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~開廊10周年祈念 小飯柄眞理子展特別企画 地濃貴子ピアノソロゴールド&シルバーの夜 ゴールドの夜

2018年12月14日(金) 18:00 朱鷺メッセエスプラネード ~開廊10周年祈念 小飯柄眞理子展特別企画 地濃貴子ピアノソロゴールド&シルバーの夜 ゴールドの夜

糸/中島みゆき
Moon River/マンシーニ
Tenderly/ WALTER
A Whole New World/メンケン
瑠璃色の地球/平井夏美
おひさま/渡辺俊幸
いのちの歌/村松崇継
ありがとう/水野良樹

地濃貴子(Pf)

10km走り、少し休憩をして、市立美術館へピカソ展を見に行き、所用を足してから、朱鷺メッセへ。開演20分前に到着。
感想は、「イルミネーション輝く回廊で聞く電子ピアノの音色(ねいろ)に和(なご)みを頂く」です。
まずは中島みゆきの「糸」が哀しくも優しく、暖かさを伝えると、「Moon River」がゆっくりと廻る糸車に乗って、氷片を煌めかせて、揺らぎました。続いての「Tenderly」では柔らかに波立つ川面(かわも)を、穏やかに行き過ぎ、涼やかな和(やす)らぎを届けました。次はディズニー映画から「A Whole New World」。希望の光を照らし、憧れを追い掛けました。さらに松田聖子の「瑠璃色の地球」では、明るさで包み込み、大きく上下して、彩りを添えました。ここからはNHKの朝ドラの主題歌が3曲。まずは平原綾香が歌った「おひさま」の主題歌。愛らしく、淡い香りを匂わせ、水玉を浮かばせて、ゆったりと揺蕩(たゆた)いました。続いて「だんだん」より「いのちの歌」。切なさを含む懐かしさで慰め、じんわりと沁みる調べを伝えました。プログラム最後は「ゲゲゲの女房」からのいきものがかりの「ありがとう」。水晶の耀きを放ち、水面に幾重にも波紋を広げて、募る想いを語りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは季節に合った「赤鼻のトナカイ」。軽やかに弾み、手拍子を貰って、賑々しく終演となりました。
画廊の開館10周年を記念したコンサートが、降誕祭を飾るイルミネーションの中、楽しく行われたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に付きました。
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りゅーとぴあ★オルガン・クリスマスコンサート2018

2018年12月13日(木) 19:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール りゅーとぴあ★オルガン・クリスマスコンサート2018

《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より 第1幕への序曲/ワーグナー
主よ、人の望みの喜びよ/バッハ
目覚めよと呼ぶ声がして/ 〃
アヴェ・マリア/シューベルト
アヴェ・マリア/カッチーニ
アヴェ・マリア/マスカーニ
歌劇《ラ・ボエーム》より「私が街を歩くと」/プッチーニ
組曲《展覧会の絵》より「プロムナード」「キエフの大門」/ムソルグスキー
星に願いを/ハーライン 
大公の踊り/スヴェーリンク
ラルゴ/ヘンデル
アメージング・グレース
雪のクリスマス/中村正人
クリスマス・イブ/山下達郎 
恋人がサンタクロース/松任谷由実 
もろびとこぞりて/トラディショナル
まきびとひつじを/イングランド伝承曲
聞け天使の歌/賛美歌
赤鼻のトナカイ/John D
クリスマスキャロルメドレー
 神の御子は今宵しも~もみの木~きよしこの夜

鷲尾麻衣(S)
平野公崇(Sax)
山本真希(Org)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「オルガン、サキソフォーン、ソプラノによる上質なエンターテイメントを楽しむ」です。
まずはワーグナーの「《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「第1幕への序曲」より。光の筋達が輝かしく鳴り響くと、堂々とした足取りで歩み、重なり合う彩りを飾って、軽やかに持てる力を開放しました。続いてバッハが2曲。穏やかに布を織り、柔らかに和(やす)らぎをもたらす「主よ、人の望みの喜びよ」。落ち着いた装いで弾(はず)み、明るい泡立ちで語って、喜びの虹を細長く引き伸ばす「目覚めよと呼ぶ声がして」。親しみやすい調べを届けました。ここでサキソフォーンが登場し、アヴェ・マリアが2曲。甘さを抑えた優しさで蕩(とろ)ける味わいを描き、しなやかに浮遊して、響きの雲の中を自在に舞い飛ぶシューベルト。覆い被さる淡い悲しみを纏(まと)い、ザクザクと初雪を踏みしめて、切なさを奏でるカッチーニ。甘やかな哀しみで彩りました。ソプラノと交代して今度はマスカーニの「アヴェ・マリア」。透き通る光の帯が真っ直ぐに広がり、爽やかな涼しさを伝えて、高みへと登りました。そしてプッチーニの「歌劇《ラ・ボエーム》」より「私が街を歩くと」。ちょっと気取って歩みを進め、楽しげに振る舞い、ふっくらとした羽毛に包まれて、艶(あで)やかさを競いました。前半最後はオルガン独奏でムソルグスキーの「組曲《展覧会の絵》」から。大聖堂の木霊(こだま)する耀きが乱舞し、白金(しろがね)の眩(まぶ)しさを解き放つ「プロムナード」。持てる力を開放し、白く燃え上がる光の筋(すじ)が幾重にも重なって拡がり、大きなうねりを巻き上げて、密やかな祈りを捧げ、側道を横切って、大きく開けた碧空(あおぞら)へと想いを開放する「キエフの大門」。壮大な響きの伽藍を築きました。
休憩を挟んで後半はサキソフォーンが無伴奏で演じる「星に願いを」。繊細でまろやかに息吹を燻(くゆ)らせ、憧れを夢見て、静かに筆を収めました。続いて舞台上に置かれたポジティブ・オルガンでスヴェーリンクの「大公の踊り」。素朴な笛を吹き鳴らし、艶やかに口笛で応えて、光の舞いを伝えました。ソプラノと鍵盤の組み合わせで届けられたのはヘンデルの「ラルゴ」。温かい泉が涌出(わきい)で、絹の肌触りを醸(かも)し出して、ゆったりとした春の昼下がりを映しました。続けて奏でられたのは「アメージング・グレース」。遙かなる望みを鮮やかに切り取り、寄り添う朝靄(あさもや)に包まれて、彼方へと飛翔しました。パイプオルガンに戻ってドリカムの「雪のクリスマス」。ふわふわと舞い散る結晶が、蒼(あお)い切なさを運び、深々と心に降り積もりました。サキソフォーンが戻り、山下達郎の「クリスマス・イブ」。ときめきを運ぶ鼓動が涼やかに吹き過ぎ、煌めきが泡立ちを巻き込んで、口当たりの良い物悲しさで、物語りを綴りました。ソプラノがマイクを持って挑んだのはユーミンの「恋人がサンタクロース」。爽やかに恋心を歌い、ノリよく畳み掛けて、手拍子を誘(さそ)いました。ここからはお馴染みの調べが続き、まずはオルガン独奏で「もろびとこぞりて」。楽しげに沸き立ち、悦びを奏でると、ソプラノといっしょに「まきびとひつじを」。穏やかに草を食(は)み、田園の長閑(のどか)さを運びました。さらに「聞け天使の歌」を淡々と、丁寧に認(したた)めました。サキソフォーンに変わって「赤鼻のトナカイ」。軽快にスイングして、すらすらとコク深く、達筆で書き記(しる)しました。プログラム最後は全員で「クリスマスキャロルメドレー」。暖かく全てを包み込む「神の御子は今宵しも」、真摯なる願いを祈る「もみの木」。透徹した美しさで筆を使い、艶めきを鏤(ちりば)めて、万物を浄化する「きよしこの夜」。清らかに快い聖夜への憧憬を描き出しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ホワイト・クリスマス」。甘やかに悦びを重ねて、賑々しく終演となりました。
降誕祭の調べの数々を上質な持て成しで届けて頂いたことに感謝しして、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

第19回新潟第九コンサート2018

2018年12月9日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 第19回新潟第九コンサート2018

歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲/ニコライ
交響曲第9番 二短調「合唱付き」/ベートーヴェン
 第1楽章:Allegro ma non troppo,un poco maestoso
 第2楽章:Molto vivace
 第3楽章:Adagio molto e cantabile
 第4楽章:Presto-Allegro assai

澤江衣里(S)
背戸裕子(A)
冨田裕貴(T)
小林大祐(Br)
新潟交響楽団
新潟第九合唱団
伊藤翔(指揮)
箕輪久夫(合唱指揮)

10km走って、昼食を摂り、少し休憩して、りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「市民が作り上げる祝祭の空間を身体一杯に受け止める」です。
まずはニコライ「歌劇『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲」から。霞(かずみ)立つ山の端(は)より、穏やかに湧き上がる暖かさが辺りを満たし、ゆっくりと大らかに動き出すと、一転軽やかに弾(はず)み、沸き立つように駆け出して、しなやかに明るく揺れ、一瞬声を荒げるも、楽しげで優雅に進み、賑やかに囃しました。
そして舞台上での準備を経て、いよいよ始まる「第九」。薄明かりが灯り、細き蕾(つぼみ)が芽吹いて、静かに身を潜(ひそ)め、徐々にその枝を伸ばして、雷(いかずち)を落とし、ときめく鼓動を打ち鳴らして、前を向いて進み、確固たる決意を胸に、がむしゃらに喰らいつき、立ちはだかる壁を乗り越えて、次々に波状攻撃を仕掛ける第1楽章。気合一閃(きあいいっせん)、収めた鞘(さや)より抜刀(ばっとう)し、見事獲物を仕留めると、細やかな糸を幾重にも重ねて、強靭な綱を編み上げ、大きくうねって、前のめりに畳み掛け、緩やかにその縄目を解(と)いて、柔らかに拡散し、まろやかなる息吹を熱く吐き出して、彼方へと収束すると、一瞬の隙(す)きに不意打ちを喰らい、無間地獄へ突き落とされる第2楽章。ゆったりと波打つ水面(みなも)が揺らめき、ふっくらと丸みを帯びてくんすだ光を残し、春めいた明るさを点(とも)して、艶(つや)めきを隠すと、鋼(はがね)の柱がその姿を現すも、はらはらと崩れ落ちて、静けさを取り戻す第3楽章。混乱の雷鳴が轟(とどろ)いて、ヒリヒリと火花を散らし、帰らざる思い出を打ち消して、新たなる調べをおずおすと語り出し、周辺を巻き込んで、輝かしい宴を繰り広げると、再び嵐が訪れ、野太い呼び掛けを巻き起こす第4楽章前半。大いなる歌声が響き渡る合唱を引き連れ、満ち溢れる光明が明々(あかあか)と辺りを照らすと、輝く渦が我先に入り組んだ伽藍を築き、力一杯に大気を揺らしました。すると静まり返ったその場から、不器用に歩みを進め、軽やかに気高く行進し、勇ましく声援を送り、足並みを揃えて、高らかに鼓舞しました。しかし困難が襲いかかり、懸命にそれを凌(しの)いで、安寧の地へ抜け出し、勝利の雄叫びを上げると、低く身を構え、力強く押し出して、清らかに天上へとその願いを届けるやいなや、幾筋もの風が十重二十重(とえはたえ)に交差し、栄光を賛美して、鮮やかに砕け散りました。その欠片(かけら)を丹念に集め、明日への希望を呼び起こし、速足で刻んで、まろやかな膨らみで包み、分厚く畳み掛けて、祝祭を讃えると、純粋な彩りを選り直ぐって、恵方へと昇華しました。思う間もなく、素早い足取りで廻りを賑わし、力を込めて弾(たま)を打ち込んで、全力で耀きを絞り出すと、その脇を擦り抜けて、喧騒が一目散に駆け抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはヘンデルの「メサイア」より「ハレルヤ」。降誕の喜びを一杯に表して、賑々しく終演となりました。
四半世紀以上も続く年末の風物詩となった公演が、今年も生きいきとその生命力を発揮し、聴衆に生きる喜びを伝えたことに感動して、快い気分で帰路に付きました。

新潟大学 教育学部 音楽科 第36回定期演奏会

2018年12月7日(金) 19:00 新潟市音楽文化開館大ホール 新潟大学 教育学部 音楽科 第36回定期演奏会

Ⅰ【サキソフォン独奏】
 アルト・サキソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲/イベール
  鷹田わこ(A.Sax) 若島歩美(Pf)
Ⅱ【チェロ独奏】
 ヴォカリーズ Op.34-14/ラフマニノフ
 チェロとピアノのためのソナチネ/コダーイ
  山内睦大(Vc) 四方田真優(Pf)
Ⅲ【ソプラノ独唱】
 歌劇<カプレーティ家とモンテッキ家>より<ああ、幾度か>/ベッリーニ
 歌劇<こうもり>より<侯爵様、あなたのようなお方は>/J.シュトラウス二世
  佐藤友美(S) 小林優香(Pf)
Ⅳ【ソプラノ独唱】
 リディア/フォーレ
 うぬぼれ鏡/平井康三郎
 歌劇<シャモニーのリンダ>より<この心の光>/ドニゼッティ
  加藤茉莉(S) 吉岡恵里奈(Pf)
Ⅴ【2台ピアノ】
 2台ピアノのためのコンチェルティーノ/ショスタコーヴィチ
  福原美香、齊藤日菜子(Pf)

仕事を終えて、音楽文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「音楽を学ぶ学生達の真摯で上質な演奏に感銘を受ける」です。
まずはサキソフォンの独奏でイベールの「アルト・サキソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲」。勢い良く飛び込んで氷の火花を散らすと、細やかに刻みながら、上下に伸福し、滑らかに艶(つや)を紡いで、暗褐色の速き筆跡を残す第1楽章。怪しくも密やかに、ゆっくりと立ち上がり、灰色の美形を認(したた)め、淡々と歩を進めて、黒き結晶の牙城を構築する第2楽章。足早に粒子を連射し、浮き沈みする軌道を高速で駆け下りて、吹き出す無数の水滴を浴び、揺らめきながら、一気に駆け抜ける第3楽章。すっきりと艶やかにカッコよく決めました。
続いてチェロの独奏で2曲。夜更けに訪れる憂愁の香りを漂わせ、煉瓦色の街角を遣る瀬無く彷徨(さまよ)い、心に沁みる歌声を細やかに揺らすラフマニノフの「ヴォカリーズ」。煌めく水面(みなも)に波立ちが広がる中、ゆっくりと海原へ漕ぎ出し、一条の光が眩(まばゆ)く広がって、穏やかに波間を航行し、細い絹糸を繋いで、湧き出す想いを長く引き摺り、大らかに悲しみを奏でて、暗い闇に沈むコダーイの「チェロとピアノのためのソナチネ」。端正な美しさを、確固とした技量で作り上げ、深く濃い表現で、見事に名画を仕上げました。
次はソプラノ独唱で2曲。まずはベッリーニの「歌劇<カプレーティ家とモンテッキ家>」より「ああ、幾度か」。ゆっくりと哀しみを抑え込み、寄り添うさざ波を背に、胸に募る思いを語ると、暗き淵から輝く草原へと歩み出し、細き糸を幅広い帯へと編み上げ、廻る糸車の鼓動を受けて、切ない感情を書き記(しる)しました。続いてJ.シュトラウス二世の「歌劇<こうもり>」より「侯爵様、あなたのようなお方は」。楽しげに弾(はず)み、にこやかに円舞して、心情を訴え、可愛いげに揺らめいて、ちょっと生意気な小娘の我儘(わがまま)を演じました。
休憩を挟んで後半もソプラノ独唱から。最初はフォーレの「リディア」。落ち着いた素振りで、ゆっくりと艶めきを湛え、淡く望郷の調べを綴りました。続いて平井康三郎の「うぬぼれ鏡」。わくわくする心を全開にして、いっぱいに勝ち誇り、喜びを開放して、軽やかに輪舞しました。最後はドニゼッティの「歌劇<シャモニーのリンダ>」より「この心の光」。明るく高く頂きへ駆け上り、目の当たりにする光景に、ふとした疑問を投げ掛け、伸びやかに波打って、歯切れよく飛び跳ねました。
最後は2台ピアノによる演奏。曲目はショスタコーヴィチの「2台ピアノのためのコンチェルティーノ」。重く強い打撃で幕を開け、優しく穏やかに歩を進めて、極寒の雪原を駿馬(しゅんめ)にて駆け抜け、粉雪を散らせて、諧謔(かいぎゃく)を飾り付け、冷たく光る照り返しを映し、徐々に迫(せ)り上がって、頂点から沈み込み、愉しげに足並みを揃えて、並列に伴走し、うねりを上げて加速すると、高みを目指し、闘いを制して、静かに収めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、1年の成果を一晩に掛ける学生達を湛えました。
地方の大学で音楽を学ぶ若人(わこうど)が素晴らしい腕前を披露し、快いひとときを頂けたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

外山裕介 ユーフォニアム・リサイタル

2018年12月6日(木) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 外山裕介 ユーフォニアム・リサイタル

「春の日の花と輝く」変奏曲/マンティア
コンクール用小品/バラ
間奏曲/ビッチ
ユーフォニアムとピアノの為の「幻想的変奏曲」/伊藤康英
パルティータ ニ短調(原調:イ短調) BWV1013/J.S.バッハ
 第1楽章:Allemande
 第2楽章:Corrente
 第3楽章:Sarabande
 第4楽章:Bourree Anglaise
ユーフォニアム協奏曲 第1番/スパーク
 第1楽章:Moderato e energico
 第2楽章:Lento
 第3楽章:Vivo e scherzando

外山裕介(Euph)
浅野和子(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「柔らかで力強いユーフォニアムを快く楽しむ」です。
まずはマンティア「『春の日の花と輝く』変奏曲」から。夏の日の郷愁を香らせ、ゆっくりと一節の奏でが舞い、緩(ゆるく)く波を打って、まろやかに揺蕩(たゆた)うと、楽しげに弾(はず)み出し、足早に走り出して、急な坂を登り、滑らかに駆け下りました。続いてバラの「コンクール用小品」。雪山に響く連なりがゆったりと溶け込み、細やかに震える揺らぎを映して、爽やかな憂愁を届けると、若き日の血潮の高鳴りを翳(かざ)して、歯切れ良く刻み、小さく渦を巻いて、鮮やかに着地しました。次はビッチの「間奏曲」。ふわふわと湧き上がる泡立ちの上を、灰色の雲が彷徨(さまよ)い、水底(みなぞこ)から上昇する水泡を解き放つと、降り掛かる影達を振り切って、急ぎ足で道を切り開き、困難と対峙して、剣劇を演じました。前半最後は伊藤康英の「ユーフォニアムとピアノの為の『幻想的変奏曲』」。懐かしき山河を想起させる調べが、潔(いさぎよ)く立ち上がり、穏やかに動き出して、光と影が追い掛け合い、再び速度を落として、伝承の薫りを漂わせ、軽やかに飛翔して、快い咆哮(ほうこう)を上げました。
休憩を挟んで後半はヨハン・セバスチャン・バッハの元はフルートの為に書かれた「パルティータ ニ短調」。切り立った崖に刻まれた細い階梯(かいてい)を上下し、危うい足元に注意を払って、聖なる頂きを目指すアルマンド。粒立ちを弾(はじ)けさせ、花弁(はなびら)をはらはらと散らせて、九十九折(つづらおり)の山道を駆け上がるコレンテ。乾いた悲しみをゆっくりと慰撫(いぶ)し、浮き沈みする心へ安寧を届けて、野を行く旅人を草書で綴るサラバンド。活発なる動作で駆け出し、柔らかな銃弾を打ち込んで、全速で出口を目指すブーレ・オングレーズ。厳格なる紋様を巧みに編み上げました。プログラム最後はスパークの「ユーフォニアム協奏曲 第1番」。軽快に駿馬(しゅんめ)に騎乗して、青空を駆け巡り、細やかな振幅を伴って、遙かなる地平を巡航し、爽快な足取りで、蹄鉄を鳴らすモデラート。悠々と優しさを捧げ持ち、ふんわりと懐旧の情を燻(くゆ)らせて、夏草が戦(そよ)ぐ原野を、微風(そよかぜ)が吹き抜けるレント。足取りを速め、徐々に加速して、最速へと駆け上がり、軽やかに連射して、曲がりくねった軌道を滑走し、宙空へ跳び上がると、まろやかに曲線を描いて、白く長い航跡を残しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてアンコールが2曲。モーツァルトの「トルコ行進曲」が楽しげに、「ピース」が穏やかに奏でられて、賑々しく終演となりました。
普段聞くことの少ないユーフォニアムの独奏が、りゅーとぴあアウトリーチ事業第3期登録アーティストのリサイタルで届けられ、この楽器の魅力を十二分に味わえたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。