相原一智 ピアノリサイタル 晩秋におくる名曲の灯 ~来たるスクリャービンの没後100年に向けて~

2014年11月30日(日) 14:00 だいしホール 相原一智 ピアノリサイタル 晩秋におくる名曲の灯 ~来たるスクリャービンの没後100年に向けて~

ノクターン 変ホ長調 作品9-2/ショパン
さすらい人幻想曲 D.760 作品15/シューベルト
月の光/ドビュッシー
白鳥/サン=サーンス(ゴドフスキー編)
ラ・カンパネラ(鐘)/リスト
左手のためのノクターン 作品9-2/スクリャービン
ソナタ第5番 作品53/ 〃
詩曲「焔に向かって」作品72/ 〃
バレエ組曲「火の鳥」より/ストラヴィンスキー(アゴスティ編)
 「魔王カスチェイの凶悪な踊り」
 「子守歌」
 「終曲」

相原一智(Pf)

ジョギングを6kmした後、休憩しながらCDを聞いていたら寝込んでしまい、気が付けばかなりヤバい時間、急いで昼食を取り、あわててだいしホールへ。何とか間に合いました。
感想は、「高い壁に立ち向かう若者の力闘に勇気と感動をいただく」です。
まずはショパン。暖かい音色(ねいろ)で夜の想いを届けてくれました。続くシューベルトでは、勢いよく飛び込んだスタートから、荒海を渡る船のように、熱く、体の中のエネルギーを楽器を通して放出するようなダイナミックかつうねるようなプレイで会場を沸かせました。
次の2曲はフランスもの。ドビュッシーは響きがそのまま体に沁み込むようなまろやかでまっすぐな演奏が心に伝わり、続くサン=サーンスでは、原曲を尊重しつつも、細やかに振れるアレンジを生かすように奏され、新鮮な驚きを与えてくれました。
前半最後はリスト。これも力と技巧で「鐘」を鳴らし、見事に勝利を勝ち取りました。
休憩を挟んで、後半はロシアもの。チラシにはなかった「左手のためのノクターン」からのスクリャービン。片手だけとは思えない豊かさで表現してくれました。続く「ソナタ第5番」は本日のメインともいえるもので、限られた時間の中に充実を盛り込み、密度の濃い、縦に長い音楽を作り出していました。そして「焔に向かって」。濃淡のついた儚さで周囲を包みました。
そしてプログラム最後のストラヴィンスキー。華麗な管弦楽曲を、水墨画の潔さで鋭く、過激に音にしたかと思うと、優美な旋律を歌心を持って奏で、フィナーレの盛り上がりを堂々と決めてくれて、ブラヴォーを贈りたいと思わせてくれました。
アンコールは自作の「ノクターン」、続いてバッハ=ラフマニノフの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ」から「プレリュード」。本編に勝るとも劣らない演奏で終わりになる予定でしたが、あまりの好評に、スクリャービンの「エチュード 作品 42-8」を追加してくれて、感動のリサイタルは終演となりました。
新潟県音楽コンクールでも最優秀賞を取った若き才能がこうやって新潟でリサイタルをやってくれるのは嬉しいことですし、今後も広く活躍されることを願ってやみません。
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にいがた音楽協会20周年記念コンサート

2014年11月28日(金) 19:00 新潟市音楽文化会館ホール にいがた音楽協会20周年記念コンサート

ピアノ(石井朋子(Pf))
ピアノソナタ第9番「黒ミサ」
楽興の時より Op.16-2/ラフマニノフ
前奏曲集より Op.32-3,4/ 〃
幻想的小曲集より Op.3-3 メロディ/ 〃
ヴォカリーズ Op.34-14/ 〃

ヴァイオリン(枝並千花(Vn)、長尾洋史(Pf))
スラヴ幻想曲/ドヴォルザーク=クライスラー
ヴァイオリンソナタ/R.シュトラウス

声楽(内山信吾(T)、丹藤亜希子(S)、清水綾(Pf))
かわいい口元/トスティ 内山
マキャーレ/ 〃    丹藤
最後の歌/ 〃     内山
暁は光から/ 〃    丹藤
オペラ「トスカ」から「妙なる調和」/プッチーニ 内山
オペラ「トスカ」から二重唱「マリオ、マリオ」/ 〃 内山、丹藤
オペラ「トスカ」からアリア「歌に生き、恋に生き」/ 〃 丹藤
オペラ「トスカ」からアリア「星は光りぬ」/ 〃 内山

仕事を終えて、音楽文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は、「20周年を祝う華やいだコンサートを楽しむ」です。
まずはピアノ独奏。いきなりのスクリャービン「黒ミサ」。不安げな始まりから、徐々に増幅される音楽。戦慄と快感が交差する不思議な時間を過ごさせてもらいました。続くラフマニノフでは透き通った楽器の響きが氷点下の美しさをもたらし、打鍵の後の音の残り香までも芸術にする素晴らしさでため息が出ました。
2番手はヴァイオリン。クライスラー編曲のドヴォルザークは、「母が教え給えし歌」のメロディからのファンタジーで、勢いと技巧が相まって、表情豊かな演奏で楽しませてくれました。トークが入ってのR.シュトラウスは、クールな面持ちの裏に隠れる想いが熱を帯び、頂点で爆発する1楽章。たおやかに語る2楽章。ピアノと競い合い、絡み合う3楽章。そのどれもが艶やかで力強い音色(ねいろ)で響き、練達の技を伴って聞くものへ訴えかける音楽を聞かせてくれました。大きな拍手に応えてのアンコールは、フォーレ(エルマン編)の「夢のあとに」。美メロを楽しませてくれました。
通常に比べちょっと短い休憩の後は、声楽のプログラム。まずはテノールとソプラノが交互にトスティを歌い、華やかな歌の世界を提供してくれました。続いてプッチーニの歌劇から。独唱、二重唱が花束・椅子などの小道具や、振付・仕草などの演技も交えて、まるでオペラの舞台を見ているような臨場感を味わわせてくれ、会場いっぱいに響き渡る美声で大盛り上がりとなりました。アンコールはお二人でヴェルディの「乾杯の歌」でにぎにぎしく終演となる予定でしたが、喝采の声が止まず、急きょ「オーソレミヨ」を歌って締めとなりました。
まるで20年間に戻ったかのような懐かしい雰囲気の会場でしたが、このようなガラコンサートが執り行われたことは、にいがた音楽協会2の0周年を記念する良い催しになったと思います。

おんぶんリレーコンサート2014 11月23日(日) 「クオリティコース」

2014年11月23日(日) 17:30 新潟市音楽文化会館ホール おんぶんリレーコンサート2014 11月23日(日) 「クオリティコース」

(※ 今回も長いコンサートの途中参加のため、聞いたプログラムよりの記述となります)

8.ソプラノ二重唱 カンターレ娘
    ソプラノ:桑野彩 高津亜美 ピアノ:稲田夏帆
   歌劇≪皇帝ティートの慈悲≫より「ああ昔の愛情に免じて」/モーツァルト
   歌劇≪コシ・ファン・トゥッテ≫より「どちらかというと黒髪の彼の方」/ 〃
9.ピアノ独奏 渡邉友恵
   創作主題による32の変奏曲/ベートヴェン
10.ソプラノ独唱 飯塚智恵子 ピアノ 篭島景子
   歌劇≪ラ・ボエーム≫より「私の名はミミ」/プッチーニ 
   歌劇≪マノン・レスコー≫より「このやわらかなレースの中に」「ひとり、捨てられ」/ 〃
11.ピアノ三重奏 八子真由美&The Leiermann Duo
    ピアノ:八子真由美 ヴァイオリン:波多野彰彦 ヴィオラ:波多野順子
   ピアノ三重奏曲 変ホ長調 K.498 「ケーゲルシュタット・トリオ」より 第1楽章、第3楽章/モーツァルト
12.ピアノ独奏 藤田愛子
   「映像第1集」より「Ⅰ.水に映る影」「喜びの島」/ドビュッシー
13.ソプラノ独唱 李玹承 ピアノ 石附真美
   あなたが愛されますように/レオンカヴァレロ
   私は望みを失ってしまった/ドナウディ
   歌劇≪アンドレア・シェニア≫より「亡くなった母を」/ジョルダーノ
14.ピアノ連弾 piano piano cantar
    プリモ:平賀早織 セコンド:五十嵐宏太
   歌劇≪はかなき人生≫より スペイン舞曲第1番/ファリャ

りゅーとぴあから急いで音楽文化会館へ。今日の「クオリティコース」前半の最後に間に合いました。
まずはソプラノ二重唱でのモーツァルト。華やかでクリアな歌声に2人の演技が加わって、オペラの一場面を再現してくれました。
ここで休憩が入り、再開後はピアノ独奏から。羽根のようなタッチで軽やかに弾かれるベートヴェンには今までのこの作曲家へのイメージを覆されました。
続くソプラノ独唱はプッチーニのアリア。落ち着いた大人の歌唱ながら、決め所ではホールに響き渡るフォルテシモを聞かせて、劇的なステージを見せてくれました。
そしてピアノ三重奏。モーツァルトの「ケーゲルシュタット・トリオ」から(ここでお断りですが、実は出演者よりの強い希望で"辛口"の評をということで、例外的にちょっとキツメの表現が続くかもしれません)。
*****
さっそくこの演奏での課題はというと、"音量のバランス"です。ピアノに対して、弦の響きが見え隠れする場面が見受けられ、せっかくの名演がちょっとかすんでしまう感じがあります。さらにヴァイオリンの音が若干か細く、「もっと太めの力強い音色(ねいろ)が聞けたらなあ」との注文をつけたくなるところが垣間見れました。
*****
と"辛口"はここまで。実は上記は要望にそって、注意深く聴いても、付け入る隙間のない素晴らしい演奏で、「一体どこを指摘すればいいの?」と思うほどの出来の中から、なんとか見つけ出したものであり、非常に微細な部分についての"ないものねだり"であって、普通であれば"世紀の名演、さすが伝説のコンマス"と言いたいほど充実した出来栄えを覆すものではありません。
ということで内輪向けの評はこれぐらいにして、続いての出演者の方はピアノ独奏でドビュッシー。氷のような冴え冴えとした響きに、深い低音が加わって、プリズムを見ているかのような演奏で、しかも時にずんずんと突き進む推進力も見せてくれて、この作曲家の新たなる魅力を教えてくれる素敵なものでした。
ラス前はソプラノ独唱で3曲。マイルドでしなやかな声が、切なくまたおおらかに歌い上げられて、演奏者の想いを隅々まで届けてくれました。
最後はピアノ連弾でのファリャ。4手から繰り出される舞曲はうねるように切々と憂愁の調べを紡いで、有終の奏でを聞かせてくれました。
今日もまた新たなる感動を届けてくれたリレーコンサート。演奏者の方々はもちろん、企画・運営をされた関係者の皆様へ感謝の意を捧げたいと思います。

新潟交響楽団 第95回定期演奏会

2014年11月23日(日) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール 新潟交響楽団 第95回定期演奏会

交響詩「ドンファン」/R.シュトラウス
ティンパニ協奏曲/テーリヒェン
 1.Allegro assai
 2.lento
 3.Allegro moderato
交響曲第4番イ長調「イタリア」Op.90/メンデルスゾーン
 1.Allegro vivce
 2.Andante con moto
 3.Con moto moderato
 4.Salitarello.Presto

石川達也(Timp)
新潟交響楽団(管弦楽)
伊藤翔(指揮)

スタジオスガマタから戻り、昼食を取り、ブログを書いていたら、もう開演35分前。大急ぎで会場へ。
感想は、「難曲・曲者揃いのプログラムに果敢に挑戦。見事にものにして喜びを分かち合う」です。
まずは「ドンファン」。R.シュトラウスのハードルの高いスコアを丹念に解きほぐし、千変万化な管弦楽の冒険物語を華麗に読み解いて、ピアニッシモからフォルテシモまで、幅のあるダイナミクスを表現し、色彩感豊かなオーケストレーションを漏らさず客席まで届けてくれました。
次は個人的に"お待ちかね"の「ティンパニ協奏曲」。5台の楽器がソリスト席に設置され、期待が高まります。弦のピッチカートから始まり、リズムの乱舞が舞い踊る1楽章、ペダルでのグリッサンドが印象的な2楽章、再びの律動から孤高のカデンツァを経て熱狂の終焉を迎える3楽章、独奏者の八面六臂の活躍とそれに応えるオーケストラによってステージ上では最高のパフォーマンスが成され、現代のコンチェルトが完遂されました。
休憩を挟んで、メンデルスゾーンの「イタリア」。はつらつと南欧の光りを表すアレグロ。ゆったりとした足取りで進み、レンガ色の郷愁を誘うアンダンテ、優雅な踊りで彩るモデラート、駿馬の如き速さで切れよくドライブされるサルタレロ、そのどれもがよく鍛えられた成果を見事に表し、素晴らしい名演を聞かせてくれました。
最後の一音が途切れると同時に大きな拍手とブラヴォーが投げかけられ、それに応えてのアンコールは歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「間奏曲」。穏やかに美しい旋律に心癒されました。
新しい指揮者を迎え、素晴らしいソリストを招待して行われた今回の定期演奏会は、素晴らしい結果を残して、新潟交響楽団のさらに明るい未来を示してくれた言っていいでしょう。次回のコンサートが楽しみになる快いひとときでした。

concert PRESENTS Live In SUGAMATA Autumn Live

2014年11月23日(日) 11:00 スタジオスガマタ concert PRESENTS Live In SUGAMATA Autumn Live

Guitar Solo
 青春の輝き/カーペンターズ
Flute & Guitar
 Fly me to the moon/Howard
 小さな想い出/門馬由哉
 カンドンベロスの2つのアリアより ブエノスアイレスの空のアリア/ブホール
Guitar Solo
 帰り道
 Come Together/ビートルズ
Vocal & Guitar
 さとうきび畑/寺島尚彦
Trio
 シネマミュージック/ロータ
 カノン/パッヘルベル

小笠原直子(Fl)
山際規子(歌、Pf)
門馬由哉(G)

会場15分前に到着。コンチェルトの佐藤さんにお出迎えされて会場へ。
感想は、「溢れ出す音楽、弾むパッションに喜びが満ち溢れる」です。
まずはギターソロで、カーペンターズ。徐々に形を成してくる懐かしいメロディに思わず歌詞が頭を巡り、1曲目にしてその世界へ引き込まれました。
フルートが加わって、「Fly me to the moon」。6弦の独特のグルーブの上にのって飛翔する旋律が心をくすぐります。さらにギタリストのオリジナル曲である「小さな想い出」。ほっこりと温かい小春日和の陽だまりのような素敵なぬくもりを届けてくれました。
そしてこの編成のために作られた「ブエノスアイレスの空のアリア」。刻むギターと流れるフルート。せめぎ合い、時に一体となって、華麗なバトルを繰り広げ、素晴らしいデュオを聞かせてくれました。
再度ギタリストのソロで、自作の「帰り道」。夕日に照らされた港への小道をイメージして書かれたこの曲は、ちょっとの寂しさと明るいメロディで親しみを与えてくれました。続くビートルズのロックナンバーでは、重いビートで進み、即興的なフレーズがそこかしこに挟まれて、"かっこいい"仕上がりで、うならされました。
ヴォーカルが加わり、フル・ヴァージョンで歌われた「さとうきび畑」。広い平原にふりそそぐ夏の日差しに照らされた悲しみが切々と、ライブだからわかる表現力をもって、胸に迫ってきました。
続いて歌が鍵盤にチェンジしたトリオで、ニーノ・ロータの映画音楽。「ロミオとジュリエット」「ゴッドファーザー」「太陽がいっぱい」と、アラ還のおじさんの心を鷲掴みにする選曲で、心が締め付けられる嬉しさでした。
プログラム最後はパッヘルベルのカノン。お馴染みの曲がピアノ・フルート・ギターの編成で奏でられ、新鮮な感動を呼び起こしました。
大きな拍手の応えてのアンコールは「ムーンリヴァー」。最後まで懐かしの名曲で美しく締めてくれました。
音楽が体のなかから流れ出すようなオーラが会場を包んだこのコンサートを企画されたコンチェルトさんに感謝して、パソコンを閉じたいと思います。

おんぶんリレーコンサート2014 11月22日(土) 「クオリティコース」

2014年11月22日(土) 17:30 新潟市音楽文化会館ホール おんぶんリレーコンサート2014 11月22日(土) 「クオリティコース」

(※ 今回は長いコンサートの途中参加のため、聞いたプログラムよりの記述となります)

4.アルトリコーダー独奏 渡辺健一
  無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007 よりプレリュード/J.S.バッハ
  無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番 BWV1003 よりアンダンテ/ 〃
  無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番 BWV1003 よりプレリュード/ 〃
5.サキソフォン&十七弦 五十嵐文・奥村京子
   サキソフォン:五十嵐文 十七弦:奥村京子
  祈詩 REN-MEN/吉崎克彦
6.ピアノ独奏 阿部朋子
  ラプソディ第2番 ト短調 Op.79-2/ブラームス
7.歌、ファゴット、ピアノ、パーカッション 銀河ソフトクリーム
    歌、パーカッション:古田木綿子、古田淳一 ファゴット:木内ひろ子、ピアノ:真山有希 パーカッション:山下久樹
  Tombo in 7/4/モレイラ
  Pata Pata/Ragovcy,Makeba
  ポラーレ/モドゥーニョ
8.ピアノ独奏 田口侑果
  スペイン狂詩曲/リスト
9.ヴィオラ、チェロ二重奏 レストロ・アルモニコ
    ヴィオラ:井浦美幸 チェロ:佐藤義信
  ヴィオラとチェロのための二重奏曲 変ホ長調 Op.32 よりアレグロ
10.三味線合奏 和楽の会 三味線コース
    唄:細井幸代 唄、三味線:蓑田弘大 三味線:辻めぐみ 浅野章子 中村章子 高橋美奈子 後藤まみ 大野理津
  都鳥/二代目 杵屋勝三郎
11.ピアノ独奏 轟文子
  バラード第4番 ヘ短調 Op.52/ショパン
12.打楽器アンサンブル 新潟パーカッショングループ14
    パーカッション:高野真哉 伊藤由貴 吉田理絵 佐藤あゆみ 上野江理佳 
             山田靖子 佐々木静香 阿部泰之 丸山朋子 小野塚彩
  3×3/西原大樹 
  幻のトレイン/継田和弘

昨日から3日間に渡り執り行われている"おんぶんリレーコンサート"。知り合いも出るということで、その一部に参戦。いつものように仕事を終えて、音楽文化会館へといそぎました。「クオリティコース」の4番目から聞くことができたので、そこからのご報告。
まずはリコーダーによるバッハの無伴奏ものから3曲。シンプルでありながら豊かな内容を含む曲たちに真摯に立ち向かい、素朴ながら味わい深い音楽を聞かせてくれました。
続くサキソフォンと十七弦のデュオ。箏の奏でるさざ波の上を柔らかく吹き抜ける風の如きサックス。海辺の松原で繰り広げられる自然の移り変わりを想起させる曲折を和洋2つの楽器で描きだしてくれました。
次はピアノ独奏でブラームス。渋いながらも裡に激情を湛える曲想を充分に表現し、この作曲家の浪漫的な側面を見せてくれました。
ここで雰囲気がガラッと変わり、舞台上にはソフトクリームのコスプレをした演奏者たちが登場。カホンやシェーカー、ギロなどラテン打楽器が活躍する陽気なナンバーで楽しませてくれました。
お祭りが一段落した後は、ぐっと落ち着いてピアノ独奏。音文のスタインウェイの能力を全開にするような豪快かつ繊細な演奏で見事にリストを仕上げてくれました。
続いてはヴィオラとチェロの二重奏。ベートヴェンのデュオを息の合った仲の良いアンサンブルで聞かせてくれました。
ここで三味線合奏の登場。このホールで聞くと若干乾いた音色(ねいろ)で聞こえ、唄が入ることで"和"の味わいが広がり、さらにシルクロードを超えて、西方の響きまで聞こえてくるようでした。
次のピアノ独奏はショパン。いつくしむように弾かれる鍵盤から優美でまろやかな音楽が流れ出し、円熟の演奏に心奪われました。
最後は大規模な打楽器アンサンブル。9人が3つに分かれて、それぞれ、"木"、"金"、"革"のグループを成し、3つの違った音質での演奏から、やがて入り混じり一つの大きな音楽へ成長する「3×3」。この世ではないどこかを駆け巡る鉄道の影を追いかけて、美しい奔流へ変容する「幻のトレイン」。厳しく鍛錬されたものだけが持つ輝きを見せつけてくれました。
おんぶんリレーコンサートは今回初めて聞きましたが、今まで聞いたことがない方たちが多数で、それが皆様素晴らしい演奏をされていて、まだまだ新潟には自分が知らない才能たちが多くいることを認識させられ、"今後さらに楽しみが増えるなあ"と思って会場を後にしました。

渡辺勇気ピアノソロコンサート2014

2014年11月21日(金) 19:15 りゅーとぴあスタジオA 渡辺勇気ピアノソロコンサート2014

平均律クラヴィーア曲集より/J.S.バッハ
 第1巻 第2番 ハ短調 BWV847 プレリュード&フーガ
 第2巻 第2番 ハ短調 BWV871 プレリュード&フーガ
ピアノソナタ第12番ヘ長調 KV332(300K)/モーツァルト
 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 アダージョ
 第3楽章 アレグロ アッサイ
ノクターン第1番変ロ短調 Op.9/ショパン
24のプレリュード Op.28より/ 〃
 第15番変ニ長調「雨だれ」
 第20番ハ短調
バラード第1番ト短調 Op.23

渡辺勇気(Pf)

仕事を終えて会場へ。開演35分前に到着。
感想は、「寡黙なピアニストが奏でる真摯な音楽に聞き入る。」です。
まずはバッハ。刻々と過ぎる時間を愛おしむように刻まれる前奏曲。主題が右手で提示され、左手が丁寧に追いかけるフーガ。そのどちらもが特有の乾いたしかし悲壮な響きをなびかせて、ハ短調の調べを届けてくれました。そのまま続けてモーツアルトへ。明るい煌めきが感じられるアレグロ。繊細でやさしいタッチが印象的なアダージョ。音符がピアノから溢れ出すアレグロ・アッサイ。アマデウスの喜びを聞かせてくれました。
休憩を挟んでショパン3題。「ノクターン」は静々と穏やかに、「雨だれ」は儚い悲しみを滲ませて、「バラード」は美しさを秘めつつ情熱的に演奏し、りゅーとぴあのスタインウェイからピアノの詩人の音楽を紡ぎだしてくれました。
アンコールは多分バッハ(もしかするとハ短調のプレリュード?)。しっかりと締めてくれました。
満員の聴衆のなか、淡々と楽器に向かう姿が印象的で、これからも良い音楽を聞かせていただけるよう願うものであります。

第270回ミニコンサート ヴァイオリン・デュオ

2014年11月19日(水) 12:20 新潟市市役所1階市民ロビー 第270回ミニコンサート ヴァイオリン・デュオ

1.ガヴォット/ゴセック
2.2つのヴァイオリンのためのソナタ Op.99-1/ハイドン
3.2つのヴァイオリンのためのソナタ No.1/ルクレール
4.チャルダッシュ/モンティ

廣川抄子、庄司愛(Vn)

8.6km走って家に戻り、ふと時計を見ると開演1時間前、少し休憩後、急いで会場へ。何せ人気のコンサートのため、やっと席を見つけて、一安心。
感想は、「2台のヴァイオリンで奏でられる珠玉の音色(ねいろ)をおいしく味わう」です。
ますはゴセック。親しみのあるメロディでぐっと聴衆の心をつかみ、開放的な環境にもかかわらず、静寂が支配するかのような集中した雰囲気を作り出しました。
続いてのハイドンは2楽章形式のもので、明るくハイセンスな響きと美しい旋律が2つの楽器から交互に流れ出し、端正で歯切れの良い曲想を十二分に表現していました。
そしてルクレール。優雅で華やかな音の糸が、絡まり合うように編み上げられ、瀟洒なつづれ織りが会場を包むように奏せられて、3つの楽章が豊かな実りとなって会場に届けられました。
30分の演奏会ですから、早くも最後のプログラム。お馴染みモンティの「チャルダッシュ」。濃厚な序盤から、快速の踊りの部分では、2人で主旋律を順番に分かち合ってステレオ効果で楽しませてくれました。
満場の拍手に応えてのアンコールは「庭の千草」。曲目が告げられると、前にいたご婦人たちから、ため息交じりに「いいわねー」との賛辞が。懐かしきアイルランド民謡がしっとりと奏でられて、好評のうちに終演となりました。
毎月第3水曜日に開催される市役所のロビーコンサート。曇天で足元も悪いながら、多くの聴衆を集めるこの催しも今回でめでたく270回。今後も様々な音楽を届けていただけることを祈念して、会場を後にしました。

ギャラリーコンサート 2014-Autumn ~弦楽三重奏コンサート Vol.4~

2014年11月15日(土) 19:00 Kaede Gallery+full moon ギャラリーコンサート 2014-Autumn ~弦楽三重奏コンサート Vol.4~

1.バイエルン民謡による変奏曲/R.シュトラウス
2.弦楽三重奏曲 変ロ長調
 Ⅰ.Allegro moderato
 Ⅱ.Andante
 Ⅲ.MINUETTO Allegretto
   Trio
 Ⅳ.ROND Allegro
3.ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのためのソナタ ト短調/J.S.バッハ
 Ⅰ.Vivace
 Ⅱ.Adagio
 Ⅲ.Allegro

庄司愛(Vn)
佐々木友子(Va)
渋谷陽子(Vc)

開演15分前に到着。落ち着いた和風のギャラリーでのコンサート。
感想は、「こんな素晴らしい演奏を書きあらわすことは不可能。美しい弦の響きにただ酔いしれる」です。
まずは、R.シュトラウス。バイエルン地方の民謡が主題の提示後、ヴァイオリン→ヴィオラ→チェロに引き渡され、その上を変奏たちが彩りをつけていき、ひとつにまとまって、シンプルでかつ優美な曲を届けてくれました。
続いてシューベルト。若々しい息吹と3つの楽器のそれぞれの良さが鮮明に表されて、ただただ聞き入るのみ。4つの楽章とも、特徴が生かされたヴィヴィッドな演奏にうっとりとするだけでした。
休憩を挟んで、J.S.バッハ。ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための曲を三重奏用に編曲されたものだそうですが、まるでこの組み合わせのオリジナルのように聞こえ、作曲家が織りなす縦糸と横糸を見事に編み合わせて、繊細で厳格な美を具現化して、提供してくれました。
満場の拍手に応えてのアンコールは、ベートーヴェンのメヌエット。親しみのあるメロディをさらりと聞かせてくれました。
四季ごとに開催されるギャラリーコンサート。毎回上質で親密な時間を提供してくれる貴重な機会であり、来年も執り行われるとのことで、今から楽しみにしたいと思います。

ARS NOVA Wind quintet アルスノーヴァ木管五重奏団 共演 品田真彦

2014年11月15日(土) 14:00 だいしホール ARS NOVA Wind quintet アルスノーヴァ木管五重奏団 共演 品田真彦

Novelette(ノヴェレッテ)/プーランク
La Cheminee Du Roi Rene(ルネ王の暖炉)/ミヨー
 1.Cortege(行列)
 2.Aubade(オーバード 朝の歌)
 3.Jangleurs(軽業師)
 4.la Maousinglade(ラ・マウザングラード)
 5.Joutessur L'arc(アルク川の槍試合)
 6.Chasse a Valabre(ヴァラブルでの狩り)
 7.Madrigal Nocturne(夜のマドリガル)
Kieine Kammermusik Fur funf Blaser(5つの管楽器のための小室内楽曲)/ヒンデミット
Sextuor(六重奏曲)/プーランク
 1.Allegro vivace
 2.Divertissement
 3.Finale
L'Heure du Berger(恋人たちのたそがれ)/フランセ
 1.Les Vieux Beaux(老齢のヤサ男)
 2.Pin-up Girls(ピンナップ・ガール)
 3.Les petits nerveux(神経質な子供たち)
市橋靖子(FL)
金子いつか(Ob)
広瀬寿美(Cl)
小武内茜(Fg)
宮野大輔(Hr)
品田真彦(Pf)

今日はお休みで、余裕を持って会場へ。
感想は、「木管五重奏の代表曲をひとまとめで聞けるお得なコンサートで多彩な音楽を楽しむ」です。
まずはプーランクの「ノヴェレッテ」。柔らかな音色(ねいろ)で快調にスタート。明るいフランス風味を届けてくれました。
続いてミヨーの「ルネ王の暖炉」。ほっこりとした暖かみのある響きと重なり合う5つの息吹がゆったりとした音の霞をたなびかせ、さまざま場面を描きだしてくれました。
そしてヒンデミットの「小室内楽曲」。独特のリズムが刻まれ、辛口で奇妙な旋律がいきいきと表現され、複雑多岐に渡るこの曲の構造を明晰に浮かび上がらせる技で、全員一丸で突き進むフィナーレまで、見事なパフォーマンスを見せつけてくれました。
休憩を挟んで、ピアニスト登場。ウィンド・クインテットを交えてプーランクの「六重奏曲」。溢れ出す音符たちが駆け足で流れ出す1楽章。のんびりした田園風景を聞かせるような2楽章。勢いよくモダンなサウンドが綴られる3楽章。絡み合う木管を大きく包むピアノにより広がりのある音のまとまりになり、ステージから客席へと放出されて、素晴らしい音響空間を作ってくれました。
プログラム最後は再度六重奏でフランセの「恋人たちのたそがれ」。洒脱な曲想を新鮮に歌い、枯れながらも艶っぽい響きで、小粋に締めてくれました。
大きな拍手に応えてのアンコールは、「リベルタンゴ」。ノリの良い軽快なタンゴで華やかに終演となりました。
新潟ではなかなか聞けない木管五重奏の名曲たちを豪華にも並べて届けてくれるこのコンサートは、音楽好きにとって大きなプレゼントであり、大いなる感謝を贈りたいと思います。