第15回新潟第九コンサート 2014

2014年12月28日(日) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール 第15回新潟第九コンサート 2014

歌劇「フィデリオ」序曲 作品 72b/ベートーヴェン
交響曲第九番 ニ短調 作品 125(合唱付)/ 〃
 第1楽章:Allegro ma non troppo,un poco maestoso
 第2楽章:Molt vivace
 第3楽章:Adagio molt e cantabile
 第4楽章:Presto-Allegro assai

新潟交響楽団(管弦楽)
菊池美奈(S)
小川明子(A)
馬場崇(T)
大久保光哉(Br)
新潟第九合唱団(Chor)
箕輪久雄(合唱指揮)
伊藤翔(指揮)

開演25分前に到着。親しい友人と少し話をしてから入場。
感想は、「市民が一体となって作り上げる年末の祝祭をともに楽しむ」です。
まずは「フィデリオ」。キビキビとした躍動感あふれる序曲で序盤を盛り上げました。
そして「第九」。不安げなホルンと刺すような弦楽の叫びから、総奏へ突入し、困難と全力で格闘する様が描かれる1楽章。深刻な諧謔が執拗に綴られる2楽章。安らぎの調べが支配する3楽章。管弦楽の粋を尽くす音楽が力強く奏でられた後、4楽章へ。今までの全てを否定して、"歓びに満ちた調べ"を歌い始めるバリトン。それに唱和する合唱が立体感を持って立ち上がり、"歓喜の歌"がホールに響き渡りました。おおらかに包み込むかと思えば、ささやくように絞り込み、また入り組んだ交錯を見事に表現し、人の声がもたらす歌の喜びを余すところなく伝えて、感動を運んできてくれました。終結部を決める六連符がピタリと決まると、会場からはブラヴォーと大きな拍手が。カーテンコールが幾度となく繰り返され、これで終わるわけにはいかない雰囲気に。それに応えて、アンコール(「アヴェ・ヴェルム・コルプス」?)がオケと合唱で歌われて、好評のうちに終演となりました。
この形式になって15回。それ以前からを数えると四半世紀にも及ぶ"市民で作る第九"がこのように素晴らしい成果を上げ続けてくれることは、新潟の音楽文化の発展に大きく貢献するものであり、今後も更なる飛躍をしていただけるように祈念してパソコンを閉じたいと思います。
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第九合唱演奏会

2014年12月24日(水) 18:30 加茂文化会館 第九合唱演奏会

歌劇「魔笛」序曲/モーツァルト
交響曲第9番ニ短調「合唱付」/ベートーヴェン
 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ、ウン・ポコ・ソステヌート ニ短調
 第2楽章 モルト・ヴィヴァーチェ ニ短調
 第3楽章 アダージョ・モルト・エ・カンタービレ 変ロ長調
 第4楽章 プレスト~アレグロ・アッサイ(終曲、合唱)

 東京交響楽団(管弦楽)
 堀俊輔(指揮)
 芳賀惠(S)
 押見朋子(A)
 内山慎吾(T)
 三浦克次(Br)
 第九加茂市民合唱団(合唱)

信濃川沿いを車を飛ばして加茂へ。会場10分前に到着。
感想は、「コンパクトでダイナミックな第九に感動」です。
まずはモーツァルト。誠実で立体的な響きで丁寧に仕上げてスムーズに音楽へ引き寄せてくれました。
休憩を入れず「第九」へ。ストイックながら力強い1楽章。スケルツォの律動とトリオのうねりが交互する2楽章。平穏な歌がたおやかに歌われる3楽章。管弦楽で奏でられるある意味究極の音楽が、目鼻立ちのはっきりとした、それでいてお互いにしっかりと結びついた統合体を形成し、威厳持って届けられ、これだけで一つの作品足りえる仕上がりで、次の楽章への階梯を作り出していました。そして4楽章。プレストのカオスから、3つの調べが回想され、打ち消された後、「喜びの歌」の旋律がマイルドなバリトンで歌われ、合唱を伴って大きな展開を見せました。それほど多くない人数ながら、がっちりまとまり、4声部を確実に決めて、コラールを形作り、ソリストと絡み、オーケストラを従えて、壮大で多岐に富んだフィナーレを彩りました。最後のプレスティッシモをオケが駆け抜けると、会場からは割れんばかりの拍手が。カーテンコールが幾度も繰り返されたのち、アンコールとして「きよしこの夜」と「蛍の光」で大団円を迎えました。
地域でまとまって、「第九」へ挑戦という試みが、見事に成功裡に終わり、その興奮がこちらにも伝わってきて、ハッピーな気分で会場を後にしました。

古楽アンサンブル 楽路歴程 with ポッチャリーノ弦楽四重奏団 CHRISTMAS LIVE Ⅷ

2014年12月23日(火) 18:30 朱鷺メッセ 31階 展望室 古楽アンサンブル 楽路歴程 with ポッチャリーノ弦楽四重奏 CHRISTMAS LIVE Ⅷ
楽路歴程
 メヌエット/ペツォールト
 牧人ひつじを
 君の上には花ばかり/モンポウ
 月のワルツ/諫山実生
 リベルタンゴ/ピアソラ
 TRUTH/T-SQURE
 カノンメドレー/パッヘルベル
ポッチャリーノ弦楽四重奏団
 クリスマスメドレー
 チャルダッシュ/モンティ
 花は咲く/菅野よう子
 星に願いを/ハーライン
 君といつまでも/弾厚作
 情熱大陸/葉加瀬太郎
楽路歴程+ポッチャリーノ
 主よ人の望みの喜びよ/J.S.バッハ
 クラヴサン組曲より/フィオッコ
 歌劇「リナルド」より「泣かせてください」/ヘンデル
 クラヴィーア協奏曲 K.107/モーツァルト
 トリオソナタ ニ短調/テレマン
 G線上のアリア/J.S.バッハ
 きよしこの夜

楽路歴程
 大作綾(うた、Rec)
 飯田万里子、笠原恒則(Cem)
ポッチャリーノ弦楽四重奏団
 奈良秀樹、小島健弘(Vn)
 長尾幸(Va)
 安部信之介(Vc)

仕事を終えて、急いで朱鷺メッセ展望室へ。おいしい匂いの漂うオープンスペースで開演を待ちました。
感想は、「クリスマス・イヴ・イヴを飾る辻音楽師たちのライブに心踊らせる」です。
まずは楽路歴程チームから。いわゆる「バッハのメヌエット」でスタート。リコーダーの旋律をチェンバロが伴奏し、もう一台が装飾で彩る形で展開され、この編成ならではの機動力が発揮されました。続いてクリスマスということで「牧人ひつじを」。ピュアな歌声が展望室に放たれ、聴衆を魅了しました。チェンバロ2台でのモンポウは、優しい響きから不思議な和音へと進んで、独特の世界を見せてくれました。うたと鍵盤での「月のワルツ」はスイングするリズムにヴィヴィッドに物語を載せて届けてくれました。そして3人に戻っての「リベルタンゴ」。鍵盤ハーモニカがうねり、情熱的な曲想をよりエキサイティングに仕上げてくれました。さらにフュージョンへ飛んで「TRUTH」。アコースティックな熱狂は最高潮に達して、大きな拍手を受けました。このパート最後は、パッヘルベルの「カノン」。通常の演奏に、もう1台のチェンバロが様々なおまけをつける趣向で楽しませてくれました。
そのままちょっとの舞台転換でポッチャリーノ弦楽四重奏団のステージへ。1曲目はクリスマスメドレー。お馴染みのメロディーにいろいろな仕掛けを施して、一味違った風味を味わわせてくれました。続いて「チャルダッシュ」。ぶ厚い弦楽四重奏で聞くこの曲は、憂愁と軽やかな踊りが交錯し、全体が一丸となって突き進み、快い興奮を与えてくれました。「花は咲く」では祈りの歌が連綿と綴られ、「星に願いを」では憧れと切なさが心に突き刺さりました。聖夜を過ごす2人を祝福するような「君といつまでも」に続き、最後はこのカルテットの勢いそのままの「情熱大陸」でかっこよく締めてくれました。
5分の休憩を挟んで、2つのグループが一緒になっての演奏。全員で「主よ人の望みの喜びよ」で幕を開け、フィオッコでは緩急緩急の4楽章を1,3は静寂を奏でるチェンバロで、2,4は華やかさを加えてヴァイオリン+チェンバロで披露してくれました。次は賑やかに弦楽とリコーダーが加わってのヘンデル。美しい音楽があたりを包み、幸せな気持ちにしてくれました。ヴィオラの抜けた三重奏と鍵盤でのモーツァルト。時代が1個進んだような響きで、新鮮さを感じました。そしてリコーダーにヴァイオリンと弦を含む通奏低音で競われたテレマン。4者の絡み合いが絶妙で、息を呑む瞬間が多数ある、素晴らしい演奏でした。熱狂を覚ますためというわけではないのでしょうが、「G線上のアリア」が心に深くしみ、オーラスの「きよしこの夜」でこの催しはつつがなく終了となりました。
毎年この時期に開催される路上ライブ。"辻音楽師"を自称し、場があればどこでも演奏を提供してくれる2グループに、大いなる感謝と今後の活躍を祈念して、筆を置きたいと思います。

Noism01 ASU~不可視への献身

2014年12月19日(金) 19:00 りゅーとぴあ劇場  Noism01 ASU~不可視への献身

演出振付・照明:金森穣
衣装:宮前義之(ISSEY MIYAKE)
出演:Noism1

第1部 Training Piece
音楽:Steve Reich (Drumming Part4)
  :Ryouji Ikeda (Supercodex 08)(Supercodex 09)
出演:井関佐和子、亀井彩加、角田レオナルド仁、簡麟懿、石原悠子、池ヶ谷奏、吉崎裕哉、梶田留以、岡本壮太、佐藤琢哉、上田尚弘(準メンバー)
第2部 ASU
音楽:Bolot Bairyshev
木工美術:近藤正樹
出演:井関佐和子、亀井彩加、角田レオナルド仁、簡麟懿、石原悠子、池ヶ谷奏、吉崎裕哉、梶田留以、佐藤琢哉

仕事を終えてりゅーとぴあへ。開演25分前について、入場すると周りは、時代の先端を行くお洒落な人々や若い可愛いお嬢さんがたが多くちょっとアウェイ状態。でも気を取り直してスタートを待ちました。
感想は、「超現代と超古代の2つの世界を踊りきるNoismの凄さにひれ伏す」です。
第1部は「Training Piece」。Noismでの基礎のメソッドを作品化したもので、幕が開くと、ステージにあおむけになったメンバーがおり、スティーブ・ライヒの音楽に合わせ、徐々に動き出していく序盤から、ミニマルのリズムに乗って、重力から解放されるように、軽やかで先鋭的な動きで、空気を切り裂いていく前半。 (Supercodex 08)へ切り替わり、体を包む衣装からぴったりとしたボディスーツへと脱皮して、繰り広げられる後半。テクノ・ビートの重く歪んだ響きを十全に表現し、昇華されたレイブ・パーティーの如き冷徹な熱狂を見るものにもたらすシャープな舞踊に目と心が吸い寄せられました。
休憩を挟んで、第2部の「ASU」。暗闇の中、奈落から器に灯された明かりを持って登場するダンサーたちは、古(いにしえ)の人々を想起させる出で立ちで、舞台セットも岩盤むき出しの洞窟のようなつくりを呈し、不気味ともいえる雰囲気を醸し出して、その世界観を提示してくれました。そして音楽は中央アジアからの風を吹き鳴らし、舞踊は洗練された野卑さを発散して、異教の儀式の再現を行うかのような摩訶不思議な空間へといざないました。うねる喉歌、弾ける撥弦楽器、震える口琴など民族の叫びを視覚化し、心の奥底に沈殿し、言葉にならない想いを体で表すダンスは、我々の魂の首根っこを直接掴み取り、締めあげて、懐かしさとも取れるような根源的な感情を思い出させてくれました。
すべたが終わって、幕が下りると客席からはブラヴォーの声が上がり、スタンディング・オベーションをするひともちらほら。何回もカーテンコールがかかり、この偉業を全員が褒め称えるように会場が沸き立ちました。
Noism10年ということですが、それにふさわしい素晴らしい作品を鑑賞することが出来、新潟に生まれ、住み続けていることに誇りを感じた幸せなひとときでした。

この世は舞台 ステージで聴く古楽器 ③舞台は聖夜


2014年12月16日(火) 19:00 新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール この世は舞台 ステージで聴く古楽器 ③舞台は聖夜

アヴェ・マリア
牧人ひつじを
東方の三人の王
三人の王の行進
動物たちが二列に並んで行進だ
三そうの船
ウィロビー卿のご帰館
グリーンスリーヴス
忘れるな
夜まわりの歌
きよしこの夜
もろびとこぞりて
神の御子は今宵しも
ひいらぎかざろう
乾杯の歌
クリスマスイヴ
トルディオン
白い道
ぼくはくま
Top of the World
戦場のメリークリスマス
くるみ割り人形から
ジングルベル

大作綾(Voice、SR、AR、BR他)
白澤亨(Vg、AR、TR、BR、lute他)
飯田万里子(Cem他)
笠原恒則( 〃   )

仕事を終えて、江南区文化会館へ。開演30分前に到着。会場へ入るとステージに置かれた椅子に囲まれて、チェンバロ2台とテーブル上に並べられた様々な楽器が。この風景が本日の演奏会を表していました。
感想は、「舞台で聴く多彩な古楽器の音色(ねいろ)と溢れる音楽に酔いしれる」です。
まずは、バッハ/グノーの「アヴェ・マリア」から。始まった瞬間から繊細なチェンバロの響きが舞台の残響を引き連れて、豊かにふりそそぎ、主旋律のリコーダーと相まって、我々を古い異国の教会へといざなってくれました。さらに「牧人ひつじを」で追い打ちをかけ、降誕祭へ向かう気分を盛り上げてくれました。「東方の三人の王」では、トロンボーンの前身であるサックバットが彩りを添え、「三人の王の行進」になると鍵盤リコーダーともいうべきアンデスが加わって、見た目にも華やかなステージとなりました。「動物たちが二列に並んで行進だ」では、チェンバロがもう1台加わり、原曲に動物たちの関連する曲が交えられて、遊び心に富んだ、音楽が展開されました。
一転してリュートとチェンバロで、しめやかに「ウィロビー卿のご帰館」が奏でられ、「グリーンスリーヴス」は歌をリュートが伴奏する形で、心に沁みる古謡を聞かせてくれました。
そしてチェンバロ・ソロで「忘れるな」がひっそりと弾かれ、「夜まわりの歌」で4人編成に戻り、前半最後はお馴染み「きよしこの夜」でやさしく締めてくれました。
休憩を挟んで後半の1曲目は「もろびとこぞりて」。耳なじみのあるメロディが歌の力を感じさせ、続く「神の御子は今宵しも」へと引き継がれました。珍しいクレムホルンの四重奏で「ひいらぎかざろう」がちょっとコミカルに演奏されると、「乾杯の歌」ではシンフォニーという鍵盤版バグパイプのような楽器が奏され、辻音楽師の面目躍如といった風情を味わわせてくれました。
山下達郎かと思うと全然違う「クリスマスイヴ」。「トゥルディオン」では観客の数名に鈴などの楽器が配られ、聴衆が演奏に参加する趣向で楽しみ倍増させました(私にもカスタネットが来たので3拍子の後拍を入れました)。
ここから現代のポピュラー音楽に切り替わり、ヴィヴァルディの「四季」に歌詞をつけた「白い道」、宇多田ヒカルの「ぼくはくま」。カーペンターズの「Top of the World」が鍵盤と歌で披露され、このチームの音楽性の広さを示してくれました。さらにチェンバロ・ソロで「戦場のメリークリスマス」。シンセサイザーの透明感を引き継ぐ演奏で新鮮な驚きを提供してくれました。
そして「くるみ割り人形」からのミニミニ抜粋。編成が小さいなりによく鳴る楽しい編曲で、クリスマス気分を高めてくれました。プログラム最後は「ジングルベル」。ここで必殺の"シングルベル"(打ち間違いではない)が炸裂しました。なにかというと1人でリコーダー2本を口に加え、足に鈴をつけてのワンマンバンド。それに3人が伴奏やら対旋律などをつけて、ラストならではのお祭り騒ぎ。大きな拍手が贈られました。
アンコールに応えて、このシリーズで恒例となった「G線上のアリアでいしっとりと締めて、上々のエンディングとなりました。
素晴らしい演奏に加え、レアな楽器の音も聞けて、まことに楽しい演奏会で、好評につき、来年も、このシリーズは継続されるそうです(しかも年6回)。嬉しいニュースを耳にして、快い気分で家路につきました。

東京交響楽団第87回定期演奏会

2014年12月14日(日) 17:00 りゅーとぴあコンサートホール 東京交響楽団第87回定期演奏会

ジークフリート牧歌/ワーグナー
交響曲第3番 ニ短調 WAB103 「ワーグナー」/ブルックナー
 (1873年第1稿 ノーヴァク版)
 第1楽章 中庸のテンポで、神秘的に
 第2楽章 アダージョ 荘重に
 第3楽章 スケルツォ、とても速く
 第4楽章 フィナーレ、アレグロ

東京交響楽団(管弦楽)
ジョナサン・ノット(指揮)

ロビーコンサート終了後一旦帰って、ブログをアップして、再度りゅーとぴあへ。
感想は、「すごい!!! ノットと東京交響楽団の相性最高!!! を堪能する。」です。
まずはワーグナー。初手から弱音の美で始まり、まどろみの時間を演出するやわらかで強靭な音がホールを支配し、甘美というにはあまりにも儚い春霞のような、ふんわりと優しく包んでくれる素晴らしい響きを届けて、心を溶かしてくれました。
休憩を挟んで、本日のメインのブルックナー。音源で聞くような精密な演奏が生の立体感を持って立ち上がり、スタイリッシュで贅肉のない筋肉質のサウンドで我々を圧倒するかと思えば、シャープでかつ豊かな音の塊りをたっぷりと聞かせ、「これぞ名演!!」を地で行く様を贅沢に味わわせて、幸せな時間を提供してくれました。
様々な楽想がいっぱい詰まり、長丁場ながら聞き手をぐいぐい引き込む1楽章、穏やかな趣きでじっくりと綴られる2楽章、快く弾む律動を伝える3楽章、朴訥ながら魅力的な響きでがっちりと締める4楽章。まさにこの作曲家の真髄を極めるといえるような究極の演奏で感動を導きだしてくれました。
最後の一音が消えると同時に会場からはブラヴォーと割れるような拍手が。非常にある意味マイナーでマニアックなプログラムであるにも関わらず、その素晴らしさがホール全体に伝わり、カーテンコールも何回も繰り返されて、その好評ぶりが伺えました。
このコンビで来年も2回公演がありますが、いまから大変楽しみになったことを告白して、パソコンを閉じたいと思います。

東響ロビーコンサート

2014年12月14日(日) 13:00 りゅーとぴあコンサートホール・ホワイエ 東響ロビーコンサート

弦楽四重奏第13番ト長調 作品 106/ドヴォルザーク
 第1楽章 アレグロ・モデラート
 第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ
 第3楽章 モルト・ヴィヴァーチェ
 第4楽章 アンダンテ・ソステヌート-アレグロ・コン・フーコ

福留史紘 小関郁(Vn)
鈴木まり奈(Va)
伊藤文嗣(Vc)

雪をかき分けて、りゅーとぴあへ。開演20分前に到着。雪で開演が5分遅れるとのことでロビーに座り込んで待ちました。
感想は、「雪景色を借景にしてのドヴォルザーク、寒空の下、冴えわたる弦楽四重奏にしびれる」です。
4つの楽器が独立しつつも、一体となった合奏体が自在に音楽を操り、幹の太いヴォリュームのある弦の響きが印象的な1楽章。祈りにも似た息の長い歌で聞かせる2楽章。溌溂と音符が弾(はじ)ける3楽章。悲歌と讃美歌入り混じり、大きな波が押し寄せる4楽章。りゅーとぴあのホワイエを包むカルテットの演奏に吸い寄せられ、心動かされる素敵なひとときを過ごさせていただきました。
本公演へのお誘いの意味でも行われているロビー・コンサートですが、これはこれで立派な演奏会であり、今後も継続されていくことを心から望みたいと思います。

新潟大学管弦楽団 第51回定期演奏会

2014年12月13日(土) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール 新潟大学管弦楽団 第51回定期演奏会

大学祝典序曲 Op.80/ブラームス
バレエ音楽「コッペリア」より/ドリーブ
交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」

新潟大学管弦楽団(管弦楽)
河地良智(指揮)

降り積もる大雪の中、安全運転でしかも急ぐという難題をこなしつつりゅーとぴあへ。駐車場は某"ガッツだぜ"バンドのおかげで満車状態。しかたなくちょっと遠い陸上競技場へとめて、雪道を走って会場へ。ギリギリで駆け込み、団員が入場し、チューニングが始まるところに滑り込みで、第1曲に間に合うという綱渡りでした。
感想は、「若き情熱と修練の結果に感動する」です。
まずはブラームス。蠕動する弦から大らかな旋律が広がり、青春の眩しさを輝かせて、怒濤の大団円へ。快調なスタートを切りました。
続くドリーブ。華麗な舞踏の音楽が舞台へ放たれると、時に繊細に、時に雄々しく駆け巡り、終幕のギャロップに向けて、熱をはらむ管弦楽。やさしくも切ない自動人形と青年の恋を熱い想いを音に変えて客席へ届けてくれました。
休憩を挟んで、後半はチャイコフスキー。最後の交響曲であり、異形の構成を持つこの曲の冒頭はコントラバスに導かれてのファゴット。深い地の底から聞こえてくるような低音からヴィオラのフレーズが繰り出されるとそこもうロシアの大地。うねる弦、叫ぶ木管、咆哮する金管があいまみれ、緊張感をもって作曲家の世界を作り上げ、クラリネットの2度目の美しい歌で収束していく1楽章。5拍子のワルツを優雅に奏でる2楽章。せっかちな行進曲が切迫した状況をさらに加速する3楽章。身を切られるような外の寒さよりももっと厳しい極寒の悲痛を切々と訴える4楽章。そのどれもが半年に渡る鍛錬の賜物として、胸に迫り、われわれの心を強く動かすものとなりました。
一瞬の静寂ののち大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。しっとりと締めてくれました。
毎年演奏者の入れ替わりが必然の学生オケですが、今後もその発展を暖かい目で見守りたいと思った一夜でした。

北区フィルハーモニー管弦楽団 第4回ファミリーコンサート

2014年12月7日(日) 14:00 新潟市北区文化会館ホール 北区フィルハーモニー管弦楽団 第4回ファミリーコンサート

第一部 スポーツを飾るクラシックの名曲たち
組曲「道化師」よりギャロップ/カバレフスキー
喜歌劇「天国と地獄」序曲より/オッフェンバック
歌劇「ウィリアム・テル」序曲より/ロッシーニ
スケーターズ・ワルツ/ワルトトイフェル
組曲「仮面舞踏会」よりワルツ/ハチャトリアン
歌劇「トゥーラン・ドット」より誰も寝てはならぬ
行進曲「威風堂々」第1番/エルガー

第二部 もっと!身近に!!みんなで楽しむクラシック
バレエ音楽「眠りの森の美女」よりワルツ/チャイコフスキー
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より第1楽章(弦楽器紹介)/モーツァルト
バレエ音楽「白鳥の湖」より四羽の白鳥の踊り(木管楽器紹介)/チャイコフスキー
組曲「展覧会の絵」よりキエフの大門(金管楽器・打楽器紹介)/ムソルグスキー
歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り/ボロディン

北区フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽)
長谷川正規(指揮)
井上晶子 齋藤璃沙(司会)

雪道を遥か豊栄まで、北区文化会館へと遠征しました。開演25分前に到着。入場の列に並びました。
感想は、「懸命の力演、名曲のコンピュレーションを楽しむ」です。
第一部は、スポーツを飾るクラシックの名曲たちということで、まずは昔日の運動会の定番曲のカバレフスキー。リズミカルでコミカルな曲をいきいきと弾むようにプレイして快調にスタートを切りました。続くオッフェンバックでは、有名な"フレンチ・カンカン"をラインダンスのノリで駆け抜け、次のロッシーニでは"スイス軍の行進"をスカッと決めてくれました。
ここからは、スケートに関する3曲。ワルトトイフェルでは優雅なワルツで氷上の滑走をいかんなく表現し、浅田真央が取り上げて有名になったハチャトリアンではロシアの憂愁を切なく伝え、荒川静香の金メダル曲となったプッチーニのアリアは優しく歌い上げて、大きな拍手を受けました。
第一部最後はエルガー。プロムス・ラストナイトで大きな盛り上がりを演出するマーチを力強く演奏して、感動を与えてくれました。
休憩を挟んでの第二部は、チャイコフスキーの「眠りの森の美女」から「ワルツ」。華麗な曲想を全力で築き上げ勢いを付けると、ここからは楽器紹介。オーケストラを構成する4つの楽器群を3つにまとめて、弦楽器にはモーツァルト、木管にはチャイコフスキー、金管・打楽器にはムソルグスキーを当てはめるプログラミング。それぞれ各楽器の代表がソロで音色(ねいろ)を聞かせ、合奏でオケでの響きを聞かせる趣向はわかりやすく、親しみの持てるものでした。
プログラム最後は、ボロディンの「ダッタン人の踊り」。美しい旋律から始まり、中盤では追い上げを見せ、終盤に大きく鳴らすさまに、聴衆は熱狂し、ブラヴォー代りの指笛まで出て、最高のエンディングを迎えました。
当然のようにアンコールがかかり、ヨハン・シュトラウス(父)の「ラデツキー行進曲」でにぎにぎしく終演となりました。
結成からわずか4年でこれだけの成長を見せる北フィルに"冬の洗礼をかいくぐってはるばる来た甲斐があったなあ"と思うとともに、これからの更なる発展を願わずにはいられない1日となりました。

 ~平和祈念の調べ~ 演奏活動60周年 愛弟子 平井丈一朗が恩師 パブロ・カザルスに捧げる特別演奏会

2014年12月2日(火) 19:00 新潟市音楽文化会館ホール ~平和祈念の調べ~ 演奏活動60周年 愛弟子 平井丈一朗が恩師 パブロ・カザルスに捧げる特別演奏会

『とんぼのめがね』/額賀誠志 詞 平井康三郎 曲
『ゆりかご』/平井康三郎 詩・曲
『スキー』/時雨音羽 詞 平井康三郎 曲
オペラ『白狐』 第2幕より/平井秀明 訳・台本・曲
 「こぎつねさんのごあいさつ」
   平井秀明(合唱指揮) 新潟市ジュニア合唱団(合唱) 平井元喜(Pf)
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007/J.S.バッハ
 Ⅰ:前奏曲
 Ⅱ:アルマンド
 Ⅲ:クーラント
 Ⅳ:サラバンド
 Ⅴ:メヌエット
 Ⅵ:ジーク
   平井丈一朗(Vc)
チェロソナタ第3番イ長調作品69
 第1楽章 Allegro ma non tanto
 第2楽章 Scherzo.Allegro molt
 第3楽章 Adagio cantabile-Allegro vivace
祈りのアリア/平井丈一朗
イスラ・ヴェルデの詩(恩師カザルスの思い出より)/ 〃
越後の幻想(新作世界初演)/ 〃
鳥の歌/カザルス
   平井丈一朗(Vc) 平井元喜(Pf)
  
仕事を終えて、大荒れの天候の中、音楽文化会館へ。入場すると主催者によるプレトークの途中でした。
感想は、「御年77歳の重みをずっしりと受け止める」です。
まずは演奏家のお父上の平井康三郎作曲による歌3曲を新潟市ジュニア合唱団と息子さん2人の指揮とピアノで披露。「とんぼのめがね」はハキハキと、「ゆりかご」はやさしく、「スキー」は躍動感を持って、生き生きと歌われました。
そして指揮者作曲のオペラ「白狐」から「こぎつねさんのごあいさつ」。かわいい振付がついた楽しい"わらべ歌"で楽しませてくれました。
舞台配置を変更後、本日の主役登場。カザルス直伝のバッハをいぶし銀の音色(ねいろ)で粛々と再現し、音源ではわかりにくい微妙なニュアンスまで表現して、その良さを伝えてくれました。続くベートヴェンでは、ピアノに次男の方が加わり、親子共演に。第3番の「ソナタ」を丁寧に仕上げてくれました。
休憩を挟んで、後半は自作曲のパート。「祈りのアリア」は平明な曲想で闊達に、「イスラ・ヴェルデの詩」は恩師への想いをこめてたっぷりと、そして本日世界初演となる「越後の幻想」はお父上が柏崎で感銘を受け採譜した民謡をベースに、途中「佐渡おけさ」も入れ込んだ曲で、しみじみと心に沁みるものでした。
プログラム最後はカザルスの有名な「鳥の歌」。切々と平和を訴える鳴き声に感銘を受けました。
会場は大きな拍手に包まれ、スタンディング・オベーションも出る中、アンコールが2曲奏されて、にぎにぎしく終演となりました。
ご高齢にも関わらず、かくしゃくとした演奏を聞かせていただいて、貴重な体験をさせていただきました。今後もお元気で演奏・作曲にご活躍されることを期待して、パソコンを閉じたいと思います。