新潟交響楽団第100回定期演奏会

2017年10月22日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 新潟交響楽団第100回定期演奏会

運命の歌/ブラームス  
交響曲第2番 ハ短調「復活」/マーラー  

澤江衣里(S)
福原寿美枝(A)
新潟交響楽団
「復活」記念合唱団
箕輪久夫(合唱指揮)
川嶋雄介(バンダ指揮)
伊藤翔(指揮)

新潟大学五十嵐キャンパスを出て、途中で昼食を取り、一旦帰宅してから、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「管弦楽(含むバンダ)、合唱、独唱が三位一体になった渾身の演奏に打たれる」です。
まずはブラームスの「運命の歌」。薄墨(うすずみ)の帷(とばり)が覆(おお)い、透き通る霞が棚引いて、穏やかに時が過ぎると、一転荒れ模様の天気が襲い、闇夜の翳りを纏(まと)って、やがて光差す安寧(あんねい)を取り戻りました。
休憩を挟んで後半は、マーラーの交響曲第2番「復活」。一瞬の羽音から、不器用に身体を起こし、武骨でいかつい鎧で武装し、重々しく歩き出すと、激しい力動を放ち、時化(しけ)の海に荒波を立て、蓮の花咲く野辺に、力尽きて倒れ込む第1楽章。春風駘蕩たる草原に舞い降り、紅の縁取(ふちど)りを添え、黄土色の大地を踏みしめて進む第2楽章。跋扈(ばっこ)する魑魅魍魎(ちみもうりょう)がぬめりながら行き交い、滑稽に跳ねまわって円舞し、黄金色(こがねいろ)の閃光が舞い散って、躓(つまず)きながら消え入る第3楽章。降り注ぐ慈愛の日差しが照らし、柔らかな器で象(かたど)る第4楽章。渦巻く嵐を切り裂き、鮮烈に映して、懸命にもがき、彼方に聳(そび)える木霊(こだま)を聞き、来るべきものを迎える儀式を整えると、耀ける息吹が降臨し、光の依代(よりしろ)を高く掲(かか)げて、祈りを届け、少しく逡巡して、力強く咆哮し、大いなる結末を勝ち取る第4楽章。技を尽くし、持てる力を全て解き放って、感動の炎を燃え上がらせました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしい成果と、演奏者たちの健闘を称えました。
第100回という節目で、このような喜び満ちた演奏を聞けたことに満足して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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新潟大学管弦楽団アンサンブル発表

2017年10月22日(日) 11:15 新潟大学五十嵐キャンパス 教育学部棟204 新潟大学管弦楽団アンサンブル発表

1.木管と弦のためのバルス
  オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン
   秋のメドレー
   天空の城ラピュタメドレー
2.トリオ断酒
  オーボエ、クラリネット、ファゴット   
   トリオのための5つの小品より1,2,5/イベール
3.ダブルリードトリオ
  オーボエ、ファゴット
   ディヴェルティメント No.4より Ⅰ,Ⅳ/モーツァルト
4.アンサンブルおじさん
  チェロ、コントラバス
   チェロとコントラバスのための二重奏曲/ロッシーニ

ゆっくりとした休日の朝を過ごし、身支度をして、新潟大学五十嵐キャンパスへ。開演40分前に到着。
感想は、「‎飾らない、真摯なるアンサンブルを楽しむ」です。
まずはヴァイオリン3本とオーボエ、ファゴットでの演奏から。「秋のメドレー」ということで、「ちいさい秋みつけた」を寂しさを塗(まぶ)してほっこりと、「もみじ」を夕日の赤に温(ぬく)もりを添えて、「虫のこえ」ではコミカルにお道化(どけ)て、締めは「里の秋」でゆったりと郷愁を誘(さそ)いました。2曲目は「天空の城ラピュタメドレー」。切なさを運び、勇ましく鼓舞し、駆け出して戦い、優しく包みました。
次はオーボエ、クラリネット、ファゴットのトリオ・ダンシュの編成でイベールの「トリオのための5つの小品」より1,2,5楽章を抜粋で。軽やかに光り、少し角張って弾(はず)むアレグロ。息長く棚引く3つの筋雲が重なり、乾いた悲しみを映すアンダンティーノ。忙(せわ)しく足踏みし、渦巻く気流を従えて走るフィナーレ。仏蘭西の才気を伝えました。
クラリネットともう一人のオーボエが入れ替わり、モーツァルトの「ディヴェルティメント」より第1、4楽章。爽やかに風を起こし、明朗で溌剌とした息吹を聞かせるアレグロ。足早に進み、麗しき音色(ねいろ)で駆け抜けるロンド。澳地利の粋を奏でました。
最後はロッシーニの「チェロとコントラバスのための二重奏曲」。軽快に飛ばし、柔毛を絡め、急ぐと思えば、ゆとりを持って徘徊し、じゃれ合いながらも、快活に歩みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが嬉々とした調子で届けられ、にぎにぎしく終演となりました。
学園祭の出し物としてのコンサートでしたが、賑やかな周りの雰囲気を感じつつ、誠実で懸命な演奏が聞けたことに満足して、次の会場へと向かいました。

トリオ・ペンナ 第六回演奏会 トリオ・ソナタの愉しみ Ⅵ

2017年10月20日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA トリオ・ペンナ 第六回演奏会 トリオ・ソナタの愉しみ Ⅵ

トリオソナタ ト短調 op.4-2/レグナンツィ
 Adagio~(Allegro)~Adagio~Allegro
トリオソナタ ニ短調 op.2-1/カルダーラ
 Preludio~Alemanda~Corrente~Giga
組曲第3番 ハ短調/レイエ
 Allemande~Corrente~Sarabande~Aria~Menuet~Giga
トリオソナタ ト短調 op.2-5/ 〃
 Vivace~Allegro~Largo~Allegro
2つのヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 Op.3-4/ルクレール
 Allegro assai~Aria gratioso~Giga
シャコンヌ ホ短調 BuxWV 160(オルガンのための)/ブクステフーデ
トリオソナタ ニ長調 FaWV N:D4/ファッシュ
 Andante~Allegro~Affettuoso~Allegro

トリオ・ペンナ
 廣川抄子、佐々木友子(Vn)
 笠原恒則(Cemb)

仕事を終え、新潟市民芸術文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「妙なる弦と精妙なるチェンバロの奏でに酔う」です。
まずはレグナンツィの「トリオソナタ」。ゆったりと艶(つや)やかに引き伸ばされ、ふんわりと香り、ちょっとだけ急いで、ふっと緩め、ときめきを揺らしました。続いてカルダーラの「トリオソナタ」では、光を放ち、悲しみを照らしすプレリューディオ。陽炎(かげろう)が揺らぎ、急ぎ足で行き過ぎるアレマンダ。柔らかに刻むコレンテ。跳ねるように舞うジーガ。生きいきとした鼓動を伝えました。次はチェンバロの独奏でレイエの「組曲第3番」。甘やかに煌めきを綴り、爽やかな時雨(しぐれ)を降らせ、優しく銀糸(ぎんし)を編んで、細やかな網目を張り、穏やかに歌い、足早に連射して、宙空を滑走しました。前半最後は同じ作曲家の「トリオ・ソナタ」。古風な装いで愉しげに響きを交わすヴィヴァーチェ。まろやかに翳りを宿すアレグロ。夏の木陰の涼しさを誘(さそ)うラルゴ。ひらひらと薄衣(うすぎぬ)を羽搏(はばた)かせ、絶妙の間合いで切り結ぶフィナーレ。快い喜びを解き放ちました。
休憩を挟んで後半はルクレールの「2つのヴァイオリンのためのソナタ」から。ひんやりとした肌触りを、暖かい羽毛で包み、水飛沫(みずしぶき)を上げるアレグロ・アッサイ。ゆるりとした秋の午後の日差しの温もりを伝えるアリア・グラツィオーソ。耀きを放ち、とろりとした波立ちを誘(さそ)うジーガ。芳醇な音色(ねいろ)で聴衆を魅了しました。続いてヴァイオリン、ヴィオラとチェンバロによるブクステフーデの「シャコンヌ」。愁いの表情で話し始め、栗色の衣装を纏(まと)って、次第に燃え上がり、アツい想いで駆け抜けました。プログラム最後はファッシュの「トリオ・ソナタ」。眩しい陽光で記(しる)し、張りのある糸を巡らせるアンダンテ。輝きを瞬(またた)かせ、忙(せわ)しげに階段を駆け上がるアレグロ。悲しみに裏打ちされた微睡(まどろみ)を映すアフェットゥオーソ。スイスイと遊泳し、ジャブジャブと掻きまわして、明るさを振りまくフィナーレ。軽やかに飛び立って、快晴の空に航跡を残しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはポルポラの「トリオ・ソナタ」から第1楽章。湿り気を帯びた美しさで飾り、しっとりとした終演となりました。
様々なトリオ・ソナタを追求するこのシリーズは、未知なる名曲との邂逅を齎(もたら)し、音楽の新たなる魅力を伝えてくれる貴重な機会であり、素晴らしい演奏でそれを実現して頂けることに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

西新潟中央病院ロビーコンサート(第87回)

2017年10月18日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第87回)

ホール・ニュー・ワールド/メンケン
川の流れのように/見岳章
リベルタンゴ/ピアソラ
愛の挨拶/エルガー
タイスの瞑想曲/マスネ
情熱大陸/葉加瀬太郎

石本多加子(Vn)
斉藤晴海(Pf)

ゆったりとした休日の午前を過ごし、昼食を取り、日曜日の予習をしてから、西新潟中央病院へ。開演10分前に到着。
感想は、「溌剌とした音楽の発現を楽しむ」です。
まずはディズニーの"アラジン"から「ホール・ニュー・ワールド」。煌めきが弾(はじ)け、まろやかなうねりが絡み合って、優しい歌を奏でました。続いて美空ひばりの「川の流れのように」。落ち着いた装いで、まったりと豊かな実りを映し、じんわりと胸に迫りました。次はピアソラの「リベルタンゴ」。打ち寄せる波頭が渦巻き、愁いに勢いを乗せて、アツく舞い踊りました。ここでクラシックから2曲。エルガーの「愛の挨拶」が、甘やかに揺らぎ、快く蕩(とろ)けました。さらにマスネの「タイスの瞑想曲」になると、清らかに綴り、ふんわりと味を付けて、聴衆を魅了しました。プログラム最後は葉加瀬太郎の「情熱大陸」。清冽に立ち上がり、力強く攻め上がり、潔く風を切って、グイグイ飛ばしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしいパフォーマンスを讃えました。
息の合った演奏が、入院患者さんや他の聴衆を楽しませ、気分のひとときを過ごせたことに安堵して、帰りのハンドルを握りました。

田中弦楽アンサンブル第23回演奏会

2017年10月14日(土) 18:00 だいしホール 田中弦楽アンサンブル第23回演奏会

弦楽四重奏曲 第4番 ハ長調 K.157/モーツァルト
 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 アンダンテ
 第3楽章 プレスト
  田中久生、松村牧子(Vn)
  田中多惠(Va)
  安倍信之介(Vc)
弦楽三重奏曲ニ長調 Op.8 「セレナード」/ベートーヴェン
 行進曲 アレグロ
 第1楽章 アダージョ
 第2楽章 メヌエット、アレグレット
 第3楽章 アダージョースケルツォ、アレグロ・モルト
 第4楽章 アレグレット・アラ・ポラッカ
 第5楽章 アンダンテ・クアジ・アレグレット
 行進曲 アレグロ
  田中久生(Vn)
  田中多惠(Va)
  安倍信之介(Vc)
弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 Op.18/ブラームス
 第1楽章 アレグロ、マ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アンダンテ、マ・モデラート
 第3楽章 スケルツォ、アレグロ・モルト
 第4楽章 ロンド、ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ
  田中久生、松村牧子(Vn)
  田中多惠、竹内由木子(Va)
  安倍信之介、阿部佐和子(Vc)

音楽文化会館を出て、コンチェルトさんへ寄り、CDとチケットを買って、だいしホールへ。開演30分前に到着。
感想は、「むせ返るような弦楽の豊穣に酔いしれる」です。
まずはモーツァルトの「弦楽四重奏曲 第4番」。明るく、軽やかで、爽やかに流れ、しかも強靭な筋肉を垣間見せるアレグロ。悲しみを内包した甘やかさで綴るアンダンテ。翳りを帯びながらも、生きいきと快活に弾むプレスト。天賦の才で書かれた筆致を見事に再現しました。続いてベートーヴェンの「弦楽三重奏曲『セレナード』」。軽快で、ちょっと忙しげに「行進曲」を刻むと、ゆるりと動き出し、三本の糸が絡み合い、耀きを見せる第1楽章。弾(はず)むように奏で、端正に筆を進める第2楽章。濃く影を宿し、絞る様に刻む第3楽章。しっかりと鮮やかに描き、鋭い棘(とげ)で威嚇する第4楽章。長閑(のどか)で素直な爽やかさを薫らせる第5楽章。速足で、歩数を稼ぐ「行進曲」。見事な至芸で締め括り、トリオの妙を見せました。
休憩を挟んで後半は、ブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番」。暖かで豊かな奔流が溢れ出し、時に音数を絞って、涼やかに抜け出し、再び芳醇な薫りで満たすアレグロ。甘やかな愁いで癒し、深く低く漕ぎ出し、清涼な風を吹かせて、幾重にも雲海を重ねるアンダンテ。秋の日の晴れやかさを描き、枯葉舞うさざめきを映すスケルツォ。白光(びゃっこう)と栗色の奏でが対比され、潤いが満ち満ちて、充実の響きで駆け抜けるロンド。分厚く、しかも肥沃な響きの塊りが、入り乱れ、追いかけ合い、濃厚に混ざり合って、快い体感を齎(もたら)しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしい成果を大いに讃えました。
このようなハイレベルのコンサートが営々と続けられ、新潟の音楽文化向上を支えていることに感動して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。