喜びの階段を駆け上がる「私の大好きな人よ 覚えていてください」。艶やかな絹糸を長く引き延ばし、恋するものの機微を鮮やかに伝えました、
ここで再び「みんなのシューベルト」をバリトンで2曲。重い足取りで歩み出し、沈鬱な面持ちで語り出すと、一転急ぎ足で駆け出し、哀しみを纏(まと)って走り抜け、力尽きて緩やかに倒れ込む「死と乙女」。晴れ渡る青空へ滑り出し、ほろ苦い甘さを薫らせて、快い安らぎで満たす「音楽に寄せて」。香ばしく焙煎し、落ち着いた物腰(ものごし)で語って、渋く輝きました。
休憩を挟んで後半も「みんなのシューベルト」からテノールで2曲。しとしとと雨だれが零(こぼ)れて、柑橘の涼やかさを光らせ、喜びを含む光の粒が幸せを運ぶ「君はわが憩い」。暖かな微風(そよかぜ)が優しく包み込み、しなやかな安らぎを認(したた)める「子守唄」。様々な愛情の形を丁寧に映し出しました。
代わっては「私のフランツ」をバリトンで3曲。勇気の旗を掲げ、力強く前へ踏み出し、輝ける希望へと突き進む「勝利」。影を宿し、胸の奥の情熱をふつふつと燃やして、感情を抑(おさ)え、過ぎる不安を振り払って、優しくも剛健に振る舞う「夜曲」。翳りを帯びて、優しくも激しく行進し、襲い来る苦難を次々と薙(な)ぎ倒して、全力で闘う「ヘリオポリスより」。物陰に隠された宝石を白日の下(もと)に引き出して、その輝きを届けました。
さらに同じ区分でメゾソプラノが3曲。熟成した香料の粒子が、柔らかに辺りを包み、艶めく哀しみが、そこはかとなく漂って、艶(あで)やかな涼風が頬を撫でる「エルラフ湖」。ゆらゆらと喜びが揺らめき、急ぎ足で駆け抜けて、さざめく心の内を、細やかに波立たせる「ゴンドラ乗り」。ゆっくりと柔らかに温もりを伝え、甘露(かんろ)な朝露(あさゆつ)が、微(かす)かな香りで鼻腔を擽(くすぐ)って、淡く暗い哀しみを伝える「ドナウ川の上で」。豊かで艶やかな歌声で、秘めやかな歌曲の魅力を十二分に伝えました。
プログラム最後は「みんなのシューベルト」でソプラノが2曲。切なげな嘆きを吐露(とろ)し、明滅する喜びへと遷移させ、闇迫る舞踏会での溢れ出す喜びを導き出す「水の上で歌う」。穏やかな波立ちの上を、清らかな流星が長く尾を曳いて、輝く憧れを照らし、心に沁みる切なさを、たおやかに届ける「アヴェ・マリア」。柔らかで優しく、光り輝いて、華やかに掉尾を飾りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは出演者全員での「菩提樹」の合唱。早春の息吹を安らかに唱和して、賑々しく終演となりました、
シューベルトの歌曲を12年の長きに渡り、歌い継ぎ、600曲完全制覇を目指す意気込みで真剣に取り組む姿勢に感銘を受け、素晴らしき歌声を届けて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に就きました。
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ハルモニア@Jazz FLASH

2020年2月21日(金) 19:30 Jazz FLASH ハルモニア@Jazz FLASH

1st.set
 タリフー
 ウィー・ウィル・ミート・アゲイン
 アスク・ミー・ナウ
 朝日のように爽やかに
 グッチ&ブッチ
2nd.set
 ラウンド・ミッドナイト
 凪ぐ
 ナイト・スカイ
 滔々
 テネシー・ワルツ
 アフター・ユーヴ・ゴーン
  ※曲名は聞き取りのため不正確な場合あります
 
ハルモニア
 伊佐瞳(Bcl)
 斉藤伸宣(Pf)

仕事を終え、一旦帰宅し、軽食を摂って、JazzFLASHへ。開演20分まえに到着。
感想は「更けゆく夜に響くコク深き息吹と絡み付く鍵盤の妙を楽しむ」です。
まずは「タリフー」から。明るく歯切れ良く弾(はず)み、深く香ばしい香りが立ち上って、晴れ渡る青空に、喜びが満ち溢れました。
続いて「ウィー・ウィル・ミート・アゲイン」。涼しげに煌めき、夜更けの静寂(しじま)に悩ましく揺れ、熱く切なく溢れ出て、華麗に宙を舞いました。
次は「アスク・ミー・ナウ」。はらはらと花片(はなびら)が舞い落ち、ゆっくりと優しく絡まり、柔らかく煌めきを舞い散らせて、緩やかな安らぎへと誘(いざな)いました。
4曲目は「朝日のように爽やかに」。軽やかに沸き立ち、哀しみを宿した明るさで塗り込め、濃厚に揺すり、輝きを撒き散らして、絡み合い、じゃれ合いました。
1st.set最後は「グッチ&ブッチ」。灼熱の軽やかさで爆(は)ぜ、厚く刻んで、ジグザクに降下し、硬い岩盤を砕きました。
休憩を挟んで2nd.set 最初は「ラウンド・ミッドナイト」。淡く儚(はかな)げに揺らめいて、ゆっくりと揺蕩(たゆた)うと、一転軽快に駆け出し、ほろ苦い優しさを香らせ、切れ良く照り返しを映して、細やかな氷片を散らしました。
続いてオリジナルから「凪(な)ぐ」。滑らかに山路(やまみち)を上下し、響きの重なりを楽しんで、高みへと飛翔しました。
次も自作の「ナイト・スカイ」。爽やかに風が吹く過ぎ、生命の息吹を弾(はず)ませて、艶やかにするりと擦り抜け、心の内側から太陽が輝き出しました。
オリジナルが続き、4曲目は「滔々(とうとう)」。どこか懐かしい風景が立ち上がり、悲しみを纏(まと)い、緩やかに揺らめいて、切なさを匂い立たせました。
続けては「テネシー・ワルツ」。足早に隘路(あいろ)を進み、九十九折(つづらお)りの坂道を駆け登って、時折(ときおり)蹌踉(よろ)けながらも、山頂を目指しました。
セットリスト最後は「アフター・ユーヴ・ゴーン」。細やかにくねりながらも、懸命に寄り添い、ノリノリで弾(はず)んで、軽快に足踏みしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはピアニスト作の「グリッター・オブ。ドーン」。涼やかで溌剌とした生命の鼓動を伝えて、賑々しく終演となりました。
バスクラリネットとピアノが醸し出す生き生きとした奏でが、冷え切った心と体を熱く燃え上がらせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に就きました。

おんぶんリレーコンサートREIWA スペシャルA

2020年2月15日(土) 19:30 新潟市音楽文化会館 おんぶんリレーコンサートREIWA スペシャルA

エンジョイB
 金の帯/大森愛弓
 むさしのファンタジア/三澤慶
  サキソフォン三重奏 新潟ウインドオーケストラ
   貝瀬綾香(A.Sax) 関根梢恵(T.Sax) 豊永健吾(Br.Sax)
スペシャルA
 花/武島羽衣 詞 滝廉太郎 曲
 うさぎ/日本童謡 平井康三郎 編
 赤とんぼ/三木露風 詞 山田耕筰 曲
 ブラームスの子守唄/堀内敬三 訳詞 ブラームス 曲
 歌のつばさ/ハイネ 詞 メンデルスゾーン 曲 津川主一 訳詞・編
  二重唱 ぱすてるセラピー
   後藤ナガ子、岡部李菜(S) 山崎和実(Pf) 小野塚彩(Per)
 ガーシュイン・エアー/ガーシュイン 山本教生 編
 文明開化の鐘/髙橋宏樹
 日本の歌メドレー/三澤慶 編
  金管八重奏 アンサンブルこはるん
   中川武雄、佐谷はるき、髙橋しおん(Tp) 小池楓子、小菅春貴(Hr) 後藤優美
、南絢子(Trb) 松本睦夫(Tb)
 歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲よりアヴェ・マリア/マスカーニ
 歌劇《ホフマン物語》よりオランピアの唄/オッフェンバック
  声楽 emi 
  倉林敬子(S) 片桐直子(Pf)
 スペイン狂詩曲/リスト
  ピアノ独奏
   風間さくら(Pf)
 歌劇《ラ・ボエーム》より私が街を歩けば~ムゼッタのワルツ/プッチーニ
 歌劇《アンドレア・シュニエ》より亡くなった母を/ジョルダーノ
  ソプラノ独唱
   笛木晶子(S)
 平均律クラヴィーア曲集 第1巻より第9番 前奏曲 BWV854/バッハ
 ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調「幻想」 Op.19 第1楽章/スクリャービン
  ピアノ独奏
   新保郁恵(Pf)
 日はすでにガンジス川から/スカルラッティ
 3つのアリエッタより優雅な月よ/ベッリーニ
 6つのロマンスより寂しい部屋で/ヴィットレッリ 詞 ヴェルディ 曲
  バリトン独奏
   佐藤匠(Br)
 ひばり/グリンカ-バラキレフ
 舟歌 嬰ヘ短調 Op.60/ショパン
  ピアノ独奏
   八子真由美(Pf)
 カヴァレリア・ルスティカーナ/マスカーニ
 美しき生命/マーティン、バックランド、ベリーマン、チャンピオン
  マリンバアンサンブル malieto
   石井歩(Vib,カホン) 平松夏子、佐々木静香、戸田理絵(Vib) 佐藤かずほ、桑原佐恵(グロッケン) 鈴木千津子、髙橋玲(サスペンダーシンバル) 大宮統子(グロッケン)
 
三条から戻り、少し休憩してから、夕食を済ませ、音楽文化会館へ。開演10分前に到着。
感想は「街の音楽家達の日頃の鍛錬の成果に耳を傾ける」です。
到着して、スペシャルAの開演を待つつもりが、前のエンジョイBが遅れに遅れて最後の組の出番に滑り込み、そこからのスタート。
サキソフォン三重奏で2曲。ゆっくりと明るく響きの層を積み重ね、一歩一歩山路を登り詰める大森愛弓の「金の帯」。優しく柔らかい光で包み、足早に駆け出して、大きく羽を広げる三澤慶の「むさしのファンタジア」。丁寧に仕上げました。
ここからがスペシャルAとなり、まずは二重唱で5曲。明るく爽やかに澄んだ声の糸を紡ぐ「花」。ゆっくりとした鼓動に乗って、穏やかな波を重ねる「うさぎ」。そこはかとない寂しさと懐かしさを綴る「赤とんぼ」。優しく清らかに涼やかさを届ける「ブラームスの子守唄」。爽やかに浪漫を薫らせる「歌のつばさに」。軽やかに歌心を伝えました。
続いて金管八重奏で3曲。明るく陽気に弾(はず)み、ゆっくりと晴れやかな郷愁を伝える「ガーシュイン・エアー」。溌剌と勇ましく行進し、優しく煌めきを届ける「文明開化の鐘」。四季の移ろいを聞き慣れた調べに乗せる「日本のうたメドレー」。アンサンブルの楽しさを伝えました。
次は声楽で2曲。透き通る息吹が、煌めくさざ波に乗って、涼やかに波打つ「アヴェ・マリア」。ゆっくりと歯切れ良く円舞し、遥かなる高みへと駆け登る「オランピアの唄」。楽しすぎる演技を交えて、歌劇の世界への誘(いざな)いを届けました。
4番目はピアノ独奏でリストの「スペイン狂詩曲」。荒海を潜り抜け、穏やかな悲しみを綴り、力強く打ち付けて、煌めきを鏤(ちりば)め、目眩(めくるめ)く輝きを伝えました。
続くはソプラノ独唱で2曲。優しく伸びやかに装い、哀しみを宿した明るさで豊かに広がる「歌劇《ラ・ボエーム》」よりプッチーニの「私が街を歩けば~ムゼッタのワルツ」。ゆっくりと翳りを帯びて、切々と嘆きを綴るも、明るさを取り戻し、前を向いて歩み始めるジョルダーノの「歌劇《アンドレア・シュニエ》」より「亡くなった母を」。響きの光輪で辺りお包みました。
次はピアノ独奏で2曲。影を纏(まと)い、乾いた悲しみを内に秘めて、簡潔で細やかに寄せ木細工を組み上げるバッハの「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」より「第9番 前奏曲」。硬質な輝きをふんわりと包む霞みが弾(はず)み、幾つもの煌めきが連なって、柔らかな塊(かたまり)となり、ゆっくりと揺蕩(たゆた)うスクリャービンの「ピアノソナタ 第2番 幻想」から 第1楽章。響きの対比を鮮やかに映し出しました。
6番目はバリトン独唱で3曲。香ばしい明るさで、楽しげに灼熱の喜びを歌うスカルラッティの「日はすでにガンジス川から」。穏やかに浪漫を薫らせ、淡い哀しみを艶やかに炙り出すベッリーニの「3つのアリエッタ」より「優雅な月よ」。ゆっくりと大空を彷徨(さまよ)い、青春の輝きを照らし出すヴェルディの「6つのロマンス」より「寂しい部屋で」。落ち着いたひとときを導きました。
続いてピアノ独奏で2曲。寂しさが煌めき、淡い哀しみを囀(さえず)り、穏やかな波立ちが、細やかに震えるバラキレフ編曲のグリンカの「ひばり」。柔らかに優しく舞い、慎ましく華麗に翳りを纏(まと)うショパンの「舟歌」。ふんわりと硬質な大人のたしなみを伝えました。
プログラム最後はマリンバアンサンブルで2曲。淡く爽やかにに包み込み、快い緩やかさを解き放って、甘やかな調べを届ける「カヴァレリア・ルスティカーナ」。楽しげに弾(はず)み、うちに秘めた鼓動を打ち付けて、響きの河が流れ出す「美しき生命」。柔らかな響きの饗宴を届けました。
ここ新潟で音楽活動を行っている様々な方々の日頃の鍛錬の成果の一端を聞かせて頂けたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

水谷川優子開館コンサート

2020年2月15日(土) 13:30 三条市体育文化会館マルチホール 水谷川優子開館コンサート

ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカベウス」の主題による変奏曲 WoO45/ベートーヴェン
親愛の言葉/カサド
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009/バッハ
 前奏曲
 アルマンド
 クーラント
 サラバンド
 ブーレⅠ/Ⅱ
 ジーグ
歌劇「モーゼ」の主題による変奏曲(モーゼ変奏曲)/パガニーニ
白鳥/サン=サーンス
チェロソナタ第3番イ長調 Op.69/ベートーヴェン
 第1楽章 Allegro ma non tanto
 第2楽章 Scherzo.Allegro molto
 第3楽章 Adagio catabile-Allegro vivace

水谷川優子(Vc)
山本貴志(Pf)

Dr.可児さんを出て、一旦帰宅し、遠出の準備をして、高速を一路三条へ。開演30分前に到着。
感想は「新しきホールに響く充実の響きに聞き入る」です。
まずはプログラムに無いエルガーの「愛の挨拶」からスタート。柔らかく豊かに揺らし、暖かく波打って、楽しげに冒頭を飾りました。
続いてベートーヴェンの「ヘンデルのオラトリオ『ユダス・マカベウス』の主題による変奏曲」。細やかに調べが漣(さざなみ)となり、コク深く艶めきで飾ると、砕け散る波濤(はとう)を擦り抜けて飛ぶ流線型が光を放ち、短めに刻んで、通り過ぎる翳りを横目で眺め、氷片が舞い散って、煌めきを艶消しの糸で巻き付け、ゆったりと安らいで、激しく刻み込み、一瞬の嵐を通り抜け、迫り来る闇と格闘して、舞い踊る断片を潜り抜け、大きく濁流へと舵(かじ)を切って、安寧の地へと駆け抜けました。
次はカサドの「親愛の言葉」。明るく熱情を込めて歌い、乾いた熱風が吹き込んで、揺れる小舟を懸命に漕ぎ、凪(なぎ)の海を速度を上げて進むと、自由の旗を掲げ、広い世界を駆け巡りました。
ここでピアノが退場して、バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」。挽き立ての香ばしさを香らせ、艶やかに糸を紡ぐ「前奏曲」。落ち着きを持って、軽やかに弾(はず)み、細やかに渦を巻いて、坂道を登る「アルマンド」。速歩(はやあし)で駆け出し、滑らかに刻んで、忙(せわ)しげに追い込む「クーラント」。ゆっくりと和らぎを練り込み、儚(はかな)げに微睡(まどろ)みを誘(いざな)う「サラバンド」。楽しげに跳ね回り、寄り添う翳りを友として、柔らかに波打つ「ブーレⅠ/Ⅱ」。素速く切り刻み、迫り来る切っ先を躱(かわ)して、宿敵に立ち向かう「ジーグ」。孤高の草原にすっくと立ち、回りの状況に柔軟に対応して、見事なる舞を披露しました。
ピアノが戻り、パガニーニの「歌劇『モーゼ』の主題による変奏曲」。切なく気高い艶めきを奏で、軽快に弾(はず)んで、足早に駆け出し、歯切れ良く飛び跳ねて、小走りに歩を進め、翳りを纏(まと)って加速し、激烈に刻み込んで、一気呵成に振り抜きました。
休憩を挟んで後半はサン=サーンスの「白鳥」から。穏やかな水面(みなも)を優雅に進み、艶めきを重ねて、柔らかに舞い降りました。
プログラム最後はベートーヴェンの「チェロソナタ第3番」。たっぷりと歌い出し、影を宿して熱情を込め、若さの滾(たぎ)りを燃え上がらせて、頂きから急降下し、力強く加速して、柑橘の香りを際立たせ、爽やかに走り去って、しなやかに闘いの場へ向かう第1楽章。暗く長い道程(みちのり)を歩み、青春の蟠(わだかま)りを抱え込んで、己(おのれ)の弱点と真摯に対峙し、苦渋の決断を選び取る第2楽章。ゆっくりと優しく前進を始め、思い切って速歩(はやあし)で駆け出し、辺りを駆け巡って、一旦休憩を取り、再び走り出して、襲い掛かる苦難と正面から向き合う第3楽章。立ちはだかる課題とがっぷり四つに組み合い、一歩も引かずに受け止めて、果敢に浴びせ倒しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはラフマニノフの「チェロソナタ」から第3楽章。愁いの表情で深みのある叙情を伝えて、賑々しく終演となりました。
新しきホールのオープニングを飾るに相応しい素晴らしい演奏を聞けたことに感謝して、快い気分で帰りのハンドルを握りました。

朝からクラシック

2020年2月15日(土) 10:00 Dr.可児 朝からクラシック

すみれ/スカルラッティ
そばにいることは/マンチャ
たとえ、ひどい人よ/カルダーラ
私を泣かせてください/ヘンデル
私の怒りんぼうさん/ペルゴレージ
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より/マスカーニ
 間奏曲
 ママも知るとおり

西谷純代(S)
小林浩子(Pf)

諏訪神社様へ詣でてから、Dr.可児さんへ。開演20分前に到着。
感想は「こじんまりとしたカフェで聞くイタリア古典歌曲集を楽しく拝聴する」です。
まずはスカルラッティの「すみれ」から。明るくにこやかに弾(はず)み、溌剌とした喜びを撒き散らして、身体の内側から太陽が輝き出しました。
続いてマンチャの「そばにいることは」。ゆっくりと艶やかに哀しみを伝え、優しく伸びやかに祈りを届けました。
次はカルダーラの「たとえ、ひどい人よ」。穏やかに悲しみを語り、ゆったりと波打って、淡い切なさを訴えました。
4曲目はヘンデルの「私を泣かせてください」。穏やかに歩み出し、清らかな灯りを点(とも)して、ゆったりと安らぎを添え、強き願いを示しました。
一転、ペルゴレージの「私の怒りんぼうさん」では、溌剌としたおしゃべりで沸き立ち、悪戯(いたずら)っぽく微笑みを振り撒いて、陽気に噂話を広めました。
プログラム最後はマスカーニの「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』」より最初にピアノで「間奏曲」。ゆっくりと澄んだ和らぎを醸し出し、甘やかな水色の香りを匂い立たせて、氷砂糖の欠片(かけら)を波立たせました。
そしてソプラノが戻って「ママも知るとおり」。切々と辛い思いを訴え、艶やかに心の重荷を語り、苦しくも切ない叫びを解き放って、穏やかに俯(うつむ)きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは武満徹の「小さな空」。淡い郷愁を誘(さそ)い、清らかに思い出を蘇らせて、賑々しく終演となりました。
イタリア古典歌曲集の魅力を、様々な表情で多彩に演じて、惜しみなく伝えて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で次の会場へと向かいました。