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新潟イタリア協会オープンセミナー サロンコンサート ~PLAZA VOCE の愉しみ~

2019年10月18日(金) 18:30 ホテルイタリア軒地下1階「PLAZA VOCE」 新潟イタリア協会オープンセミナー サロンコンサート ~PLAZA VOCE の愉しみ~

私の太陽/カプア
オペラ「ジャンニ・スキッキ」より"私のお父さん"/プッチーニ
まことの安らぎはこの世にはなく/ヴィヴァルディ
オペラ「リゴレット」より"慕わしき方のお名前は"/ヴェルディ
オペラ「ロミオとジュリエット」より"夢に生きたい"/グノー
モンタギュー家とキャピュレット家/プロコフィエフ
映画「ロミオとジュリエット」より"愛のテーマ"/ロータ
アナカプリの丘/ドビュッシー
踊り/ロッシーニ
映画「ニューシネマパラダイス」より"もし"/モリコーネ
エステ荘の噴水/リスト
オペラ「トスカ」より"歌に生き恋に生き"/プッチーニ

山下尚子(S)
ルトゥルミー・谷口玲理(Pf)

仕事を終え、車を駐車場へ入れて、イタリア軒へ。開演10分前に到着。
感想は「イタリア各地を巡る旅の途上でその地に関連する曲を聞く趣向を楽しむ」です。
まずは「私の太陽(オー・ソレ・ミヨ)」から。爽やかな陽光が降り注ぐ広場を闊歩し、楽しげに振る舞って、長き旗を翻(ひるがえ)しました。
続いてプッチーニの「オペラ『ジャンニ・スキッキ』」より「私のお父さん」。ゆっくりと甘やかに暖かさを醸し出し、明るき哀しみを語りました。
次はヴィヴァルディの「まことの安らぎはこの世にはなく」。教会に響く聖なる祈りがしめやかに綴られ、薄き翳りが忍び寄って、艶めきで彩りました。
4曲目はヴェルディの「オペラ『リゴレット』」より「慕わしき方のお名前は」。夢見るように憧れを歌い、喜びを噛み締めて、可愛い足取りで舞い踊りました。
ここからは「ロミオとジュリエット」のコーナー。まずはグノーのオペラから「夢に生きたい」。賑やかに囃し、楽しげに弾(はず)んで、一旦は影へと沈むも、嬉しそうに燥(はしゃぎ)ました。
続くはピアノのソロでプロコフィエフの「モンタギュー家とキャピュレット家」。重き足取りで入場し、ごつごつとした鋭利さを放って、闘いの準備を済ませると、寂しそうに呟き、光る水滴を纏(まと)って耀き、若き英雄を迎え入れ、対決の場へと臨(のぞ)みました。
次は「映画『ロミオとジュリエット』」より「愛のテーマ」。うっとりと雰囲気に酔い、優しく氷の欠片(かけら)を舞い散らせて、切なさを歌い上げました。
再び鍵盤の独奏で、ドビュッシーの「アナカプリの丘」。ゆっくりと細やかに水を跳ね、重く深く沈み込んで、快い鼓動を伝えました。
さらにロッシーニの「踊り」では、忙(せわ)しげに追い立て、早口でまくし立てて、華麗にステップを踏んで、勇敢な闘牛士を迎えました。
続いて「映画『ニューシネマパラダイス』」の音楽にイタリア語の歌詞を付けた「もし」。薄明かりにつつまれた朝の窓辺に、淡き夢見心地の微睡(まどろ)みが醸し出され、甘やかに細き糸を紡ぎました。
次なるはピアノが奏でるリストの「エステ荘の噴水」。淀みなく溢れ出す湧き水の流れが潤いで満たし、きらきらと光を反射して、水玉が弾(はじ)け、波立ちが同心円を描いて広がり、変わりゆく水の戯れを映しました。
プログラム最後はプッチーニの「オペラ『トスカ』」より「歌に生き恋に生き」。立ち上るか細き光が、悲しみを宿し、やがて大きく膨らんで、ゆっくりと明るさを取り戻し、喜びを語るも、押し寄せる辛(つら)さに押し潰されて、胸に抱え込んだ切なき想いを懸命に訴えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「君と旅立とう」。伸びやかに美しく憧れを奏でて、賑々しく終演となりました。
イタリアの各地をスライドで紹介し、その地にまつわる曲目を届けて、彼の地をグッと身近に感じさせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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ワンコインご縁コンサート ランチタイムコンサート 「ヴァイオリンとマリンバ」

2019年10月17日(木) 11:15 新潟市北区文化会館ホール ワンコインご縁コンサート ランチタイムコンサート 「ヴァイオリンとマリンバ」

愛の挨拶/エルガー
チェントーネ・ディ・ソナタ Ⅰ/パガニーニ
リズム・ソング/スマドベッグ
小さい秋見つけた/中田喜直
月の沙漠/佐々木すぐる
涙そうそう/BEGIN
「トゥクマンの歌」より/ヒナステラ
 Ⅲ.Vida,Vidita,Vidala
「ブエノスアイレス組曲」より/プホール
 Ⅰ.Pompeya
「タンゴの歴史」より/ピアソラ
 Ⅰ.Bordel 1900
チャルダッシュ/モンティ

佐々木友子(Vn)
倉澤桃子(Marmb)

朝食を済ませ、身支度をして、バイパスを一路北区文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は「親しみのある曲と新しい音楽との組み合わせが造り出す楽しい時間を味わう」です。
まずはエルガーの「愛の挨拶」から。柔らかく包み込む泡立ちに乗せて、艶やかな曲線が美しく流れ、鮮やかに冒頭を飾りました。
続いてパガニーニの「チェントーネ・ディ・ソナタ Ⅰ」。重厚に運命(さだめ)を刻み、哀しみの彩りを綴って、忍び寄る影を背に、細やかに弾(はず)み、たっぷりと歌って、結末へと駆け抜ける第1楽章。優雅で滑らかに滑走し、柔らかく刻んで、楽しげに舟を漕ぐ第2楽章。凄技に喜びを載せて、愛の鼓動を伝えました。
次はマリンバのソロでスマドベッグの「リズム・ソング」。ゆっくりと寄せる波が、微睡(まどろ)みを誘(いざな)い、響きの帷(とばり)が辺りを包み込んで、緩やかに揺らぎを生み出し、降り注ぐ淡雪で飾りました。
ここからは日本の曲を3つ。寂しさを艶めきに変えて、暖炉に燃える炎で彩る「小さい秋見つけた」。煌々と輝く光の線を紡ぎ、切なく足取りを進めて、悲しみの階段を登る「月の沙漠」。優しく懐かしい調べが、明るい陽光に映え、募る思いを切々と語る「涙そうそう」。親しみのある旋律で、聴衆の心を掴みました。
さらに南半球からの音楽を3曲。最初はヴァイオリンと大太鼓で、ヒナステラの「トゥクマンの歌」より「Vida,Vidita,Vidala」。しっかりと大地を踏み締め、薄明かりの中を静々と歩み、神聖な儀式のように、玉串(たまぐし)を捧げました。
続いてプホールの「ブエノスアイレス組曲」より「Pompeya」。光を宿す哀しみの覆(おお)いを纏(まと)い、勢い良く蛇行して、ゆっくりと線画を描き、足取りを速めて、彼方へと走り去りました。
次はピアソラの「タンゴの歴史」より「Bordel 1900」。調子よく掛け合い、鮮やかにステップを踏んで、愁いの表情で踊り、軽やかに弾(はず)んで、麝香(じゃこう)の香りを届けました。
ちょっと雰囲気を変えて、聴衆参加のコーナーが設けられ、「幸せなら手をたたこう」に合わせて、”手をたたき”、”足を鳴らし”、”肩をたたいて”、”指を鳴らす”をメロディに合わせて、一斉に行って、一体感を醸成しました。
そしてプログラム最後はモンティの「チャルダッシュ」。嫋々(じょうじょう)と放浪の民の哀しみを奏で、切なさを込めて歌い、大上段に弓を振り下ろすと、一転足早に駆け出し、技の切れを披露し、冴え渡る煌めきで耳目(じもく)を集めて、軽快に飛ばしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはモーツァルトの「トルコ行進曲」。光と影を交差させ、楽しげに弾(はず)んで、賑々しく終演となりました。
ランチタイムの一時(ひととき)を親しみのある曲達に、新しい驚きを加味して、聴衆を楽しませて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に就きました。

藤元高輝 ギターリサイタル

2019年10月16日(水) 19:00 ギャラリー蔵織 藤元高輝 ギターリサイタル

魔笛の主題による変奏曲/ソル
「プレリュード、フーガとアレグロ」よりプレリュード/J.S.バッハ
タンゴ/アルベニス
ゴヤのマハ/グラナドス
悪魔の奇想曲/テデスコ
美と狐・藤元高輝
「12のうた」より/武満徹
 ロンドンデリーのうた
 オーバー・ザ・レインボー
フォリオス/ 〃
幻想曲第7番Op.30/ソル
グラン・ホタ/タレガ

藤元高輝(Gt)

仕事を終え、ギャラリー蔵織へ。開演30前に到着。
感想は「溢れ出るアツい音楽とそれをがっちりと支える超絶技巧にたっぷりと酔いしれる」です。
まずはソルの「魔笛の主題による変奏曲」から。忍び寄る夜の帷(とばり)を切り開いて、明るく軽やかに、無邪気で快い鼓動が弾(はず)み出し、細やかに刻み、さらに速度を増すと、穏やかに舞い降り、ゆっくりと影を纏(まと)って、しめやかに沈み込みました。一転爽やかな陽光が差し込み、ぱらぱらと小雨(こさめ)が降り注んで、豊かに響き合い、軽々と駆け抜けて、勢い良く弾(はじ)けました。
続いてバッハの「プレリュード」。乾いた悲しみが光を受けて、細やかに紡がれ、時の糸車をカタカタと回して、光の帆布を精巧に編み上げました。
次はアルベニスの「タンゴ」。甘く、何処か懐かしい調べが、降り注ぐ日の光を受けて、潮風に吹かれ、ゆったりと踊り出しました。
4曲目はグラナドスの「ゴヤのマハ」。ゆっくりと愁いを奏で、胸の痛みを懸命に堪(こら)え、光と影を強く弱く対比させて、甘やかな苦悩をさらりと描きました。
さらにテデスコの「悪魔の奇想曲」では、暗く燃える炎が一瞬の耀きを発し、甘く切ない歌が地中海の風を受けて、速く繊細に織り上げられ、さらに速度を上げて畳み込み、晴れやかに跳ね飛んで、切なく羽根を休め、美しくはらはらと花片(はなびら)を散らして、アツく目覚ましい早業で、勢い良く駆け抜けました。
前半最後は自作の「美と狐」。都会の喧噪を激しく断ち切り、細かくも大胆に揺れ、明暗をくるくると変化させ、色彩の位相を目まぐるしく遷移して、硬く柔らかく粘度を変え、速く遅く身をくねらせて、骨を削り、捕まえたつもりがするりと逃げ出して、暗黒大陸の自鳴琴を模しました。
休憩を挟んで後半は武満徹の「12のうた」より2曲。たっぷりと切なさを湛(たた)え、心に沁みる清冽さで魂を揺さぶる「ロンドンデリーのうた」。遥かなる憧れを想い、過ぎ去りし幸せをじっくりと噛み締めて、大らかに波打つ心の揺れを味わう「オーバー・ザ・レインボウ」。親しみのある旋律を鮮やかに飾り付けて、安らぎと快い味わいを届けました。
続いて同じ作曲家の「フォリオス」。深海に揺らめく海月(くらげ)が薄い影を残し、不規則に蛇行する第1曲。速歩(はやあし)で小刻みに遊歩し、不穏な翳りを張り巡らす第2曲。灰色の熱情を燃やし、一転醒めた顔付きで健やかに語る第3曲。白く透明で薄い膜に包まれた印象的な世界を届けました。
次はソルの「第7幻想曲」。灯りを落とした部屋で呟き、扉を開けて光溢れる居間へと抜け出して、哀しさを宿して弾(はず)み、柔らかく、切なく語り、素早く精巧に刻んで、壁際へ追い詰め、ゆるりと明るく希望を奏で、速い海流に乗って、暖かく波を受け、ウキウキと跳ね飛び、歯切れ良く区切りを入れて、力強く悲しみを振り切りました。
プログラム最後はタレガの「グラン・ホタ」。哀しみを囁き、熱情を込めて走り出し、明るさを取り戻して、多彩の音色(ねいろ)の絵の具を塗り分け、アツく、血気盛んに舞い踊りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが4曲。ヴィラ=ロボスの「ギター協奏曲」のカデンツァが華やかに、「タンゴ・アン・スカイ」がカッコよく爽快に、ヴィラ=ロボスの「ショーロス」を明るくも切なく、タレガの曲を軽やかに奏でて、賑々しく終演となりました。
世界的に活躍する素晴らしいギタリストを、親密な空間で間近に体感できたことに、大きな感動を頂いて、快い気分で家路を急ぎました。

ハルビン交響楽団演奏会

2019年10月9日(水) 18:30 新潟県民会館 ハルビン交響楽団演奏会

フィガロの結婚序曲 K492/モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35/チャイコフスキー
 第一楽章 アレグロ・モデラート~モデラート・アッサイ ニ長調
 第二楽章 カンツォネッタ・アンダンテ ト短調
 第三楽章 アレグロ・ヴィヴァーチシモ ニ長調
交響曲第9番Op.95「新世界より」/ドヴォルザーク
 第一楽章 アダージョ~アレグロ・モルト ホ短調
 第二楽章 ラルゴ 変ニ長調
 第三楽章 モルト・ヴィヴァーチェ ホ短調
 第四楽章 アレグロ・コン・フッコ ホ短調


楊暁宇(Vn)
ハルビン交響楽団
湯沐海(指揮)

りゅーとぴあを後にして、昼食を摂り、一旦帰宅して、少し休憩をしてから、ブログをアップし、所用を足して、県民会館へ。開演30分前に到着。
感想は「対岸の友好都市より来たりし楽団の真摯なる演奏に胸を熱くする」です。
まずはモーツァルトの「フィガロの結婚序曲」から。晴れやかな喜びが溢れ出し、快活に弾(はず)んで、入道雲を膨らませ、楽しげに走り去りました。
続いてソリストが登場し、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。陽光に照らされた愁いが流れ出し、甘やかで人懐こい調べが絡まり合って、長く引き延ばし、じっくりと味わうと、足早に駆け出し、柔らかく刻んで、忙(せわ)しく影を追い立て、豪奢(ごうしゃ)に盛り立てると、哀しみの覆(おお)いを被(かぶ)せ、密やかな囲いの中で、秘めやかに黄金の糸を紡ぎ、強き縄へと編み上げて、雄々しく難関を潜り抜ける第一楽章。暗く鬱蒼とした森の奥にぽっかりと点(とも)る灯(あか)りが揺らめいて、悲しみの吐息を長く伸ばし、ゆっくりと揺蕩(たゆた)うと、冬の日の木漏れ日を受け、春の日差しを浴びて、明るさを取り戻し、柔らかに温もりを綴る第二楽章。突然の嵐が襲い、困難と格闘して、剣(つるぎ)を交え、揺るぎなく駆け抜けると、凍土の平原にすっくと立って、逃げる影を追い込み、遥かなる地平線を仰ぎ見て、哀愁の香りを匂い立たせ、細く強い絹糸と厚く太い布地を対比させて、襲いかかる恐怖と真っ向から対峙し、誇らしげに勝利を掲げる第三楽章。繊細で時に力強い独奏と薄く厚くその形を自在に変化させる管弦楽が、美しい協奏を合い成して、見事なる響きの構築物を打ち立てました。
会場からは大きな拍手が贈られ、ソリストアンコールが披露されて、熱狂を沈めました。
休憩を挟んで後半はドヴォルザークの「交響曲第9番『新世界より』」。霞み立つ憂愁がゆっくりと揺れ、谷間に差し込む日差しが辺りを照らして、香り立つ息吹が翳りを運ぶと、重き雷(いかづち)が地平を揺らし、逞(たくま)しき身体(からだ)を奮い立たせて、勇猛に突き進んだ後(のち)、懐かしき想いが胸を過(よ)ぎり、一時(ひととき)の安らぎを求めるも、降り掛かる苦難を振り払い、懸命に駆け抜けるアダージョ~アレグロ・モルト。水平線に沈む夕陽が最後の耀きを放ち、郷愁の夕べに思い出を顧(かえり)み、ゆらゆらと波打つ感情が深く染み入って、思わず涙腺を緩めると、寂しさが忍びより、哀切の情を刺激して、濃厚な寂寥に昇華し、呆然と佇む瞬間を過ごすも、爽やかに囀る鳥たちに、目を覚まされ、差し込む陽光に活力を得て、過ぎ去りし日々を回想し、穏やかに羽根を休めるラルゴ。鳴り渡る警鐘が耳を劈(つんざ)き、吹き上がる蒸気が快い鼓動を刻んで、追い掛ける触手が幾重にも絡み付き、太き枝を巻き込んで、勢い良く破裂すると、素朴ながら優雅に円舞し、細やかに糸を巻き取って、再び混乱の巷(ちまた)へ急ぎ足で立ち向かうモルト・ヴィヴァーチェ。動輪を力動させ、重い車体を徐々に加速させて、喜びの号砲を上げ、一心不乱に前進して、力の限りを尽くすと、やがて失速し、一敗地に塗(まみ)れるも、優しいも心強い仲間が寄り添い、暖かい介助を預(さず)け、再起を手助けして、さりげなく立ち去った後(のち)、漲(みなぎ)る活力を取り戻し、立ちはだかる壁を打ち破り、曲がりくねった隘路(あいろ)を擦り抜けて、安らぎの満ちる地へと到達し、輝かしき勝利を存分に味わうアレグロ・コン・フッコ。力を結集し、高みを目指して、誇らしく頂きを制しました。
聴衆は割れんばかりの歓声を上げ、指揮者と楽団を賞賛すると、それに応えてのアンコールが2曲。小山清茂の「管弦楽のための木挽歌」から「盆踊り」と「フィナーレ」を賑やかに。Ru Yuanの「Train Toccata」を力強く豪快に奏でて、賑々しく終演となりました。
友好都市である哈爾浜市の交響楽団が、ここ新潟で素晴らしい演奏を披露して頂けたことに感謝し、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

りゅーとぴあ1コイン・コンサート vol.104 「正確無比な技巧“ヴァイオリン”」

2019年10月9日(水) 11:30 新潟市民芸術文化会館コンサートホール りゅーとぴあ1コイン・コンサート vol.104 「正確無比な技巧“ヴァイオリン”」

なつかしい土地の思い出 Op.42より /チャイコフスキー
 Ⅲ.メロディ
ヴァイオリン・ソナタ 第21番 ホ短調 K.304/モーツァルト
 Ⅰ.アレグロ
 Ⅱ.テンポ・ディ・メヌエット
ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108より/ブラームス
 Ⅰ.アレグロ
美しきロスマリン/クライスラー
 Ⅰ.アレグロ
ルーマニア民俗舞曲/バルトーク
ツィガーヌ/ラヴェル:

中村太地(Vn)
佐藤卓史(Pf)

朝食を済ませ、所用を足してから、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は「美しく雄弁なヴァイオリンとさりげなくも巧みにそれを支え、時に挑発するピアノを楽しむ」です。
まずはチャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」から「メロディ」。濃厚でまろやかな憂いを醸し出し、明るい秋色で染め上げて、艶めきで彩り、伸びやかに郷愁を誘(さそ)いました。
続いてモーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ 第21番」。甘やかな哀しみを紡ぎ、微かな灯(あか)りを点(とも)して、晴れやかに弾(はず)み、心の奥底を覗き込んで、軽やかに釘を打ち込み、冷たい水滴を飛び散らせて、一心に駆け抜けるアレグロ。穏やかに流れる悲しみの大河の上を、悠々と旋回する大鷲が流線型の航跡を残し、想いを込めて、艶やかな絹糸を長く引き、陰影を深く刻んで、ゆっくりと地表へ降下するテンポ・ディ・メヌエット。類(たぐ)い希(まれ)なる美しさで聴衆を魅了しました。
次はブラームスの「ヴァイオリン・ソナタ 第3番」からアレグロ。忍び寄る晩秋の寒さを伝え、枯葉色の叙情を奏でて、僅かな光の色を残し、噎(む)せ返るような青春の残り香を匂い立たせて、長々と葡萄色の縄を綯(な)い、一瞬の一撃を受けて、力の限りに格闘し、急(せ)き込むように駆け出して、思慮深く黙考し、穏やかに羽根を畳みました。
ここで気分を変えて、クライスラーの「美しきロスマリン」。小粋で軽快に円舞し、優雅に微笑んで、爪先(つまさき)でくるりと回り、にこやかに踊りました。
かわっての登場はバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」。収穫の喜びが濃厚に薫る「棒踊り」。豊かに実る稲穂の輝きを柔らかに刻む「帯踊り」。微弱な光を静かに響かせ、消え入るような耀きを放つ「踏み踊り」。赤茶けた初秋の愁いを奏で、弱々しく蹌踉(よろ)めいて、次第に熱を帯びる「角笛の踊り」。力強く足踏みし、速い足取りで、快調に飛ばす「ルーマニア風ポルカ」。鄙(ひな)びた田園を、高速で走る警笛が鳴り響き、辺りを巻き込んで、アツく激走する「速い踊り」。ちょっと癖(くせ)があり、どこか懐かしい調べ達を見事な腕前で、カッコよく届けました。
プログラム最後はラヴェルの「ツィガーヌ」。大上段に切り込み、幾度となく刃先を上下させると、旨酒(うまざけ)を濃厚に練り込んで、薫り高く発酵させ、分厚く引き伸ばすと、細やかに水面(みなも)が波立ち、光の帯びが長く尾を引いて、稲妻が斜行し、烈風が吹き荒れて、激しく重く圧(の)し掛かり、放浪の民の哀愁を映して、鮮烈に剣(つるぎ)を交わしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」。情感たっぷりに憂愁を奏で、目にも止まらぬ早業(はやわざ)で仕上げて、賑々しく終演となりました。
素晴らしいヴァイオリンと大きな包容力でしっかりと支えるピアノの凄技の応酬をワイコイン(500円)で楽しめたことに大いに感謝して、喜ばしい気分で帰路に就きました。