Cra 2 Duo クラリネット&トロンボーン

2016年9月25日(日) 19:30 ギャラリー蔵織 Cra 2 Duo クラリネット&トロンボーン

リインヴェンション/J.S.バッハ アハベル編
デュエット/タウシュ
トランペットとトロンボーンのためのデュエット/メレンザイエン
ファンタジー/ヴィトマン
ミッピー2世のためのエレジー/バーンスタイン
バルカローレ/シューブレック
ボレロ/ 〃
主よ人の望みの喜びよ/J.S.バッハ

岩渕仁美(Cl)
石山武(Trb)

一旦帰宅し、軽い夕食を取ってから、ブログを上げ、再び蔵織へ。開演30分前に到着。
感想は、「クラリネットとトロンボーンによる近現代の作品を興味深く聞き入る」です。
まずはバッハの「インヴェンション」をアハベルが編曲した「リインヴェンション」。翳りある時を刻むクラリネットを追いかけ、下を潜(くぐ)り、入れ替わって絡み合うトロンボーン。響きの違いを見せつけながらもしだいに溶け合い、2声の音楽を形作りました。続いてタウシュの「デュエット」。木管2本のためのこの曲を軽妙に明るく、互いに浮き沈みし合いながら、補完し合い、掛け合って楽しませてくれました。次はメレンザイエンの「トランペットとトロンボーンのためのデュエット」。角ばって鳴り響き、晴れやかに宙を舞って、勇ましく競い合いました。ここでそれぞれの独奏が1曲ずつ。クラリネットが奏でるのはヴィトマンの「ファンタジー」。高く鋭い叫びを上げ、ぎりぎりの空中戦を演じ、低く唸(うな)る瞬間から、不規則に舞い踊り、散り散りにに砕け散って、一点に収束しました。代わってトロンボーンのソロでバーンスタインの「ミッピー2世のためのエレジー」。ユーモラスに躍動し、大気を震わせました。再びデュオに戻って、シューブレックが2曲。のどかに揺れる「バルカローレ」。くねりながらじゃれ合い、陽気に行進する「ボレロ」。現代におけるデュオの楽しさを伝えました。最後はバッハのカンタータで「主よ人の望みの喜びよ」。柔らかく交わし合い、平安の調べを奏でて、穏やかに終演となりました。
この世になかなか存在しないデュオで届けられる近現代曲が、生きいきとその真価を見せ、リアルに響き渡るこのコンサートは新しい音楽の魅力を伝えてくれる貴重な機会であり、今後もさらなる展開があることを期待して、家路を急ぎました。
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新潟メモリアルオーケストラ第26回定期演奏会

2016年9月25日(日) 14:00 りゅーとぴあコンサートホール 新潟メモリアルオーケストラ第26回定期演奏会

ロビーコンサート
 フルート・オーボエ二重奏
  「風の丘」(映画「魔女の宅急便」より)/久石譲
 チェロ四重奏
  アヴェ・マリア/フィッツェンハーゲン
 フルート六重奏
  「ホフマンの舟歌」/オッフェンバック
 コントラバス四重奏
  コントラバスのための四重奏曲/ラウバー
 木管五重奏 
  いつか来た道~山田耕筰の歌曲によるファンタジー/後藤洋 編
 トロンボーン・チューバ・アンサンブル
  ブルースマーチ/ブレムル
    
「マンフレッド」序曲/シューマン
バレエ音楽「くるみ割人形」(抜粋)/チャイコフスキー
 第6曲  情景 招待客の帰宅、そして夜
 第7曲  情景 くるみ割り人形とねずみの王様の戦い
 第8曲  情景 冬の松林
 第9曲  雪片のワルツ ※
 第14曲 こんぺい糖の聖と王子のパ・ド・ドゥ
 第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ
交響曲第2番/ラフマニノフ
 第1楽章 ラルゴ、アレグロ・モデラート
 第2楽章 アレグロ・モルト
 第3楽章 アダージョ
 第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

新潟メモリアルオーケストラ
桐山彰(指揮)
新潟ジュニア合唱団(児童合唱) ※
海野美栄(合唱指揮) ※

蔵織を後にして、昼食を取り、りゅーとぴあへ。開演1時間10分前に到着。
感想は、「昔の仲間たちの奮闘を、手に汗を握りながら楽しむ」です。
座席に荷物を置き、急いでロビーへ。まずはロビーコンサートから。
トップバッターはフルート・オーボエ二重奏で「風の丘」。切なく弾んで映画の一場面を思い起させると、次はチェロ四重奏。「アヴェ・マリア」がゆったりと響きの層を成して、清らかに湧き上がりました。続いてフルート六重奏で「ホフマンの舟歌」。水飛沫(みずしぶき)を上げて優雅に河を行き過ぎました。コントラバス四重奏で届けられたのはラウバー。薄衣(うすぎぬ)を掛けたように舞い、歯ごたえのある手触りで優しく進みました。さらに木管五重奏での「いつか来た道」では手厚くふんわりと郷愁の旋律が奏でられ、急ぎ足でコミカルに走り去りました。ロビコン最後はトロンボーン・チューバ・アンサンブルで「ブルースマーチ」。お洒落にスイングして、空気を共鳴させました。
本編が始まり、最初はシューマン。ほろ苦く灰色に奏でられ、悲劇的な盛り上がりを見せて生々しく描かれ、息絶えるように収束し、一瞬の光明の後、儚(はかな)く消え去りました。続いてチャイコフスキー。やんわりと始まり、喧噪を描写して、忙(せわ)しく追いかけ、膨(ふく)らみを持って盛り上がり、慌(あわ)ただしく急いで、美しく波打ちました。さらに嵐が巻き起こって、楽しげにうねり、涼しげな子供の歌声が透き通るように広がって、きらきらと光を放ち、争いの切っ先が火花を散らせました。そして哀愁の調べが明るさを伴って、徐々に育ち、大きく伸びあがって、声高に叫びました。一区切りの後、絢爛たる舞踏を舞い踊り、派手やかで屈託のない表情で輝きを解き放って、楽し気に締めくくりました。
休憩を挟んで後半はラフマニノフ。暗い海の底から憂愁の波が滔々(とうとう)と押し寄せ、憐み深く歌い、災いを感じて身を捩(よじ)らせ、荒々しく塗り込める第1楽章。高らかに警告を鳴らし、なだらかに収めて、騒(ざわ)めきを伴って羽ばたき、切なく吠えながら駆け抜ける第2楽章。安らぎを与え、熱い心を慰め、美しくうねる第3楽章。勢いよく漲(みなぎ)る力で前進し、持てる血気を振り絞るように噴出させ、大いなる流れに乗って爆発し、不穏な空気を押しのけるように精一杯攻め上がって、勝利を掴(つか)み取る第4楽章。巨大な交響曲を手中に収め、全身で表現しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、その健闘を称えて、にぎにぎしく終演となりました。
かつての仲間たちが年1回本番で輝く様を目撃し、音楽を奏でる瞬間に立ち会えることは何事にも代えがたい幸福であり、今後もさらなる発展を遂げることを祈って、会場を後にしました。

Cra 2 Duo CRA50リクエストアワー

2016年9月25日(日) 11:00 ギャラリー蔵織 Cra 2 Duo CRA50リクエストアワー

主よ人の望みの喜びよ/J.S.バッハ
シチリアーノ/ 〃
G線上のアリア/ 〃
Stand Alone/久石譲
カノン/パッヘルベル
秋桜/さだまさし
花嫁人形/杉山長谷夫
もののけ姫/久石譲
三声のリチェルカーレ/J.S.バッハ
影を慕いて/古賀政男
恋は水色/ポップ
涙の流るるままに/ヘンデル
グラウンド/パーセル
草原のマルコ/坂田晃一

4km走って、少し休憩してから、蔵織へ。開演15分前に到着。
感想は、「リクエストで決める真剣勝負に快い爽快感を頂く」です。
まずは事前に決めてあった「主よ人の望みの喜びよ」。スピネットが紡ぐ縦糸を暖かいオカリナの横糸が絡めとり、柔らかい織物を編み上げました。ここからリクエストの多い順に演奏が始められ、最初は「シチリアーノ」。フルートの熱い吐息がチェンバロの涼しげな秒針をかすめて、遷(うつ)ろうように通り過ぎました。続いて「G線上のアリア」。煌めく弦の囁きに土笛が柔らかに浮遊して、心を鎮めるように吹き過ぎました。次の「Stand Alone」が優しい温もりを届けると、「カノン」では原曲にJ-POPの旋律を塗(まぶ)して楽しませてくれました。さらに「秋桜」で胸に沁みる切なさで迫ると、「花嫁人形」ではそぼ降る秋雨を描きました。そして「もののけ姫」。緑燃ゆる山並みを雄大に俯瞰して、大自然を描写しました。ここでチェンバロ独奏で1曲。「三声のリチェルカーレ」が深い響きで光の綾を織りなし、場面を塗りかえました。再びデュオに戻っての「影を慕いて」。バロック風の意匠で和の風味を届け、続いての「恋は水色」では碧空の彩りで、お洒落な布地を織り上げました。次の「涙の流るるままに」で薄衣(うすぎぬ)の装いで爽やかに吹き抜けると、ここでまたチェンバロ独奏での「グラウンド」。輝きを鏤(ちりば)め、鮮やかに咲き誇りました。そして締めは二重奏での「草原のマルコ」。切なく虹色に染めて、走り抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、この危険な賭けを見事に成し遂げたお二人を暖かく讃えました。
50曲の中から、当日にリクエストを募り、上位に選ばれた曲たちをその場で仕上げるこの試みはスリリングながら、エンターテインメント性を伴って、聴衆を魅了し、大成功に終わったことに安堵しつつ、次の会場へ向かいました。

新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル第42回定期演奏会

2016年9月24日(土) 18:30 新潟市音楽文化会館 新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル第42回定期演奏会

<第1部>クラシック・アレンジ曲より 藤田正明(指揮)
 ジムノペディ第1番/サティ 藤田正明編
 ジャズ組曲第2番より WaltzⅡ/ショスタコーヴィチ 飯野勝弘編
 ジュ・トゥ・ヴー(あなたが欲しい)/サティ 藤田正明編
 スケーターズワルツ/ワルトトイフェル 藤田正明編
<第2部>世界の民謡より 白井章彦(指揮)
 ピクニックのマーチ/イギリス民謡 飯野勝弘編
 ロンドンデリーの歌/アイルランド民謡 武藤理恵編
 アニー・ローリー/スコットランド民謡 武藤理恵編
 聖母の御子/カタロニア民謡 酒井国作編
 マンドリン合奏のための「THE YAGIBUSHI」/武藤理恵
 竹田の子守唄/日本民謡  武藤理恵編
<第3部>マンドリン・オリジナル曲より 阿部見和子(指揮)
 茜‐Akane‐/丸本大悟
 交響譚詩「火の山」/鈴木静一
新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル
清水厚宏(Cb) 鷲沢朱音(Fl) 今井優太、鈴木優哉(Ob、Ci) 井上華耶(Cl) 塚田裕幸、渡邉小百合(Per) 齋藤愛子(Pf)

仕事を終え、音楽文化会館へ。開演15分前に到着。
感想は、「軽やかでなお迫力のあるマンドリン群の響きを楽しむ」です。
まずはプログラムにはない「希望のささやき」がコンマスの合図で爽やかに、柔らかくさざめくように演奏されました。そして指揮者が登場し、第1部のクラシック・アレンジ曲のステージ。サティの「ジムノペディ第1番」が秘めやかに、うっすらと煙るように流れました。続いてショスタコーヴィチの「ジャズ組曲第2番」より「ワルツ」。哀調をおびた節回しがほのかに明るく弾(はず)み、見世物小屋の風情を届けました。次は再びのサティ。「ジュ・トゥ・ヴー」が枯葉色の街並みを甘く吹き過ぎると、第1部最後のワルトトイフェルの「スケーターズワルツ」では、静寂の中、雲が湧き上がり、優雅に舞って、霞を棚引かせました。
1回目の休憩を挟んで第2部は「世界の民謡」より。元気で軽快に飛ばす「ピクニックのマーチ」。さわさわと草原を揺らし、たっぷりと癒す「ロンドンデリーの歌」。暖かく奏でる「アニー・ローリー」。日差しを浴びて、涼やかに綴る「聖母の御子」。海外の伝承歌を美しく聞かせてくれました。続いて本邦の民謡から「マンドリン合奏のための「THE YAGIBUSHI」。ゆるりと動き出し、次第に熱を帯びて祭りを盛り上げ、早口でまくし立てました。第2部最後は「竹田の子守唄」。すすり泣きが、徐々に広がり、様々な旋律を加えながら、悲しみを燃え上がらせました。
2回目の休憩の後、マンドリン・オリジナル曲で構成される第3部の開演。丸本大悟作曲の「茜‐Akane‐」がまろやかで透き通るように郷愁を誘い、夕暮れを染める彩りを鮮やかに映しました。プログラム最後は鈴木静一の「交響譚詩『火の山』」。堂々とした足取りで歩き始め、低く不安げに進み、決死の突撃を見せました。やがて切なそうに蹲(うずくま)り、調べを軽妙に言い換えて、じりじりと踊り出し、最高潮に達した後、不気味に瞑想し、撥を乱れ打ちする如く弾(はじ)け、すっくとした姿勢で力強く前進して曲を締めくくりました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「広い河の岸辺」。安らぎを届けて、穏やかに終演となりました。
マンドリン一族の楽器を中心に大きな合奏体で行われたこのコンサートは、楽器の特徴を示し、その良さを知らしめてくれるものであり、快い気分で会場を後にしました。

川口聖加 ソプラノリサイタルツアー2016 「世界の民謡」 in 新潟

2016年9月23日(金) 19:15 りゅーとぴあスタジオA 川口聖加 ソプラノリサイタルツアー2016 「世界の民謡」 in 新潟

オーベルニュの歌より/カントループ  
 1.バイレロ 詞 フランス オーヴェルニュ地方民謡
 2.羊飼いの娘と騎士 〃
 3.糸紡ぎ女 〃
4つの民謡より/ベリオ 
 4.甘美な前口上を 詞 イタリア シチリア地方民謡
 5.理想の人 詞 イタリア ジェノヴァ地方民謡
7つのエリザベス朝抒情詩 Op.12より/クィルター 
 6.もう泣かないで、悲しみの泉よ 詞 不詳
 7.ダマスクのバラ 〃
 8.私の人生の喜びよ 〃
リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲 Op.9より/ツェムリンスキー
  夜の声 (ピアノソロ)
  森のしあわせ (ピアノソロ)
とねりこの木立/ブリテン 詞 イギリス ウェールズ地方民謡
ああ せつない せつない/ 〃 詞 スコットランド民謡
夏の最後のバラ(庭の千草)/ 〃 詞 アイルランド民謡
12.日本民謡メドレー
 佐渡おけさ、南部牛追い歌、ソーラン節、竹田の子守唄、会津磐梯山
ドイツ民謡集より/ブラームス
 13.ああお母さん私欲しいものがあるの
 14.菩提樹が立っている
 15.静かな夜に 詞 フリードリヒ・シュペー・フォン・ランゲンフェルト
トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌より/ツェムリンスキー
 16.愛らしいツバメさん
 17.不満そうな月が昇ってきた
 18.青い小さな星よ
愛(ピアノソロ)/ツェムリンスキー
甲虫の歌( 〃 )/ 〃
19.君なんかもう愛していない/トスティ 詞 カルメロ・エリコ
20.バラ/ 〃 詞 ロッコ・エマニュエーレ・バリアーラ
ロシア民謡
 21.なぜあなたと知り合ったのでしょう
 22.黒い瞳

川口聖加(S)
マリーン・ファンニューケルケン(Pf)

仕事を終えて、一度忘れ物を取りに自宅へより、急いでりゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「シンプルな歌とピアノから発せられる無限の輝きに打たれる」です。
最初はカントループの「オーベルニュの歌」より。せせらぎが煌めき、柔らかに紡ぎ出す「バイレロ」。生きいきと飛び回る「羊飼いの娘と騎士」。翳りと光の間を蛇行して登る「糸紡ぎ女」。まろやかで伸びのある歌声で冒頭を飾りました。続いてベリオの「4つの民謡」より2曲。気懸りな気配が漂い、やがて霧が晴れる「甘美な前口上を」。灰色に染まる喜びを歌う「理想の人」。素直な感性を伝えました。次はクィルターの「7つのエリザベス朝抒情詩 Op.12」より。「もう泣かないで、悲しみの泉よ」が哀しげに美しく語られると、「ダマスクのバラ」を麗しく膨らませ、「私の人生の喜びよ」を嬉しく拡げ、振り切りました。ここでピアノソロで2曲。ツェムリンスキーの「リヒャルト・デーメルの詩による幻想曲 Op.9」より「夜の声」がゆったりと水しぶきをあげ、響きの粒子が小さく大きく波立って、大気を揺らすと、「森のしあわせ」で波紋を描き、陰翳を耀きに変えて、場面を塗りかえました。再びの歌で届けられたブリテンの歌たち。「とねりこの木立」を可愛く気品を持って伝えると、「ああ せつない せつない」が妖しく背(そむ)く伴奏を伴って清らかに流れ、「夏の最後のバラ」が黒雲を呼び起こしながら、ふんわりと漂い、からくり人形のような所作で大き伸びあがりました。前半最後は日本民謡メドレー。機械仕掛けでおどける「佐渡おけさ」。洗練された節回しで泣く「南部牛追い歌」。軽く弾(はじ)ける「ソーラン節」。透き通った悲しみを表す「竹田の子守唄」。コミカルに飛ばす「会津磐梯山」。一味違った懐かしさを見せてくれました。
休憩を挟んで後半は、ブラームスの「ドイツ民謡集」より。無邪気にはにかみながら訴える「ああお母さん私欲しいものがあるの」。切々と丁寧に綴る「菩提樹が立っている」。悲しげに揺れる「静かな夜に」。軽やかに仕上げました。続いてツェムリンスキーの「トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌」より。「愛らしいツバメさん」で紫の霞を振りまき、「不満そうな月が昇ってきた」では暗雲漂う様を描写し、「青い小さな星よ」を喜びで満たして、透明にまとめ上げました。ここでまたピアノソロ。同じ作曲家の「愛」を淡泊な浪漫の色合いに染め上げ、「甲虫の歌」を美しく鳴らし、はしゃぐように奏でました。歌が戻って、トスティが2曲。悲しみを訴える「君なんかもう愛していない」。切ない思いを伝え、明るく照らし出す「バラ」。溢れる心を歌いました。プログラム最後はロシア民謡。「なぜあなたと知り合ったのでしょう」で土臭い哀愁を匂わせると、「黒い瞳」を渾身の歌唱で、いっぱいに歌い上げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはラヴェルの「トリアトス」。仏蘭西の香りを残して、晴れやかに終演となりました。
世界の民謡を素晴らしい技巧と卓越した歌心で届けてくれたこのリサイタルは初秋の新潟の彩りを豊かにしてくれる見事なものであり、今日これを聞けたことに感謝して、家路を急ぎました。

大谷康子 ヴァイオリンリサイタル

2016年9月21日(水) 19:00 新潟市秋葉区文化会館 大谷康子 ヴァイオリンリサイタル

愛の挨拶/エルガー
愛の喜び/クライスラー
愛の夢/リスト
ヴァイオリンソナタNo.5 「春」より第1楽章/ベートヴェン
アヴェ マリア/バッハ=グノー
ロンド/中野稔
ハンガリー舞曲第1番/ブラームス
  〃    第5番/ 〃
(オリンピックにちなんでブラジル特集)
 ブラジル/バホーゾ
 ティコティコ/アブレウ
 イパネマの娘/ジョビン
 ラ・クンパルシータ/ロドリゲス 
慕情/フェイン
魅惑のワルツ/マルシッチ
秋の紅/新実徳英
椿姫ファンタジーより「乾杯の歌」/アラール
ツィゴイネルワイゼン/サラサーテ

大谷康子(Vn)
金子三勇士(Pf)

西新潟病院から戻って、少し休憩をし、ブログをあげてから、渋滞のバイパスを新津へ。開演20分前に到着。
感想は、「舞台から発せられる漲(みなぎ)るエネルギーを全身で受け止める」です。
まずは"愛"の三連発。「愛の挨拶」がうっすらと砂糖を塗(まぶ)したようにちょっと甘めに届けられると、「愛の喜び」がざわざわと羽音を伴って、まろやかに弾(はず)みました。続いてピアノソロで「愛の夢」。たっぷり湛えた水面から、さざ波が溢れ出し、煌めいて、美しい響きで魅了しました。再びデュオでのベートヴェン。滑らかに力強く、渾身の波動を全方向に向けて発信しました。次はバッハ=グノーの「アヴェ・マリア」。穏やかに深くじっくりと練り上げて、美味しく仕上げました。そして「ロンド」。訪問演奏で行った病院の難病の入院患者の方が作られたこの曲は悲しさと明るさを併せ持ち、それが卓越した技巧で再現され、感動的な瞬間をもたらしてくれました。前半最後は「ハンガリー舞曲」が2つ。「第1番」では憂いを帯びてまとわりつく旋律を伴奏が絡めとって、大きく波立つと、「第5番」を、翳りを纏(まと)い、ノリノリに飛ばして、喝采を浴びました。
休憩を挟んで後半は、オリンピックにちなんだ"ブラジル特集"から。静かに歌い出し、ラテンの狂騒を伝える「ブラジル」。洒落た面持(おももち)で、薄皮の味わいで奏でる「ティコティコ」。南米の風を吹かせました。さらに心地よく洗練された鼓動で軽く跳躍する「イパネマの娘」。強烈な揺れを伴い、体をゆする「ラ・クンパルシータ」。熱狂の余韻を響かせました。さらに映画音楽で2曲。「慕情」の主題歌が甘美で抒情的に描かれると、「魅惑のワルツ」がふんわりととろけるように振舞われました。ここでスポーツがらみで1曲。海外のアイススケートで自身の演奏が使われた「秋の紅」が、枯葉色に染め上げられ、練乳の滑らかさで仕上げられました。次のヴェルディの「乾杯の歌」のヴァイオリン編曲版はここでしか聞けないもので、生きいきとした表情で、指板上で小さな嵐を巻き起こし、鮮やかに映し出されました。プログラム最後は「ツィゴイネルワイゼン」。濃厚でアツい序盤から、余すところなく技量を迸(ほとばし)らせて、結末へと駆け抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「チャールダッシュ」。舞台上にはピアニストのみ登場し、前奏が始まると、突如後方からヴァイオリニストが弾きながら降りてきて、演奏しながら会場を巡り、最後に壇上に戻って、大上段に締めくくりました。
観客への抜かりないサービスと高い演奏技術で、会場を楽しませ、音楽の果たす役割を十二分に伝えてくれたこのリサイタルは、多くの人々を巻き込んで、さらにこの土地の音楽文化を向上させる素晴らしいものであることを確認して、会場を後にしました。

西新潟中央病院ロビーコンサート(第76回)

2016年9月21日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第76回)

砂山/中山晋平
365日の紙飛行機/角野寿和・青葉紘季
瀬戸の花嫁/平尾昌晃
千曲川/猪俣公章
上を向いて歩こう/中村八大
北国の春/遠藤実
星影のワルツ/ 〃
ふるさと/岡野貞一

桔梗の会(大正琴)

市役所の食堂で昼食を取り、古町で買い物をしてから、西新潟中央病院へ。開演15分前に到着。
感想は、「カルチャー教室の受講者による合奏を鑑賞する」です。
まずは「砂山」。ゆったりと穏やかな風景を届けました。続いて「365日の紙飛行機」。家庭的な味わいで朝ドラのテーマ曲を聞かせてくれると、次は「瀬戸の花嫁」。夕凪の海辺へ連れて行ってくれました。さらに「千曲川」では懐かしさを運び、「上を向いて歩こう」でセピア色のポップさを奏でました。ここで遠藤実が2曲。「北国の春」を暖かく歌い、「星影のワルツ」を叙情的に綴りました。プログラム最後は「ふるさと」。懐旧の念を思い起こさせて、穏やかに終演となりました。
日頃の練習の成果を発表して、入院患者さんに届ける中高年のご婦人たちの努力の結晶に敬意を表して、会場を後にしました。

第292回ミニコンサート ~昭和を歌う Vol.7~

2016年9月21日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第292回ミニコンサート ~昭和を歌う Vol.7~

ゲバゲバ90分/宮川泰
シャボン玉ホリデー/ 〃
夢であいましょう/中村八大
大江戸捜査網/玉木宏樹
若者たち/佐藤勝
もしもピアノが弾けたなら/坂田晃一
太陽がくれた季節/いずみたく

Euphorbia(ゆーふぉるびあ)
 市橋靖子(Fl)
 川崎祥子(電子ピアノ)
 本間美恵子(Per)

所用を済ませ、市役所へ開演30分前に到着。
感想は、「懐かしいテレビ番組の音楽を快く楽しむ」です。
まずは「ゲバゲバ90分」。ヴァライティのテーマが明るく軽やかに奏でられ、賑やかにオープニングを飾りました。続いて「シャボン玉ホリデー」が柔らかく楽しげに届けられると。「夢であいましょう」が暖かく優しくプレゼントされ、和ませてくれました。そして本日のお楽しみ、「大江戸捜査網」を颯爽と、カッコよく、快調に飛ばして、喝采を受けました。一転「若者たち」ではしみじみと郷愁を誘い、「もしもピアノが弾けたなら」では、ほのかな憧れを暖かく、たっぷりと響かせて、観客の歌声を誘(さそ)いました。プログラム最後は「太陽がくれた季節」。過ぎ去りし若さをもう一度呼び覚ます生きいきとした活力を楽器たちに込めて、全速力で駆け抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えて、もう一度「ゲバゲバ90分」のテーマをさらりとアンコールして、にぎにぎしく終演となりました。
中高年世代には懐かしく、しかもいまだ生命力を失わない歌たちを、極上の演奏で再現し、聴衆の合唱を巻き起こす3人のパワーと優しさに、明日を生きる力を頂いて、会場を後にしました。

大瀧拓哉 ピアノリサイタル ~近現代音楽の夕べ~

2016年9月19日(月) 19:00 りゅーとぴあスタジオA 大瀧拓哉 ピアノリサイタル ~近現代音楽の夕べ~

トレースド・オーバーヘッド(1996)/アデス
 1.スルスム
 2.アエテリア
 3.チョリ
解釈法のための12の練習曲集より第1巻(1982)/オハナ
 1.自由なカデンツァ
 2.平行な動き
 3.集められた響き
 4.左手のみで~モーリス・ラヴェルの想い出
 5.5度
 6.第3ペダル
4つのスペイン風小品(1907-1908)/ファリャ
 1.アルゴネーサ
 2.クバーナ
 3.モンタニェーサ
 4.アンダルーサ
2つの異なるテンポの形態(2000)/マタロン
アンダルシア幻想曲(1919)/ファリャ

大瀧拓哉(Pf)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「近現代の音楽と力の限り格闘する若き音楽家の姿に心打たれる」です。
まずはアデスの「トレースド・オーバーヘッド」。低く塊(かたま)り、水滴が煌めく瞬間を描き出し、せせらぎを映し出して、氷片を響かせ、澄んだ薄膜(うすまく)で辺りを塗り込めて、冒頭を飾りました。続いてオハナの「解釈法のための12の練習曲集より第1巻」。一点に執着するかのように激しく掻(か)き毟(むし)り、麓と山頂から五合目へ攻め上げると、静謐な空間で密(ひそ)やかに舞踏しました。一転、隻腕の奏でが満々と水を湛え、一気に溢れ出し、谷底へなだれ込んで、響きの雲を残しました。さらに水しぶきが瀬で速まり、岩をさらって散り散りになると、硝子片が舞い散り、強打で鉄弦の悲鳴を響かせて、鋼の余韻を放り投げました。そして勢いよく駆け上がり、くるくると廻り込んで、楽器を執拗に苛(さいな)み、静々と着地しました。透明と凶暴が共存し、静と動が目まぐるしく入れ代わって、限界に挑戦するこの曲は、このように具現化されて、我々を未知の世界へと誘いました。
休憩を挟んで後半は、ファリャの「4つのスペイン風小品」から。降り注ぐ陽光を含み、大きく小さく舞い踊る「アルゴネーサ」。薄い黄色の日差しの中に花びらが揺れる「クバーナ」。ゆったりと光り、急ぎ足で跳ねる「モンタニェーサ」。喧噪を描写し、興奮を追い込んで、大きく炸裂する「アンダルーサ」。民族の色合いを鮮やかに届けました。続いてマタロンの「2つの異なるテンポの形態」。暗雲の唸(うな)りと星々の煌めきが入り組んで、錐揉みながら旋回し、急上昇して、錯乱し、見え隠れする鼓動が浮き沈みして、穏やかに収束へと向かいました。プログラム最後は再びファリャの「アンダルシア幻想曲」。情熱的に叩き込み、カッコよく舞い踊って、しばしの時を過ごすと、ときめきを内に包んで、柔らかに波打ち、ゆったりと美を奏で、疾風のように駆け出してアツさを表し、欧州最南端の風を運んできました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはドビュッシーの「月の光」。とろけるような舌触りで聴衆を魅了して、ときめきの終演となりました。
世界の一線で活躍する若き演奏者が、故郷を大事に思い、公演を行ってくれることは、大変有難いことですし、このようなリサイタルが今後も継続して、行われることを期待して家路を急ぎました。

東京交響楽団第97回新潟定期演奏会

2016年9月18日(日) 17:00 りゅーとぴあコンサートホール 東京交響楽団第97回新潟定期演奏会

ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218/モーツァルト
 Ⅰ Allegro
 Ⅱ Adagio cantbile
 Ⅲ Rondeau:Andante grazioso
交響曲 第2番 変ロ長調 作品52 「讃歌」/メンデルスゾーン
 第1部 
 Ⅰ シンフォニア
  序奏 Maestoso con moto
  1.Allegro 2.Allegretto un poco agitato 3.Adagio reigioso
 第2部
  Ⅱ すべて息するものよ(合唱 ソプラノソロ)
  Ⅲ 語れ、主によって救われたものたちよ(テノール・ソロ)
  Ⅳ 語れ、主によって救われたものたちよ(合唱)
  Ⅴ 私は主を待ち焦がれていました(二重唱と合唱)
  Ⅵ 死の縄目が私たちをからめ取っていた(テノール・ソロ ソプラノ・ソロ)
  Ⅶ 夜は去った(合唱)
  Ⅷ さあすべての者よ、神に感謝せよ(コラール)
  Ⅸ それゆえ私は歌います(テノール・ソロ ソプラノ・ソロ)
  Ⅹ 諸国の人々よ(終曲合唱)

毛利文香(Vn)
針生美智子(S)
馬原裕子(S)
永田峰雄(T)
にいがた東響コーラス(Chr)
安藤常光(混声合唱指揮)
東京交響楽団(管弦楽)
広上淳一(指揮)

蔵織を出て、再度りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「ヴァイオリン独奏を愉しみ、独唱・合唱に心奪われる」です。
まずはモーツァルト。ふくらみのある響きが立ち上がり、続いて独奏が繊細で鋭利に煌めくアレグロ。まろやかで、優しく匂い立つアダージョ。軽やかで、晴れやかに弾(はず)むロンド。優雅で上質なコンチェルトを聞かせてくれました。
休憩を挟んで後半は、メンデルスゾーン。ふんわりと広がり、光を放って駆け出すと、秋色の憂愁で染め上げ、緑成(みどりな)す高原をゆったりと吹き過ぎる第1部。湧き上がる合唱がオルガンの縁取られて、大らかに鳴り響き、管弦楽の支えを足場に力強く届けられました。さらにソプラノが抜け出し、テノールが引き継いで歌を綴ると、合唱が入って響きを増し、二重唱が彩りました。翳りを帯びたテノールが苦しみを表すと、ソプラノが歌い出し、合唱が無伴奏で受け取って鮮やかに染め上げました。男声・女声の独奏が再び声を上げ、合唱が終幕へ追い上げて、総奏が鳴り響き、冒頭が戻って、大らかに曲を締めくくりました。
会場からは大きな拍手とブラヴォーが贈られ、にぎにぎしく終演となりました。
ふだんなかなか聞くことのできないメンデルスゾーンの「賛歌」がこのように素晴らしい演奏で披露されることはまことに喜ばしいことであり、今後も様々な試みがなされることを期待して、会場を後にしました。