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コンチェルト・プレゼンツ インストア蔵ライブ フルートとクラリネットで聴くショパンの調べ

2017年2月26日(日) 18:00 蔵織 コンチェルト・プレゼンツ インストア蔵ライブ フルートとクラリネットで聴くショパンの調べ

プレリュード 第7番 イ長調 作品28ー7
コントルダンス 変ト長調
雨だれのプレリュード 作品28-15
ワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64-2
ノクターン 作品9-2
軍隊ポロネーズ 作品40-1

江口鮎美(Fl)
岩渕仁美(Cl)

りゅーとぴあから戻り、軽食を取って、少し休憩してから、蔵織へ。開演20分前に到着。
感想は、「管楽の織りなすショパンの別の顔に聞き入る」です。
まずは太田胃散のCMで有名な「プレリュード 第7番」。柔らかな綿毛が宙を舞い、穏やかな装いを演じました。続いての「コントルダンス」では、ふんわりと覆(おお)いを掛け、硬質な気柱を際立たせて、縦横に絡み合いました。3曲目は「雨だれのプレリュード」。霞のように棚引いて、孤高の哀しみを深く湛えました。次は「ワルツ 第7番」。うねるように揺れ、二筋(ふたすじ)の航跡が交互に競い合って、美しい舞踊を描きました。さらに「ノクターン」では、甘く儚(はかな)い姿で、光を帯びて揺蕩(たゆた)い、柔らかに収めました。プログラム最後は「軍隊ポロネーズ」。生命力に溢れ、活力に満ちて、無邪気に跳びはねました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」。粋にスイングして、楽しげな終演となりました。
フルートとクラリネットで届けられるショパンは、いつもと違った味わいを与え、曲の持つ新たな一面を指示(さししめ)してくれる貴重な機会であり、馴染みの曲の別の顔を知れた喜びを抱えて、嬉しい気持ちで家路を急ぎました。
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新潟シューベルティアーデ第9回公演 シューベルトの歌曲 その世界を味わう Vol.9 -愛の歌-

2017年2月26日(日) 14:00 りゅーとぴあスタジオA  新潟シューベルティアーデ第9回公演 シューベルトの歌曲 その世界を味わう Vol.9 -愛の歌-

作曲は全てシューベルト
 D497 ナイチンゲールに寄せて
 D552 ベニヒワの愛のさえずり
  田辺千枝子(S) 栄長敬子(Pf)
 D626 ブロンデルからマリア様に
 D257 野ばら
  中森千春(Ms) 片桐寿代(Pf)
 D410 愛の言葉
 D854 溢れる愛
 D767 逢瀬と別れ
  髙橋宣明(T) 八子真由美(Pf)
 D544 ガニュメート
 D474 冥界に下る時のオルフェウスの歌
  中森千春(Ms) 片桐寿代(Pf)
 D776 君はわが憩い
  佐藤匠(Br) 八子真由美(Pf)
 D673 恋する女の手紙
 D118 糸を紡ぐグレートヒェン
  中森千春(Ms) 片桐寿代(Pf)
 D138 憩い無き愛
 D795-16 好きな色 
 D795-17 嫌いな色
  髙橋宣明(T) 八子真由美(Pf)
 D751 愛の裏切り
 D795-11 僕のもの!
  佐藤匠(Br) 八子真由美(Pf)
 D965 岩の上の羊飼い
  伊藤 浩介(Cl) 田辺千枝子(S) 栄長敬子(Pf)

伊藤 浩介(Cl~賛助出演)
田辺千枝子(S)
中森千春(Ms)
髙橋宣明(T)
佐藤匠(Br)
栄長敬子、片桐寿代、八子真由美(Pf)

10㎞走って、昼食を取り、ベストセラー小説を買った足でりゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「暖かい春の日のような歌たちに聞き惚れる」です。
まずはソプラノが登場して2曲。「ナイチンゲールに寄せて」が菫色(すみれいろ)の鍵盤に導かれ、一筋の光の筋を鮮やかに描いて、冒頭を飾ると、「ベニヒワの愛のさえずり」を楽しげに弾(はず)み、一筆(ひとふで)で細(こま)やかに記して、七色の絵の具で彩りました。2人目はメゾソプラノ。落ち着いた色調でふわりと薫る「ブロンデルからマリア様に」。喜びを満たして、軽々と跳びながら進む「野ばら」。控えめな美しさで聴衆を魅了しました。次はテノールで3曲。「愛の言葉」を銀色の軌跡で認(したた)め、「溢れる愛」を力強くしなやかに届け、「逢瀬と別れ」では駆け出す鼓動と共に、夜明けから真昼へと場面を塗りかえました。再びのメゾソプラノの出番となり、桜色にさざめく伴奏を従えて、まろやかでとろりとした味わいを伝える「ガニュメート」。劇的に迫り、口当たりの良い触感で優しく癒す「冥界に下る時のオルフェウスの歌」。場を穏やかに収めました。前半最後はバリトンが1曲。「君はわが憩い」を程よく焙煎された苦みで縁取り、まったりと味わい深く仕上げました。
休憩を挟んで後半は、メゾソプラノから。緩やかに旗をなびかせ、和(なご)やかに揺れる「恋する女の手紙」。ひたひたと押し寄せる影を恐れ、纏(まと)わりつく不安を振り払う「糸を紡ぐグレートヒェン」。素晴らしい歌声で会場を惹きつけました。続いてのテノールでは、「憩い無き愛」を急ぎ足で活発に進め、「好きな色」を艶(つや)やかに宥(なだ)め、「嫌いな色」で強く力を込めて訴えました。入れ替わってのバリトンになると、「愛の裏切り 」を深く寂しげゆったりと差し出し、「僕のもの!」をハキハキと刻むピアノに乗って、快活に跳びはねて、溢れる感情を表しました。プログラム最後はクラリネットをゲストに迎えて、ソプラノが歌う「岩の上の羊飼い」。コクのある息吹がたおやかに揺らぎ、揺蕩(たゆた)う歌声と並び立ち、輝く雲海が棚引いて、先を競って絡み合いました。
客席からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは全員で「アヴェ・マリア」。祈りのしめやかさが心に沁みて、しっとりと終演となりました。
600曲もあるシューベルトの歌曲にテーマを設定して選曲し、我々に届けて頂けるこの試みは、豊かな感性とたくまざる技で胸に迫り、歌を聞く楽しみを与えてくれる貴重な機会であることを確認して、会場を後にしました。

ANTI MUSIC WINTER LIVE

2017年2月21日(火) 19:00 NEXT21 1階アトリウム ANTI MUSIC WINTER LIVE

コンピューターによる演奏 1
エレクトリック・ギターによる演奏 1
コンピューターによる演奏 2
エレクトリック・ギターによる演奏 2

福島諭(コンピューター)
能勢山陽生(エレクトリック・ギター)

仕事を終えて、一旦帰宅し、NEXT21へ。開演30分前に到着。
感想は、「吹き抜けのあるエントランスで、響き渡る電子音響を楽しむ」です。
まずはコンピューターによる演奏から。耳を衝(つ)くノイズの後、静かな脈動が息を吹き返し、柔らかな釣鐘(つりがね)がゆっくりと乱打され、軽く重く、ゆらゆらと共振し、翅を摺り合わせ、混沌として溶け合いました。さらに積乱雲が浮遊し、空の彼方へ広がると、超新星が輝き出し、梵鐘(ぼんしょう)が揺らめいて、龍が中空を舞い、透明な流れが遷(うつ)り行く色彩を明滅させました。
続いてエレクトリック・ギターの演奏。轟音が塊りとなって襲い掛かり、響きが地を這って、身体(からだ)を揺さぶり、火薬が一斉に破裂して灰塵に帰しました。そればかりか太い音響の帯が辺りを取り囲み、鋭角の粒が八方に飛び散って、身軽に光速を飛び越えました。そして教会の鐘が鳴り響き、氷の炎が燃え上がって、水流を放射しました。
休憩を挟んで後半は、再度コンピューターによる演奏。柱時計が時を告げ、そのまま蕩(とろ)けて、流れ出し、爆(は)ぜる火の粉を飛び散らせ、電子の海が不規則に波打ちました。その上巨大な星屑が飛散し、符号化された電信が打鍵され、液状化した硝子がどろりと流動しました。突如一天にわかに掻き曇り、溶液が電離し、暗雲が棚引いて、水中を気体の泡で満たしました。するとかぎ裂き状の光が遠近法で回り込み、時報を共鳴させて、蠢(うごめ)くように律動し、硬質な鋼(はがね)の音色(ねいろ)を放ち、徐々に減速して、ゆっくりと打ち止みました。
2回目のエレクトリック・ギターの演奏に移り、演奏者が立ち上がると、電磁波の嵐が巻き起こり、濃い霧が立ち込めて、山瀬が吹き降ろしました。さらに光束が疾風(はやて)のように過ぎ去り、音圧が鼓膜を劈(つんざ)いて、濁流が滔々と押し寄せました。そして迫りくる津波に大きく持っていかれ、究極へと進化が加速し、一点を目指して、急速に収束しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、最先端のパフォーマンスに最大の敬意を表しての終演となりました。
広く天の高い会場での大音量による現代の音楽の演奏は、我々の意識下に眠る何者かに大きく働きかけ、眠っている感性を表舞台に引っ張り上げる貴重な機会であり、このような演奏会が、公共の空間で、市民に放たれたことに感動して、意気揚々と会場を後にしました。

コンチェルトインストア蔵ライブ 奥村景 チェロ

2017年2月19日(日) 18:30 ギャラリー蔵織 コンチェルトインストア蔵ライブ 奥村景 チェロ

無伴奏チェロ組曲第一番 ト長調 BWV1007/J.S.バッハ
チェロ組曲 ニ短調/トルトゥリエ
アローン/リッリマン
無伴奏チェロ組曲第五番 ハ短調 BWV1011/J.S.バッハ
ジェリーオー/サマー

カーブドッチから戻って、ブログを上げ、急いで蔵織へ。開演20分前に到着。
感想は、「親密な蔵の空間で聞くチェロにその魅力を再認識させられる」です。
まずはバッハの「無伴奏チェロ組曲第一番」。深く濃く響きの糸を紡ぎ、陰翳をはっきりと付け、香ばしく豆を煎り、時にゆったりと、時に急ぎ足で歩を進め、聞くものをしっかりと惹きつけて、音源では摑み切れないこの曲の真価をはっきりと刻印しました。続いてトルトゥリエの「チェロ組曲」。艶(つや)のある音色(ねいろ)が密林のように生い茂り、夜の帷(とばり)の中で小さく囁(ささや)き、緋色に彩られた道のりをふらふらと徘徊し、幾重にも重なり、滲(にじ)み出す縁(ふち)を塗り替え、光と影が足早に弾(はず)み、粗削りに跳ね飛んで、ふっと立ち止まりました。次はリッリマンの「アローン」。ゆったりと歪みを混ぜ合い、足早に駆け出して、カッコよく、暴力的に振舞いました。再びのバッハは「無伴奏チェロ組曲第五番」。分厚く濃厚に焙煎し、細やかに前進して、波間に翻弄され、芳醇に焦がし、ねっとりと練り上げ、並足で舞い踊り、ゆっくりと小声で繋ぎ、脈々と荒ぶり、雄々しく立ち回りました。プログラム最後はサマーの「ジェリーオー」。ポツポツと泡立て、ご機嫌にスイングし、モゴモゴと口ごもって、さっと駆け抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはガウの「亡くなった2番目の妻へのラメント」。長閑(のどか)で静かな諦めが、薄っすらと哀しみを染み出させて、穏やかな終演となりました。
古典と現代の入り交じった構成が、この楽器の雄弁なる特徴をはっきりと見せつけたこのコンサートは、貴重な音楽との接触の機会であり、今後も色々な切り口で教えて頂けることを希望して、会場を後にしました。

山崎由佳カフェタイムコンサート ~ソプラノの名曲とともに~

2017年2月19日(日) 14:00 カーブドッチホール 山崎由佳カフェタイムコンサート ~ソプラノの名曲とともに~

第1部
 早春賦/吉丸一昌 詞 中田章 曲
 竹とんぼに/岸田衿子 詞 木下牧子 曲
 霧と話した/鎌田忠良 詞 中田喜直 曲
 すてきな春に/峯陽 詞 小林秀雄 曲
 歌劇《夕鶴》より「与ひょう あたしの大事な与ひょう」/團伊玖磨
第2部
 歌劇《リナルド》より「私を泣かせてください」/ヘンデル
 歌劇《セルセ》より「樹木の陰で(ラルゴ)」/ 〃
 歌劇《蝶々夫人》より「ある晴れた日に」/プッチーニ

山崎由佳(S)
田澤葉月(Pf)

ヤマハから戻り、昼食を取り、少し休憩してから、国道403号を一路カーブドッチへ。開演15分前に到着。
感想は、「広大なぶどう畑に囲まれたワイナリーで、圧倒的なソプラノの歌声に浸(ひた)る」です。
第1部は日本の曲達で構成され、まずは「早春賦」。古風な丸みを帯びた鍵盤の導きから、伸びやかで表情豊かな言霊(ことだま)が放たれ、熟成した柔らかさで優しく包み込みました。続いて木下牧子の「竹とんぼに」。遥かに霞(かす)んで見える彼方へ、清々(すがすが)しい面持ちで、溢れる想いを届けました。次の中田喜直作曲の「霧と話した」では、切なくも懐かしい感情をまっすぐに伝えて、じわじわと胸に迫りました。さらに小林秀雄の「すてきな春に」になると、序盤に緊張と混乱を交錯させ、晴れ渡る雲間へ抜け出すと、軽やかに飛行し、さざめく波立ちの上を自由に滑走しました。第1部最後は團伊玖磨の《夕鶴》から「与ひょう あたしの大事な与ひょう」。気持ちをかき乱すように不安な響きが入り混じり、嬉しさと悲しさが綯(な)い交ぜになって、儚(はかな)く揺れ動きました。
お茶とお菓子が付いたティータイムの休憩を挟んで後半は、海外のオペラのアリア集。最初はヘンデルの《リナルド》から「私を泣かせてください」。深く濃く訴える叙唱から、悲しみに裏打ちされた美しさが透き通るように描き出されて、心を直撃するように照射されました。続いて同じ作曲者の「樹木の陰で」。穏やかに淡々と歌声が拡がり、じわじわと感動が押し寄せるようにホールの空間を満たしました。プログラム最後はプッチーニの《蝶々夫人》からのアリア「ある晴れた日に」。想いを打ち明ける語らいの後で、淡い願いが中空に溶け出し、光と影が複雑に交錯し、喜びと哀しみを映し出しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」。暖かく柔らかな歌が穏やかな終演をもたらしました。
遥か本州最北端から、ここ新潟へ里帰りし、素晴らしい音楽を届けてくれた若い歌い手が、これからもますます活躍されることを心から願って、春の予感を感じさせる風景の中、家路を急ぎました。

ヤマハミュージック新潟店 フルート・フェア ミニコンサート

2017年2月19日(日) 11:30 ヤマハ新潟店 7F スペースY ヤマハミュージック新潟店 フルート・フェア ミニコンサート

プログレッシブ・デュエット/ケラー
シェナンドー/アメリカ民謡
君を乗せて/久石譲
海の見える街/ 〃
さくら/森山直太朗
バロックホーダウン/ペリー&キングスレイ

松田佳、手島尚子(Fl)

ゆっくりとした休日の朝を過ごし、所用を足してから、ヤマハ新潟店へ。開演30分前に到着。
感想は、「軽やかな笛の響きを楽しむ」です。
まずはケラーの「プログレッシブ・デュエット」。ふわふわと軽快に2匹の蝶が舞い、楽しげに駆け抜けました。続いてアメリカ民謡の「シェナンドー」。柔らかで暖かな息吹が、大らかな河のように吹き過ぎました。ここでジブリから2曲。"天空の城ラピュタ"から「君を乗せて」で、明るく切ない郷愁を香らせると、"魔女の宅急便"から「海の見える街」が懐かしげに、囀(さえず)りを交わしました。さらに森山直太朗の「さくら」が、遥かなる空に誓いを届けるように、霞立つ情景を切り取りました。プログラム最後はディズニーランドのエレクトリカルパレードで有名な「バロックホーダウン」。元気よく陽気に行進し、航跡の雲が絡み合って、透き通る碧空(へきくう)を彩りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、フルート・フェアを華やかに飾る麗(うるわ)しきパフォーマンスを称えました。
新潟で楽器販売と音楽教室を展開するメーカーの店舗による無料のイベントが、聴衆への素敵なプレゼントとなったことを確認して、会場を後にしました。

新潟室内合奏団第73回演奏会

2017年2月18日(土) 18:30 新潟市江南区文化会館 新潟室内合奏団第73回演奏会

セレナード第2番イ長調 Op.16/ブラームス
 第1楽章:アレグロ・モデラート
 第2楽章:スケルツォ・ヴィヴァーチェ
 第3楽章:アダージョ・ノン・トロッポ
 第4楽章:クワジ・メヌエット
 第5楽章:ロンド・アレグロ
ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調 BWV.1048/J.S.バッハ
 第1楽章:アレグロ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:アレグロ   
交響曲第5番「運命」ハ短調 Op.67/ベートーヴェン
 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ
 第2楽章:アンダンテ・コン・モート
 第3楽章:アレグロ
 第4楽章:アレグロ-プレスト

新潟室内合奏団(管弦楽)
松川智哉(指揮)

仕事を終え、亀田バイパスを大急ぎで飛ばして、江南区文化会館でへ。開演15分前に到着。
感想は、「精鋭たちが奏でる白熱の3Bに明日を生きる活力を頂く」です。
まずはブラームスの「セレナード第2番」。草の匂いのする長閑(のどか)で暖かみのある靄(もや)が、ゆっくりと穏やかに薫る第1楽章。賑やかに沸き立ちながらも慎み深く踊る第2楽章。灰色の雲がどんよりと空を覆(おお)う冬から、薄っすらとした日差しが、萌え立つ春へと彩りを塗り変える第3楽章。のんびりと優雅に散歩する第4楽章。楽しげに弾(はず)み、次第に一体となって、小走りに駆け出す第5楽章。ヴァイオリンを欠いた編成が作り出す控えめな面持ちが、やがて徐々に熱を帯びて、青春の昂(たか)ぶりを伝えました。続いて弦楽とチェンバロでバッハの「ブランデンブルグ協奏曲第3番」。快いさざ波が、さざめきながら拡がるアレグロ。ゆったりと陰翳を映し、少人数で悲しみを綴るアダージョ。急流を遡上(そじょう)し、力を滾(たぎ)らせて、果敢に泳ぎ切るフィナーレ。豊かな響きで綴(つづ)れ織(おり)を編み上げました。
休憩を挟んで後半は、ベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』」。漆黒の墨痕で一気呵成に飛び込み、随所に仕掛けられた陥穽(かんせい)を間一髪で乗り越え、細かな石積みをしっかりと組み合わせて、堅牢な楼閣を築き上げる第1楽章。武骨な優しさを奏で、時に黄金色(こがねいろ)に輝く第2楽章。忍び足で近寄り、小さな竜巻を起こして進み、来るべき栄光へと寡黙に駆け上がる第3楽章。命の奔流が溢れ出し、持てる力を全て出し切って、輝きを照らし出す第4楽章。緊密に設計され、一瞬たりとも気の抜けないそれぞれの局面を見事に渡り切り、造形の極みを見せつけて、聴衆へ音楽の喜びを届けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはブラームスの「ハンガリア舞曲第3番」。ほっこりと奏でられて、穏やかに終演となりました。
バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの力の籠った演奏が響きの良いホールで奏でられ、楽団の持つ実力を大いにアピールした演奏会を満喫できたことに感謝して、家路を急ぎました。

第297回ミニコンサート 

2017年2月15日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第297回ミニコンサート 

合奏 じょんがら新節/初代高橋竹山
合奏 綜合曲/ 〃
唄 俵つみ唄
独奏 じょんがら中節
合奏 津軽じょんがら節(ソロ入り)

新潟高橋竹山会
高橋竹育、百瀬直子、桜井友紀子、更家健吾、松田克昭(三味線)
サプライズ・ゲスト 史佳(三味線)

10km走り、少し休憩してから、市役所へ。開演30分前に到着。
感想は、「日本古来の音色(ねいろ)にじっと聞き入る」です。
まずは合奏の「じょんがら新節」から。掛け声と共に、調弦しながらの演奏が始まり、糸から沸き立つ波頭(なみがしら)が飛沫を飛ばして、暖かに爆(は)ぜました。続いて唄の伴奏から独奏楽器へと飛躍をさせた「綜合曲」。ゆっくりと階段を登り、徐々に速度を増し、細かく飾りを付けて、金箔を撒き散らしました。次は唄が入り、太鼓が持ち出されて、「俵つみ唄」。潮風が吹き、一筋の筆跡を残して、陽気に囃(はや)し立てました。ここで代表による独奏。「じょんがら中節」を擦(かす)れを含んだ明るく太い筆致で明瞭に仕上げて、耳目(じもく)を惹(ひ)きつけました。最後は全員揃い、さらにサプライズ・ゲストが入っての「津軽じょんがら節」。賑(にぎ)やかに始まり、技を尽くしたソロで喝采を受け、再び相和(あいわ)して、合奏を締めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、至芸を讃えて、にぎにぎしく終演となりました。
伝統を受け継ぎ、次代へ伝えるこの活動は、日本人の心に深く根ざし、忘れてはならない重要な響きを聞かせて頂ける貴重な存在であることを確認して、会場を後にしました。

La feuille ラ・フィーユ ~新潟大学音楽科大学院生によるコンサート~

2017年2月12日(日) 14:00 だいしホール La feuille ラ・フィーユ ~新潟大学音楽科大学院生によるコンサート~

1.高橋萌香【ピアノ独奏】
 ソナチネ/ラヴェル
2.飯野雅也【ピアノ独奏】
 ピアノソナタ 第2番 ト短調 作品22/シューマン
3.大野雅夫【作曲作品】
 独奏チェロのための「INORI」/大野雅夫
  山内睦大(Vc)
4.平片佑季【ピアノ独奏】
 幻想曲 ヘ短調 作品49/ショパン
5.桑野彩【ソプラノ独唱】
 星の夜/ドビュッシー
 歌劇<アンナ・ボレーナ>より《私の生まれたあのお城》/ドニゼッティ
 サルビア/堀内幸枝 詞 中田喜直 曲
  飯野雅也(Pf)
6.西田遼太郎【ピアノ独奏】
 交響的練習曲 作品13/シューマン

スタジオかのんより戻り、昼食を取って、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「音楽を学ぶ学生達の真摯な演奏に聞き入る」です。
まずはピアノ独奏でラヴェルの「ソナチネ」。湧き水が溢れ出し、細かく震える「中庸に」。キラキラと光り、落ち着いて歩く「メヌエットの動きで」。波紋が拡がり、繊細に脈動する「活き活きと」。涼やかに流れを運びました。続いてシューマンの「ピアノソナタ 第2番」。力強く勇敢に攻める第1楽章。穏やかで確実に歩を進める第2楽章。角ばって、強引に突っ切る第3楽章。硬めに刻み、鋭く切り込む第4楽章。乾いた情感で奏鳴曲を届けました。前半最後は作曲作品で「独奏チェロのための『INORI』」。微弱な掠(かす)れから、くっきりとした筆跡で記(しる)し、塊りを爪弾いて、苦しげに嘆きました。
休憩を挟んで後半は、ショパンの「幻想曲」から。深く澄んだ響きが耳を捕らえ、沸き立つさざ波が大きくうねり、激しく渦を巻いて、やがて穏やかに収まりました。続いてソプラノ独唱で3曲。明るい衣を纏(まと)って、まっすぐに息吹きを拡げるドビュッシーの「星の夜」。嬉しそうに語り、淡い悲しみを漂わせ、感情を昂(たかぶ)らせて、喜びへ駆け出すドニゼッティの「私の生まれたあのお城」。涼しげに、すっきりと気持ちを伝える「サルビア」。ホールの残響を味方につけて、伸び伸びと歌い切りました。最後はピアノでシューマンの「交響的練習曲」。うっすらと靄(もや)を伴って動き出す鍵盤が遅く速く自在に変幻し、場面毎にその姿を変え、粗に密に彩りを移して、残像を交わしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、学生たちの健闘を称えて、にぎにぎしく終演となりました。
日頃の修練の成果を表し、見事な結果を残したこの演奏会は、さらなる進化を遂げるであろう彼らの雄姿を輝かせたものであることに感動して、会場を後にしました。

スタジオかのん コンサートシリーズ9 バレンタインコンサート ~Chie*Chieデュエット~

2017年2月12日(日) 11:00 スタジオかのん スタジオかのん コンサートシリーズ9 バレンタインコンサート ~Chie*Chieデュエット~

花/瀧廉太郎 *1 *2
さくら横町/中田喜直 *2
私が街を歩けば/プッチーニ *1
アレルヤ/モーツァルト *2
別れの曲/ショパン *1
トルコ行進曲/モーツァルト *1 *2
春よこい/松任谷由実 *2
ヒカリノアトリエ/桜井和寿 *1
糸/中島みゆき *1 *2

飯塚智恵子 *1、田辺千枝子 *2 (S)
篭島景子(Pf)

ゆったりとした日曜日の朝を過ごし、身支度を整えて、スタジオかのんへ。開演15分前に到着。
感想は、「清らかなソプラノのソロ&デュオを味わう」です。
まずは二重唱で「花」。艶(つや)やかな歌声が連なり、絡みあって、爽やかな味わいを聞かせてくれました。続いて独唱での「さくら横町」。淡く切ない想いを、ひらひらと舞い散る鍵盤が飾りました。歌い手が変わって「私が街を歩けば」。艶(あで)やかに厚く絵の具を塗って、華麗な油絵を仕上げました。バトンタッチして届けられたのはモーツァルトの「アレルヤ」。軽快に弾(はず)み、透き通る可愛さで旋回して、鮮やかに着地しました。さらに選手交代でショパンの「別れの曲」。滑らかで優しく包み、大きく波打って、穏やかに収めました。デュエットになっての「トルコ行進曲」では、キャラメルのように蕩(とろ)け、ポップコーンのように弾(はじ)けて、楽しげに遊びました。ソロに戻ってユーミンの「春よこい」。遥かなる憧れが、寒さの中に忍び寄る日差しを伴って、澄み渡る青空を伝えると、入れ替わって朝ドラ主題歌の「ヒカリノアトリエ」。清々(すがすが)しく響き、堪らない気持ちを表して、強く胸に迫りました。プログラム最後は2人での中島みゆきの「糸」。淡々と綴る序盤から、徐々に高まり、寄り添って、溶け合うと、じんわりと心に沁みて、感動の余韻を残しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「カチューシャ」。歌詞がボードに掲示され、繰り返しで合唱となって、にぎにぎしく終演となりました。
田園の中にある音楽の隠れ里で行われた暖かく楽しいコンサートは地域の皆様を巻き込んで、やがて大きな文化の木を育て上げる大切な催しになったことを確認して、帰路に付きました。