茂木大輔のオーケストラコンサートNo.10 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」徹底解説!「原曲、およびラヴェルによる管弦楽編曲版全曲演奏」~豊富な解説演奏と映像でつづる100倍ためになる音楽会~

2014年㋈28日(日) 16:00 りゅーとぴあコンサートホール 茂木大輔のオーケストラコンサートNo.10 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」徹底解説!「原曲、およびラヴェルによる管弦楽編曲版全曲演奏」~豊富な解説演奏と映像でつづる100倍ためになる音楽会~

第1部:ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(1874) 全曲演奏
 プロムナード
 1.こびと
 プロムナード
 2.古城
 プロムナード
 3.テュイルリー(遊びの後の口げんか)
 4.ビドロ
 プロムナード
 5.卵の殻をつけたひなどりのバレー
 6.サミュエル・ゴールドベルクとシュミイレ
 プロムナード
 7.リモージュ・市場(重大なニュース)
 8.カタコンブ(ローマ時代の墓)
 '死せる言葉による死者への話しかけ'
 9.鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤガー)
10.キエフの大門

ピアノ 田村緑
第2部ラヴェルによる管弦楽版徹底解説(ピアノ版との比較+実験演奏)
第3部:ムソルグスキー(ラヴェル編曲) 組曲「展覧会の絵」(1922) 全曲演奏
 プロムナード
 1.こびと
 プロムナード
 2.古城
 プロムナード
 3.テュイルリー(遊びの後の口げんか)
 4.ビドロ
 プロムナード
 5.卵の殻をつけたひなどりのバレー
 6.サミュエル・ゴールドベルクとシュミイレ
 7.リモージュ・市場(重大なニュース)
 8.カタコンブ(ローマ時代の墓)
 '死せる言葉による死者への話しかけ'
 9.鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤガー)
10.キエフの大門

もぎオケ交響団(管弦楽)
茂木大輔(指揮)

だいしホールを後に、ママチャリを飛ばし、りゅーとぴあへ。事前の想定通り開演しており、到着すると第1部ピアノ版の演奏が始まっていました。係のひとに先導されて会場入り口のドアへ。静かに入場し、立見席で鑑賞と相成りました。第1部が終わり、茂木さんが登場したところで、指定の席へと移動しました。
感想は、「興味深い楽曲の解説と比較・実験演奏を楽しむとともに、200年前の男の友情に感激する」です。
第1部は「リモージュ」のあたりから聞き始め、「キエフの大門」まで、ダイナミックなピアノとスクリーンに映し出された解説で目と耳で曲を受け止めました。
ピアニストの田村さんが拍手を受けた後、退場し、代わって茂木さんが登場。第2部に切り替わりました。時空を超えた天才達のつながりや、ラヴェルの編曲の妙を、ピアノ版と管弦楽版を交互に演奏し、また指定とは違う楽器で実験し、さらに粋な味付けのポイントを示して、その技法の冴えを明快に説明してくれました。
第2部の最後は、「展覧会の絵」がピアノからオケへのアレンジであったのに対し、管弦楽からピアノへの編曲例として、「ラ・ヴァルス」が田村さんによって演奏されました。
そして休憩後、お待ちかねの第3部。トランペット・ソロによる「プロムナード」から始まるオケ版が流れ出し、曲に合わせて映し出される解説や、元になった原画、演奏者の紹介まで実に念の入ったスライドと共に、この曲の素晴らしさ、ガルトマンとムソルグスキーとの熱い友情、ラヴェルのオーケストレーションの真骨頂を見事なプレイで再現してくれました。
アンコールは、オケ版の「ラ・ヴァルス」。昔日の舞踏会への淡い郷愁を華麗なサウンドで再現し、にぎにぎしく終演となりました。
クラシックを堅苦しくなく、わかりやすく、しかも極上の演奏で提供してくれるこの催しは、音楽を聞く喜びを十倍にも百倍にもしてくれる貴重な機会であり、今後も継続をしていただけるよう関係の方々にお願いしたいと思いました。
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井上静香と仲間たち 2014 ~ピアニストを迎えて~

2014年㋈28日(日) 14:00 だいしホール 井上静香と仲間たち 2014 ~ピアニストを迎えて~

世の終わりのための四重奏/メシアン
 Ⅰ 水晶の典礼
 Ⅱ 世の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ
 Ⅲ 鳥たちの深淵 
 Ⅳ イエスの永遠性への賛歌
 Ⅴ 7つのトランペットのための狂乱の踊り
 Ⅵ 世の終わりを告げる天使のための虹の混乱
 Ⅶ イエスの不滅性への賛歌

中秀仁(Cl)
島田彩乃(Pf)
井上静香(Vn)
辻本玲(Vc)

ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 作品81/ドヴォルザーク
 Ⅰ Allegro ma non tanto
 Ⅱ Dumuka,Andante con moto
 Ⅲ Scherzo,Furiant:Molt vivace
 Ⅳ Finale,allegro

島田彩乃(Pf)
井上静香、猶井悠樹(Vn)
森口恭子(Va)
辻本玲(Vc)

本日は次に備えて、ママチャリで会場へ。大入りの中、席を見つけて座りました。
感想は、「練達の技と熱いスピリッツに支えられた快演に心奪われる」です。
まずはメシアン。1曲目ながら本日のベスト・プレイともいえる素晴らしい演奏。
静謐な中からこの世ならざる響きの混沌が湧き上がり、光り輝く迷宮が浮かび出て、久遠の淵へと消え落ちるまでを克明に描きだす奇跡の時間をもたらしてくれました。極小のささやきから濃密な音の連なりで聞かせるクラリネット。強靭ながら繊細な歌を聞かせるチェロ。天界からの一条の明かりのようなヴァイオリン。そしてそれらを支え、時に煌(きら)めくピアノ。すべてがこの作曲家の意図を明快に伝え、CDなどの音源では伝わらない"いきいき"とした息吹を吹き込んでくれました。しかも聞いている最中にも演奏者のパッションが胸に届き、知らず知らずのうちに涙腺が緩んで困りました。
休憩を挟んでのドヴォルザークのピアノ五重奏。前半とは一転、懐かしく美しい旋律があふれるこの曲では、芳醇なチェロに加えて、よく歌うヴィオラ、颯爽としたファースト・ヴァイオリンとそれを確固とした内声で支えるセカンド・ヴァイオリンがその腕の冴えを見せて、その全体を包むピアノと一体になって、4つの楽章を見事に仕上げてくれました。
万雷の拍手に応えてのアンコールは、「サウンド・オブ・ミュージック」からのメドレー。メインテーマや「エーデルワイス」、「私のお気に入り」などちょっとジャズ風味も加えて、楽しいエンディングとなりました。
このような素晴らしいコンサートが新潟で毎年開かれていることは、大変意義のあることであり、今後さらに発展されることを切に願います。

新潟メモリアルオーケストラ 第24回定期演奏会

2014年9月21日(日) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール 新潟メモリアルオーケストラ 第24回定期演奏会

・ロビーコンサート
猫/ベルトミュー
 山猫 ペルシャ猫
フルート四重奏第3番/モーツァルト
 第1楽章
演奏会用ポロネーズ/ポッパー
・本公演
ペトルーシュカ/ストラヴィンスキー
 第1場 謝肉祭の市場
 第2場 ペトルーシュカの部屋
 第3場 ムーア人の部屋
 第4場 謝肉祭の市場(夕方)
交響曲第4番 ヘ短調/チャイコフスキー
 第1楽章 アンダンテ・ソステヌート-モデラート・アニマ
 第2楽章 アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ
 第3楽章 スケルツォ、ピッツィカート・オスティナート、アレグロ
 第4楽章 フィナーレ、アレグロ・コン。フッコ

開演15分前に到着。既にできている待ち行列に並びました。
感想は、「新潟の音楽界での一大事件を目撃。昔の仲間たちの健闘に涙する」です。
まずはロビーコンサート。フルート4本でのベルトミュー。「山猫」はゆっくりと獲物を狙うように、「ペルシャ猫」ははしゃぎまくる様子が描かれました。続くモーツァルトのフルート四重奏は弦の伴奏の上を笛が躍動する演奏で楽しませてくれました。ロビコン最後は、チェロ四重奏のポッパー。よく歌う主旋律を低音が支える構造でじっくりと聞かせてくれました。
しばし待って、いよいよ本公演。オーケストラ曲としては、超難物の「ペトルーシュカ」。入り乱れる変拍子、複雑怪奇な曲想を見事に乗り切り、初演から既に一世紀を経たバレエ音楽を渾身の力と技の冴えでここ新潟で再現してくれました。
休憩を挟んでのチャイコフスキー。冒頭の金管のファンファーレから、今日の名演は決まっていたかのような快調な滑り出し。濃密なロシアを感じさせる1楽章、木管の憂愁漂う旋律が印象的な2楽章、ピッチカートで押し切る3楽章、そして圧倒的な迫力で迫る4楽章。オーケストラ全員が持てる力をフルに発揮し、作曲者の"運命"との格闘をパッションと根性で描きだしてくれました。
アンコールは、ハープが印象的なソロで輝く「花のワルツ」。この超重量級プログラムを華麗に締めてくれました。
かつて自分も立ったことのあるステージ上での仲間たちの奮闘とその結実としての素晴らしい成果を素直に喜びたいと思います。

Kaede Gallaery+full moon ギャラリーコンサート 2014-Summer ~ヴァイオリンによるデュオコンサート~

2014年9月20日(土) 19:00 Kaede Gallaery+full moon ギャラリーコンサート 2014-Summer ~ヴァイオリンによるデュオコンサート~

1.3つの二重奏曲 Op.99より第1番/ハイドン
 Allegro spiritoso
 Minuetto Ⅰ.Allegretto scherzando
2.二重奏曲より第2番/モーツァルト
 Allegro
 Andante
 RONDO Allegretto grzioso
3.44の二重奏曲より/バルトーク
 蚊の踊り
 前奏曲とカノン
4.6つのカノン風ソナタより第2番/テレマン
 Spiritoso
 Larghetto
 Allegro assai
5.サラバンドと変奏/ハルヴォルセン

佐々木友子(Vn Va)
庄司愛(Vn)

仕事を終え、30分前に到着。会場では"瀧谷美香×坪井麻衣子×好宮佐知子展"をやっていたのでしばし鑑賞。その後席について開演を待ちました。
感想は、「2本のヴァイオリンが奏でる調べにもう言葉はいらない。うっとりと聞きほれるだけ」です。
とは言いながら、まずは1曲目のハイドン。シンプルで明快な曲想を麗しい音色で表現し、純朴で快活な二重奏を聞かせてくれました。
続くモーツァルトは、流れ出す美しい旋律線とそれを支える中低音がこの作曲家の"天才"を映し出し、一瞬にしてその世界へ引きずり込まれました。
休憩の後、今度はバルトーク。「蚊の踊り」「前奏曲とカノン」とも短い曲でしたが、中欧の香りをふんだんに漂わせて、新鮮な気分を味わわせてくれました。
そしてテレマン。ぐっと時代をさかのぼった選曲は、くっきりとした面立ちの明るい響きで、2声の交錯を楽しく聞かせてくれました。
最後は佐々木さんがヴィオラに持ち替えてのハルヴォルセン。聞き覚えのある主題から、妙なる変奏が紡ぎ出され、深みのある陰影を加えた厚みのある音の塊りが迫り来て、音楽の豊饒を提供してくれました。
鳴りやまない拍手に応えてのアンコールは、「庭の千草」。優しいメロディがほのぼのとした雰囲気を醸し出し、この素晴らしいコンサートを締めるに相応しい幕切れとなりました。
二重奏ながら、様々な時代と土地の曲が用意され、演奏が始まるとそれぞれ別のダンジョンへ連れて行かれるような多彩さがあり、1時間強の演奏会でしたが、中身のたっぷり詰まった濃いひとときを楽しませてもらいました。

カルテット・スピリタス」結成10周年記念 カルテット・スピリタス スペシャル・コンサート

2014年9月19日(金) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール 「カルテット・スピリタス」結成10周年記念 カルテット・スピリタス スペシャル・コンサート

アンダンテとスケルツォ/ボザ
 Ⅰ.アンダンテ
 Ⅱ.スケルツォ:アセ ヴィフ
サクソフォン四重奏曲 変ロ長調 作品109/グラズノフ
 Ⅰ.アレグロ
 Ⅱ.カンツォーナ ヴァイエ
  主題‐アンダンテ
  第1変奏:メーム ムヴマン
  第2変奏:コン・アニマ
  第3変奏:シューマン風、グラーヴェ
  第4変奏:ショパン風、アレグレット
  第5変奏:スケルツォ、プレスト
 Ⅲ.アレグロ・モデラート
ロシアの冬景色/ゴロドフスカヤ
カルテット・スピリタス 紙芝居オペラ「MOMOTARO」/福田洋介
 イラスト 竹村育貴
SPAIN/岩永知佳
ARZENTINA/ 〃
ラテン・メドレー/浅利真 編曲

カルテット・スピリタス

松原孝政(S.Sax)
波多江史朗(A.Sax)
松井宏幸(T.sax)
東涼太(Br.Sax)

開演30分前に到着。3階締切でしたが、上々の入りで、さすワンコインコンサートの投票で1位を取る人気であることがわかります。
さて感想は、「超絶技巧に裏打ちされた上質のエンターテイメントを堪能する」です。
前半はサキソフォンのために書かれたクラシックの曲で構成。ボザの「アンダンテとスケルツォ」は懐かしい感じのアンダンテがたおやかに奏され、弾んだスケルツォでは四重奏の中でメロディのやり取りが縦横無尽に行き交い、一糸乱れぬアンサンブルで爽快に駆け抜けました。
続くグラズノフのカルテットでは変奏曲で綴る2楽章が印象的で、ソプラノ・サックスで奏でられる主題が、ある時は分厚いハーモニーの上を回遊し、ある時はバリトンやテナーのソロで惹きつけ、凝った味付けのメイン・ディッシュをいただくという風情でサキソフォン四重奏の醍醐味を聞かせてくれました。
休憩後は、"お楽しみタイム"。スピリタスではお馴染みの"サックス・マーチング"。上手2階脇のドアから4人が演奏しながら入場し、客席を練り歩いて、これぞというお客様の前で止まって、テナーの松井さんの"ご託宣"を行うパフォーマンス。○ならば優しい調べが、×ならばけたたましい騒音がお見舞いされるという趣向で、笑いをとって場を温めました。
一通り会場を回った後、ステージへ上がるとパイプオルガンの前にはスクリーンが設置されており、そこに曲名が表示され、さらに各所に配置されたライティングが雰囲気を盛り上げる舞台装置となっていました。そして後半1曲目の「ロシアの冬景色」。シベリアの凍土の上を駆け抜ける北風のような伴奏の上を憂愁の旋律が流れ出る美しい音楽が、厳しい冬を過ごす我々に共感と喜びを与えてくれました。
そして本日のコンサートのために委嘱され、今日が世界初演となるカルテット・スピリタス劇場第1弾の「カルテット・スピリタス 紙芝居オペラ『MOMOTARO』」。スクリーンに映し出されるコミカルなイラストとカルテットの演奏で、よく知られた"桃太郎"の物語を演ずる楽しい試みでした。色鮮やかな画像に気を取られがちですが、四重奏は特殊技法も含め、至難の譜面に見事に魂を吹き込み、場面を生かす素晴らしい響きで、時に笑かし、時に勇ましくおとぎ話を語ってくれました。
"感動の大長編"が終わって、続くは岩永知佳さんというこのグループの"お知り合い"の方が、スピリタスのために書いてくれた"赤"をテーマとした組曲からの2編。「SPAIN」は優しい調べで心和み、「ARZENTINA」では心躍るリズムでワクワクさせてくれました。
最後は恒例になっているという「ラテン・メドレー」。サックスの持つクラシック~ポップス~ジャズを跨いで活躍する多面性を露わにしたエキサイティングなプレイに大きな喝采が贈られました。
そしてアンコールは日本民謡の「八木節」。お祭りの華やかさ・楽しさを爆発させて、大盛り上がりの裡に終演となりました。
結成10周年ということで、おめでたい年のスペシャル・コンサート。今後もりゅーとぴあで聞きたい演奏団体であり、ますますのご発展を祈るものであります。

藤井貴宏 古畑由美子 オーボエ コンサート

2014年9月17日(水) 19:00 スタジオスガマタ 藤井貴宏 古畑由美子 オーボエ コンサート

オーボエソナタ ハ長調/ルイエ
 Ⅰ.Largo cantabile
 Ⅱ.Allegro
 Ⅲ.Largo espressivo
 Ⅳ.Allegro
私を泣かせてください/ヘンデル
ラルゴ ~オンブラ・マイ・フ~/ 〃
オーボエソナタ ト短調 1030b/J.S.バッハ
サロンの為の小品 Op.228/カリヴォダ
夢のあとに Op.7-1/フォーレ
ハバネラ/ラヴェル
アダージョとアレグロ Op.70/シューマン

藤井貴宏(Ob)
古畑由美子(Pf)

会場時間ちょうどに到着し、席へ着きました。
感想は、「葦笛と鍵盤の妙なる響きを楽しむ」です。
まずはルイエのソナタ。緩・急・緩・急の4楽章からなるベルギーの作曲家の音楽をじっくりと仕上げて、好調なスタートとなりました。続くヘンデルの2曲は美しい歌曲を丹念に歌い込み、心癒す演奏を提供してくれました。
そして前半最後の大物。バッハの"1030"はオーボエとピアノが織りなす錯綜する迷宮を鮮やかに解き明かし、3声によるバロックの伽藍を見事に構築しました。
休憩の後は、一転ロマンチックなカリヴォダから。多彩な曲想を自在に表現して、この楽器の魅力を引き出していました。次の2曲はやはり"歌"。憂愁な響きでフォーレを奏で、リズミックなピアノに乗ってのラヴェルの舞曲は、異国の香りを漂わせて、遠い半島への憧れを掻き立てました。
プログラム最後はシューマン。幸せな時期に作曲された甘い旋律たちをアダージョではたっぷりと、アレグロでは弾むように表現し、浪漫派の醍醐味を充分に聞かせてくれました。
アンコールは、欧州に伝わる"民謡"を歌と踊りで描きだして喝采の裡に終演となりました。
小ぶりな会場での親密な雰囲気の演奏会は、王侯貴族の時代にさかのぼったような妙味を味わわせてくれるとともに、奏者との一体感も増して、とても良い集いとなりました。

第268回ミニコンサート ~柳本幸子・経麻朗 秋の調べ~

2014年9月17日(水) 12:20 新潟市市役所1階市民ロビー 第268回ミニコンサート ~柳本幸子・経麻朗 秋の調べ~

1.悲しみのサンバ(ギターソロ)/Powell
懐かしい日本の歌メドレー
2.十五夜お月さん/野口雨情 作詞 本居長世 作曲
3.花かげ/大村主計 作詞 豊田義一 作曲
4.赤とんぼ/三木露風 作詞 山田耕筰 作曲
5.砂山/北原白秋 作詞 山田耕筰 作曲
6.ともしび/ロシア民謡
7.サマータイム/Heyward 作詞 Gershwin 作曲

柳本幸子(S)
経麻朗(G)

珍しく車で市役所まで。到着すると立ち見で通路が通れないほどの超満員に入り。
感想は、「渋くも華麗なギターと圧倒的なソプラノにノックアウトされる」です。
まずは経麻朗さんのソロで、「悲しみのサンバ」。ゆっくりとした前奏から、軽快なサンバのリズムが流れ出て、"大人"のグルーブが感じられるジャズフィーリングいっぱいの演奏を楽しみました。
続いては柳本さんが加わっての"懐かしい日本の歌"。月ニ題で、「十五夜お月さん」と「花かげ」。 何もない空間から一瞬にして開花する歌声に耳を奪われ、艶やかな響きとまろやかな手触りに思わず聞きいってしまいました。
そして「赤とんぼ」が天鵞絨のような味わいのア・カペラで歌われ、声の存在感であたりが静まりかえるような雰囲気になったのが印象的でした。
山田耕筰繋がりでの「砂山」は、再びのギター伴奏に乗せて、少し悲しげな旋律がよどみなく沸き出でて、しんみりとした面持ちで心を打ちました。
日本海を挟んだロシアからの「ともしび」。前半は日本語で、後半はロシア語の歌詞での独唱が切なさを際立たせました。
プログラム最後は、行く夏を惜しむ「サマータイム」。「ボギーとべス」からのアリアは貧しい子供への思いを切々と綴る歌声が会場全体を満たし、感動を呼び起こしました。
盛大なる拍手に応えてのアンコールは、柳本さん一人で、ちょっと悲しげで恋心を内に秘めた「佐渡おけさ」、そして2人での平和への祈りが託されたカタロニア民謡の「鳥のうた」。集まった多くの人々の胸の奥に届く至高の音楽で水曜日の昼休みを別世界に変えてくれました。
オープンなスペースでの催しとは思えない濃密な時間を過ごさせていただき、素直に『また聞きたいなあ』と思わせる素晴らしいコンサートでした。

CONCERTO PRESENTS インストアライブ 佐々木勇一 ギターリサイタル

2014年9月13日(土) 15:00 コンチェルト CONCERTO PRESENTS インストアライブ 佐々木勇一 ギターリサイタル

アストゥリアス/アルベニス
グラナダ/アルベニス
タラントス/ブローウェル
アルハンブラの思い出/タレガ
スペインセレナータ/マラッツ
ファンタジア No,1/ミラン
ファンタジア No,28 /フランチェスコ・ダ・ミラノ
ロッシニアーナ No,2/ジュリアーニ
無伴奏ヴァイオリン ソナタ No.2 BWV1003/J.S.バッハ 
浜千鳥/弘田龍太郎

佐々木勇一(G) 

日曜の代休で本日がお休み。コンチェルトさんへ到着すると、佐々木さんと親しいお客様たちが談笑中。なんでもこの前に爆笑ライブが執り行われていたとのこと。間に合わなくてちょっと残念。
気を取り直しての感想は、「スペインから柏崎まで、ルネッサンスから現代まで時空を超えたギターの活躍に心震える」です。
まずはアルベニスが2曲。「アストゥリアス」は聞き覚えのある旋律が優しく耳に届き、続く「グラナダ」は遠きアンダルシアへの郷愁を誘いました。
そして次のセクションは古今東西のギター曲のアラカルト。ブローウェルの「タラントス」は、炭鉱夫の嘆き歌をベースにした現代曲。"拍"が決まっていないそうで、モダンな響きと滴る水滴の音を想起させる不思議な印象を持つ面白い曲でした。アタッカで入ったタレガの「アルハンブラ宮殿の想い出」。"ギターといえばこれ"という定番中の定番の一つを、すすり泣くトリルの上を憂愁のメロディが流れる絶妙の味わいで楽しませてくれました。ここでの締めはマラッツの「スペインセレナータ」。第一拍の低音に連なる音符たちが、華麗なる舞曲を綴り始めると、ここはもう西班牙の空の下。明るくも切ない調べに酔いしれました。
ギターをイタリアの古いモデルのレプリカに変えてのルネッサンスの2曲。どちらも「ファンタジア」でしたが、まるでリュートを聞いているような典雅でかそけき音色で王侯貴族のサロンで聞いている趣でした。
前半最後はジュリアーニの「ロッシニアーナ No,2」。ナポリのヴィルトゥオーゾの大作を、熱くしかし確実に決めていき、胸に迫る名演となりました。
小休憩を挟んで、後半は本日のメインともいえるバッハの「無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番」。"音楽の父"の名曲を、精巧なるテクニックと高い音楽性を持って再現し、まるでこの楽器のために書かれた曲のように仕上げて、万雷の拍手を浴びました。
プログラム最後は、地元柏崎にちなんだ「浜千鳥」。やはり日本の曲は沁みます。中越沖地震の被災者や東日本大震災での避難民にも届けられた演奏は、ここ新潟市でも我々の心にダイレクトに浸透し、思わず目頭が厚くなりそうで焦りました。
このような素晴らしい演奏ですから、当然のようにアンコールとなり、「さとうきび畑」が沖縄の風の音をもたらしてくれました。
ドイツから一時帰国中の佐々木さんが、あちこち引っ張りだこで多忙な中、こうしてリサイタルを行っていただけることは、新潟市民としてまことにありがたいと思いますし、今後も世界的な活躍をされることを願ってやみません。

新潟大学管弦楽団チェロパート 第9回チェロアンサンブル演奏会

2014年9月9日(火) 14:00 西新潟市民会館 多目的ホール 新潟大学管弦楽団チェロパート 第9回チェロアンサンブル演奏会

第一部
星条旗よ永遠なれ/スーザ
 1st.上野俊一 2nd.根本幸大 3rd.澳原匠 4th.田中理
ピチカート・ポルカ/ヨハン・シュトラウスⅡ世 ヨゼフ・シュトラウス
 1st.島谷葉波 2nd.小野萌恵 3rd.山脇涼 4th.小林郁弥
サザエさん(沖縄バージョン)/筒美京平
 1st.安部瞬 2nd.澳原匠 3rd.牧野優子 4th.田中理 5th.京谷真帆
Adagio/アルビノーニ
 1st.安部瞬 2nd.根本幸大 3rd.加賀聖人 4th.井上航
1回生アンサンブル
2台のチェロのためのエチュードより2番/ポッパー
 1st.伊藤沙耶花 大能ひかり 速水康成 2nd.白鳥昇 宮下麻由子
2回生アンサンブル
ムーン・リバー/マンシーニ
 1st.安部瞬 2nd.小林郁弥 3rd.山脇涼 4th.田中理
3回生アンサンブル
ニムロッド(エニグマ変奏曲より)/エルガー
 1st.井上航 2nd.島谷葉波 3rd.京谷真帆 4th.加賀聖人 5th.澳原匠
4回生アンサンブル
八木節/不明
 1st.小野萌恵 2nd.根本幸大 3rd.菅野真央 4th.小林詩織 5th.牧野優子

第二部
3つの小品より『ガボット』/クレンゲル
 1st.井上航 2nd.安部瞬 3rd.澳原匠 4th.田中理
セレナーデ/ゴルダーマン
 1st.小野萌恵 2nd.小林詩織 3rd.菅野真央 4th.江口心一
Quartettuno No.4 Op.33/ボヘッリーニ
 1st.田中理 2nd.小野萌恵 3rd.井上航 4th.牧野優子
A Cellist's Variations on "Home on the Range"/フラハティ
 1st.田中理 2nd.小野萌恵 3rd.井上航 4th.江口心一

全体合奏
エレジー/フォーレ
リベルタンゴ/ピアソラ
すべての山の登れ(映画「サウンドオブミュージック」より)/ロジャース

指導・独奏 江口心一(東京都交響楽団)

本日は久々の連休初日。車を飛ばして会場入り。
感想は、「初心者から上級生まで、それぞれの段階での精一杯の力演に胸が熱くなる」です。
まずは勇ましい行進曲から。チェロ4本で奏でられるスーザは元になったブラスバンドでの演奏に負けず勢いよく響き渡り、トップバッターの重責を果たしました。続いては一転してのシュトラウス・ファミリーのポルカ。弓を使わない奏法での傑作をほのぼのと奏でてくれました。3番目は日曜夕方の国民的番組の主題歌。琉球音階をまぶした伴奏に乗ってコミカルに楽しく決めてくれました。そしてこれも有名なアルビノーニ。鮮明な音色でじっくりと聞かせてくれました。
ここからは、同じ学年同志のアンサンブル。まずは1回生。2台のチェロ用の練習曲を5人で丁寧に弾いて、大学に入ってから始めた人がいるとは思えない演奏を披露してくれました。1個上がっての2回生たちは、映画「ティファニーで朝食を」からのナンバー。中低音で奏でられるお馴染みの音楽は原曲とは一味違った印象を与えてくれました。3回生は、エルガーの変奏曲からの美しいメロディ。作曲者の友人の音楽的肖像を表現したこの曲を気高くノーブルに聞かせてくれました。最上級生のクインテットは、日本民謡をモダンな響きと闊達なやり取りで、耳を惹きつけるプレイを展開し、さすがの仕上がりで回生演奏を締めてくれました。
休憩を挟んで、再度学年混合の組み合わせでのステージ。クレンゲルはちょっと小粋でリズミカルな曲想をものにして楽しませてくれ、続くゴルダーマンは優しい旋律をたっぷりと歌い込みました。ボヘッリーニの四重奏は交錯する楽想を巧みに捉えて鮮やかに表現してくれました。アンサンブルの最後はフラハティ。『峠の我が家』のテーマを軸に新旧のチェロの有名曲を織り交ぜて愉快に取りまとめてくれました。
再度の休憩の後、大人数での全体合奏。まずは新潟大学管弦楽団のチェロ・トレーナーで東京都交響楽団の江口心一氏をソリストとしてのフォーレ。朗々としてよく歌うソロを十数名の伴奏が支えて、感動の名演となりました。独奏者退場後のピアソラは南米の息吹を伝える白熱の演奏。そして最後はさらに人数が増えて、二十数名でのロジャース。ミュージカルの1曲を堂々たる合奏で奏し、我々を圧倒して、最高の締めとなりました。
後輩達の"発表会"的性格のこのコンサートですが、全員の熱意が存分に感じられて、今後の更なる発展と輝かしい未来を感じさせる明るいものとなったと言えるでしょう。

BASS GARDEN 第7回演奏会

2014年9月7日(日) 14:00 りゅーとぴあスタジオA BASS GARDEN 第7回演奏会

Swinging on Eine Kleine/Mozort arr. H.Shinsi
アダージョとアルマンド/Funk
Someone to watch over me/Gershwin arr. Takehisa Aiba
Un Petit Reccueil/Pena
Arioso/J.S.Bach arr. Trumpf
HOBEE(FANCY BASSESより)/Schafer
摩訶不思議アドベンチャー/いけたけし arr. 木村将之
ディズニーソングメドレー/M-Iiyama arr. H.Shinsi
joker(Bussy Bassistより)/Schafer
アヴェ・ヴェルム・コルプス/Mozort
ふるさと/岡野貞一 arr. 木村将之
Gargantua/Schafer

BASS GARDEN:井関智加 表貴之 加藤倫弘 鈴木彩香 立野裕佳 林可奈 本間陽大 宮下信二 宮下慶子(Cb)

旧小澤邸から一旦家に戻り、昼食後、りゅーとぴあスタジオAへ。開演30分前に入場。
感想は、「後輩たちのコントラバスに掛ける想いが結実した瞬間に立ち会えて感動」です。
まずは有名な「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」をコントラバス四重奏で軽快にスイングのリズムに乗せたチューンからスタート。奏者が入れ替わりつつ、続いてはビオラ・ダ・ガンバ用の曲をこの楽器で再現というチャレンジングな試み。音色の親和性が感じられる優しい演奏でした。
引き続き四重奏でガーシュイン。甘酸っぱい憧れを甘美なメロディーに託して届けてくれました。次は三重奏でのオリジナル曲。モダンな響きで3つの楽章を弾き切り、作品の良さを引き出しました。
続いてのバッハは、聞き覚えのある旋律が低弦から醸し出され、共感を呼びました。前半最後は六重奏。迫力と掛け合いやメロディの受渡しなど大人数での楽しみを見せてくれました。
楽器体験もあった休憩後は、アニメのテーマソングから。勢いよく元気をくれる演奏で弾く喜びが充分伝わりました。次のディズニーメドレーはさまざまな旋律がパズルのように組み合わされ、解き明かす楽しみをもらいました。
「joker」では、この楽器のためにかかれた曲だけあって、特有の奏法を加えての妙技を披露してくれました。一転「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は歌心をこめて丁寧に仕上げてくれました。
以前からのアンケートでの『親しみやすい曲を』というリクエストにお応えした「ふるさと」は郷愁と切なさを呼びおこすもので、素直に心に沁み入りました。
プログラム最後は、「Gargantua」。3楽章からなる複雑な部分を持つこの曲を熱い気持ちを持ち、がっぷりよつに組んで、見事にうっちゃりました。
そしてやまない拍手に応えてのアンコールは、出演者9人揃っての「ドレミの歌」。お馴染みの旋律が楽器間を飛び交い、雰囲気を盛り上げて最高のエンディングとなりました。
本業を持ちながら、音楽活動を続ける彼らが、こうやって年1回集い、それが7回も続いていることは意義のあることだと思いますし、コントラバスという一見地味な楽器がこんなにも輝いていることを証明してくれることに、感謝の念を持つとともに、今後も"頑張れ"とのエールを贈りたいと思います。