6月のまとめ

6月も終わりますのでまとめを。

行ったコンサート。
2015年6月7日(日) 13:30 りゅーとぴあコンサートホールホワイエ 東響ロビーコンサート ~チェロアンサンブル~
2015年6月7日(日) 17:00 りゅーとぴあコンサートホール 東京交響楽団第90回新潟定期演奏会
2015年6月10日(水) 19:00 りゅーとぴあスタジオB 近代童話劇シリーズvol.1 Noism1 箱入り娘 
2015年6月12日(金) 11:30 りゅーとぴあコンサートホール りゅーとぴあ・1コイン・コンサート 「荘厳な響き“オルガン”」 
2015年6月13日(土) 13:00 有明児童センター 新潟大学管弦楽団オーケストラのつどい
2015年6月13日(土) 18:45 新潟市音楽文化会館 新潟室内合奏団第69回演奏会
2015年6月16日(火) 19:00 新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール この世は舞台~ステージで聴く古楽器~ 2. フルート
2015年6月17日(水) 12:20 新潟市市役所1階市民ロビー 第277回ミニコンサート Enigma
2015年6月18日(木) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール タリス・スコラーズ
2015年6月21日(日) 14:00 新潟県民会館 新潟交響楽団第96回定期演奏会
2015年6月21日(日) 19:00 シネ・ウインド ウインド・サンデーナイトライブ ソプラノ 柳本幸子&経麻朗×石山響一郎 JAZZ DUO
2015年6月24日(水) 13:00 真城院 トリオ・ベルガルモ 演奏会 ~真城院~
2015年6月24日(水) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール オーケストラアンサンブル金沢 新潟公演
2015年6月26日(金) 19:00 りゅーとぴあスタジオA 風景旋律 vol.4「わがまち」~ジャネ散歩~
2015年6月27日(土) 19:00 田代邸 笠原恒則 チェンバロコンサート 名刺代わりのこの一曲
2015年6月28日(日) 16:00 りゅーとぴあコンサートホール 茂木大輔のオーケストラ・コンサート No.11 「モーツァルト、クラリネットが彩った最後の年」
16件でした。1月から96件となっております。

行きたかったコンサート。
2015年6月7日(日) 14:00 柏崎市文化会館アルフォーレ大ホール カンタータ「美しい星のための」~柏崎市に寄せて~
2015年6月11日(木) 14:00 新潟日報メディアシップ日報ホール 特別講演「良寛さまに学ぶ+ミニコンサート (柳本幸子)」
2015年6月13日(土) 14:00 弥彦総合文化会館 雅楽 宮内庁式部職楽部弥彦特別公演
2015年6月14日(日) 14:00 新潟市音楽文化会館 第37回くにたちコンサート
2015年6月14日(日) 19:00 アオーレ長岡市民交流ホールA フルートの花束 vol.2 2本のフルートとピアノ
2015年6月20日(土) 13:00 新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール 歌って楽しむ 懐かしき歌・美しき日本の調べ
2015年6月20日(土) 14:00 新発田市生涯学習センター 第15回藤原真理チェロリサイタル
2015年6月20日(土) 14:00 長岡リリックホール オペラ「白狐」全3幕初演(英語)
2015年6月20日(土) 14:30 りゅーとぴあスタジオA メープル・ストリング・アンサンブル第10回定期演奏会
2015年6月20日(土) 15:00 朝日酒造エントランスホール SanDoコンサート ピアノXチェロ クラシックの巨匠・三大B (遠藤吉比古、片野大輔)
2015年6月21日(日) 13:30 レ・ドミノ in 新潟 25周年記念演奏会 (岡田龍之介および門下有志)
2015年6月27日(土) 19:15 岩永善信ギターリサイタル in 新潟13th ~10弦の響き~
2015年6月28日(日) 11:30 ヤマハミュージック新潟店 ピアノ・サロンコンサート 小黒亜紀
2015年6月28日(日) 14:00 新潟市北区文化会館 北区フィルハーモニー管弦楽団第4回定期演奏会
14件でした。
来月もがんばります。
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茂木大輔のオーケストラ・コンサート No.11 「モーツァルト、クラリネットが彩った最後の年」

2015年6月28日(日) 16:00 りゅーとぴあコンサートホール 茂木大輔のオーケストラ・コンサート No.11 「モーツァルト、クラリネットが彩った最後の年」

混声合唱のためのモテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
歌劇「魔笛」K.620より
 序曲
 第2幕:第9曲「僧侶の入場」
 第2幕:第17曲:パミーナのアリア『ああ、全てが去ってしまったと私は感じています』
  渡邉恵津子(S)
 第2幕:第18曲:僧侶の合唱
  もぎオケ「モツレク」合唱団男声合唱
3つのバセットホルンのためのディヴェルティメント 変ロ長調 K.439b 第4番より第5楽章
歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621より
 第1幕:第9曲:セストのアリア:『行きます、愛しいお方よ』
  相可佐代子(Ms) 伊藤圭(Cl)
 第2幕:第23曲:ヴィテリアのロンド『今はもう、花で愛の鎖を作りに来ないように』
  渡邉恵津子(S) 山根孝司(バセットホルン)
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
 第1楽章:アレグロ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:ロンド:アレグロ
  伊藤圭(バセットクラリネット)
「レクイエム(死者のためのミサ曲)」 K.626
 Ⅰ:入祭唱:「主よ」、永遠の平安を彼らにお与えください」
 Ⅱ:憐れみの賛歌「主よ、憐れみたまえ。」
 Ⅲ:続唱
  1:「怒りの日」
  2:「ラッパは不思議な音を」
  3:「恐るべき威光の王」
  4:「思い起してください」
  5:「呪われし者」
  6:「その日こそ涙の日」
 Ⅳ:奉献唱
  1:「主イエス・キリスト、栄光の王」
  2:「主よ、賛美と、いけにえと、祈りを」
 Ⅷ:拝領唱「永遠の光で彼らを照らしてください」

作曲者は全てモーツァルト

伊藤圭(Cl)
渡邉恵津子(S)
相可佐代子(Ms)
村上公太(T)
浅井隆仁(Br)
もぎオケ交響団(管弦楽)
もぎオケ《モツレク》合唱団(Chr)
浅井隆仁(合唱指導)
茂木大輔(指揮)

仕事の都合で北フィルへ行けず、こちらのコンサートへ。開演25分前に到着。
感想は、「モーツアルト晩年の真価を余すところなく伝える演奏と解説に深い感動と聞く喜びを感じ、身を貫く快感に打ち震える」です。
まずは「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。薄霞のような合唱が奏でる優しい歌唱で快調なスタートを切りました。続いて「魔笛」より。「序曲」は重厚な始まりから軽快な弦の上を明るい木管が柔らかに包み、歌劇への導入部を示すと、「僧侶の入場」を穏やかに奏し、ソプラノが登場して、パミーナのアリアを艶やかに歌い、男声が「僧侶の合唱」を力強く仕上げました。
ここで全員が退場して、舞台には指揮者1人。モーツァルトの最晩年に重用された楽器:クラリネットについて、親しかった奏者のことを絡めて話を進め、同属楽器で後半の「レクイエム」でも使われるバセットホルンを含めての紹介をしてくれました。そしてその音色(ねいろ)を聞かせる趣向で、「3つのバセットホルンのためのディヴェルティメント」を3人の演奏家を呼んで、披露してもらいました。
オーケストラが再登場しての「皇帝ティートの慈悲」。その中のアリア:『行きます、愛しいお方よ』ではメゾソプラノとクラリネットに、ロンド『今はもう、花で愛の鎖を作りに来ないように』ではソプラノとバセットに焦点を当てて、その特徴を独唱との対比で聞かせてくれました。
そして前半の白眉のクラリネット協奏曲。オケの落ち着いた響きから鮮やかに歌い出すソロが彩りを添える1楽章。息の長い旋律を暖かに吹奏する2楽章。弾むように上昇・下降するメロディが煌めく伴奏に彩られ、華やかに開花して、結尾へ向かう3楽章。そのどれもが溢れるような美しさを湛え、人の心の中にある快楽の泉を波立たせるような快い刺激を与えてくれました。
休憩を挟んで、本日のメインともいえる「レクイエム」。ゆったりした足取りから、重々しい合唱が入るとそこはもう分厚い響きの森。幾重にも重なる声の層が荘重な雰囲気を醸し出す「入祭唱」。低音の濃厚な歌声が押し出す重圧を、天使の輝きに昇華する「主よ、憐れみたまえ」。激しい迫力で駆け抜ける「怒りの日」。神の楽器の独奏に導かれ、歌い出すテノールが印象的な「ラッパは不思議な音を」。確固とした韻律で歌われる「恐るべき威光の王」。静やかに重なる独唱が交わされる「思い起してください」。激しく急ぐように急(せ)き立てる「呪われし者」。そしてその儚い美しさで聞くものの胸を締め付ける「その日こそ涙の日」。ここへきて体中を電流が駆け巡り、鳥肌を立てるほどの感動が走って、立ち尽くしてしまいました。さらに影のある性急さであおる「主イエス・キリスト、栄光の王」。一転和やかな悲しみがたゆたう「主よ、賛美と、いけにえと、祈りを」。そして締めは最初の旋律たちを再び使って歌われる「永遠の光で彼らを照らしてください」。死を前にしてなお最上級の芸術を追求した天才の遺作が何の障害もなく、胸の奥底の核心に突き刺さり、心を揺さぶる事実を目の当たりにさせられて、感動というにはあまりにも素晴らしすぎる感情がいっきに噴き出しました。
今回で11回を迎えるこのシリーズは、年々進化し、芸術とエンタテイメントの高度な融合を見せて、今後益々期待が高まるものとなりました。

笠原恒則 チェンバロコンサート 名刺代わりのこの一曲

2015年6月27日(土) 19:00 田代邸 笠原恒則 チェンバロコンサート 名刺代わりのこの一曲

プレリュード ハ長調 BWV846 (平均律クラヴィーア曲集第1巻より)/バッハ
ヴェニスの愛(オーボエ協奏曲ニ短調 第2楽章)/マルチェッロ バッハ編
「バッハの」メヌエット/ペツォールト
肖像画のカノン(無限カノン ト長調 BWV1076)/バッハ
アリア ト長調(ゴルトベルク変奏曲 BWV988より)/ 〃
フーガ ホ長調 BWV878(平均律クラヴィーア曲集第2巻より)/ 〃
パッヘルベルのカノン/パッヘルベル
トルコ行進曲/モーツァルト
エリーゼのために/ベートーヴェン
死の舞踏/サン=サーンス
高校三年生/遠藤実
YELL/水野良樹
会いたかった/BOUNCEBACK
タンゴ・アン・スカイ/ディアンス
リベルダンゴ/ピアソラ
 WiTH 外山しのぶ(S)
ああ、私が燃える情熱で/グルック
泣かせてください/ヘンデル
エーデルワイス/ロジャース

笠原恒則(Cemb)

仕事を終え、車を置いて、自転車で会場へ。古い日本の座敷に座り込んで開演を待ちました。
感想は、「目の前に鎮座するチェンバロの繊細な響きに耳が吸い寄せられる」です。
まずは「プレリュード」。爪弾かれる弦の一音一音が軽やかで煌びやかな輝きを放って平均律クラヴィーア曲集の冒頭の1曲を決めてくれました。
続いてマルチェッロの「ヴェニスの愛」。そぼ降る雨音のような始まりから、切ないメロディで迫る名曲を鍵盤の上で再現してくれました。
さらにピアノを習うものが必ずと言っていいほど通る道である「『バッハの』メヌエット」。優雅でリズミカルな舞曲が、ひらひらと舞い踊って、可憐な戯れを見せてくれました。
そしてここからが本日のハイライト。バッハの有名な肖像画に書かれた楽譜に関する驚くべき事実を明らかにする未知への探訪がスタートしました。詳しい譜面とその説明が配られたプログラムに書かれており、それを解き明かす趣向はこの場で体験しなければ、二度と分からない貴重なものとなりました。一見簡単な3行の楽譜から6つの声部が複雑なカノンを形成する様子を再現する試みは、最初に3声部を演奏し、それをその場で録音して、その再生音に合わせ、残りの3声部を奏して、全体を完成させるもので、まるで難解な方程式を鮮やかに解く数学者のように、はたまた迷宮入りの事件の謎を白日の下に晒す名探偵のように、バッハが何気ない素振りで提示した譜面への解答を独自のメソッドで具現化してくれました。それに続けてこの音符たちから派生する音楽が2曲。「ゴルトベルク変奏曲のアリア」は深く心に沁み、このまま変奏が始まってくれることを願わすにはいられない心持ちにさせ、「平均律クラヴィーア曲集のフーガ」は穏やかにゆっくりと主題が交錯する深淵へ我々を導きました。
さらにパッヘルベルでは、3声のヴァイオリン・パートと低音部を2つに分け、同様の手法で、馴染み深いこの曲の真実の姿を腑分けして見せました。
お茶とお菓子が出る休憩を挟んで、後半は後の時代の曲たちを。モーツァルトの「トルコ行進曲」では時折混じる低音の色付けがオスマンの軍楽隊を想起させ、ベートーヴェンの「エリーゼのために」では美しい撥弦が楽聖の調べを拡散し、聴衆の心を掴みました。次のサン=サーンスは、シーンが目に浮かぶように描写され、無気味さと滑稽さが綯い交ぜになって、静かに収束しました。
ここからは戦後日本の曲の時間。舟木一夫の「高校三年生」は懐かしい旋律が実は巧妙な伴奏の上に歌われていたことを気づかされ、いきものがかりの「YELL」では切なく清冽に青春を歌い上げ、AKB48の「会いたかった」ではいきいきとまっすぐに喜びを表現してくれました。
独奏での最後のパートはタンゴ。ディアンスのギター曲では切れのあるリズムの上にきれいな音色(ねいろ)が乗り、ピアソラの有名曲ではすべてが一体になって、大きな渦を巻き起こし、勢いよく駆け抜けて、喝采を浴びました。
まるですべてが終わったかのようでしたが、ここでソプラノの登場。1曲目はグルックのアリア。情熱的に濃厚に恋人を思う気持ちを歌いました。続くヘンデルでは語るような朗唱から、伸びやかで滑らかな美声が空間を満たしました。最後は「エーデルワイス」。ミュージカルからのナンバーを明るく清らかに歌って、しっかりと締めてくれました。
ちょっと広めの個人のお宅でのコンサートは、いつもとは違った響きを聞かせてくれる貴重な機会となり、このような催しを企画・実行された皆様に感謝の気持ちを贈りたいと思います。

風景旋律 vol.4「わがまち」~ジャネ散歩~

2015年6月26日(金) 19:00 りゅーとぴあスタジオA 風景旋律 vol.4「わがまち」~ジャネ散歩~

《ジャネ散歩 本日のおさんぽコース》
areaⅠ 鳥屋野潟公園で四季を辿る
 ジャネトーク ~散歩の達人に聞く街歩きの極意~
  ♪ Pine Apple Rag
  ♪ Maple Leaf Rag
 ショコ散歩 ~川崎祥子と巡る下町探訪~
aera Ⅱ 古町で新旧の融合に触れる
 IYカフェ ~珈琲の香りでほっと一息~ 
  ♪ 自転車通勤
  ♪ パレード
area Ⅲ リバーサイドウォークからカミに向かう

市橋靖子(Fl、Picc、オカリナ)
川崎祥子(Pf)
ゲスト プロデューサー・ジャネ(お散歩人)

仕事を終え、小雨ふるりゅーとぴあへ。
感想は、「舞い降りた天使とたぐいまれなるエンターテイナーが織りなす、映像と音楽による仮初めの旅に心洗われる」です。
このシリーズは、撮りためた写真の投影とピアノ&フルートによる生演奏で綴る一幕のお楽しみであり、今回はネットで知り合ったプロデューサー・ジャネ氏による新潟の街の"お散歩"におつき合いする趣向とのこと。
まずは areaⅠ "鳥屋野潟公園の四季"ということで、近代的なスタジアム「ビッグ・スワン」を有する緑地帯を散策するコースでのシークエンス。見慣れた場所のいつもと違った表情が鮮明で美的に切り取られ、それを生かす抜群の選曲が、柔らかい鍵盤と優しい笛によって奏でられ、穏やかで安らかな心持ちへと導いてくれました。
それが終わると、川崎祥子さん、市橋靖子さんとジャネ氏のトーク。気の置けない仲間の雑談を愉しく聞かせていただいている風情で暖かな気持ちになりました。
続いて楽器だけでの演奏。ラグが2曲。明るく剽軽な拍子でさらりと亜米利加の節回しを聞かせてくれました。
ここで音楽はお休み。川崎祥子さんのリクエストで新潟の下町(しもまち)を活写した画(え)を見ながらのおしゃべりタイム。湊町に広がる天然の迷宮を旅する気分で、懐かしくも新鮮なショットを味わいました。
area Ⅱの古町編では、日常見ている街並みが新たな切り口で提示され、普段見落としているこの街の良さを改めて教えてくれ、グラナディラの息吹と鋼線の震えがそのまわりを鮮やかに縁取ってくれました。
一段落すると、IYカフェということで、「珈琲ルンバ」をBGMにコーヒー・キャンディが配られ、ちょっと一息。
そして映像なしで自作曲が"超絶技巧"も含めてこともなげに吹かれると、昭和にしては垢抜けたポップスが軽やかに届けられ、このパートを締めくくりました。
最後の括り、area Ⅲは下町から"カミ"へ。会場であるりゅーとぴあへ至る経路での様々なカットを快いメロディに乗せて、次々と投射し、大団円を迎えました。
何回も言うようですが、毎日見ている故郷の風景が、一編の絵画のように仕上げられ、それに心を和ませる音楽が付くことにより、まるで巨匠の描く珠玉の名画をみているような思いにさせられるのは、とても幸せなことであり、後2回続くこのシリーズがとても楽しみになる有意義なひとときを過ごさせてもらいました。

 オーケストラアンサンブル金沢 新潟公演

2015年6月24日(水) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール オーケストラアンサンブル金沢 新潟公演

歌劇「シンデレラ」序曲/ロッシーニ
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.23/シューマン
交響曲 第2番 ニ長調 Op.73/ブラームス

五嶋みどり(Vn)
オーケストラ・アンサンブル金沢(管弦楽)
井上道義(指揮)

開演35分前にりゅーとぴあに着くと、ホワイエで何やら良い音が。ブラームスの「クラリネット五重奏」のロビーコンサートが行われていて、思わず"やられた―"と悔しがる私でしたが、気を取り直し、素晴らしい後半を聞いて、客席へ。
感想は、「同じ日本海側で頑張るプロ・オケの完全燃焼に胸がいっぱいになる」です。
まずはロッシーニ。明るいイタリアの空を持ってきてくれるような響きが鳴り渡り、徐々に盛り上がるクレッシェンドで雰囲気を盛り上げると、決め所をものにして、華麗に着地して見せました。
次にソリストが登場してのシューマン。分厚い管弦楽を相手に厳格で滑らかな音色で歌う独奏が光る1楽章。ロマンチックなチェロとそれに応えるようにじっくりとソロを奏でる2楽章。勢いを付けたヴァイオリンの縁(ふち)を輝きで彩るオーケストラが印象的な3楽章。そのどれもが作曲者の音楽にがっぷり四つで取り組んで今この瞬間に可能な最大限の回答を出そうとする試みの偉大な成果として鮮やかに届けられました。
休憩を挟んでブラームス。低弦の導きに優しく歌い出す角笛。明るくも愁いを持った歌が奏でられ、それが切迫感漂う展開を迎え、様々に入り乱れて、やがて穏やかに収束するアレグロ。渋い灰色の輝きで推し進められるアンダンテ。軽やかに始まり、息せき切って刻むアレグレット。威勢よく飛び込んで、途中に大きく歌うアレグロ・ノン・トロッポ。そのどれもがこの曲を愛する強い気持ちに支えられ、力強くも生命力に満ちたサウンドでホールを満たし、満場の拍手とブラヴォーを誘いました。
プログラムに全力を尽くした旨の挨拶が指揮者からなされて、名残惜しくも終演となりました。
金沢を本拠地として少な目の所帯で頑張るこの楽団の活躍を目の当たりにして、深い感動と明日への活力をもらい、りゅーとぴあを後にしました。

トリオ・ベルガルモ 真城院 ピアノトリオで楽しむ午後のひととき

2015年6月24日(水) 13:00 真城院 トリオ・ベルガルモ 真城院 ピアノトリオで楽しむ午後のひととき

1.ブエノスアイレスの春/ピアソラ
2.春の歌/メンデルスゾーン
3.アヴェマリア(Vn,Vc)/グノー・J.S.バッハ
4.亜麻色の髪の乙女(Pf)/ドビュッシー
5.ワルツ(6手)/ラフマニノフ
6.G線上のアリア/J.S.バッハ
7.チャルダーシュ/モンティ
8.リベルタンゴ/ピアソラ

トリオ・ベルガルモ
庄司愛(Vn)
渋谷陽子(Vc)
石井朋子(pf)

お線香がほのかに香る本堂に着席。開演を待ちました。
感想は、「涼やか午後を軽やかに駆け抜ける三重奏を楽しむ」です。
まずは、ピアソラ。最初の一音から南米の港町の酒場へ連れて行ってくれるような心地よさ。弾むリズムと切ない旋律で聞くもののハートをぐっとつかんで快調滑り出しとなりました。続いてメンデスルゾーン。美しいヴァイオリンの調べを阿吽の呼吸でサポートするチェロとピアノ。三位一体となった音楽がやさしく響いて、ゆったりと癒されました。
弦楽器2台での「アヴェマリア」は、バッハの無伴奏の上にグノーの調べが乗るスペシャル・ヴァージョン。絡み合い、高め合いながら、登っていき、ふんわりと着地して、楽しませてくれました。次はピアノ独奏でドビュッシー。快晴の午後に吹く涼しい風のように、透明で落ち着いた打鍵の輝きをもたらしてくれました。
ここで6手連弾という裏技を見せるラフマニノフ。3人の奏でが交錯する鍵盤のマジックに思わずニヤリとする素敵なひとときでした。
"この寺にはエレクトーンもあるんですよ"というご住職の言葉から実現した「G線上のアリア」。"オーケストラ"のボタンが選択され、弦楽の間を縫うように、電子の音が溶け合って、一味違ったバッハを届けてくれました。
そしてモンティ。ハンガリーの憂愁が濃厚に奏でられ、眼光一閃、激しい踊りへと飛び込みました。気持ちよくドライブされる流れに身を任せると、そのまま一気に走り切り、大きな拍手を受けました。
最後の「リベルダンゴ」では昨年と同じくご住職やお寺の方が太鼓や鳴り物で加わり、さらに"手拍子も歓迎"ということで、会場が一体となって、音楽する喜びに包まれました。
実は、開演前にアンコールの歌詞カードが配られており、"予定どおり"「川の流れのように」が演奏され、観客も唱和して、和やかな終演となりました。
仏教の寺院でのコンサート。仏様の祭壇を横目に聞く普段にない雰囲気でしたが、そこは歴戦の強者のベルガルモ、しっかりと演奏会を作り上げて楽しい時間をプロデュースしてくれました。今回で4回目くらいだそうですが、"来年も来たいな"と思わせられる"さすがの"仕上がりで大満足のひとときを味わいました。

ウインド・サンデーナイトライブ ソプラノ柳本幸子プロデュース イシス・コンサートシリーズ 番外編 「映画館でほろ酔いコンサート in シネ・ウインド

2015年6月21日(日) 19:00 シネ・ウインド ウインド・サンデーナイトライブ ソプラノ柳本幸子プロデュース イシス・コンサートシリーズ 番外編 「映画館でほろ酔いコンサート in シネ・ウインド

JAZZ DUO
映画音楽
1.映画「ひまわり」I Girasoli/マンシーニ
2.映画「太陽がいっぱい」Plein Soleil/ロータ
3.映画「ゴッドファーザー」The Godfather Waltz/ 〃
戦争と手紙 愛する人へ
Soprano × JAZZ DUO
4.「ダニー・ボーイ Danny Boy」/アイルランド民謡 F.ウェザリー
5.「17歳の神風特攻隊、遺された妹への手紙」/柳本幸子 脚本 石山響一郎 曲
6.「さくらんぼの実る頃 LeTemps des cerises」/J=B.クレマン 詞 ルナール 曲
映画「サウンドオブミュージック」
JAZZ DUO
7.「私のお気に入り」My favorite things/ロジャース
石山響一郎オリジナル作品
8.「Night Fall」/石山響一郎
初夏・ほろ酔いの宵
Soprano × JAZZ DUO
9.
10.Summer Time/カーシュウィン
11.Amazing Grce/ジョン・ニュートン 詞 讃美歌
対談
齋藤正行(シネ・ウインド代表)×柳本幸子(ソプラノ)

柳本幸子(S・朗読/脚本)
JAZZ DUO
経麻朗(G/編曲)
石山響一郎(電子p/作曲)

一旦帰宅し、夕食を頂いてから、バスでシネ・ウインドへ。
感想は、「手狭な映画館が欧州や南米に変わる音楽のマジックに酔いしれる」です。
まずはジャズデュオで3曲。 石畳を踏みしめるような淡い響きで奏でられる「ひまわり」。 切なくも繊細に破裂する電子ピアノにセミ・アコースティックギターの丸い音色(ねいろ)が絡む「太陽がいっぱい」。遠い昔の記憶を呼び覚ますような哀愁の旋律で心の襞に触れる「ゴッドファーザー」。2台の楽器が織りなす夜の雰囲気が気分を盛り上げました。
そしてソプラノの登場。とは言いながら、ジャズデュオをバックに、特攻隊の手紙をクリアで淡々と朗読し、それゆえ内容のむごさ・悲しさをはっきりと映し出す演出に胸が締め付けられました。そのまま「ダニー・ボーイ」に繋げて、感情を歌声に載せて解き放ちました。さらに朗読は続き、様々な悲劇を明らかにし、「さくらんぼの実る頃」を朗々と歌い上げて、戦いのもたらす影を言葉以上の重いメッセージとして、我々に知らしめました。
一旦ソプラノが退場し、「私のお気に入り」がインプロビゼーション風の崩しを交えて味わい深く届けられました。さらに鍵盤奏者のオリジナルが夜の闇を照らす明かりのように奏されると、再びのソプラノで「べサメムーチョ」。中米の乙女の願いを情熱的に歌い、さらに「サマータイム」。新大陸でのアフリカン・アメリカンの子守唄をその想いを込めた絶唱を響かせて、聞くものの心を震わせました。最後は「アメージング・グレース」。アカペラの美しい讃美歌を追いかけるようにギターとピアノがバックを付け、己の所業を悔い、大いなる恩寵を称える歌唱が会場に響き渡りました。
コンサートはこれで終わりましたが、この場所の元締めであるシネ・ウインドの斎藤代表とソプラノの柳本さんの対談へと移りました。この場所を作るにあたっての大きな構想と想いについて、やり取りされ、最後は"表現芸術にかかわるものがここ新潟で安定して活躍できるよう今後も力を尽くしていきましょう"という方向で話はまとまりました。
新潟の文化の一翼を担うシネ・ウインドで30周年の記念として、このようなコンサートが行われることは大変意義深いと思いますし、これを機に新しい動きが始まっていくことを期待して、会場を後にしました。

新潟交響楽団第96回定期演奏会

2015年6月21日(日) 14:00 新潟県民会館 新潟交響楽団第96回定期演奏会

交響曲第1番 ハ長調 作品21/ベートーベン   
ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 作品11/R.シュトラウス 
交響曲第1番 変ロ長調 作品38 『春』/シューマン

湯川研一(Hr)
新潟交響楽団(管弦楽)
伊藤翔(指揮)

13km走ったら、足が棒になったので、仕方なくチャリで久しぶりの県民会館へ。
感想は、「いぶし銀の輝きに満ちた音楽の豊饒を楽しむ」です。
まずはベートーヴェン。しっかりと響きの下支えをするチェロ・バスに、明瞭な色付けで交錯するヴァイオリンと木管。素朴ながらいきいきとした躍動で1楽章を駆け抜けました。さらにじっくりと音楽を練り上げる2楽章。軽快にしかしがっちりと舞踏を仕上げる3楽章。こっそりと蓄えた喜びを素直に炸裂させる4楽章。そのどれもがきっちりと磨き上げられ、たっぷりと豊かに奏されて、楽聖の第1交響曲をくっきりとした表情で語ってくれました。
ソリストが登場してのR.シュトラウスのホルン協奏曲。総奏の一撃からやがてソロが歌い出し、それを控えめにサポートする弦楽器、時に独奏と絡んで彩りを添える管楽器、それらが一体となって、古典的な曲想に近代の味付けを施して、雄弁な音楽を届けてくれました。
休憩を挟んで、シューマンの「春」。金管のファンファーレが印象的に響く冒頭からなだれ込むアンダンテを経て、快活に進むアレグロ。暖かな悲しみを物憂げに綴るラルゲット。急き込むような想いを追い詰めるスケルツォ。鮮やかな灰色の喜びを輝かせるフィナーレ。作曲家の持つ特質を見事に表現し、その良さを伝える演奏がホールを満たし、すべてが鳴り終えると、大きな拍手に包まれました。
それに応えて、シューマン作曲・サン=サーンス編曲の「夕べの歌」がアンコールとして演奏され、しめやかに終演となりました。
今回は大向こうをうならせる派手な曲ではなく、地味ながら味わい深い音楽を丁寧に作り上げ、快い手触りを聞かせてくれる演奏会であり、時間が経つごとにじわじわと心に沁みる掛け流し温泉の効能のような渋くも滋味のあるひとときとなりました。

歌の花束シリーズvol.24 タリス・スコラーズ

2015年6月18日(木) 19:00 りゅーとぴあコンサートホール 歌の花束シリーズvol.24 タリス・スコラーズ

喜びたまえ、キリストのみ母なる乙女/ジョスカン・デ・プレ
聖母マリア被昇天のミサ曲/ダ・パレストリーナ
 Ⅰキリエ Ⅱグロリア Ⅲクレド Ⅳサンクトゥス&ベネディクトゥス Ⅴアニュス・デイ
ミゼレーレ/アレグリ
彼は誰々の息子だった…[無伴奏合唱のための音楽より]/ペルト
ヌンク・ディミッティス(主よ、今こそ御身のしもべを)[無伴奏合唱のための音楽より]/ 〃
ヌンク・ディミッティス(主よ、今こそ御身のしもべを)/デ・トレンテス
ヌンク・ディミッティス(主よ、今こそ御身のしもべを)/ダ・パレストリーナ

他に公演があるわけでもないのに満車のりゅーとぴあ駐車場を避け、陸上競技場へ車を置いて会場へ。
感想は、「10年に一度あるかの『奇跡』の現場に立ち会う」です。
まずはジョスカン・デ・プレ。一瞬にして中世の教会へ連れて行かれ、透明で濃厚なハーモニーにやられてしまうほどの素晴らしさに、心奪われました。
続くパレストリーナのミサ曲では、CDなどの音源では伝わらない大気の震えや立体感のある多声部の響きが舞台から発散され、滑らかで流れるような言葉たちの生命力が、魂の深い部分に共鳴し、典礼の調べにどっぷりと引き込まれました。
休憩を挟んでのアレグリでは、舞台上に男女5人、舞台奥オルガンの前に男声1人、後方3階の奥の下手側に男女4人が配置され、歌声が前後に行き来し、ホールの豊饒な残響を味方につけて、かつて経験したことのない三次元のア・カペラを届けてくれました。
次のペルトの「彼は誰々の息子だった」は、全員が舞台上に戻って、明瞭ではっきりした発音にときおり混じるモダンな味付けが印象的な曲想を巧みに歌い、これまでと違ったこのグループの魅力を聞かせてくれました。
そして最後は「ヌンク・ディミッティス」をペルト、トレンテス、パレストリーナで聞かせる趣向で、いずれも欧羅巴の韻律を孕んだコクのある詠唱が、ホールの空気を伝わって、心に沁み渡るように、響きました。
最後の曲が終わると、大きな拍手に包まれ、それに応えて、アンコールが2曲。ホアン・グィティエッレ・デ・パディーアの「おお神よ,助けに来て下さい」とトマス・タリスの「おお,光より生まれし光」が演奏されて、この素晴らしいコンサートの終演となりました。
高度な技巧と完璧な音楽性、そしてルネッサンス、さらに現代をも含む歌への深い愛情が一体となった奇跡のようなコンサートがここ新潟でも行われたことは、非常に貴重で有難いことだという想いを胸に会場を後にしました。

第277回ミニコンサート ~ ジャズ ミニコンサート ~

2015年6月17日(水) 12:20 新潟市市役所1階市民ロビー 第277回ミニコンサート ~ ジャズ ミニコンサート ~

1.But Not For Me/George Gershwin
2.You Are The Sunshine Of My Life/Stevie Wonder
3.Memories Of You/Eubie Blake
4.Take The A Train/Billy Strayhorn
5.イパネマの娘/Antonio Calros Jobim
6.Sentimental Journey/Lee Brown & Ben Homer
7.All Of Me/Seymour Simons & Gerld Marks

Enigma(エニグマ)
 長沢好宏(A.Sax)
 KERA(Ele-g)
 矢川倫代(Vo)

第3水曜のお昼は市役所のロビーコンサート。今回はジャズでの開催。
まずはサックスとエレキギターでのデュオから。 スタンダート・ナンバーの「But Not For Me」が軽快な六弦に乗って、アルトの滑らかで硬質なサウンドがうねるようなグルーブで奏され、初夏の昼下がりにぴったりな涼感を届けてくれました。続いてスティービー・ワンダーの名曲「You Are The Sunshine Of My Life」がジャズ・フィーリングいっぱいに吹かれると、そのまま「Memories Of You」へ。雰囲気のあるバーでオンザロックでも飲んでいるのが相応しい大人の時間を過ごさせてもらいました。2人での最後は新潟名誉市民でもあるデューク・エリントンの「Take The A Train」。すっきりとした味わいでスイングして楽しませてくれました。
ここでヴォーカルの登場。「イパネマの娘」を軽やかに歌い、「Sentimental Journey」ではムーディにサックスと絡み、最後の「All Of Me」を切なくもおおらかに歌い上げ、さらにバック2人のソロも決めて、しっかりと締めてくれました。
ロビーコンサートでのジャズは初めてでしたが、気持ちの良い、楽しい時間を過ごさせてもらい、"こんなライブも時にはいいなあ"と思わせてくれる素敵なひとときでした。