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第一回 江南区演劇祭 市民演劇「忠臣蔵・オフィス編」

2019年2月10日(日) 14:00 新潟市江南区文化会館 第一回 江南区演劇祭 市民演劇「忠臣蔵・オフィス編」

作:平田オリザ
潤色・演出:大作綾

侍A 鈴木(43)  マーケティング部 大作綾
侍B 佐藤(22)   総務部/人事部 高橋一渓
侍C 田中(38)   広報部 コフナトアヤノ
侍D 佐々木(43)  研究開発部 坂井隆一
侍E 大橋(48)   経理部/課長補佐 横山剛史
侍F 久保田(21)  在庫管理部 水川達也
大石(57) 専務取締役 吉田勉

神明宮様に詣でへ行き、みなとトンネルを4往復走って、昼食を摂り、亀田バイパスを一路江南区文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は、「有名なお芝居を借りた現代社会への風刺を楽しむ」です。
開演前の舞台には会議テーブルが並べられ、すでに登場人物が何気なく、会議の開催を待っているところから、すでに演劇の一部がさりげなく開始されていました。二人、三人と舞台に登場し、セリフが発せられて、お芝居がスタート。現代の会社の風景にお馴染みの江戸時代の内容がかぶさり、烏合の衆の絡み合いが、コミカルで滑稽に描かれました。
集まった人々は、それぞれが建前を振りかざし、その実、自分の都合を優先して、言い争い、収拾がつかない状態で、重役の到着を待ちました。取締役が登場すると、皆は全体としての意思・方針を求めますが、のらりくらりとそれを交わし、各自の意見を言わせ、さらに誰も望まない手段で撹乱して、自分のペースへと引き込みました。そして聞き取った意見をうまく料理して、実は想定したであろう落とし所へと結論を導き、物語りの幕を引きました。
現代のオフィスで繰り広げられる"会議あるある"を「忠臣蔵」を出汁(だし)にして描き、人間の愚かさや悲しさを炙(あぶ)り出して、おかしさと"身につまされる"想いを届けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、新潟市民が力を合わせて作り上げた演劇を讃えました。
満席の会場で迫真の演技を堪能できたことに感謝して、快い気分で帰路に就きました。
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りゅーとぴあ開館20周年記念ミュージカル「シャンポーの森で眠る」

2018年10月20日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 りゅーとぴあ開館館20周年記念ミュージカル「シャンポーの森で眠る」

原作/ ジョルジュ・サンド
脚本/菊池准
作詞/岡本おさみ
作曲・音楽監督/宮川彬良
演出/戸中井三太
企画・製作/りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館

出演/
男(シルビネ) 松村雄基
妻 木村花代
ファデット 生越佳奈子
マドレーヌ 藤田カロリーナ
ランドリー 大羽賀岳
シルビネ  佐野晃太
シャネ-  田中乙葉
少年    池柚葉
父親    高橋繁實
母親    長谷川芳子
サジェット 上田佳澄
老婆    貝沼和喜子
      青木美奈子
      佐野留美子
      名和和嘉子
      近藤綾子
      菊池恵美子
オーディションで選ばれた新潟キャスト
阿部萌梨  酒井珠希  廣田正
石井大博  佐々木彩  本間櫻子
石井幹人  更科澪   三浦真由
石川緋呂子 澤田眞那  村井遥香
石本美紗  鈴木琉佳  吉田日和
伊田優月  高橋明日香 若月大河
伊藤希   高橋まき  和田陽向
岩崎希香  高橋侑衣莉 
岩崎杏香  永井はる香
柿原榮士朗 中川響太  (稽古場アンダーキャスト)
加藤悠   成田奈々子 木了涼
加野裕子  西川可心  石本未紗
亀貝みちる 西川正美  三浦真由
岸本佳那  西村美月 
木了涼   早川風太
小池匡   廣瀬静江
演奏者/
宮川知子(Pf)
内山貴博(Fl)
枝並清香(Vn)
夏秋裕一(Vc)
篠崎 和紀(Cb)
小林浩子(Key)
コーラス/
伊藤宏平、林拓矢、菱田明宏、南雅希、諸田哲也、山崎俊雄、山田進、渡辺浩司

りゅーとぴあから戻り、ブログの準備をしてから、取って返して劇場へ。開演40分前に到着。
感想は「市民、キャスト、ミュージシャン、スタッフが作り上げる壮大な物語に感動する」です。
(以下ネタバレが含まれますので、少し間を開けて置きます)
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序曲が始まって、幕が開くと、大樹の元に舞台に倒れ込む人々、男が語り出し、物語りが動き出しました。作りかけの作品を焼いて、全てを終わらせようとする男に、妻が語り掛け、その記憶の詰まった日記を開いて、回想へと進みました。
双子の兄弟と、村で一番の嫌われ者の娘とその弟の関わりが綴られ、やがて男の弟が娘と恋に落ち、村人の迫害を物ともせず、結ばれる様を描きました。そして苦悩する男。そして男は戦地へと旅立つところで第一幕が終了。
休憩を挟んで第二幕は妻が男が隠す過去の苦しみへと分け入り、弟が愛した娘への己の愛情に苦しみ、残した村が壊滅して、抜け殻になったことを突き止めました。しかし妻はそれを理解し、それどもなお男を愛し、もう一度ここからやり直して行こうととする意思を固め、男と向き合って、愛を育もうと試み、男を苦しみから救い出しました。
素晴らしいメイン・キャスト。合唱、演技、統率の取れた動きで舞台を進める新潟キャスト。舞台奥に設置された巨大な大木や、場面により位置を替え、様々な状況を映し出す装置、心の動きや場面の様子を色や光で表現する照明、そして歌や合唱をピットから支えるミュージシャン。その他舞台に関わる全員が力を合わせて、このミュージカルを作り上げようとする熱量が劇場を燃え上がらせ、感動の渦を巻き起こしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えて挿入歌が歌われ、何回かのカーテンコールの後、にぎにぎしく終演となりました。
愛と再生の物語に大きな感動を頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

演劇公演「14歳の国」

2018年7月14日(土) 18:00 新潟市江南区文化会館 演劇公演「14歳の国」

14歳の国 作 宮沢章夫 演出 大作綾

CAST
 横山剛史
 和田淳也
 風間健太
 吉田恵理
 大作綾

みなとトンネルを4往復して、昼食を摂り、少し休憩をして、所要を足してから、バイパスを一路江南区文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「日常に潜む様々な歪(ひず)みを顕微鏡で腑分けする舞台を鑑賞する」です。
以下はネタバレの可能性を含みますので、少し空間を開けてから記述いたします。
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学校のチャイムが鳴り、観劇の注意事項を説明するところから、すでに物語の導入部となっており、2ベルのチャイムから舞台がスタート。並べられた教室の机と椅子。なにげなく置かれた生徒の私物が置かれたところへ、主人公たちが登場。持ち物検査を行う設定で、登場人物たちが動き始めました。たわいない会話から、口論や軽いいさかいが起こり、個人の性癖までもが暴かれ、見えない影に怯(おび)え、小さな発見が成され、得体の知れないものに掻き回されて、その日の検査は終了。舞台暗転の後、日を置いて、再び成される捜索の場面へ。しだいに平凡な日常に潜むいろいろな闇を暴き出し、その頂点で悲劇へと駆け上り、場を凍り付かせて、幕引きへとなだれ込みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えるように激しい音楽に乗って、ダンスをしながらのカーテンコールが行われ、にぎにぎしく終演となりました。
毎日の暮らしの一部が、コミカルでグロテスクに変幻し、人間の内面をさらけ出して、その存在を問いかける物語を、鮮烈に描き出して頂いたことに感動して、喜ばしくも、少し複雑な気分で、会場を後にしました。

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」

2016年3月9日(水) 19:00 りゅーとぴあ劇場 『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“――およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』

作・演出 谷賢一
出演
ルードヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン 古河耕史
ヘルマン・スタイナー 榊原毅
カミル・フリードリッヒ・ガリウス 大原研二
ベルナルト・クント 小沢道成
ミヒャエル・グルーム/デイヴィット・ビンセント 本折智史

16km走る以外は穏やかな休日を過ごし、早めの夕食を取って、りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「舞台上に設営された演劇空間にどっぷりと浸って、大戦下の塹壕での出来事を追体験する」です。
あとから押し寄せる観客でいっぱいの会場。客席から目と鼻の先にある舞台装置の前へ号令一過、出演者が登場すると、ヘルマン・スタイナー役の榊原毅さんが題名を朗読し、観劇時の注意事項などをアナウンスした後、本編へ。
手紙を綴るウィトゲンシュタインと立ち現れるデイヴィット・ビンセントの幻影。そして塹壕での現実。神についてのやり取り。戦況把握から広がる現実認識と言葉による表現の可能性。それらが生きいきとし、多分に猥雑で乱暴に、時として思索的に繰り広げられ、主人公の中で深化し、さらに切迫する状況に乗って加速し、一つの高みへと昇る様子が、鮮やかに、迫力を持って、演じられ、我々を第一次世界大戦のヨーロッパ東部戦線の現場へ引き込みました。登場人物も際立ったキャラクターが見事に表現されて、場面を活性化し、滑稽さと激情をさらけ出して、舞台を縁取りました。
ランタンの火が消えて、芝居が幕を閉じると、客席からは大きな拍手が贈られ、カーテンコールが行われ、最後の挨拶があって、にぎにぎしく終演となりました。
りゅーとぴあの劇場のステージに組まれたセットと客席での濃密な関係性が、芝居と観客をグッと近づけ、一体化して楽しませていただいたことに感謝して、会場を後にしました。

楽屋 - 流れ去るものはやがてなつかしき -

2015年12月12日(土) 13:00 江南区文化会館音楽演劇ホール 楽屋 - 流れ去るものはやがてなつかしき -

清水邦夫(原作)
大作綾(演出)

CAST
女優A 大作綾
女優B コフナトアヤノ
女優C 山田ゆかり
女優D 吉田恵理
声   東城紫乃

東区プラザを後にし、一路江南文化快感へ。開演10分前に到着して駆け込み。
感想は、「いまだ来ぬ"役"への執着を露わにする役者たちの執念に震撼させられる」です。
英国の古謡が流れる中、設えられた『楽屋』で"出番"を待ちながらメイクする女優AとB、舞台でチェーホフの「かもめ」を演じる女優C、元プロンプターで病から舞い戻った女優D、彼女らが織りなす悲哀と滑稽、虚しく絡まる芝居のセリフと悲しい現実、立ち上る回想と失望、役を巡る諍い、これらが激しくも鮮烈に描写され、切り取られて、我々に突き付けられて、舞台は進みました。物語が進むにつれて、情念は集まり、終焉に向けて、奇妙な明るさで歩み出しました。
再び鳴る古謡のうちに幕は閉じられ、カーテンコールの後、穏やかに終演となりました。
本邦の名作を際立った演出と迫真の演技で具現化した今回の舞台は、門外漢にとっても胸に焼き付く素晴らしいものであったと思いつつ、白昼の亀田バイパスを家路へ急ぎました。