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Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill


2019年12月13日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill

「シネマトダンスー3つの小品」
演出振付:金森穣
衣装:堂本教子
1.クロノスカイロス
音楽:J.S.Bach(Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV1052 Ⅰ.Allegro
出演:池ケ谷奏、ジョフォア・ボブラウスキー、井本星那、
   林田海里、チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、
   スティーヴン・クィルダン、タイロン・ロビンソン、鳥羽絢美、西澤真那、
   三好綾音
2.夏の名残のバラ
音楽:F.V.Flotow《Martha》より《Last Rose of Summer》
出演:井関佐和子、山田勇気
3.Fratres Ⅱ
音楽:A.Part《Fratres for Violin and Piano》
出演:金森穣

「Farben(ファルベン)」
演出振付:森優貴
衣装:堂本教子
出演:井関佐和子、池ケ谷奏、ジョフォア・ボブラウスキー、井本星那、
   林田海里、チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、
   スティーヴン・クィルダン、タイロン・ロビンソン、鳥羽絢美、西澤真那、
   三好綾音

10km走り、昼食を摂って、ゆっくりと休憩し、インフルエンザの予防接種を受け、所用を足して、軽食を食してから、コンチェルトさん経由、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は「従来から続く慣れ親しんだ表現と、新しく鮮明な衝撃を一度の公演で楽しむ喜びを頂く」です。

以下ネタバレを含みますので、余白を入れておきます。
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走り去る色彩が、映し出される分身を伴い、幾つも眼前を過(よ)ぎり、やがて混じり合って、速くしなやかに揺れ、光と影がきっちりと同期し、時に分離して、寄り添い、裏切りを演じて、活き活きと躍動し、繊細に微動して、集団を形成し、一部が乖離して、それぞれに自在な運動を見せ、一瞬動きを止めて、高みへと駆け上がり、集合離散を繰り返して、巡り会う場面と、経過する時間を視覚化する「クロノスカイロス」。
現(うつ)し身から幻(まぼろし)へ羽化するための優しい時が流れ、現世への入り口を抜けて、足を踏み出すと、そこは落ち葉散る広大な原野、構えられた装置が光学の像を写し取って、小さな実像と、巨大な虚像が、同じ平面で相和し、複数の視線を同時に獲得して、演じられる哀しみと愛憎を描き、匂い立つ悲劇と、静かなる格闘を放射して、柔軟で円滑に心の動きを映し出し、敷き詰められた花の残骸を、引き摺り、踏み締める「夏の名残のバラ」。
孤独に存在する事の苦難や焦燥(しょうそう)に藻掻(もが)き苦しみ、嘆き悲しむと、自らの影が、意思を汲み取って、先走りを演じ、それを追従して、やがて並走し、ゆっくりと伸び上がって、ぎこちなく揺らぎ、厳格と可憐を融合して、見えざる敵と格闘し、痛みや傷と対峙して、安らぎを強く求め、襲い来る衝撃をしっかりと受け止めて、降り注ぐ落水に身を任せ、悟りの境地へと、結跏趺坐(けっかふざ)するも、打ちのめされて、崩れ落ちる「Fratres Ⅱ」。
実演と映像が作り出す、一筋縄では行かない、夢幻と実在の混在が織り成す3つの場面を、多くの網膜に焼き付けました。
休憩を挟んで後半は「Farben(ファルベン)」。鼓動が鳴り響き、多人数が一団となって、揺らぎ、波打ち、渦を巻いて、躍動すると、生け贄を差し出し、象徴を高く掲げて、教室の机に集合し、苦しみ悶えて、煩悶の表情で崩落し、静寂の中を緩慢に動作して、やがて動きを止めて佇(たたず)み、穏やかに波立ちを生じさせ、ゆっくりと崩れ去って、生命が生まれ落ち、集まり、やがて別れを演じて、親しく戯れるもの、孤独に苛(さいな)まれるものが、一つの空間を共有する眷属(けんぞく)の苦悩と対立を描き出し、絡み付く群衆が、細やかにときめき、台の上で揺れ動いて、時を刻み、複数の灯りを点(とも)して、旅立ちを照らし、帆布を揺らして、高く飛び、運び込まれた枠の中で、一連の絵画を描くと、矩形が作る空間が、彼方への入り口へと変貌して、異界へと遷移し、番(つがい)が激しく乱舞して、一群が集い、足早に交差し、次々と入れ替わって、残像を映し、消え残る影達が塊となり、個々に分離して、揺らぎ、回り込んで、団塊を呼び込み、大きく羽を広げて、雲散霧消し、僅かな残滓が不規則に歩んで、前のめりに進み、わらわらと集まる人混みが入り乱れ、一斉に捌(は)けて、耀きを広げ、残ったもの達が家庭を形成して、父母娘となり、男親の苦悩を描き出しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、幾度となくカーテンコールが繰り返され、この素晴らしいコンテンポラリーダンスの見事な成果を結実させた全員を讃え、祝福しました。
慣れ親しんだ振付家の新しき創作と、外部から招聘された作家の新鮮な驚きを、一晩の公演で享受出来たことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

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真下恵独舞公演「S」

2019年10月12日 (日) 19:00 砂丘館 真下恵独舞公演「S」

ダンス・パフォーマンス

真下恵(ダンス)

10km走って、緊急に入った仕事を片づけ、昼食を摂り、所用を足して、少し休憩してから、砂丘館へ。開演30分前に到着。
感想は「一つの文字から紡ぎ出される無限のイメージが、語り・音響・照明を駆使したダンス・パフォーマンスに結実する様を興味深く見守る」です。
襖から顔を出し、開演の挨拶をして、題名「S」の説明をするところから、次第に本篇へと移行し、「S」で始まる言葉を並べ、それを動作で表現し、そこから生まれるリズムより生み出される舞踊が流れるように形作られました。さらに感情を表現するワードが連ねられ、それを映し出す身振りが揺れて、自らの内面と会話し、ダイナミックに躍動して、苦しみや悲しみを体現し、のたうちまわるように振る舞いました。そして遠い記憶の奥底へと足を踏み入れ、幾つもの小道具をあしらい、幼さを装って、可愛ゆい自身を懐かしみ、生命の起源へと閉じ籠もりました。その先に待つものは心の中の闇。意識の下にある生来の渇望や、根源的な熱情を解放し、激しくもしなやかに空間を切り裂き、縦横無尽に跳梁跋扈して、やがて暗黒の巣窟へと引き戻されました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしいパフォーマンスを讃えました。
語りと舞踊が静と動の対比を際立たせ、囁くような音響と場面を彩る照明と相まって、強靱な肉体から生み出される絶妙のバランスが、観客を異次元へと誘(いざな)い、大きな感動を頂いたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。

Noism1 『ミラーリングメモリーズ-それは尊き光のごとく』、新作『Fratres Ⅰ』

2019年7月19日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 Noism1 『ミラーリングメモリーズ-それは尊き光のごとく』、新作『Fratres Ⅰ』

『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』
 00『Distant Memory』
 01『Nameless Hands-人形の家』(2008)より「彼と彼女」
 02『Nameless Poison-黒衣の僧』(2009)より「病んだ医者と貞淑な娼婦」
 03 劇的舞踊『ホフマン物語』(2010)より「アントニオの病」
 04 劇的舞踊『カルメン』(2014)より「ミカエラの孤独」
 05『Nameless Voice-水の庭、砂の家』(2012)より「シーン9-家族」
 06『Psychic 3.11』(2011)より「Contrapunctus」
 07『ASU』より「生贄」
 08 劇的舞踊『ラ・バヤデール-幻の国』(2016)より「ミランの幻影」
 09『ZAZA』(2013)より「群れ」
 10『マッチ売りの話』より「拭えぬ原罪」
 11『Scherazen(痛み)』(2019)
 12『Traume-それは尊き光のごとく』(2018)

演出振付:金森穣
照明デザイン:伊藤雅一(RYU)、金森穣
映像:遠藤龍
出演:Noism1+金森穣

新作『Fratres Ⅰ』

演出振付:金森穣
音楽:アルヴォ・ペルト《Fratres for strings and percussion》
衣裳:堂本教子
照明デザイン:伊藤雅一(RYU)、金森穣
出演:Noism1+金森穣

みなとトンネルを4往復走り、昼食を取って、ゆっくりと休憩し、期日前投票をした後、所用を足し、早めの夕食を済ませて、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「過去15年のオムニバスと、息を呑む新作に魂を奪われる」です。

以下はネタバレを含みます。念の為、少し余白を空けて置きます。
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前半は『Mirroring Memories-それは尊き光のごとく』。彷徨(さまよ)える旅人が、その影を幾重にも重ね、垣間見える仲間達の幻影に惑(まど)い、来し方を回想して、力なくその場を立ち去る「Distant Memory」。恋人達が仲睦(なかむつ)まじく戯(じゃれ)れ合うように見えて、実は他者に操(あやつ)られ、楽しげな様子も作りごとであることに2人は気付き、反抗するも押さえつけられて、息絶える結末を迎える「彼と彼女」。一途に求める女と、軽くあしらおうとする男。逃げる相手に、懸命に絡み合い、愛情を乞うも、忍び寄る死の影に、敢(あ)え無く襲われる「病んだ医者と貞淑な娼婦」。華やかな彩りで飾り、優雅に舞い踊り、愛し合って、喜びを解き放つも、迫りくる闇に全てを喪失する「アントニオの病」。失ったものへの想いを募(つの)らせて、ひとり哀しみに暮れる「ミカエラの孤独」。父、母、その子が、仲良く楽しげに遊び、活発な団欒(だんらん)を過ごすも、運命に弄(もてあそ)ばれて、やがて散り散りに引き裂かれる「シーン9-家族」。幾何学的に舞い、しなやかに編み上げ、交互に追い掛け合い、端々で重なり合う「Contrapunctus」。風が強く吹き荒れる草原で、太古の儀式を執(と)り行い、若き魂を、高々と神々へと捧げる「生贄」。ゆっくりと白く揺らめく恋人の姿を追い求めるも、すんでの所で上手く躱(かわ)され、虚しく空を切って、美しき肢体に翻弄される「ミランの幻影」。がっちりと徒党を組み、激しき磁気嵐を掻い潜って、苦しそうにのたうち、辺りを這いずり廻って、深き夜に吸い込まれる「群れ」。世知辛い世間に打ちのめされ、不気味な輩(やから)にいじめられることに耐え、小さな灯(あか)りを点(とも)して、一瞬でも不安から逃げ出し、暖かな夢を味わう「拭えぬ原罪」。彼方より白き天使が舞い降り、人々が心の覆(おお)いを外して、恵まれぬ仔羊を優しく救い出す「Scherazen(痛み)」。輝ける光を受けて、二親(ふたおや)が、華やぎと共に、優しく包み込み、大らかな幸福に浸(ひた)るも、淡く、儚(はかな)げに、虚空へ消え去る「Traume-それは尊き光のごとく」。虚像と実像を交互に配して、15年を瞬(またた)く間に駆け抜け、新しき装いで築き上げました。
休憩を挟んで後半は、「Fratres Ⅰ」。それぞれが玉座(ぎょくざ)に配置され、一糸乱れぬ動作で、時に悠然と、時に快活に、その姿を変幻させ、空間を運動で満たすと、光の滝が降り注ぎ、その穢(けが)れを洗い落とし、生き生きと蘇らせて、流れる耀きの帯を取り囲むように円陣が組まれました。
会場からはスタンディング・オベーションを含む大きな拍手が贈られ、素晴らしい踊り手達を讃え、賑々しく終演となりました。
15周年を迎え、ますます発展する舞踊団が、魂を奪われるような見事な舞台を見せて頂いたことに、心より感動して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

Noism2定期公演Vol.10 新作 『BOW!!!』/金森穣振付 Noism レパートリー

2019年3月15日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオB  Noism2定期公演Vol.10 新作 『BOW!!!』/金森穣振付 Noism レパートリー

金森穣振付 Noism レパートリー
演出/山田勇気(Noism2リハーサル監督)
1.『Solo for 2』(2012年)より
音楽:J.S.バッハ《無伴奏バイオリンのためのパルティータ》
2.『Training Piece』(2014年)より
音楽:Ryouji Ikeda《supercodex 08》《supercodex 09》
新作 『BOW!!!』
演出/平原慎太郎(Organworks)
音楽:東海林靖志(Organworks),景井雅之(Organworks)他
出演/門山楓、岩城美桜、森加奈、鈴木夢生、池田穂乃香、
   カナール・ミラン・ハジメ、杉野可林、長澤マリーヤ、橋本礼美

10km走って、昼食を摂り、少し休憩して、映画を鑑賞し、軽食を済ませてから、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「同じ舞踊団が、2つの演出で様変わりする様子に驚きと喜びを持って迎え入れる」です。
以下ネタバレを含みますので少し空白を。
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まずは「金森穣振付 Noism レパートリー」より『Solo for 2』。9つの孤独な影達が配置され、出番を待つ中、2羽の鳥がゆっくりと舞い上がり、滑らかに羽撃(はばた)き、無機的で生きいきと風を切って、やがて彼方へと飛び去りました。次に2つの身体が、速く刻む糸の音(ね)に乗って、絡み合い、じゃれ合って、喜びを表して、消え去りました。さらに2つずつ、整然と、対称と非対称を組み合わせ、幾何学模様を織り成して、悠然と過ぎ去りました。残る1人は、苦しみにもがき、恐れを訴えて、悲しみを舞いました。
場面が暗転し、続くは『Training Piece』。ノイズとビートが支配する空間に、肉体が交差し、四肢が同期して、群舞し、主と従に別れ、単独で抜け出し、二重唱を奏で、円周を廻り、広がり、狭(せば)まって、いくつもの番(つがい)を作り、生贄を祀(まつ)り上げて、秩序を護る儀式を執り行いました。
休憩を挟んで後半は新作の『BOW!!!』。響きに満ちた呼び込みから、燥(はしゃ)ぐ娘達が静と動の対比を成し、裏町の路地裏へ誘(いざな)い、裸電球の元、室内での日常の振る舞いを見せ、孤立する影が十全に手足を投げ出し、付近ではそれぞれの役割が演じられ、地下室へ逃げ込んで、群衆の到来を避け、時空を捻じ曲げて、夕餉の時を過ごし、花の都の華やぎを映して、答えの無い会話を交わし、一斉に群れを成して、ゆっくりと波打ち、集合離散して、魂の一線を超え、じゃれ合い、絡み合って、滅びへと揺れ動きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、数度のカーテンコールの後、賑々しく終演となりました。
舞踊団の研修生達が、芸術監督の作品と外部の演出家の舞踊を演じ分け、それぞれ異なる世界を創造していく様を目の当たりにして、驚きと喜びを享受できたことに感謝し、快い気分で帰路に就きました。

Noism1 実験舞踊 vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』

2019年1月31日(木) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオB Noism1 実験舞踊 vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』

実験舞踊 vol.1『R.O.O.M.』
 演出振付・空間・照明:金森穣 
 音楽:cyclo.(ryoji ikeda+carsten nicolai) '<.>'より
 出演:Noism1
 池ヶ谷奏、浅海侑加、チャン・シャンユー、ジョフォア・ポプラヴスキー、
 井本星 那、林田海里、カイ・トミオカ、チャーリー・リャン、西岡ひなの、
 鳥羽絢美、西澤真耶、井関佐和子
『鏡の中の鏡』
 演出振付・空間・照明:金森穣
 音楽:D.コープ『Classical Music Composed By Computer:Eperiments in Intelligence』より
出演:井関佐和子、金森穣

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「21世紀の舞曲集に乗って繰り広げられる鮮やかなダンスに目が釘付けになる」です。
以下ネタバレを含む可能性があるため、少し空白を開けます。
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前半は実験舞踊 vol.1『R.O.O.M.』から。
暗闇に聞こえる火花が引火し、銀色の箱が出現すると、そこここから、にゅるりと肉体が生み落とされ、強い鼓動で躍動しました。一瞬の暗転の後、ゆっくりと2つの身体が重力の軛(くびき)を解き放って、自在に上下左右を闊歩しました。場面は次々と代わり、組み合わせ、絡み合い、様々な表情で、集合離散すると、残された一人に病魔が襲い、体を蝕(むしば)んで、苦しみを表し、壁に吸い込まれました。新たなる踊り手は色彩の変幻を纏(まと)い、軽やかにその身を移すと、強烈な脈動が場を支配し、追い立てるものと追われるものを対比しました。次のシーンでは2つの影が緩やかに彫像へと変化し、多数が加わって、激しく打ち鳴らされる足踏みと電子の悲鳴が生命の鳴動を生み出し、対立と協和を彩りました。
休憩を挟んで後半は『鏡の中の鏡』。
苦悩する若者が蹲(うずくま)り、孤独を恐れ、懸命にもがき、鏡に救いを求めると、想い人が現れ、隔てられた鏡の向こうへの渇望を掻き立てました。くるりと入れ替わり、女が不安と苦しみを全身で表現し、鮮やかな素振りで悲しみに暮れました。二人が出会い、お互いを求め、求愛の行為を営むも、すれ違い、ズレを生じて、やがて分かれるしかない運命に弄(もてあそ)ばれました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしい舞踊を讃えました。
新潟で最先端のダンスを最高の水準で鑑賞できる幸せを噛み締めて、快い気分で家路を急ぎました。