新潟交響楽団第94回定期演奏会

2014年6月29日(日) 14:00 新潟県民会館  新潟交響楽団第94回定期演奏会

歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲/グリンカ      
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64/メンデルスゾーン
 第1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート
 第2楽章 アンダンテ
 第3楽章 アレグレット・ノン・トロッポ~アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
交響曲第8番 ト長調 Op.88/ドヴォルザーク
 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
 第2楽章 アダージョ
 第3楽章 アレグレット・グラッツィオーソ~モルト・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ

新潟交響楽団(管弦楽)
民谷香子(Vn)
汐澤安彦(指揮)

県民会館に到着すると既に入場の行列が動きだしているところで、最後尾について会場入り。
感想は、「懐かしくも新しい鍛えられたしなやかな管弦楽に感動」です。
最初のグリンカは、躍動的で特に弦楽器がよく歌い豊かな響きを楽しみました。続くメンデルスゾーンではソリストが登場し、有名なメロディがソロ・ヴァイオリンから放たれるとめくるめく音楽が展開されました。流麗な独奏をオーケストラがしっかりと支える1楽章、ゆったりとして包容力あふれる2楽章、ソロとオケが丁々発止と渡り合う3楽章といずれも素晴らしい演奏でホールを満たしました。
休憩後は、本日のメインのドヴォルザーク。編成も少し大きくなり、指揮棒が下りると、低弦・木管が旋律を紡ぎ出し、気が付けばそこはボヘミヤの草原。たくましくも推進力に満ちた弦の響きに、豊饒な彩りを添える木管、パンチの効いた縁取りを聞かせる金管、曲の要所を的確に決めて全体を引き締めるティンパニとシンフォニックな構成を見事に再現したアレグロ。コンマスの美しいソロと長く伸びた歌い回しが郷愁を誘うアダージョ。哀愁に満ちた舞曲をたっぷりと奏でるアレグレット。トランペットの輝かしいファンファーレとフルートの超絶技巧が光る序盤から民族の喜びを爆発させる全合奏を経て、しみじみとした変奏が繰り広げられ、華々しくコーダへ突入するフィナーレ。その全てがたゆまぬ鍛錬の成果として、空間に放出され、その結果我々を感動へ導くエクセレントな芸術へと昇華して、聴衆へ届けられました。
喝采が続く中、ブラームスのハンガリー舞曲の第5番と第1番がアンコールとして演奏され、つつがなく終演となりました。
塩澤さんと潟響の再会がこのような素晴らしいものであることを同じ新潟県民として誇りに思わねばと喜びを噛みしめた日曜の午後でした。
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『タケミツ・ソングス』~武満徹のうたの普遍性を求めて

2014年6月20日(金) 19:00 りゅーとぴあスタジオA 『タケミツ・ソングス』~武満徹のうたの普遍性を求めて

作曲 武満徹
編曲 山本雅一

小さな部屋で/川路明 詞
恋のかくれんぼ/谷川俊太郎 詞
めぐり逢い/荒木一郎 詞
ぽつねん/谷川俊太郎 詞
雲に向かって起つ/ 〃
雪/瀬木慎一 詞:フランス語
ワルツ/岩淵達治 詞:ドイツ語
さよなら/秋山邦晴 詞
3月のうた/谷川俊太郎 詞
素晴らしい悪女/永田文夫 詞:スペイン語

うたうだけ/谷川俊太郎 詞
燃える秋/五木寛之 詞
見えないこども/谷川俊太郎 詞
昨日のしみ/ 〃
○(マル)と△(三角)の歌/武満徹 詞
島へ/井沢満 詞
死んだ男の残したものは/谷川俊太郎 詞
明日ハ晴レカナ、曇リカナ/武満徹 詞
小さな空/ 〃
翼/ 〃

川口聖加(S)
山本雅一(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。受付の後輩に挨拶して入場。
感想は、「言葉の力を最大限に引き出す武満のうたの世界を素晴らしい歌声とピアノで堪能」です。
前半は3曲では、横に流れる歌とその隙間を縫って点描的に奏でられるピアノ。特に谷川俊太郎では詞のもつ特有の言葉の乾いた韻律についた武満の曲が日本語の特徴をよく表し、独自の世界へわれわれを連れ去りました。
続く「ぽつねん」では痛みを伴う歌詞が心に刺さり、「雲に向かって起つ」では力強い歌いまわしで熱い思いをきっちりと表現していました。
ここでいったん退場し、間をおいて再登場。フランス語の歌詞のついた「雪」では一転、流麗な旋律がヴォリュームのある声で歌われ、言語のもつ特性の違いが反映された音楽を朗々と響かせました。続く「ワルツ」は、懐かしさを覚えるような切ない旋律を小粋な舞踏のリズムに乗せ、素敵なドイツ語の歌唱で楽しませてもらいました。
次の2曲は日本語に戻り、特に「3月のうた」は心に染みました。そして魅力的な女性の雰囲気をスペインの情熱で見事に具現化した「素晴らしい悪女」は前半のラストを飾るにふさわしい名演でした。
15分の休憩後は、スイングするピアノに導かれて、昭和のジャズ喫茶で歌われるかのような「うたうだけ」。そして「燃える秋」ではメロドラマのような優美なメロディに和まされ、「見えないこども」では言葉のおくに潜む深い悲しみを淡々と誠実に
歌って心が締め付けられました。ホンキートンクなピアノに合わせて軽いタッチで歌われた「昨日のしみ」。シンプルな詞に軽妙な音楽のついた「○(マル)と△(三角)の歌」は明るくちょっとおどけたように歌われ、後半の一くくりをうまくまとめあげました。
後半最後のパートで一番印象に残ったのは、「死んだ男の残したものは」。男→女→子供・・・と続く同型の反復がその悲しい旋律とともに心に迫り、最後にはなんともいえない感動と虚無を与えてくれる素晴らしい演奏でした。そして武満自身の詞による3曲は、「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」は励ますような歌声に心打たれ、「小さな空」がしみじみとした郷愁を誘い、「翼」で明日への希望をわれわれに与えてくれて、後半を締めてくれました。
そしてアンコールは、CDに入っている21曲で本日演奏されなかった曲で、しっとりとした幕切れとなりました。
このような素晴らしいコンサートをCD発売のツアーの一環として新潟で行っていただけたことに感謝の意を表して筆をおきたいと思います。

第265回ミニコンサート クラシックミニコンサート

2014年6月18日(水) 12:20 新潟市市役所1階市民ロビー 第265回ミニコンサート クラシックミニコンサート

夏の思い出/中田喜直
ふるさと(唱歌)/岡野貞一
エーデルワイス/ロジャース
サンタルチア/ナポリ民謡
私を泣かせてください/ヘンデル
歌劇「トスカ」より 歌に生き愛に生き/プッチーニ
東日本復興支援ソング 花は咲く/菅野よう子

Lee Hyunseung(イーヒョンスン) (S)
渡邉友絵(Pf)

毎月第3水曜日は市役所のロビコン。正午過ぎに到着し、着席して開演を待ちました。
感想は、「初夏の昼下がりに聞く美しい歌声に癒される」です。
まずは「夏の思い出」。透き通るような繊細な歌で、遥かなる尾瀬への思いを届けてくれました。
続いて「ふるさと」では会場への唱和の呼びかけがされ、独唱+合唱の形となり、3番ではソプラノのオブリガートが付く場面もあり、舞台と客席が一体となって楽しむシーンが展開されました。
次は、ヒョンスンさんが歌を始めるきっかけとなったという「エーデルワイス」。中欧の山々に咲く花を連想させる清らかなミュージカルの一曲が清々しく歌われました。そして明るくもうら悲しい旋律が印象的な「サンタルチア」。ナポリ湾の港を讃える歌詞が大らかに歌われました。
ここからオペラのアリアが2曲披露され、ヘンデルは切々と情感をこめて、プッチーニは堂々たるプリマ・ドンナぶりを発揮して喝采を浴びました。
プログラム最後は、復興支援ソングの「花は咲く」。心をこめた歌声は万人の心に届くもので、大きな拍手を受け、アンコールとなりました。曲名は不明ですが、お子様や家族などその人にとって大事なひとに向けて、「いろんなことがあってもあなたを大切に思うよ」という気持ちを込めた曲で穏やかに締めてくれました。
明るくオープンな人柄がよく出た素晴らしい歌のひと時でした。

東京交響楽団第84回新潟定期演奏会

2014年6月15日(日) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール 東京交響楽団第84回新潟定期演奏会

ノタシオンⅠ-Ⅳ(管弦楽版)/ブーレーズ
 Ⅰ 抑えて--気まぐれに Ⅳ リズミックに Ⅲ とても抑えて Ⅱ とても生き生きと、鋭く
夏の夜 作品7/ベルリオーズ
 Ⅰ ヴィラネル(牧歌) Ⅱ バラの亡霊 Ⅲ 入り江にて 
 Ⅳ 去りし人 Ⅴ 墓地にて Ⅵ 見知らぬ島
交響曲 第8番 ハ長調 「ザ・グレイト」/シューベルト
 第1楽章 アンダンテ--アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アンダンテ・コン・モート
 第3楽章 スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ

東京交響楽団(管弦楽)
サーシャ・クック(Ms)
ジョナサン・ノット(指揮)

いったん帰宅し、早夕食の後、再度りゅーとぴあへ。
感想は、「現代音楽から、ロマン派まで響きの多彩さと音楽の喜びの発露に心踊る」です。
まずはブーレーズ。こんな曲を新潟で聞けることが東響定期のよいところ。ステージいっぱいに広がるオーケストラ。特に打楽器の豊富さや3台のハープ、そしてピアノにチェレスタ、4管編成の管楽器に、対抗配置の弦楽器も18型でご機嫌です(←大編成好き)。演奏が始まると混沌(カオス)と鋭利(シャープネス)が支配する音響の饗宴。鍵盤類が醸し出す金属的なサウンドに無調の管弦が絡み合い、複雑なリズムとともに音の素描が繰り広げられました。
続いて極大から極小へ。人数を刈り込んだオケになったところに独唱者が登場し、ベルリオーズへ。ふくよかで深い歌声にぴったりと寄り添う伴奏。かそけき弦がそっとささやき、まろやかな管がしっかり支えて、「夏の夜」を彩りました。
休憩後は、お待ちかねの「グレート」。編成は少し大きくなり、ティンパニもモダンからバロックへ。全体として、スタイリッシュで軽快、しかし筋肉質のボディをもつ鮮やかなシューベルトできわめて今日的な演奏となりました。
歌謡性の高さが十分に発揮された1楽章、小粋で口当たりのよい2楽章、飛び跳ねるようなスケルツォでワクワクさせる3楽章、気合と勢いで一気呵成に聞かせる4楽章と生き生きした息吹を感じさせる演奏に、ブラヴォーや盛大な拍手が送られました。
ノット新体制は初めて聞きましたが、今後が非常に楽しみな印象を受け、さらに素晴らしいステージを提供してくれることを期待せずにはいられない演奏会となりました。

CONCERT presents インストアライブ 小黒亜紀 朗読&作曲&演奏ライブ Tomorrow never comes

2014年6月15日(日) 14:00 コンチェルト CONCERT presents インストアライブ 小黒亜紀 朗読&作曲&演奏ライブ Tomorrow never comes

「銀河鉄道の夜」(抜粋)/宮沢賢治 作 朗読 小柳実 作曲&演奏 小黒亜紀
練習曲 作品10-12「革命」/ショパン 演奏 小黒亜紀
ハンガリー狂詩曲第2番/リスト         〃
「最後だとわかっていたなら」/ノーマ・コーネット・マレック 作 朗読&作曲&演奏 小黒亜紀

りゅうーとぴあから急いでコンチェルトさんへ。私が最後で「特別席」へ(と言っても場所がないのでレジの前で立ち見ですがw)。
感想は、「訓練された声の美しさと超絶技巧のピアノの作り出す至福の時間を楽しむ」です。
最初はアナウンス・スクールの小柳先生(というか私の世代ではBSNで活躍された小柳アナのほうがピンときますが)の朗読に小黒亜紀さん作のピアノ曲がバックを彩る形で行われた「銀河鉄道の夜」。宮沢賢治特有のファンタジーがコクのある声音ときらびやかな旋律に縁取られ、天空のかなたへ連れて行ってもらいました。
続いてピアノ独奏で2曲。ショパンは激しいパッションで心を打ち抜き、リストは朗らかで快活に癒してくれました。
そして本日のメインプログラム「最後だとわかっていたなら」。愛するものを失った悲しみを、具体的な行為をしなかったことへの後悔という形で表現する文章に、寄せては返す波のような音楽が寄り添い、思わず涙を誘う瞬間を味わわせてくれる貴重な時間をいただきました。
盛大な拍手が送られ、それに答えてのアンコールは、シューマンの「トロイメライ」。夢見心地のエンディングとなりました。
朗読&演奏という今までにない上演形態に挑戦され意気込みに大変に感じ入った次第で、さらに新しい表現への期待が高まったインストアライブでした。

東京交響楽団 ロビーコンサート

2014年6月15日(日) 13:00 りゅーとぴあコンサートホール・ホワイエ 東京交響楽団 ロビーコンサート

弦楽六重奏曲第1番 変ロ短調 作品18
 第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アンダンテ・マ・モデラート
 第3楽章 スケルツォ(アレグロ・モルト)
       トリオ(アニマート)
 第4楽章 ロンド(ポコ・アレグレット・エ・グラチオーソ)

田尻順、福留史紘(Vn)
青木篤子、西村眞紀(Va)
西谷牧人、大宮理人(Vc)

15分前に到着し、ホワイエに座り込んで開演を待ちました。
感想は、「ただただ聞きほれるのみ、充実のブラームスに感動」です。
ジュルネでも聞いた弦楽六重奏ですが、ロビコンで聞くのはまた格別です。6台の弦楽器が、あるときは主役に、あるときは脇を固めて、曲を作り上げていくさまが至近距離で展開され、心を打ちます。室内楽ながら分厚い響きでこってりと聞かせてくれる場面もあれば、旋律・和音・ピチカートによるリズムが入り乱れて多彩な響きを聞き取れる瞬間もあって、目が離せません。特に有名な2楽章の美しさには心奪われました。この曲ではヴィオラの活躍するシーンが多くその地味ながら味わい深い音色は極上のご馳走といってよいでしょう。さらに終楽章では快活でなめらかな調べを楽ませ、最後は6人の熱情がひとつになって究極の音楽へと登り詰める形で最高のコーダを迎えました。
このような演奏が無料で聞けるなんて、なんと素晴らしいことでしょう。今後もぜひ続けていただきたいと真に願う気持ちで会場をあとにしました。

パソコン壊れました。

パソコンが壊れましたので記事のアップは修理完了までできません。
よろしくお願いします。

追記

仕方がないので、インターネットカフェに駆け込んで記事をアップすることにしました。
よろしくお願いします。

 りゅーとぴあピアノ・リサイタル・シリーズNo.32 アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル

2014年6月11日(水) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール りゅーとぴあピアノ・リサイタル・シリーズNo.32 アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル

ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調『テンペスト』 Op.31-2/ベートーヴェン
幻想曲とフーガ イ短調 BWV.944/バッハ
シャコンヌ/バッハ=ブゾーニ
愛の夢/リスト
 第2番「幸いなる死」
 第3番「愛しうるかぎり愛せ」  
パガニーニ大練習曲/ 〃
 第1番「トレモロ」ト短調
 第2番「オクターブ」変ホ長調
 第6番「主題と変奏」イ短調
 第4番「アルペッジョ」ホ長調
 第5番「狩り」ホ長調
 第3番「ラ・カンパネラ(鐘)」嬰ト短調

アリス=紗良・オット(Pf)

会場15分前に到着。いつになくホワイエが混雑しているのはマスメディアの威力?
感想は、「縦横無尽、硬軟自在のうら若き女子のパワーとテクニックに翻弄される」です。
1曲目のベートヴェンは柔和なタッチから始まり、美しいピアニシモ、強靭なフォルテが曲想に沿って使い分けられ、りゅーとぴあのスタインウェイを早くも飼いならして独自の世界を表現していました。
続く「幻想曲とフーガ」は硬質で高速。息をもつかせぬ勢いで繰り出されるフーガはダイヤモンドの光沢をもつ響きで圧倒されました。この曲が終わると間髪入れずに「シャコンヌ」へ。有名なテーマから展開される音楽は奏者の内なるエネルギーを、時にしなやかに、時に雄々しく放出し、楽器の全能力をすべて引き出すがごとき壮絶なるパフォーマンスで喝采を浴びました。
ピアノのチューニングの音が漏れ聞こえる休憩を挟んで、後半はリスト・プログラム。「愛の夢」2曲は優しくたおやかに奏でられ、心に沁みました。
そしてプログラム最後の「パガニーニ大練習曲」は、開演前から「ラ・カンパネラ」を最後に持ってくるよう曲順が変更がアナウンスされていました。この作曲家が自作自演すると、観客の女性があまりのかっこよさに失神するというエピソードが伝わっていますが、今回のアリスの演奏はそれを再現するもので、現代的なメリハリと柔らかなタッチで聴衆を魅了するかと思えば、強烈なフォルティシモで会場を挑発する大胆さを見せ、気が付けばホール全体が演奏者の術中に巻き込れるという手練れの技を見せてくれました。
カーテンコールでは、正面はもちろん上手・下手のお客様にもお辞儀をする礼儀正しさを見せ、ますます好感度アップで大きな拍手が鳴りやまず、アンコールはシューマンの「3つのロマンス Op.28」から「第2番」とショパンの「ワルツ第14番 ホ短調」で締めとなりました。
会場を出ると、CD購入者へのサイン会に長~い列が出来ていて、アリス・マジックの凄さが感じられました。
21世紀を生きる若きスター・ソリストがさらに人気を高め、クラシック音楽が隆盛を極められるようになることを祈りつつ会場を後にしました。

CARMEN 劇的舞踊 カルメン

2014年6月7日(土) 17:00 りゅーとぴあ劇場 CARMEN 劇的舞踊 カルメン

振付演出:金森穣
CAST  
カルメン|野性の女:井関佐和子
ホセ|理性の男:中川賢
ミカエラ|許婚の女:真下恵
マヌエリータ|仇敵の女:青木枝美
スニガ|権力の男:角田レオナルド仁
リュカス|栄誉の男:吉崎裕哉
ロンガ|同郷の男:簡麟懿
ドロッテ|謎の老婆:石原悠子
フラスキータ|双子の姉:亀井彩加
メルセデス|双子の妹:池ケ谷奏
熊/ガルシア|極道の男:藤澤拓也
兵隊の男達|:宮原由紀夫
         :松原広稀
ジプシーの男達:菅江一路
         :野崎啓吾
街娘達/ジプシーの女達:梶田留以
                :関祥子
                :及川紗都
                :浅海侑加
                :田中須和子
メリメ|旅の学者:奥野晃士

コンサートホールから劇場へ直行。入場するとすでに舞台向かって右端にしつらえられた机に旅の学者メリメが蓄音機のスペイン風音楽をバックに執筆中という設定でダンスは既にその幕をちょっとだけ開けて進行するというNoismで以前にも見られた手法が展開されていました(といっても筋にはほとんど関係ないのですが)。
定刻となって、袖の小机から舞台正面の布のスクリーンを用いた小芝居へ移行し、その後本格的にパフォーマンスがスタート。メリメの語る物語はビゼーの音楽に乗せて、進行して行きました。いつものNoismとは一味違ったストーリーのある構成で、狂言回し的役割の旅の学者が要所要所でセリフを入れるほかはすべて舞踏・照明・衣装・動く舞台装置で表現され、そのなかで井関佐和子演じるカルメンが女性の内に潜む野性を劇的に演じ切って、凄味とある種の恐ろしさそして美しさを発現していました。またNoism1・2が総出で繰り広げられるダンスはいつも以上にエキサイティングでかつ現実離れした光景を現出させていました。
音楽も通常の組曲版に加え、シチェドリンのバレエ版、セレブリエールの交響曲版が用いられ、特にシチェドリン版の現代的響きがNoismのコンテンポラリー・ダンスとマッチし、効果を上げていました。
最初の構成では1幕から3幕まであり、2回休憩が入る予定でしたが、昨日の公演を見た演出家が2~3幕を続けるという英断があり、そのように上演されましたが、それを知らないものにとっては自然な流れで最後まで飽きずに鑑賞できました。
新潟市にNoismがあることは幸せなことだと感じた貴重な時間を過ごさせて頂きました。

ウィーン・カンマー・オーケストラ

2014年6月7日(土) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール ウィーン・カンマー・オーケストラ

ディヴェルティメント ニ長調 K.136/モーツァルト
 第1楽章:アレグロ
 第2楽章:アンダンテ
 第3楽章:プレスト
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21/ショパン
 第1楽章:マエストーソ
 第2楽章:ラルゲット
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K.551/モーツァルト
 第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章:アンダンテ・カンタービレ
 第3楽章:「メヌエット」アレグレット
 第4楽章:モルト・アレグロ

ウィーン・カンマー・オーケストラ
牛田智大(Pf)
シュテファン・ヴラダー(指揮)

会場10分前頃到着。並ぶ必要もないのに、並んでしまう自分にあきれながら指定の席へ。
感想は、「ウィーンのヴォリュームある懐石料理を贅沢に満喫」です。
最初の「ディヴェルティメント」はくっきりとしたメリハリのある演奏で、アレグロでは特にチェロ・コントラバスの低音が快く響き、アンダンテにおいては豊かな弦楽アンサンブルを楽しみ、プレストはいかにもモーツァルトという軽快さを味わいました。
続くショパンでは、14歳の牛田君が大人顔負けの凛々しい姿で登場し、曲がスタートしました。第1楽章ではきらめくソロといぶし銀のオケとの対比が面白く、第2楽章では雄弁に歌うピアノが印象的で、終楽章ではオケに寄り添うような音色にチェンジし、見事な協奏を聞かせてくれ、「こいつ只者ではないな」と思わせる出来でした。しかも終わってからの挨拶も前方はもちろん、オルガン席に向かっても行い、礼儀正しい「日本男児」としてふるまいました。
ソリスト・アンコールはプーランクの「エディットピアフを讃えて」を美しく聞かせてくれました。
休憩後、本日のメイン・プログラムの「ジュピター」。羽毛のごとき柔らかさと強靭さを併せ持つヴァイオリンに確固としたまとまりで応える中・低弦とティンパニー。明るいモーツァルトの音色にちょっぴりさび色の装飾を加えるナチュラル・トランペット。ウィーンらしい柔和さを聞かせるホルン。2楽章のソロが素晴らしいフルート。木管の中核たる響きを支えるダブルリード属。それぞれがおのれの役割を果たしながら、音楽を構築し、フィナーレでは全員が一丸となってコーダへと突き進む快進撃を見せてくれて、交響曲という一大伽藍をりゅーとぴあの空間に現出させました。
大きな拍手に答えてのアンコールは、同じ作曲家の「カッサシオン」からアンダンテ。穏やかな響きに心休まりました。
ウィーンのオケでモーツァルトを聞けるという幸せな時間を過ごせたことにりゅーとぴあ及びTeNYテレビ新潟を始めとするの関係者の方々に感謝したいと思います。