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演劇公演「14歳の国」

2018年7月14日(土) 18:00 新潟市江南区文化会館 演劇公演「14歳の国」

14歳の国 作 宮沢章夫 演出 大作綾

CAST
 横山剛史
 和田淳也
 風間健太
 吉田恵理
 大作綾

みなとトンネルを4往復して、昼食を摂り、少し休憩をして、所要を足してから、バイパスを一路江南区文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「日常に潜む様々な歪(ひず)みを顕微鏡で腑分けする舞台を鑑賞する」です。
以下はネタバレの可能性を含みますので、少し空間を開けてから記述いたします。
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学校のチャイムが鳴り、観劇の注意事項を説明するところから、すでに物語の導入部となっており、2ベルのチャイムから舞台がスタート。並べられた教室の机と椅子。なにげなく置かれた生徒の私物が置かれたところへ、主人公たちが登場。持ち物検査を行う設定で、登場人物たちが動き始めました。たわいない会話から、口論や軽いいさかいが起こり、個人の性癖までもが暴かれ、見えない影に怯(おび)え、小さな発見が成され、得体の知れないものに掻き回されて、その日の検査は終了。舞台暗転の後、日を置いて、再び成される捜索の場面へ。しだいに平凡な日常に潜むいろいろな闇を暴き出し、その頂点で悲劇へと駆け上り、場を凍り付かせて、幕引きへとなだれ込みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えるように激しい音楽に乗って、ダンスをしながらのカーテンコールが行われ、にぎにぎしく終演となりました。
毎日の暮らしの一部が、コミカルでグロテスクに変幻し、人間の内面をさらけ出して、その存在を問いかける物語を、鮮烈に描き出して頂いたことに感動して、喜ばしくも、少し複雑な気分で、会場を後にしました。
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「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」

2016年3月9日(水) 19:00 りゅーとぴあ劇場 『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“――およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』

作・演出 谷賢一
出演
ルードヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン 古河耕史
ヘルマン・スタイナー 榊原毅
カミル・フリードリッヒ・ガリウス 大原研二
ベルナルト・クント 小沢道成
ミヒャエル・グルーム/デイヴィット・ビンセント 本折智史

16km走る以外は穏やかな休日を過ごし、早めの夕食を取って、りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「舞台上に設営された演劇空間にどっぷりと浸って、大戦下の塹壕での出来事を追体験する」です。
あとから押し寄せる観客でいっぱいの会場。客席から目と鼻の先にある舞台装置の前へ号令一過、出演者が登場すると、ヘルマン・スタイナー役の榊原毅さんが題名を朗読し、観劇時の注意事項などをアナウンスした後、本編へ。
手紙を綴るウィトゲンシュタインと立ち現れるデイヴィット・ビンセントの幻影。そして塹壕での現実。神についてのやり取り。戦況把握から広がる現実認識と言葉による表現の可能性。それらが生きいきとし、多分に猥雑で乱暴に、時として思索的に繰り広げられ、主人公の中で深化し、さらに切迫する状況に乗って加速し、一つの高みへと昇る様子が、鮮やかに、迫力を持って、演じられ、我々を第一次世界大戦のヨーロッパ東部戦線の現場へ引き込みました。登場人物も際立ったキャラクターが見事に表現されて、場面を活性化し、滑稽さと激情をさらけ出して、舞台を縁取りました。
ランタンの火が消えて、芝居が幕を閉じると、客席からは大きな拍手が贈られ、カーテンコールが行われ、最後の挨拶があって、にぎにぎしく終演となりました。
りゅーとぴあの劇場のステージに組まれたセットと客席での濃密な関係性が、芝居と観客をグッと近づけ、一体化して楽しませていただいたことに感謝して、会場を後にしました。

楽屋 - 流れ去るものはやがてなつかしき -

2015年12月12日(土) 13:00 江南区文化会館音楽演劇ホール 楽屋 - 流れ去るものはやがてなつかしき -

清水邦夫(原作)
大作綾(演出)

CAST
女優A 大作綾
女優B コフナトアヤノ
女優C 山田ゆかり
女優D 吉田恵理
声   東城紫乃

東区プラザを後にし、一路江南文化快感へ。開演10分前に到着して駆け込み。
感想は、「いまだ来ぬ"役"への執着を露わにする役者たちの執念に震撼させられる」です。
英国の古謡が流れる中、設えられた『楽屋』で"出番"を待ちながらメイクする女優AとB、舞台でチェーホフの「かもめ」を演じる女優C、元プロンプターで病から舞い戻った女優D、彼女らが織りなす悲哀と滑稽、虚しく絡まる芝居のセリフと悲しい現実、立ち上る回想と失望、役を巡る諍い、これらが激しくも鮮烈に描写され、切り取られて、我々に突き付けられて、舞台は進みました。物語が進むにつれて、情念は集まり、終焉に向けて、奇妙な明るさで歩み出しました。
再び鳴る古謡のうちに幕は閉じられ、カーテンコールの後、穏やかに終演となりました。
本邦の名作を際立った演出と迫真の演技で具現化した今回の舞台は、門外漢にとっても胸に焼き付く素晴らしいものであったと思いつつ、白昼の亀田バイパスを家路へ急ぎました。

市民オペラ 「愛の妙薬」

2015年10月4日(日) 14:00 新潟市北区文化会館 市民オペラ 「愛の妙薬」

歌劇「愛の妙薬」/ドニゼッテイ

アッディーナ(村娘) 横田聡子
ネモリーノ(青年) 長川慶
ドゥルカマーラ(薬屋) 野口雅史
ベルコーレ(軍曹) 鈴木至門
ジャンネッタ(村娘) 田辺千枝子
村人/兵士 北区市民オペラ合唱団
長谷川正規(指揮)
桂木農(演出)
特別室内オーケストラ(管弦楽)

事故で渋滞のバイパスをなんとか切り抜けて北区文化会館へ。開演45分前に到着。
感想は、「地域で作り上げる総合芸術のアツさに感動」です。
定刻となり、指揮者が登場してオケピットから序曲がにぎやかにスタートしました。そして幕が上がると村人たちの合唱。楽しげに集う様子が描写され、この明るいオペラの雰囲気を充分に伝えてくれました。群集の喧噪の中から艶やかな美声で歌いだすネモリーナ。悲恋の物語を読み上げて、皆を惹きつけるアッディーナ。滑稽ながらも勇ましく入場するベルコーレの一隊。各々(おのおの)がその役割を懸命に演じ、観客をその世界へ引き込んで行きました。軍曹がヒロインの村娘に求婚する場面から話は一気に展開し、怪しいうえにも怪しげな薬屋の登場で舞台はさらにこじれ出し、アッディーナとネモリーナの恋の行方に暗雲が立ち込め、愛の妙薬を得て浮かれるネモリーナに呆れて、ベルコーレの申し出を受け入れるシークエンスにハラハラさせられました。ここで第一幕が終了し、休憩へ。
第二幕もオーケストラの前奏から祝いの宴(うたげ)へ。華やかなムードとうらはらのアッディーナの想いがさりげなく描き出され、薬の効果が出ないことにやきもきするネモリーナが愛のために兵士になる決意をする場面にグッときました。青年の遺産相続の噂を喧(かまびす)しく広めるジャンネッタとそれに反応する娘たちが騒ぎ立て、ネモリーナがモテモテになるくだりでは、思わず苦笑いさせられました。アッディーナがドゥルカマーラからことの次第を聞くところの二重唱には耳が引き寄せられ、ネモリーナの独唱には胸が締め付けられました。そして最後に2人がその想いを通じ合い、幸せな結末へと進んだ瞬間には、ホッとして、ハッピーになりました。
幕が下りすべてが終了すると、客席からはブラヴォーと大きな拍手が贈られ、北区の仲間たちが一体となって作り上げた記念すべきステージを称賛しました。
ソリスト、合唱、オーケストラ、演出はもとより、舞台装置、照明、衣装を含めた裏方さんたちの頑張りが、この舞台で一斉に花咲いて、まさに「みんなの努力の勝利」となったこのオペラが新潟の音楽界の一大事件であるとともに、ワーグナーやヴェルディなどの作品の上演を期待させるホットなムーブメントになってくれることを期待しつつ、夕暮れのバイパスを帰路につきました。

りゅーとぴあ演劇スタジオ キッズ・コースAPRICOT APRICOT&劇団ひまわり合同特別公演「赤毛のアン」

2015年8月16日(日) 13:30 りゅーとぴあ劇場 りゅーとぴあ演劇スタジオ キッズ・コースAPRICOT APRICOT&劇団ひまわり合同特別公演「赤毛のアン」

原作/ルーシー・モード・モンゴメリ(村岡花子訳・新潮社刊)
脚本/笹部博司
音楽/野瀬珠美
美術・衣裳/後藤信子
演出/戸中井三太
振付/内堀照子
歌唱指導/西潟明美

CAST
アン(一幕) 中島ももみ
アン(ニ幕) 三浦真由
マリラ 日向薫
マシュー 福島靖夫
リンド夫人 碓井加奈枝
ダイアナ(一幕) 廣井すみれ
ダイアナ(二幕) 峰岸瞳子
ギルバート 若月大河
駅長 田代雅春
スペンサー夫人 小山由美子
ブリュエット夫人 貝沼和喜子
フリップ先生 板羽龍
ルビー 川合咲緒
ミニ―・メイ 小山花弥
バーリー夫人 高橋美保
医者 水川祥一
牧師 内藤努
アラン夫人 近藤幸奈
ハリス嬢 内山日和
エンジェル 伊田優月、生越佳奈子、佐藤羽南、村松沙和、村松菜和、吉田日和
アンサンブル 阿部日凪子、天野楓子、石井幹人、石井大博、石本煌太郎、石本未紗、伊藤壮史、猪股里彩、岩田真依、大柿夕七、逢坂亮人、大谷空斗、大谷なな、大西小南美、大羽賀岳、小野聖佳、粕川那空、片岡美優、片桐野々花、菊田あみ、菊田まな、岸本佳那、木部麗愛、小宮山朝香、小山菜々美、小山春樹、酒井珠希、坂本紗莉奈、佐藤衣鞠、佐藤月、澤田眞那、渋谷祐美、高橋愛梨沙、高橋まき、高橋真梨琉、高橋梨里花、田村詩織、土屋駿、中島彩貴、中島まなみ、中村和、信田梨子、塙正之、馬場花恋、藤井リエル、古川歌恋、山崎花、吉田晏子、若月向日葵

演奏
丸田悠太(Fl)
渋谷陽子(Vc)
野瀬珠美(Pf)

企画・製作/りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館

開演1時間前に到着するも、既に長い列。最後尾のプラカードのところへ行き、行列に並びました。
感想は、「この舞台にかける熱意と厳しい鍛錬の結果がもたらす素晴らしい成果に涙する」です。
幕が上がると、物語の進行をつかさどるアンサンブル・チームとエンジェルたちがステージいっぱいに広がって、澄み切った歌声と振付で第一幕をスタートさせました。その中をマシューとマリラが登場し、幼いアンとの出会いや引き起こされる様々な出来事が明快なやりとりといきいきとした演技で活写され、アクト1の幕を下ろしました。
休憩後、第二幕では、年老いた兄妹になくてはならない存在になった主役とのストーリーが演じられ、嬉しいことや悲しいことが入り混じって、舞台上の感情が押し寄せる波のように客席まで届き、それを増幅するかのような美しくもエモーショナルな音楽が表現を助長して、激しく心を揺さぶり、大団円を迎えました。
幕が下りると、盛大な拍手が鳴り響き、カーテンコールでは本編で繰り返し使われた曲たちを歌いながら、出演者全員が順番に挨拶し、この感動的な公演を締めてくれました。
始めはちょっと覚めた目で見始めましたが、途中から物語に吸い込まれ、気がつけば目頭が熱くなる瞬間を何度も経験し、最後はスタンディング・オベーションをしたいほどの気持ちになりました。こんな貴重なひとときを与えてくれたこの舞台に関わる全ての皆様に感謝を表したいとの想いを胸に会場を後にしました。