Noism2 定期公演 vol.9

2018年1月26日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオB Noism2 定期公演 vol.9

金森穣振付Noismレパートリー
演出:山田勇気(Noism2リハーサル監督)
出演:Noism2
1.「Nameless Poison-黒衣の僧」(2009年)より
 音楽/P.チャイコフスキー《白鳥の湖》より第一幕 第1場《情景》
2.「Nameless Hands-人形の家」(2008年)より
 音楽/アルヴォ・ペルト《Collage sur B-A-C-H》より《Ⅱ.Sarabande.Lento》
 衣装:中嶋佑一(黒衣)
3.「ASU-不可視への献身」(2014年)より
 音楽:ボロット・バイルシェフ《Rainbow》
4.「Nameless Hands-人形の家」(2008年)より
 音楽:イングランド民謡《Greensleeves》
 衣装:中嶋佑一(黒衣)
5.「PLAY 2 PLAY-干渉する次元」(2007年)より
 音楽:トン・タッ・アン《PLAY 2 PLAY》(2003 Ver.)
6.「SHIKAKU」(2004年)より
 音楽:J.S.バッハ《無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 4.Sarabande》
7.「Zone-陽炎 稲妻 水の月」「academic」(2009年)より
 音楽:J.S.バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 5.Sarabande》
新作『私を泣かせてください』
演出振付:島地保武
音楽:ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル、岡直人
衣裳:山田志麻
出演:Noism2

Noism
芸術監督/金森穣
副芸術監督/井関佐和子
Noism2リハーサル監督/山田勇気
Noism2メンバー/西澤麻耶、片山夏波、門山楓、牧野彩季、三好綾音、岩城美桜、森加奈、森川真央、鈴木夢生
製作/上杉晴香、堀川いづみ、関佳蓮、遠藤龍

仕事を終え、雪道を安全運転でりゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「深遠なる表現と若き息吹の発現に魅了される」です。
前半は「金森穣振付Noismレパートリー」。打ち鳴らされる"四つ打ち"に乗って溌剌と序曲を繰り広げる「Nameless Poison-黒衣の僧」の《情景》。一人切なさを受け止め、苦しみにまみれる「Nameless Hands-人形の家」の《Ⅱ.Sarabande.Lento》。怪しい祭囃子に乗り、強制され、引き攣った笑いで踊る「ASU-不可視への献身」の《Rainbow》。平原に立つ一本の木を背景に、操られるものが、隙を見ては後見役に抗(あらが)い、その関係性を問い質(ただ)す「Nameless Hands-人形の家」の《Greensleeves》。清新な生命の息吹を放ちながら離合し、集散する「PLAY 2 PLAY-干渉する次元」の《PLAY 2 PLAY》。孤独な振舞いで葛藤と苦悩を演じる「SHIKAKU」の《無伴奏チェロ組曲 第5番 Sarabande》。実体化する鏡像と対峙し、ゆっくりと溶け合って、一点へと収斂(しゅうれん)する「Zone-陽炎 稲妻 水の月」「academic」の《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 Sarabande》。幾つもの場面を切り貼りし、集団と個を対比させて、新たなる可能性を築き上げました。
休憩を挟んで後半は「新作『私を泣かせてください』」。対立するもの同士が入り乱れ、小競り合いを引き起こし、さざめく波風を立たせると、壁を築き、光りと闇に別れ、あちら側では耀きを鼓舞し、こちら側では暗がりを誇示しました。群集が去り、それぞれの切れはしが向かい合い、争って、火花を散らし、姿を隠すと、3つの身体が微速で絡み合い、静寂を醸し出しました。人々が舞い戻り、生きいきと煩(うるさ)いほどの会話をし、場からはみ出して、訴えを放ち、絆で繋がれて、やがて消え去りました。残された2人が、お互いの天性をむき出しにして向かい合い、力を尽くして闘って、やがて燃え尽きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、数回のカーテンコールで、素晴らしい舞踊を行った者たちを大いに讃えました。
訓練された肉体が齎(もたら)す興奮と、元気と明るさを弾(はじ)けさせる若さの眩(まぶ)しさが交錯する舞台を目の当たりにして、驚きと感動を頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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Noism1 『NINA−物質化する生け贄』

2017年12月15日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 Noism1 『NINA−物質化する生け贄』

The Dream of the Swan
 演出振付:金森穣
 音楽:トン・タッ・アン
 衣裳:廣川玉枝(SOMA DESIGN)
 美術:須長檀
 出演:井関佐和子
『NINA−物質化する生け贄』
 演出振付:金森穣
 音楽:トン・タッ・アン
 衣裳:廣川玉枝(SOMA DESIGN)
 椅子:須長檀
 オリジナル照明デザイン:金森穣、森島絵都
 リハーサルディレクター:井関佐和子
 出演:Noism1
 中川賢、池ヶ谷奏、吉崎裕哉、浅海侑加、チャン・シャンユー、坂田尚也、井本星那、鳥羽絢美*、西岡ひなの* *準メンバー
 制作:上杉晴香、堀川いずみ、関佳蓮、遠藤龍

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「躍動する肉体と舞踊する精神の眩(まばゆ)さを心に刻む」です。
まずは「The Dream of the Swan」。腰かけたベッドに灯る心の病(やまい)の肖像が怖れ慄(おのの)き、不安を掻き消すようにあがき、周辺を彷徨って、抑えが効かなくなり、感情を爆発させ、燃え尽きて放心する時を経て、正気を取り戻し、再び傷口が疼き、苦しみを顕して、静かに消え入りました。
続いて『NINA−物質化する生け贄』。凍り付いた場面が支配し、徐々に動き出す傀儡(くぐつ)とそれを操(あやつ)るものたち。その中で愛が芽生え、仮初(かりそ)めに育(はぐく)んで、果実を収穫しようと試みるが、その想いは容赦なく遮られ、混迷が沸き起こり、操り人形たちが意志を持ち始め、反逆の狼煙(のろし)を上げ、争いが勃発し、抑制を排除して、赤く燃え上がり、やがて燃え尽き、炎の衣装を取り去ると、安寧が訪れるように見せて、支配者を打ち据え、役割を奪い取って、静かに入れ替わりました。
会場からは大きな拍手が贈られ、何回もカーテンコールが行われ、この素晴らしい舞踊を体験させて頂いたことに、大いなる感謝と賛辞を贈りました。
この舞踊団の基本となる演目を9年の時を経て再演することの意義と、それ以上に物語りを排し、舞踊の究極の一隅を照らすこの舞台の驚異を目の当たりに出来たことに感動して、喜ばしい気分で、帰路に付きました。

NIDF2017 – 『Mosaic』 『Bolero』 大邱市立舞踊団

2017年9月29日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 NIDF2017 – 『Mosaic』 『Bolero』 大邱市立舞踊団

Mosaic
 1.Flower (初演/premier:2012 Kicked tiger's nose)
 2.Touch+Deccalcomanie(初演/premier:2015 I saw the elephant(part1))
 3.handel 2/4 (初演/premier:2010 Mystic paradise)
 4.Gal mu ri (初演/premier:2006 AH Q)
 5.Cone (初演/premier:2015 AH Q)
 6.Chagall (初演/premier:2015 I saw the elephant(part1))
 7.Balustrade (初演/premier:2008 Horn)
Bolero
 - Sorrow of paring (初演/premier:2016)

大邱市立舞踊団
ホン・スンヨプ(振付)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「鮮やかで、すっきりとした舞踊に心躍る体験を頂く」です。
前半は『Mosaic』。仏像が命を得て動き出し、蓮(はす)が咲き誇って、涼やかに群舞する「Flower」。男女2列で女達が軽く触れると、男達が崩れ去り、しかし次々に再生し、やがて団子状に絡み合う「Touch+Deccalcomanie」。優雅な調べに乗って舞い踊る「handel 2/4」。想い通り動かない操り人形が、やがて使い手の思いに反して、自ら踊り出す「Gal mu ri」。長い嘴(くちばし)を持つ鴉(からす)が餌を食(は)み、乱舞する「Cone」。立ち込める霧の中から、バレエの踊り子が絵から抜け出し、黒子に支えられて、仮初(かりそ)めの夢を見る「Chagall」。舞台最前列に一列に腰掛けて、上半身のみでリズミカルに手振りし、舞踊の花を咲かせる「Balustrade」。過去の作品からの抜粋を、一幕の組曲に仕立てて、見る者を魅了しました。
後半は『Bolero』。凍結された二人が、斧(おの)で切り株を割るのを合図に、息を吹き返し、自身の影法師に助けられ、その動きを活性化させ、同期し、ズレ乍ら、細胞を分割し、独立し、お互いに影響を与え乍ら、頂点へ駆け上りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、前半・後半を踊ったメンバーへのカーテンコールを祝福しました。
半島からの現代舞踊団が、鮮やかな印象とすっきりとした感動を与えてくれたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

みなとぴあプロジェクションマッピング×Noism1

2017年9月15日(金) 19:00 新潟市歴史博物館 みなとぴあ 本館前特設ステージ みなとぴあプロジェクションマッピング×Noism1

砕波(さいは)

演出振付:金森穣
出演:Noism1

仕事を終え、車を駐車場に入れて、自転車でみなとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「光が織りなす背景を背に、躍動する肉体に感動する」です。
野外のステージでは、MCが登場し、イベントの概要を説明し、市長の開会の挨拶があって、まずはプロジェクションマッピングが行われ、過去の国際コンペ優秀作品や、国内外クリエイターによる新作が上映されました。
そしてNoism1。舞踏用のスーツを着た一団が舞台奥へ横一列に整列し、潮騒が鳴り響いて、パフォーマンスがスタート。後ろ向きのまま、ゆっくりと前へ歩み出し、ゆらゆらと揺れました。波音が弾(はじ)けると、一人が乱舞し、それが連続して、激しい群舞へと広がりました。余多(あまた)の身体(しんたい)が荒れ狂う海を描き出し、祭りの熱狂を二重写しにして、やがて倒れ込み、その運動を止めました。すると彩色された月が投影され、女神が進み出て、穏やかに舞い、秋を演じました。
会場からは大きな拍手が贈られ、舞踊団の秀逸な演技を讃えました。
「みなと新潟『光の響演2017』」の一環として行われた今回のパフォーマンスは、この集団の新たなる一面を垣間見せた貴重なものであったことを確認して、興奮を胸に家路を急ぎました。

充 加藤千明ソロダンスパフォーマンス

2017年9月9日(土) 19:00 砂丘館 充 加藤千明ソロダンスパフォーマンス

加藤千明(ダンス)

南魚沼市から戻って、軽食を取り、砂丘館へ。開演20分前に到着。
感想は、「緩と急、日常のあれこれを芸術に昇華するパフォーマンスに感動する」です。
微かなる鈴の音(ね)と共に、演者が現れ、ゆっくりと舞踊が始まりました。悲しみに心を奪われたように、僅かな動きで移動し、指のみが別に命を授かったように絡みつき、舐めている飴が耳障りな音を立てて、甘やかな鍵盤の調べに緩やかに挙動が進みました。
BGMが英語のナレーションとなり、素早いダンスへと切り替わって、言葉のリズムに反応し、壊れた機械のように振舞い、所狭しと動き回って、切れの良い所作で俊敏に舞い踊りました。
音が途切れ、青い林檎を頭に乗せると再びスローな動作に。歩き廻り、枠と戯れて、そのまま体をくねらせ、ゆらゆらと揺れて、自在な遊泳を見せ、机に覆(おお)い被(かぶ)さって、"説明の言葉"を呪詛のように唱(とな)えました。
音楽が復活し、活発に跳ねだすと、フィナーレへ。緩急を織り交ぜ、断片を回収し、流麗に舞って、最後は壁に頭を押し付け、暗転して、舞台を終えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、堂々たるソロ・パフォーマンスを大いに讃えました。
新潟で鍛えられ、他の都市で磨かれた身体での演技を再びこの地で披露して頂いたことに、感動し、熱く燃える胸を抱えて、帰路に付きました。