FC2ブログ

ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 ナチュールラウンジ 無料公演

2016年4月30日(土) 9:30 りゅーとぴあホワイエ ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 ナチュールラウンジ 無料公演

6つの小品/パスカル

岩渕仁美(Cl)
若杉百合恵(Pf)

朝食を取って、準備を整え、りゅーとぴあへ。音楽のお祭りで賑わうロビーを通り、特設のナチュールラウンジへ。開演10分前に到着。
感想は、「まっすぐで素直なクラリネットと可憐で美しいピアノに聞き入る」です。
曲目はパスカル1曲のみ。端正なピアノに乗って、妖しげなゆらぎで揺蕩(たうた)う第1曲。気まぐれに進む第2曲。しれっと通り過ぎる第3曲。眩暈(めまい)するように揺れる第4曲。ゆったりと流れる第5曲。急いで駆け出す第6曲。不思議な響きがロビーに満たされ、近代的な香りを振りまいて、短いコンサートを締めくくりました。
音楽で明け暮れする1日を始めるにあたって、このような素敵な音楽からスタートできることに感謝して、能楽堂へと向かいました。
スポンサーサイト

ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 234 【ウィーンの春の至福】

2016年4月29日(金) 18:45 新潟市音楽文化会館 ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 234 【ウィーンの春の至福】

ヴァイオリン・ソナタ第5番 へ長調 Op.24「春」/ベートヴェン
 アレグロ
 アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ
 スケルツォ:アレグロ・モルト
 ロンド:アレグロ・マ・ノン・トロッポ
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」/ブラームス
 ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ
 アダージョ
 アレグロ・モルト・モデラート

アンナ・マリア・スタシキェヴィッチ(Vl)
フランク・ブラレイ(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。ジュルネの人込みをかき分けて、開演30分前に到着。
感想は、「豊かなヴァイオリンと輝くオーラに包まれたピアノの饗宴に酔いしれる」です。
まずはベートヴェン。爽やかな風が吹き、柔らかで心地よい弦の響きと、目鼻立ちがはっきりとして、湿度の低い鍵盤の奏でが、時に寄り添い、時に勢いよくせめぎ合って、快調に飛ばすアレグロ。甘やかな仏蘭西菓子の味わいで、打鍵の波間を漂う弓からの調べが心地よいアダージョ。細やかな一筋の糸を紡ぎ、一瞬の隙(すき)に素早く挑みかかるスケルツォ。軽快な旋律が飛び交い、歯応えのあるつばぜり合いで応酬し、再び歌い出して、穏やかに収まるロンド。繊細な筆致でありながら、鮮やかに描き出す表情が美しく、我々の耳を魅了しました。
続いてはブラームス。ゆったりと歩むピアノの上を、夢見がちな甘さを含んだヴァイオリンが揺蕩(たゆた)い、ときおり激情を吐露して、綿々と綴られる第1楽章。まったりと引き延ばし、儚(はかな)げに揺れる第2楽章。憂いを含んだ快活さでとつとつと語られる第3楽章。浪漫の薫りをそこはかとなく漂わせ、まろやかで柔らかな音色(ねいろ)を聞かせて、この曲の素晴らしさを惜しみなく届けて、この感動的な演奏会の幕を閉じました。
CDなどの音源で聞いてもいまいちわからない曲達の良さを生きいきと具現化し、見事に我々の心を打ち抜いたこの演奏会が、満員の聴衆へ低料金で開放されていることに感謝し、家路を急ぎました。

ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016  111 【水辺のピクニック】

2016年4月28日(木) 19:30 りゅーとぴあコンサートホール ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 <オープニングコンサート> 111 【水辺のピクニック】

モルダウ(連作交響詩「わが祖国」から)/スメタナ
交響詩「トゥネラの白鳥」(「4つの伝説」から)/シベリウス
バレエ「白鳥の湖」op.20a/チャイコフスキー
 情景
 ワルツ
 小さな白鳥の踊り
 情景
 ハンガリーの踊り
 スペインの踊り
 ナポリの踊り
 マズルカ

ハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団
カールマン・ベルケシュ(指揮)
ジョニー・ラス&ジャン・ブコー(鳥のさえずり)

劇場からホワイエに出て、同じようにこの音楽祭を楽しみにして来場された知り合いの方々と挨拶を交わした後、コンサートホールへ。本公演第一弾となるオープニングコンサートに臨みました。
感想は、「お馴染みのメニューを、最高級の味付けで頂く贅沢なディナーに感動する」です。
定刻になり、オーケストラのメンバーが順次入場し、着席すると、なんとLFJ新潟2016応援サポーターであるNegiccoが登場し、その導きにより、鳥のさえずりの名手2人が現れて、その腕前を披露して、大きな拍手を受けました。
そして本編。まずは「モルダウ」から。芳醇なフルート、品格のある弦が歌い出し、くっきりと彫りの深い響きが情景を描き出しました。さらに穏やかな嵐が吹き渡り、その狭間を金管や打楽器が煌めいて、旋律が溢れんばかりに流れ出し、名曲を彩りました。
続いてコール・アングレがソリストとして演奏した「トゥネラの白鳥」。ほの暗い序奏から、しびれるようなチェロの独奏が立ち上がり、葦笛が奏でる木霊(こだま)が黄泉の国を照らす月光のように棚引(たなび)いて、はっきりと風景を映し出しました。
プログラム最後は「白鳥の湖」。柔らかな筆で描写される「情景」。まろやかに踊られる「ワルツ」。軽々と跳ねて波打つ「小さな白鳥の踊り」。ハープが豊潤な響きをかき鳴らし、ヴァイオリン・ソロが嫋々(じょうじょう)と歌い、チェロが美しく弓を運んで映し出す「情景」。異国の風情が香り立つ「ハンガリーの踊り」。足を踏み鳴らし、熱狂の記憶を伝える「スペインの踊り」。コクのあるトランペットが優雅に吹き鳴らす「ナポリの踊り」。沸き立つような祭りのひとときを鮮やかに写し出す「マズルカ」。香ばしい風味と上品な味わいでロシアのバレエの音楽を塗りかえて、素晴らしい仕上がりで我々の耳を楽しませてくれました。
客席からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはJ.シュトラウスの「ハンガリー万歳」。小粋で生きいきとした演奏で駆け抜けました。
ラ・フォル・ジュルネの開幕を飾るこのコンサートが、大いなる喜びを与えてくれたことで、明日以降の公演への期待がさらに高まったことを胸に家路を急ぎました。

ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 オープニングイベント&オープニングセレモニー

2016年4月28日(木) 18:10 りゅーとぴあ劇場 ラ・フォル・ジュルネ 新潟 2016 オープニングイベント&オープニングセレモニー

Negicco(LFJ新潟2016応援サポーター)
シャニ・ディリュカ(Pf)
ジョニー・ラス&ジャン・ブコー(鳥のさえずり)

仕事を終えて、大急ぎでりゅーとぴあへ。ちょっと遅れて入場すると、既に司会の女性がラ・フォル・ジュルネ2016の説明をしているところで、席についてそれを拝聴。一通りの話が終わると、ここでLFJ新潟2016応援サポーターであるNegiccoが登場。挨拶と簡単なトークの後、新曲である「矛盾、はじめました」を元気よく披露してくれました。しなやかな振付と生命力溢れる歌声が会場に響き渡り、前列に陣取ったファンの方々が、ペンライトや手を上げての応援も楽しげで、雰囲気を盛り上げました。さらに背景にMVが映っての「にいがた☆JIMAN!」では客席に降り立って、後方まで進み出て、和やかなふれあいタイムを作り出しました。3人がステージ上に戻って、新潟市のPRソングが終わると、オープニングセレモニーに移行し、実行委員長と名誉委員長である市長が挨拶し、2016年の開催を祝いました。
一段落して、本公演に出演するアーティストの登場。まずはピアノのシャニ・ディリュカのソロ。憂いと切なさが穏やかな波のように揺蕩い、夢見心地にさせると、どこからか鳥の声が。ジョニー・ラス&ジャン・ブコーの仕業であり、1人が舞台上でピアノをバックに、その妙技を披露すると、客席後方からそれに応えるようにもう1人が現れて、下へ降りていき、競い、争うように鳴き交わして、楽しませてくれました。
これから始まる音楽祭の幕開けを飾る催しはつつがなく終了し、本公演への期待をいやがうえにも高めて、高揚する気分とともに、コンサートホールへ向かいました。

うちの学びカフェ ソプラノ柳本幸子★公開講座 講演会 柳本幸子が運ぶヨーロッパの薫り ~共に歌の世界を感じてみませんか~

2016年4月27日(水) 13:30 新潟市西地区公民館 うちの学びカフェ ソプラノ柳本幸子★公開講座 講演会 柳本幸子が運ぶヨーロッパの薫り ~共に歌の世界を感じてみませんか~

アヴェ・マリア/シューベルト
黒い瞳/ロシア・ジプシー民謡
ハバネラ ~恋は野の鳥~ 歌劇「カルメン」/ビゼー
ポロ ~7つのスペイン民謡~/ファリア
ナナ ~7つのスペイン民謡~/ 〃
ジプシーソング 歌劇「カルメン」/ビゼー
うぐひす ~春夫の詩に依る四つの無伴奏歌/早坂文雄
初恋 石川啄木 歌集≪一握の砂≫より/越谷達之助

~みんなで一緒に歌いましょう!~
 ウォーミングUp・呼吸法・発声法
 朧月夜/瀧廉太郎
 みかんの花咲く丘/ 〃
 琵琶湖周航の歌/吉田千秋
 四季の歌/荒木とよひさ
 翼をください/村井邦彦
 今日の日はさようなら/金子詔一

柳本幸子(S)
斎藤晴海(Pf)

10km走って、少し休憩してから、昼食を取り、西新潟市民会館へ。行ってから間違いとわかり、慌てて西地区公民館へ。開演20分前に到着。
感想は、「美しい歌、素晴らしいピアノを堪能すると共に、改めて歌うことの良さに気づかされる」です。
まずはシューベルトの「アヴェ・マリア」から、柔らかく練られたピアノに乗って、歌がまっすぐ立ち上がり、艶やかに響いて、一瞬にしてその世界へ誘(いざな)いました。続いてジプシーにまつわる楽曲がいくつか。無伴奏での「黒い瞳」で、深く波立つ切なさを揺らめかせると、「ハバネラ」では一転妖艶な振舞いで誘い込み、「ポロ」を激しく駆け抜けて、一幕の物語を語りました。さらに「ララ」では儚(はかな)げな鍵盤の奏での上を哀しげに揺蕩(たゆた)い、「ジプシーソング」では生きいきと、生命の息吹を発散させて、舞を繰り広げました。
ここからは、日本の歌曲が2曲。「うぐいす」が墨痕鮮やかに、縦書きの草書で歌われ、「初恋」がまったりと、春の日差しのように暖かく流れ出し、幸せな気持ちにさせてくれました。
休憩を挟んで後半は、歌唱法に関する講演が自らの体験をもとにわかりやすく伝えられ、そのまま"みんなで一緒に歌いましょう!"に移行して、呼吸法・発声法を実践し、歌詞カードに沿って、歌の実習を行いました。教えられたやり方で歌うと、自分の声が、まるで鍛えられた合唱団のように響き渡り、今まであった歌うことの壁を見事に突き抜けて、快い感覚が体を突き抜けました。「数曲」を歌い継いで、最後は「今日の日はさようなら」で気持ちよく締め。そして最後に「坂の上の雲~スタンド・アローン」がステージからプレゼントされて、暖かい雰囲気の中、終演となりました。
素晴らしい歌声とピアノ、そして"歌うこと"への導きを再び目覚めさせてくれたこの催しに感謝の気持ちを抱(いだ)いて、幸福な気分で帰路に付きました。

櫻舞ひ絃奏づ

2016年4月23日(土) 14:00 新発田市大友 宮村邸 櫻舞ひ絃奏づ

インヴェンション 第1番ハ長調 BWV772/J.S.バッハ
アダージョ ト長調/フィオッコ
グラウンド ハ短調/パーセル
マスカレード/ヴィセ
幻想曲「さくらさくら」/平井康三郎
パヴァーヌ 嬰ヘ短調/L.クープラン
One more time,One more chanse/山崎まさよし
葦/F.クープラン
涙流るるままに/ヘンデル
フランス組曲 第1番ニ短調/J.S.バッハ
 アルマンド
 クーラント
 サラバンド
 メヌエット Ⅰ/Ⅱ
 ジーグ

笠原恒則(Cemb)

所用を済まし、新新バイパスを新発田へ。途中で昼食を取り、山里へハンドルを切り、少し迷って会場着。
感想は、「美しい自然の中に立つ日本家屋での澄んだチェンバロの響きに心奪われる」です。
まずはバッハの「インヴェンション」。すっきりと立ち上がる純粋な音色(ねいろ)が繊細に湧き出して、早くも心を鷲掴(わしづか)みにしました。続くフィオッコの「アダージョ」では、連なる厚い塊(かたま)りが煌めく旋律を支え、悠然と過ぎ去りました。さらにパーセルの「グラウンド」になるとちょっと沈んだ気分でうつむき、ヴィセの「マスカレード」で輝きを増して、跳ねまわりました。
ここで日本の調べが1曲。平井康三郎の「幻想曲『さくらさくら』」。様々な装飾で古謡が彩られ、流麗に舞って、春を謳歌しました。次はL.クープランの「パヴァーヌ」。湿度の低い哀しみが穏やかに奏でられ、じんわりと心に染みました。前半最後はJ-POPよりの選曲で、山崎まさよしの「One more time,One more chanse」。張り詰めた弦の上を、とつとつとした歌が集まって、伸びやかに踊りました。
休憩を挟んで後半はF.クープランの「葦」から。冷たいせせらぎが、優しく流れて、涼しさを運びました。続いてヘンデルのアリアを弟子が編曲した「涙流るるままに」。優美な歌曲が華やかな衣装を纏(まと)って、ゆっくりと波立ちました。プログラム最後はバッハの「フランス組曲」。密(ひそ)やかな悲しみが現れる「アルマンド」。速足で甘い翳りを宿す「クーラント」。寂しげに通り過ぎる「サラバンド」。曇り空の下を走り去る「メヌエット」。遥かな輝きを解き放つ「ジーグ」。譜面の中に凝縮された作曲者の心象を、この瞬間に解凍し、素晴らしい響きで満たしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはペツォールトの「バッハのメヌエット」。和やかな雰囲気の中、素敵なサロン・コンサートの幕が閉じました。
新発田の奥座敷のような山里にある広々とした瀟洒(しょうしゃ)な個人のお宅での演奏会は、また格別の良さが有り、このような素晴らしい場所での催しがまた開催されることを期待して、孔雀の鳴き声を背に帰路に付きました。

西新潟中央病院ロビーコンサート(第70回)

2016年4月20日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第70回)

ジュ・トゥ・ヴ/サティ
霧島/葉加瀬太郎
情熱大陸/ 〃
アニーローリー/スコットランド民謡
トルコ行進曲/モーツァルト
チャルダッシュ/モンティ

佐々木友子(Vn)
倉澤桃子(Marb)

市役所から一旦戻り、ちょっと準備をして、西新潟中央病院へ。開演20分前に到着。
感想は、「異色の組み合わせのデュオに、ほんわかと癒される」です。
まずは「ジュ・トゥ・ヴ」。マリンバの暖かい響きに乗って、ヴァイオリンが甘く優雅に歌い出し、小粋で楽しい調べを聞かせました。続いて葉加瀬太郎が2曲。「霧島」では朝靄のまどろみの中、熱帯雨林の鮮やかさで、息長く弓を使って、やすらぎを届けました。そして「情熱大陸」。弾けるようなリズムで、アツい旋律を奏で、カッコよく、弾き切りました。ここでマリンバ・ソロで「アニーローリー」。興奮を鎮め、穏やかに大気(たいき)を震わし、興奮を鎮めました。再び二重奏で「トルコ行進曲」。滑らかな弦と柔らかい撥(ばち)さばきが、名曲を華やかに仕上げました。プログラム最後は「チャルダッシュ」。濃厚な旨味をふんだんに漂わせ、たっぷりと豊かに歩みだすと、一転軽快に駆け出し、細やかに刻んで、技巧を輝かせ、間合いを図って、飛び移り、華麗にフィニッシュを決めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「夕焼け小焼け」。ゆったりと優しさを届けて、終演となりました。
毎月行われる入院患者さんへ贈られる音楽のプレゼントのおすそ分けを受けられるこのコンサートは、いろいろなことを教えて頂ける貴重な機会であり、今後の継続を望んで、会場を後にしました。

第287回ミニコンサート 花鳥風月・音楽はナチューレの中に

2016年4月20日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第287回ミニコンサート 花鳥風月・音楽はナチューレの中に

弦楽四重奏 ひばり/ハイドン
すみれ/モーツァルト
からたちの花/山田耕筰
千の風になって/新井満
クラリネット五重奏/モーツァルト
月のメドレー/本居長世、他

アンサンブル・オビリー
 佐々木將公、阿倍智子(Vn)
 加野晶子(Va)
 片野大輔(Vc)
伊奈るり子(Cl)

10km走って、少し休憩してから、市役所へ。開演30分前に到着。
感想は、「弦楽とクラリネットによる心地よいひとときを楽しむ」です。
まずは弦楽四重奏でハイドンの「ひばり」。爽やかで軽やかな響きが飛び交い、集まって届けられ、快調なスタートを切りました。続いてクラリネットが加わって、花と風をテーマに3曲。モーツァルトの「すみれ」が優しく繊細に歌われ、快い華やぎを伝えると、山田耕筰の「からたちの花」ではしっとりと抒情を湛えて奏でられ、新井満の「千の風になって」がたっぷりと柔らかく豊かな音色(ねいろ)で描かれて、やすらぎを与えました。ここでこの編成といえばこの曲!のモーツァルト「クラリネット五重奏」から第1楽章。春の日の木漏れ日の中にいるような和みを感じさせる暖かな雰囲気をもたらしました。最後は「月のメドレー」。本居長世の「白月」から始まって、「月の砂漠」「朧月夜」などが塗(まぶ)されて、最後は「月光仮面」で華々しく締め。大きな拍手で、惜しまれながら終演を迎えました。
艶やかで美しい第1ヴァイオリン、内声を受け持ちながら、時にいぶし銀のソロを聞かせる第2ヴァイオリン、渋くもがっちりと上下を受け渡すヴィオラ、豊かな響きと歌うような節回しで聞かせるチェロ、そして滑らかで素晴らしい音色(ねいろ)で彩るクラリネット。ラ・フォル・ジュルネのプレ・イベントも兼ねた今回のロビー・コンサートを大成功で終わらせ、本公演への期待を大いに盛り上げました。
このような短いながらも見事な演奏会が無料で市民に開放されていることは、とても意義あることだと思いますし、今後も長く続くことを祈って帰路に付きました。

トリオ・ベルガルモ 室内楽シリーズ No.16 ドゥムカ ウクライナから響く喜びと悲しみの歌

2016年4月17日(日) 18:00 スタジオスガマタ トリオ・ベルガルモ 室内楽シリーズ No.16 ドゥムカ ウクライナから響く喜びと悲しみの歌

ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.1-1/ベートヴェン
 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 アダージョ・カンタービレ
 第3楽章 スケルツォ(アレグロ・アッサイ)
 第4楽章 プレスト
リグレッツ・オンリー/ドーハティ
ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調「ドゥムキー」/ドヴォルザーク
 第1楽章 レント マエストーソ
 第2楽章 ポコ アダージョ
 第3楽章 アンダンテ
 第4楽章 アンダンテ モデラート
 第5楽章 アレグロ
 第6楽章 レント マエストーソ

トリオ・ベルガルモ
 庄司愛(Vn)
 渋谷陽子(Vc)
 石井朋子(Pf)

だいしホールから、コンチェルトさん経由で帰宅して、少し休憩し、スタジオスガマタへ。
感想は、「繊細で豪快な新潟を代表するトリオにノックアウトされる」です。
まずはベートヴェン。軽快で乾いた明るさを振りまくアレグロ。まったりと歩み、大らかに歌うアダージョ。忙(せわ)しげに跳ねまわるスケルツォ。鮮烈で立体的に輝くプレスト。楽聖の初期の作品を当時の面影を装って、さらりと決めてくれました。続いてドーハティの「リグレッツ・オンリー」。不安げな響きがあたりに立ち込め、氷片の煌めきが鍵盤から放たれると、息長く哀歌が流れ出し、さらに鞭打つ音や、硝子が砕けるような悲鳴が聞こえて、混沌が見え隠れしました。そして慰(なぐさ)めるように弦たちがすすり泣き、ジェットコースターのように鋼鉄の揺らぎが刻まれて、大きく鳴り響き、頂点を極めました。
休憩を挟んで後半はドヴォルザーク。チェロの嘆きが溢れ出て、東欧の祭りが華やぐ第1楽章。土臭い調べが流れ出し、村人の踊りが舞う第2楽章。ピアノの呟きを透明な羽根が薄く覆いかぶさり、繊細で美しい旋律を聞かせる第3楽章。時を刻むヴァイオリンを背に低弦の歌が長く伸びる第4楽章。明るく快活に振舞い、3者が入り乱れて絡み合う第5楽章。分厚い線で牧歌が描かれ、華やかに締めくくる第6楽章。冷静と情熱が同時に存在し、聞くものの心に火をつける演奏で、客席の温度を一気に沸騰させました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはベートヴェンの耳馴染みのある「メヌエット」が楽しげに奏でられて、にぎにぎしく終演となりました。
新潟を代表する三重奏の久々の公演は、期待に違わぬ素晴らしい演奏会となり、さらに今後の展開を大いに楽しみにして、帰路に付きました。

鈴木賢太 ピアノ・リサイタル

2016年4月17日(日) 14:00 だいしホール 鈴木賢太 ピアノ・リサイタル

ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109/ベートヴェン
 第1楽章 Vivace,ma non troppo
 第2楽章 Prestissimo
 第3楽章 Gesangvall,mit innigster Empfindung:Andante molt cantabile ed espressivo
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110/ 〃
 第1楽章 Moderato cantabile e molto espressivo
 第2楽章 Allegro molto
 第3楽章 Adagio ma non troppo-Fuga:Allegro ma non troppo
ピアノ・ソナタ 第30番 ハ短調 Op.111/ 〃
 第1楽章 Maestoso-Allegro con brio ed appasionato
 第2楽章 Arietta:Adagio molto semplice e cantabile

鈴木賢太(Pf)

みなとトンネルを4往復走って、昼食を取り、少し休憩してから、だいしホールへ。
感想は、「ベートヴェン最後のピアノ・ソナタの肌触りを体感する」です。
まずは第30番。端正で軽やかに花開いて、慎(つつ)ましく、優しく奏でられるヴィヴァーチェ。翳りを帯びながらも屹然(きつぜん)と打ち鳴らされ、雄々しく響くプレスティッシモ。穏やかに始まり、追加された装飾が厚みを増し、細かい粒が弾(はじ)けて、炭酸のように泡立ち、鋭く角を立たせ、大きく波打って、やがて収束するアンダンテ。潔(いさぎよ)く、清冽に仕上げてくれました。
続いて第31番。低音が細かく揺れ動き、その上を飛び石を踏むかのごとく、高音が輝いて、様々に鳴り渡るモデラート。勇ましく、勢いを付けて、弾き込まれるアレグロ。悲しげに歩み出し、徐々に増殖し、ふと立ち止まって、追いかけ合い、身軽に動いて、大きく圧倒するアダージョ。さりげなくも見事に楽聖の音楽を具現化しました。
休憩を挟んで後半は第32番。弾む音符を、時に切れ切れに、時に巻き込んで、階段を登り、切なく追い込んで、まとめ上げ、穏やかに寝かしつける第1楽章。ゆったりと歩を進め、小走りに駆け出し、大急ぎで前進して、渦を巻く第2楽章.ちょっと休んで煌めき、あるいは小雨に煙り、大きく翻弄された後、消え入るように、その姿を彼方へと投げやり、穏やかに曲を閉じる第3楽章。一瞬の静寂の後、客席からは大きな拍手が贈られ、何回かのカーテンコールの後、演奏者より、この曲の後では、アンコールとして弾くものがない旨の説明が有り、聴衆もそれを受け入れて、つつがなく終演となりました。
ベートヴェンの後期最後のピアノ・ソナタ3曲という渋いプログラムをしっかりと聞かせたこのリサイタルは、その奥深さにじっくりと取り組み、その真価を充分に知らしめる貴重なものであり、今後も継続して開催されることを祈って、会場を後にしました。