Ikiatari Battari na Live 2nd season June version

2018年6月20日(水) 13:30 コンチェルト Ikiatari Battari na Live 2nd season June version

第1部
 家族になろうよ/福山雅治
 ブルーム/蔦谷好位置
 ウェーブ/CARLOS
 これが恋かしら/ホフマン
 夢はひそかに/ 〃
 見上げてごらん夜の星を/いずみたく
 星に願いを/ハーライン
第2部
 HOME/アンジェラ・アキ
 ムーンリバー/マンシーニ
 煙が目に沁みる/Kern,Harback
 ミスターサンドマン/Ballard
 ベンのテーマ/シャーフ
 二人でお茶を/ユーマンス
 夢の途中/来生たかお
 三丁目の夕日/佐藤直紀
 カントリーロード/デンヴァー

川崎祥子(電子ピアノ)

ゆっくりとした休日の朝を過ごし、所用を足して、昼食を摂り、少し休憩してから、コンチェルトさんへ。開演30分前に到着。
感想は、「和やかな雰囲気で聞く電子ピアノに安らぎを頂く」です。
まずは福山雅治の「家族になろうよ」から。ゆったりと優しく、暖かな潮(うしお)が満ちました。続いてSuperflyの「ブルーム」。花びらが舞い散り、喜びが駆け抜けました。次はボサノヴァで「ウェーブ」。軽やかな涼しさを運んで、水飛沫(みずしぶき)を上げました。続けて映画「シンデレラ」から2曲。小川のせせらぎを、穏やかに伝える「これが恋かしら」。氷砂糖の甘さで、豊かに奏でる「夢はひそかに」。柔らかな響きで、辺りを包みました。さらに坂本九の「見上げてごらん夜の星を」。さざめく瞬(またた)きを届け、グラスに浮かぶ氷を溶かしました。第1部最後は「星に願いを」。懐かしさを誘(さそ)い、可愛ゆく弾(はず)んで、優雅に円舞しました。
休憩を挟んで第2部はアンジェラ・アキの「HOME」。ちょっぴりの淋しさをブレンドして、望郷の想いを呼びかけました。続いて棚にある商品のCDをひょいと摘(つま)み、そこに記載された曲順に演奏する離れ技を披露する趣向。シンプルにゴージャスな「ムーンリバー」。切なさを氷塊(ひょうかい)に乗せて差し出す「煙が目に沁みる」。明るく細やかに浮き立つ「ミスターサンドマン」。穏やかに愛を歌う「ベンのテーマ」。小粋にスキップする「二人でお茶を」。そして甘酸っぱさをトッピングした清らかさで胸に沁みる調べを届ける「夢の途中」。畳みかけるように、欠片(かけら)を繋(つな)いで、愉しさを取り揃えました。さらに映画「三丁目の夕日」のテーマ。あの頃の温もりで、ゆったりと癒しました。プログラム最後は「カントリーロード」。テンポ良く飛ばし、草原や畑を快適に歩きました。
会場からは大きな拍手が送られ、親しみと安らぎを届けてくれたピアニストを讃えました。
昼下がりのまったりとしたひとときを、快い音楽で持て成して頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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長岡交響楽団第59回定期演奏会

2018年6月17日(日) 14:00 長岡リリックホールコンサートホール 長岡交響楽団第59回定期演奏会

バレエ音楽「眠りの森の美女」作品66より/チャイコフスキー
 序奏
 ワルツ
 パ・ダクション
 第1幕の終曲
 パノラマ
 長靴をはいた猫
 終曲 アポテオーズ
交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」/ 〃
 第1楽章 アダージョ-アレグロ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アレグロ・コン・グラツィア
 第3楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 アダージョ・ラメントーソ

長岡交響楽団
横島勝人(指揮)

10km走って、昼食を摂り、少し休憩してから、高速を一路長岡へ。開演15分前に到着。
感想は、「渾身のチャイコフスキー・プログラムに心から感動する」です。
まずは「眠りの森の美女」から。若々しく躍動し、切れ味良く炸裂する「序奏」。豊かに湧き出し、優雅に円舞して、颯爽と滑走する「ワルツ」。霞(かずみ)立つ揺らぎが漂い、滔々(とうとう)と大河が溢れ出す「パ・ダクション」。並々と潮(うしお)が満ち満ち、ゆっくりと美しく歌い、押し寄せる波濤(はとう)が勢いを持って追い詰める「第1幕の終曲」。穏やかに漣(さざなみ)が寄り添い、まろやかに流れ、優しく波打つ「パノラマ」。忍び足で近づき、細い枝が集まって、上へ伸び上がり、軽快に飛び跳ねる「長靴をはいた猫」。華やかに光を振りまいて、堂々と入場し、大らかに響きを拡げる「終曲 アポテオーズ」。華麗で艶やかな舞踏を彩る調べを、鮮やかに描き出しました。
休憩を挟んで後半は「交響曲第6番『悲愴』」。静寂が支配する拡がりの中を、うねりながら地を這う影法師。徐々に動き出す欠片(かけら)が、やがて一つになって、大きな濁流へと生まれ変わり、互い違いに交差して、光の位相を次々に変え、速度を落として、優しく慰(なぐさ)めると、一転嵐を呼び、急(せ)き込むように雄叫びを上げ、混沌が渦巻いて、全てを遠くへと流し去った後、柔らかに暖かみを奏で、ポッと灯りを点(とも)して、第1楽章を締め括(くく)りました。続く第2楽章では、雅(みやび)やかで、不規則な足取りで踊り、丸みを帯びた喜びを映して、明るさを装うと、刻々と憂鬱の置石を積み上げ、薄衣(うすぎぬ)の裾を揺らしました。さらに第3楽章になると、ヒラヒラと羽根を羽搏(はばた)かせ、つんのめるように急ぎ足で前進し、厚みを増して膨らみ、爽やかに弾(はじ)け飛んで、溌剌とした鼓動を打ち鳴らし、寂滅(じゃくめつ)への行進を遂行(すいこう)しました。そして第4楽章。寒風が吹き荒(すさ)び、絶望が重く圧(の)し掛かり、暗雲が空を覆って、凍える寒さを運ぶと、一瞬安らぎが訪れ、大らかに包み込むも、奈落へと転げ落ちて、雲散霧消し、再び悲しみが遣って来て、じりじりと唸りを上げ、大きく渦を巻いて頂点へ駆け登り、氷点下の崖の下へ叩き込んで、静かに息を止めました。
会場を覆う静寂の中、指揮者の手がゆっくりと降ろされると、じわじわと拍手が起こり。やがて会場一杯に広がりました。
出演者全員の気迫の籠った入魂の演奏を十二分に堪能出来たことを喜び、遠路遥々高速を飛ばして来た甲斐があったことに感謝して、幸せな気分で帰路に付きました。

新潟チェロカルテット チェロ四重奏の夕べ Ⅱ

2018年6月15日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 新潟チェロカルテット チェロ四重奏の夕べ Ⅱ

即興曲 作品30/クレンゲル
四重奏曲ニ短調/マッツ
 第1楽章 Allegro
 第2楽章 Intermezzo
 第3楽章 Menuetto
 第4楽章 Assai Drammatico
 第5楽章 Finale in modo Rustio
~スクリーンミュージック メドレー~
太陽がいっぱい/ロータ
ゴットファザーのテーマ/ 〃
オブリビオン/ピアソラ
ムーンリバー/マンシーニ
ニューシネマパラダイスメドレー/モリコーネ
J.ウイリアムズメドレー/ウイリアムズ
Let it go/ロペス

宇野哲之、片野大輔、渋谷陽子、星野由美(Vc)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「妙なるチェロの響きにうっとりと酔いしれる」です。
まずはクレンゲルの「即興曲」から。明るく暖かな光の帯が、穏やかに立ち上がり、解(ほど)けた糸がやんわりと絡み合って漂い、毅然と前を向いて歩き出すと、婚礼を祝う調べを豊かに奏でました。続いてマッツの「四重奏曲」。くっきりと晩秋の翳りを描き、ゆったりとうねりを重ね、急ぎ足で駆け出して、再び歩を緩めるアレグロ。点々と氷の粒を弾(つぶ)ませ、二重(ふたえ)の筋(すじ)を揺蕩(たゆた)わせて、微かな愁いで染めるインテルメツォ。枯葉色の憂愁で揺れ、互いに追いかけ合いながら、木漏れ日の中を足早に駆け抜けるメヌエット。黒々とした墨痕(ぼっこん)で認(したた)め、緩やかに、たっぷりと絡み合うアッサイ・ドラマティコ。勢いよく走り出し、鮮やかに騎乗して、蹄(ひづめ)の音も軽やかに、きっちりと鞭(むち)を入れて、拍車を掛けるフィナーレ。4本の低弦が、その雄姿を余すところなく披露して、素晴らしい四重奏を演じました。
休憩を挟んで後半は"~スクリーンミュージック メドレー~"。最初はプログラムに無い「20世紀フォックスのオープニングテーマ」で幕を開け、続けてアラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」。甘く切ない香りで誘(さそ)い、蕩(とろ)けるような果汁(かじゅう)で彩って、聴衆を魅了しました。次はマーロン・ブランドやアル・パッチーノが出演した「ゴットファザーのテーマ」。蒸留酒のコクを匂わせて円舞し、つま先立ちで影を重ねました。さらにマルチェロ・マズトロヤンニ主演で日本未公開の「エンリコ四世」から「オブリビオン」。気怠く煙る午後のひとときを映し、淡い哀しみで裏打ちして、ゆっくりと揺らぎました。そしてオードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーで朝食を」から「ムーンリバー」。夜明けの水面(みなも)に朝霧が掛かり、遥かなる憧れを歌って、幾重にも連なる波間に船を漕ぎ出しました。続いてエンリオ・モリコーネの「ニューシネマパラダイスメドレー」。軽やかに喜びを奏で、ゆったりと耀きを模して、光差す郷愁で彩りました。ここで"大作"、「J.ウイリアムズメドレー」。不思議な薫りを漂わせ、現身(うつしみ)を立ち上げる「ハリーポッター」。勇猛果敢に撃ち進む「インディー・ジョーンズ」。緩やかに細く舞い上がる「E・T」。力を込めて前進する「スーパーマン」。切なさを胸に、夕陽を浴び、輝きを放って、大空を行く「スターウォーズ」。夢幻の表象を大らかに描き出しました。プログラム最後はディズニーの「アナと雪の女王」から「Let it go」。真っ赤な唇で呟き、独り言のように願いを綴って、一直線に高みへと駆け上がりました。
会場からは大きな拍手が送られ、それに応えてのアンコールは日本映画から「男はつらいよ」。ほっこりと懐かしさを伝え、ほのぼのとした終演となりました。
低弦の四重奏が織り成す香り高い秀演に心を奪われて過ごすひとときを頂けたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

第77回新潟室内合奏団演奏会

2018年6月9日(土) 18:45 新潟市音楽文化会館 第77回新潟室内合奏団演奏会

交響曲第38番「プラハ」ニ長調 K.504/モーツァルト
 第1楽章:アダージョ-アレグロ
 第2楽章:アンダンテ
 第3楽章:フィナーレ:プレスト
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54/シューマン
 第1楽章:アレグロ・アフェトオーソ
 第2楽章:インテルメッツォ:アンダンティーノ・グラチオーソ
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
交響曲第4番 変ロ長調 Op.60/ベートーヴェン
 第1楽章:アダージョ-アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第4楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

小黒秀星(Pf)
新潟室内合奏団
喜古恵理香(指揮)

仕事を終えて、音楽文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は、「自然体で奏でられる魅惑の調べに酔いしれる」です。
まずはモーツァルト「交響曲第38番『プラハ』」。淡く立ち昇る影が、薄衣(うすぎぬ)を纏(まと)って包み込むと、一転軽やかに駆け出し、しなやかに弾(はず)んで、優雅な光沢で彩る第1楽章。ゆっくりと柔らかに歩を進め、時折差し込む翳りを宿しつつ、豊かなる実りを響かせる第2楽章。疾風に乗って、時を刻み、遥かなる希望に胸を高鳴らせ、快い気流を受けて、一気に駆け抜ける第3楽章。響きの豊穣と内包する喜びを生きいきと解放しました。続いてソリストが登場し、シューマンの「ピアノ協奏曲」。一瞬の耀きの後、切なげな呟きが水嵩(みずかさ)を増し、潮がいっぱいに満ち満ちて、瑞々しさを育(はぐく)むアレグロ。穏やかに、落ち着きを取り戻し、白金(しろがね)の安らぎを伝えるインテルメッツォ。薄っすらと日の出の予兆が見え隠れすると、嬉しさが満開に咲き誇り、まろやかに煌めきを撒き散らして、しっかりと栄光を勝ち取るフィナーレ。独奏と管弦楽が一体となって、素晴らしい協奏を演じました。
鳴り止まぬ拍手に応えてのソリスト・アンコールは「トロイメライ」。美しい音色(ねいろ)で、冷めやらぬ興奮を鎮めました。
休憩を挟んで後半はベートーヴェンの「交響曲第4番」。茫洋(ぼうよう)たる霧が立ち込める中、こっそりと忍び足で近づき、一呼吸置いて、鋭く圧倒すると、切れ味よく陰翳を付け、大きく振幅を拡げて、全力で突っ走る第1楽章。緩やかに温もりを添えて歩き出し、確固とした足取りで、滑らかな光の帯を引き連れて、安らかに揺らぐ第2楽章。沸き立つ気持ちを隠そうともせず、元気よく跳ね廻り、うねりに身を任せて、心に灯りを点す第3楽章。細やかに足並みを揃え、要所要所で楔(くさび)を打ち込んで、軽快に滑空し、生い茂る森の中へ果敢に攻め入る第4楽章。清新なる響きの建造物を力を結集して築き上げ、見事なる仕上がりに仕立て上げました。
会場は喝采で満ち溢れ、それに応えてのアンコールは「悲愴」ソナタの第2楽章(弦楽合奏版)。心に沁みる調べを伝えて、しっとりとした終演となりました。
小規模な編成の強みを生かしたプログラムで、力まず、ナチュラルな秀演を聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

竹心 環太平洋コンサートシリーズ in 新潟

2018年6月7日(木) 18:30 青陵ホール 竹心 環太平洋コンサートシリーズ in 新潟

第一部 箏・三絃(日本)
1.さくら~主題と変奏~/武藤祥圃
2.六段調/八橋検校
3.花想歌三題/武藤祥圃
4.さらし/深草検校
5.初夏の印象/中能島欣一
 武藤祥圃
 樋口千清代
 筝曲松濤會
  武藤岡紫圃、川口岡美咲圃、井上千夏
第二部 尺八・舞踊(米国)
 1.夜明け/古賀将之
 2.アメイジンググレイス/Newton
 3.さくら/古賀将之 編
 4.六段調/八橋検校
 5.赤とんぼ/山田耕筰
  古賀将之
  JMI Performing Group
   John Takeshi Morris,Jordan Simmons,Tim Hamano,Stuart Goodnick
   Jim Behrends, Rick kruse,Brian Kahrs,Anna Zoztek
  小椋蘭香(舞踊)
 6.尺八によるインプロビゼーション1
 7.鹿の遠音/琴古流尺八本曲
8.尺八によるインプロビゼーション2
  古賀将之
第三部 尺八と箏によるインプロビゼーション(即興)
  古賀将之(尺八)
  武藤祥圃(箏)

仕事を終えて、みなとトンネルを抜け、海岸道路を一路青陵ホールへ。開演15分前に到着。
感想は、「箏と尺八が織り成す和の饗宴が、洋の東西を超えて響き合う様に聞き入る」です。
日本勢の箏・三弦による第一部は、箏五面での「さくら~主題と変奏~」から。花びらが舞い散り、枝を揺らす一陣の風が過ぎ、低くうねる波頭が地を這い、錦糸が上を飾って、飛沫(しぶき)を巻き上げました。続いて箏一面で八橋検校の「六段調」。張り詰めた雨粒(あまつぶ)が、ゆっくりと弾(はじ)け、やがて勢いを増して、繊毛(せんもう)を編み上げ、銀の雫(しずく)を迸(ほとばし)らせました。次は箏と歌で「花想歌三題」。足早に春の麗(うら)らかさを愛(め)で、柔らかい響きの帯がまろやかに漂(ただよ)って、茨(いばら)の棘(とげ)を光らせる「つぼすみれ」。ゆっくりと艶(つや)めいて、よろめく吐息で誘(さそ)い、はらはらと舞い落ちる「牡丹」。細やかな波立ちを纏(まと)い、少し物悲しく、行く雲を見送り、淡い余韻を儚(はかな)く揺らす「大和撫子」。長く伸びる歌と、瞬間を切り取る箏が相和(あいわ)して、美しさの極みを作り上げました。さらに箏三面と三絃一棹による深草検校の「さらし」。澱(よど)みなく溢れ出す大河を、競うように照らす光の粒が飛び交い、耀きを乱舞させて、我先に飛沫(しぶき)を上げ、金糸の織物を縫い上げました。第一部最後は箏二面で中能島欣一の「初夏の印象」。ゆったりと穏やかに絡み合い、敷石を間隔を開けて置く上を、煌めきが爆(は)ぜて飾り、高く低く滑空して、ふんわりと包むと、一転鋭く跳ね、細やかに寄り添い、抑えめの華やかさで、速度を上げて駆け抜けました。
休憩を挟んで第二部は米国からの賓客(ひんきゃく)が織り成す尺八の奏で。まずは古賀将之の「夜明け」から。朝霧が立ち込め、陽光が照り映えて、湧き出す雲が幾重にも重なりました。続いて「アメイジンググレイス」。遥かなる峡谷(きょうこく)に鳴り渡る木霊(こだま)が憧れを誘(いざな)い、甘やかな想いで満たしました。次は日本古謡を編曲した「さくら」。霞立(かすみた)つ響きが大らかに揺らぎ、真っ直ぐな息吹に蛇行して並走し、ひらりと降り立って、淡紅色の彩りを綴りました。さらに尺八による「六段調」。吹き過ぎる木枯らしが、やがて巻き上がって、鋭い切っ先となり、灰色の刃(やいば)で交差し、集合離散しました。JMI Groupの最後は「赤とんぼ」。素朴な音色(ねいろ)が、淋しさを沸き立たせ、夕暮れの寂寥をじんわりと滲ませました。
ここで尺八のソロで3曲。一つ目のインプロビゼーションでは、深山の谷間に響く猿声(えんせい)がもの悲しさを惹き立て、湿り気の多い暖かさで子守唄を唄って、長き吊り橋へと足を踏み出し、散り散りに裂けた破片を撒き散らしました。続いて「鹿の遠音」。くっきりと足跡を刻み、掠れの有る筆跡(ひっせき)で認(したた)め、螺旋(らせん)を描いて、彼方へとその身を投げ撃ちました。このパート最後は2度目のインプロビゼーション。広大な草原に立ち、濃淡を際立たせて、流れを制し、哀しみを滲ませて、穏やかに佇(たたず)みました。
そして間を開けずに始まった第三部は「尺八と箏によるインプロビゼーション」。弾(はじ)け飛ぶ漣(さざなみ)を受けて立つ長い息吹。柔と剛とのぶつかり合いが熱を帯び、乱れが層を成して、うず高く積み上がり、雲間に見え隠れする稲妻の耀きが漏れ聞こえて、反撃の狼煙(のろし)が高鳴りました。
会場からは大きな拍手が送られ、丁々発止の即興の出来栄えを讃えました。
日米で、日本古来の音楽への研鑽の成果を交わし合い、より友好を深めたことを確認して、暖かな心持ちで家路を急ぎました。