花と風の音楽祭

2017年3月26日(日) 18:00 Dr.可児 花と風の音楽祭

貝殻節/鳥取民謡
風といっしょに/たなかひろかず
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス/シャーマン
千本桜/黒うさ
風唄/森山直太朗
曇ってなんかいられない/渡辺百枝
風の通り道/久石譲
スマイル/チャップリン
紅風/川崎祥子
夜桜お七/三木たかし
愛を込めて花束を/多保孝一

渡辺百枝(篠笛)
川崎祥子(Pf)
ゲスト:アルタンキ・ロメロ・アヴォロス(Vc)

だいしホールから戻り、軽食を取って、少し休憩し、ブログの準備をして、Dr.可児へ。開演20分前に到着。
感想は、「アツい篠笛とクールなピアノの絶妙の掛け合いに感動を頂く」です。
まずは鳥取民謡の「貝殻節」。キラキラと光る鍵盤の上を潮風のように吹き抜ける篠笛が強靭な意志を見せて、冒頭を飾りました。続いてポケモン映画の主題歌「風といっしょに」。暖かで、優しく、郷愁を誘って、胸を熱くしました。次は「メリーポピンズ」から「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」。軽快に速足で駆け抜け、爽快な気分を運びました。さらにヴォーカロイドの「千本桜」。波間を潜り抜ける燕が舞い、艶(あで)やかに着飾って、華やぎを伝えました。森山直太朗の「風唄」では、悲しげな歌を奏で、大海原に揺れる小舟を映しました。前半最後は篠笛奏者の作で「曇ってなんかいられない」。勇ましく美しさを描き、カッコよく情熱を伝えました。
休憩を挟んで後半は、「となりのトトロ」の「風の通り道」。懐かしい風景を想起させ、ゆったりと安らぎを届けました。ここでゲストがチェロで参加し、チャップリンの「スマイル」。たっぷりと弓を使い、豊かな声音で深く弦を鳴らすと、笛の震える囀りがそれに応え、鍵盤の支えも手伝って、柔らかに包みました。次の曲に入ると見せて、篠笛奏者の誕生日を祝った後、ピアニスト作の「紅風」。遥かなる平原が目の前に拡がり、打ち寄せる波が快く響き、渾身の笛の音が室温を上げて、からりとしたそよぎを連れてきました。ここで演歌から坂本冬美の「夜桜お七」。切々と情感を湛(たた)え、激しく燃え上がって、静から動へと、力強く歌い上げました。プログラム最後はSuperflyの「愛を込めて花束を」。穏やかに歌い出し、徐々に盛り上げて、賑やかにしっかりと締めくくりました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはスティヴィー・ワンダーの「Isn't She Lovely?」。愉しく奏でて、にぎにぎしく終演となりました。
漲(みなぎ)るパワー、人を明るく元気づけるエネルギー、それらが親密さと相まって、音楽の喜びを運んでくれるライブに出会えたことに感謝して、夜の古町を家へと急ぎました。
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第21回クラリネットアンサンブルコンサート

2017年3月26日(日) 13:30 だいしホール 第21回クラリネットアンサンブルコンサート

アンサンブル・ベヴィトーレ
 「くるみ割り人形」組曲より/チャイコフスキー
   1st 髙橋正紀 2nd 髙橋光江 3rd 下村智子
アンサンブル青島
 ひまわりの約束/秦基博 袖山司編
    1st 和田るり子 2nd 関根碧 3rd 日下部昌美 Bass 袖山司
やみてっと
 魔女の宅急便メドレー/久石譲他 西條太貴編
    1st 内山千里 2nd 木村あやめ 3rd 上野めい 4th 佐藤優紀 Bass 伊佐瞳
シティブラス越後
 きらきら星変奏曲/モーツァルト 外山知伸編
   1st 外山知伸 2nd 土屋則子 3rd 佐藤みゆき 4th 下村智子 Bass 辰口翔子 玉川裕司
長岡交響楽団
 モーツァルト「ドン・ジョバンニ」の『お手をどうぞ』の主題による変奏曲/ベートーヴェン   
   1st 髙橋光江 2nd 髙橋正紀 3rd 齊藤直美
アラカン
 Four slavoic dance 1,2,3,4/ドヴォルザーク
 見上げてごらん夜の星を/いずみたく 山下康介編
   1st 武田正志 2nd 山本知男 3rd 長部純子 4th 平松良子
新潟ウインドオーケストラ
 雪解けのプレリュード/飯島俊成
   Right side 1st 上野めい 2nd 中村さやか 3rd 内山千里  五十嵐圭祐 Bass 鈴木めぐみ
   Left side 1st 木村あやめ 2nd 佐藤優紀 3rd 大塚彩歌  五十嵐圭祐 Bass 伊佐瞳
全体合奏
 ハンガリー舞曲第6番/ブラームス
 歌劇「魔笛」より「HmHmHm」/モーツァルト
グレンミラーメドレー/金山徹編
  上記メンバーに加えて
  長岡音楽堂 新保弘子 渡辺和則 
  永井輝雄(指揮)

10km走って、昼食を取り、少し休憩してから、だいしホールへ。開演30分前に到着。
感想は、「様々なヴァリエーションを見せるクラリネットの楽しみを味わう」です。
まずは"アンサンブル・ベヴィトーレ"で、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲より。明るく弾(はず)んで行進し、甘き翳りを纏(まと)って歩き、活発に跳びはねて、妖しく這い回り、高く伸びあがって、可愛いげにヨチヨチ歩きし、優雅に舞い踊って、情景を描写しました。続いて"アンサンブル青島(ちんたお)"で、映画版「ドラえもん」から秦基博の「ひまわりの約束」。桜色の霞(かすみ)が匂い立ち、光の帯が立ち上がって、甘美で誠実な香りで満たしました。次は"やみてっと"で「魔女の宅急便メドレー」。一つまた一つと重なる響きが層を成して耀き、ゆらゆらと波打って、艶やかに歌い、鮮やかに物語を伝えました。第1部の最後は"シティブラス越後"でモーツァルトの「きらきら星変奏曲」。お馴染みの調べが示されて、流れ出し、角(つの)を生やして飛び回り、重なり合って、厚く塗り込め、低く暗転して、賑やかに沸き立ちました。
1回目の休憩の後は、"長岡交響楽団"で ベートーヴェンの「『ドン・ジョバンニ』の『お手をどうぞ』の主題による変奏曲」。穏やかに始まり、身軽に跳躍し、階段を駆け上がり、ゆったりと息を使い、楽しげに遊んで、柔らかに広げ、それぞれが絡まり合い、重なり合って、しめやかに収まりました。続いてのチームは"アラカン"で2曲。ドヴォルザークの「Four slavoic dance 1,2,3,4」を愁いに満ちた面持で語り、長閑(のどか)な風情で優美に舞い、澄み渡る秋の空を描いて、慌(あわ)ただしく追い立てました。そして坂本九の「見上げてごらん夜の星を」。安らかに深い味わいで届けました。次の団体は"新潟ウインドオーケストラ"で、飯島俊成の「雪解けのプレリュード」。我先に競い合い、目まぐるしく位相を変えて、冷たい春風を吹かせ、細かく響きを交わしました。
2回目の休憩の後は30数名で奏でる全体合奏。最初はブラームスの「ハンガリー舞曲第6番」。鋭い一撃を放って、のんびりと揺らぎ、重心を低くして、力を込めて揺すり、ゆっくりと追いかけて、きっちりと杭を打ち込みました。続いてモーツァルトの「歌劇『魔笛』より『HmHmHm』」。雅(みやび)やかに振舞い、透き通った分厚さで彩り、表情豊かに認(したた)めて、まろやかに演じました。プログラム最後は「グレンミラーメドレー」。威勢よく賑わし、溢れ出る奔流が行きかい、ウキウキとスイングし、快くノリを運びました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。「吉本新喜劇のテーマ」が元気よく奏でられ、最後に「ロンドンデリーの歌」でしっとりとした終演となりました。
人の丈を超える大きな楽器から、こじんまりした小さな楽器まで、クラリネットの魅力を最大限に伝え、真剣に、しかも和気藹々と音楽を奏でる様子に、心温まる気分を頂いて、爽やかな後味と共に会場を後にしました。

岩渕仁美 クラリネットリサイタル

2017年3月20日(月) 19:00 りゅーとぴあスタジオA 岩渕仁美 クラリネットリサイタル

亜麻色の髪の乙女/ドビュッシー 星野正 編
クラリネットのための第一狂詩曲/ドビュッシー
クラリネット協奏曲第二番/ウェーバー
ファンタジー/ヴィトマン
巡礼の年 第一年「スイス」よりジュネーヴの鐘/リスト
クラリネット協奏曲/モーツァルト

岩渕仁美(Cl)
品田真彦(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演45分前に到着。
感想は、「若き奏者の挑戦する姿に感銘を受ける」です。
まずはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。まっすぐな息吹が彩りを集めて、光の枝を伸ばし、細く淡く揺蕩(たゆた)って、美しい素描を描きました。続いて同じ作曲家の「クラリネットのための第一狂詩曲」。薄墨の影を揺らし、色彩を纏(まと)い、濁り水の中から、その身を飛び立たせ、七色の偏光が乱れ散って、長い航跡を残しました。前半最後はウェーバーの「クラリネット協奏曲第二番」。折り目正しく弾(はず)んだ鍵盤を受け継いで、斜め上段から切り込み、明るく愉しげに振舞い、細やかに渦を巻いて走り去る第1楽章。ゆったりと力強く、愁いを漂わせて、柔らかに愛(いと)おしむ第2楽章。ごつごつと刻むピアノを背に、煌めく樹脂の輝きを伴って、軽快に跳ねまわる第3楽章。高く低く共鳴し、響きの糸を絡み合わせて、協奏を形作りました。
休憩を挟んで後半は、バリバリの現代曲でヴィトマンの「ファンタジー」。泡立つ呼吸、そそり立つ気柱、駆け上がる息遣いが、速く遅く、自在に形を変えて、孤高の佇まいを描写しました。ここで伴奏者によるピアノ独奏でリストの「巡礼の年 第一年『スイス』よりジュネーヴの鐘」。氷の欠片(かけら)を浮かべ、穏やかに動き出し、水面に波紋を拡げて、山頂へと駆け上り、花びらを散らせて、静かに収束しました。プログラム最後はモーツァルトの「クラリネット協奏曲」。乾いた音色(ねいろ)で、本質を浮かび上がらせる鍵盤が、主役を待ち受ける舞台を設営し、それに応えるようにしなやかに登場する独奏楽器。滑(なめ)らかに筆を使い、瑞々(みずみず)しく綴って、快い触感を残すアレグロ。まったりとした深みを伝え、儚(はかな)げな切なさで縁取るアダージョ。心躍(こころおど)る足取りで踏み出し、楽しげにときめいて、鮮やかに舞い踊るロンド。ぴたりと寄り添い、時に挑発して、天才の傑作を見事に演じ切りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、この果敢な挑戦を大いに讃えて、にぎにぎしく終演となりました。
協奏曲2曲を含む重圧のかかるプログラムを、持ち前の推進力でがっちりと仕上げ、聴衆への素晴らしい贈り物とした公演に立ち会えたことに感謝して、会場を後にしました。

東京交響楽団第100回新潟定期演奏会

2017年3月19日(日) 17:00 りゅーとぴあコンサートホール 東京交響楽団第100回新潟定期演奏会

交響詩「ローマの噴水」/レスピーギ
 Ⅰ 夜明けのジュリア谷の噴水
 Ⅱ 朝のトリトンの噴水
 Ⅲ 昼のトレヴィの噴水
 Ⅳ たそがれのメディチ荘の噴水
交響詩「ローマの松」/ 〃
 Ⅰ ボルゲーゼ荘の松
 Ⅱ カタコンベ付近の松
 Ⅲ ジャニコロの松
 Ⅳ アッピア街道の松
交響詩「ローマの祭」/ 〃
 Ⅰ チルチェンセス
 Ⅱ 五十年祭
 Ⅲ 十月祭
 Ⅳ 主顕祭

東京交響楽団
飯森宣親(指揮)

だいしホールを出て、途中コンチェルトさんへ寄ってから、再度りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「大編成で奏でる管弦楽の醍醐味を十二分に堪能する」です。
まずは「ローマの噴水」。立ち込める朝靄(あさもや)に煙る中、煌々(こうこう)と差し込む涼しげな光が眩しい「夜明けのジュリア谷の噴水」。水飛沫(みずしぶき)を上げ、派手に飛び込んで、賑やかに沸き立つ「朝のトリトンの噴水」。巨体を徐々に水面に表し、悠然とした輝きを放つ「昼のトレヴィの噴水」。薄霧を纏(まと)い、ゆらゆらと儚(はかな)く消えゆく「たそがれのメディチ荘の噴水」。曖昧模糊とした雰囲気をくっきりと描写して、鮮明な絵画に仕上げました。続いて「ローマの松」。キラキラと輝き、勢い良く跳ねる「ボルゲーゼ荘の松」。沈鬱とした翳りをゆっくりと塗り込め、一筋の希望の光で照らし出し、柔らかな地層を営々と積み上げる「カタコンベ付近の松」。月影の透明さを輝かせ、夢見るように揺れる「ジャニコロの松」。静かに進軍を始め、続々と援軍を集めて、輝きを増幅させる「アッピア街道の松」。感動の頂点へ登りつめ、極彩色の響きで満たして、喝采を浴びました。
休憩を挟んで後半は、「ローマの祭」。天からの喇叭が降り注ぎ、荒々しく引き回して、惨劇を描き出す「チルチェンセス」。密やかな囁きが、やがて激しく燃え上がる「五十年祭」。輝かしい雄叫びを上げ、獲物を執拗に追い立てる「十月祭」。狂ったように咆哮し、見世物小屋を沸き立たせ、遊園地の賑わいで囃し立て、身体を揺すって、勢いよく駆け出す「主顕祭」。持てる力を全開にして、猪突猛進で全力疾走する様をまざまざと見せつけました。
会場からは大きな拍手が贈られ、重量級のプログラムを見事成し遂げた楽団に最高の称を送りました。
定期演奏会100回の区切りにこのような素晴らしい公演を届けて頂き、オーケストラを聴く最上級の楽しみを味わわせてくれたことに感謝して、爽快な気分で家路を急ぎました。

ラナンキュラス ヴォーカルコンサート vol.14

2017年3月19日(日) 14:00 だいしホール ラナンキュラス ヴォーカルコンサート vol.14

ブラジル風バッハ第5番 アリア(カンティナーレ)/ヴィラ=ロボス
 神田幸子(S) 吉田有希子(Pf)
白月/三木露風 詞 本居長世 曲
 比護慧子(S) 小黒亜紀(Pf)
鐘が鳴ります/北原白秋 詞 山田耕筰 曲
 伊藤舞(S) 小黒亜紀(Pf)
歌曲集「花のかず」より 竹とんぼに/岸田衿子 詞 木下牧子 曲
 柳澤萌(S) 黒田麻里子(Pf)
歌曲集「もう一度会えたなら…」より/樋詰喜久子 詞 大中恩 曲
 1.あなた 3.今朝は… 5.わたしって
 鈴木美恵(S) 吉田有希子(Pf)
魔王/シューベルト
 比護慧子(S) 小黒亜紀(Pf)
歌劇「フィガロの結婚」より もう飛ぶまいぞ、この蝶々/モーツァルト
 塙康平(Br) 小黒亜紀(Pf)
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」より 私はあの黒髪の方がいいわ(二重唱)/ 〃
 フィオルディリージ:森有希子、ドラベッラ:野田有佳里(S) 小黒亜紀(Pf)
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」より 風は穏やかに(三重唱)/ 〃
 フィオルディリージ:柳澤萌、ドラベッラ:野田有佳里(S) 水島正樹(Br) 黒田麻里子(Pf)
サウンド・オブ・ミュージック/ロジャース 
 伊藤舞(S) 小黒亜紀(Pf)
歌劇「ポギーとベス」より サマータイム/ガーシュウィン
 神田幸子(S) 吉田有希子(Pf)
千の風になって/新井満
 塙康平(Br) 小黒亜紀(Pf)
歌曲集「音楽の夜会」より 踊り/ロッシーニ
 森有希子(S) 小黒亜紀(Pf)
歌劇「つばめ」より ドレッタの夢/プッチーニ
 柳澤萌(S) 黒田麻里子(Pf)
歌劇「ランメルモールのルチア」より あたりは沈黙に閉ざされ/ドニゼッティ
 北住順子(S) 吉田有希子(Pf)
歌劇「ランメルモールのルチア」より こちらへおいで、ルチア(二重唱)/ 〃
 石井優(S) 水島正樹(Br) 黒田麻里子(Pf)
瑠璃色の地球/松本隆 詞 平井夏美 曲 白石哲也 編
 神田幸子、森有希子、北住順子、鈴木美恵、伊藤舞、比護慧子、野田有佳里(S) 吉田有希子(Pf)

りゅーとぴあを出て、急いで自転車を飛ばし、だいしホールへ。開演10分前に到着。
感想は、「様々なソプラノの彩りを楽しむ」です。
まずはヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第5番 アリア」。さざめく鍵盤に乗って回り込み、広がるヴォカリーズ。落ち着いた哀愁を振りまいて、優しく着地しました。続いて本居長世の「白月」。伸びやかに悲しみを表し、ゆったりと寒さを伝えました。3番目は山田耕筰の「鐘が鳴ります」。低く豊かにゆったりと響かせて、波紋を拡げました。次は木下牧子の「竹とんぼに」。煌めく伴奏の上を清らかで爽やかに揺らめきました。5人目は大中恩の歌曲集「もう一度会えたなら…」から3曲。蒼く薄く滲ませる「あなた」。軽快に吹き過ぎる「今朝は…」。切々と問いかける「わたしって」。味わい深く歌声を届けました。ここから欧州の作曲家のパートに入り、シューベルトの「魔王」。暗雲が漂い、ただならぬ雰囲気で歌い出す歌手が、恐れを叫ぶ子供、優しく諭す父、含み笑いで誘う魔王を演じ分け、表情豊かに物語を進めました。そしてモーツァルト。バリトンが登場して、歌劇「フィガロの結婚」より「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」。にこやかで艶やかに明るさを振りまき、独特の軽さで楽しげに歌いました。さらに歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』」から2曲。二重唱で「私はあの黒髪の方がいいわ」を、晴れやかに高く、穏やかに低く、絡み合い、唱和して、喜びを描きました。そして前半の最後、同じオペラから「風は穏やかに」を三重唱で。ひらひらと奏でる鍵盤を背景にして、薄霞(うすがすみ)のように淡い彩りで混ざり合い、抜け出して、歌声を重ねました。
休憩を挟んで後半は、ミュージカル・ナンバーで「サウンド・オブ・ミュージック」。抜けるような青空の輝きがたっぷりと降り注ぎ、嬉しさを満開に綻(ほころ)ばせて、底抜けの快活さを運びました。続いてガーシュウィンの「歌劇『ポギーとベス』」から「サマータイム」。氷のピアノに乗って、ひんやりと冷たい触感で撫で上げて、倦怠を匂わせました。バリトンにバトンタッチしての新井満の「千の風になって」。柔らかく、包むように抱きしめて、暖かく癒しました。次はロッシーニの「歌曲集『音楽の夜会』」より「踊り」。悲しげに急ぎ、次々と矢を放って、忙(いそが)しく訴えました。さらにプッチーニの「歌劇『つばめ』」より「ドレッタの夢」では、豪華に着飾った愁いを纏(まと)い、大きく膨らませて、想いを解き放ちました。ここでドニゼッティの「歌劇『ランメルモールのルチア』」から2曲。「あたりは沈黙に閉ざされ」が、ゆるりとした足取りで、哀しみを溢れさせ、丁寧に言葉を置いていき、やがて溶け合って、喜びへ変わりました。そして二重唱で演じられた「こちらへおいで、ルチア」。翳を帯びて、しっかりと語りかけるバリトンと、緋色の明るさで胸の内を綴るソプラノが言い争い、お互いを攻め合って、悲劇へと突き進みました。プログラム最後は7人で歌う「瑠璃色の地球」。淡く大切な願いを声を合わせ、調和を見せて奏で、華やかに終わりを告げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは歌い手全員での乾杯で祝う歌で、にぎにぎしく終演となりました。
色々な種類のソプラノの歌声を楽しめるこのコンサートは、声質のヴァリエーションを楽しめるまたとない機会であり、今後も継続されることを願って、会場を後にしました。

東響ロビーコンサート 弦楽アンサンブル

2017年3月19日(日) 13:00 りゅーとぴあコンサートホールホワイエ 東響ロビー・コンサート 弦楽アンサンブル

Obla Di Obla Da/レノン=マッカートニー 清水泰明編
Scaborough Fair/イギリス民謡 清水泰明編
15/西谷牧人
EXCEED/清水泰明
Green Wind/西谷牧人
光明/清水泰明

田尻順、清水泰明(Vn)
多井千洋(Va)
西谷牧人(Vc)
北村一平(Cb)

お彼岸のお墓参りに行って、時間の都合で4kmの全力疾走をして、昼食を取り、自転車でりゅーとぴあへ。開演20分前に到着。
感想は、「ポップなサウンドを奏でる弦楽を楽しむ」です。
まずはビートルズの「Obla Di Obla Da」。一瞬の秋風が枯葉を舞い散らし、軽快に弾(はず)んで、お馴染みの調べを運び、カッコよく崩して、見事に着地しました。続いてサイモン&ガーファンクルの「Scaborough Fair」。山を紅く染める谷間にコクのある響きがゆったりと鳴り渡り、周りを飾る彩りが花を添えて、穏やかに収めました。ここからは本日の演奏者が作った曲が4曲披露されることとなり、最初はチェリストの作品で「15(フィフティーン)」。密林を覆う木々の枝達が絡みつき、小粋な足取りでステップし、クールに歌って、濃(こ)ゆく通り過ぎました。続くはヴァイオリニスト作の「EXCEED」。光の帯を引き摺り、速足で踊って、揺れるように駆け抜けました。さらに「Green Wind」では、鳥が囀(さえず)り、せせらぎの上を旋律が躍って、つま弾きでくっきりと縁取りをしました。プログラム最後は「光明」。脈々と流れ、硬く細やかに刻んで、弓動と並び、たっぷりと溢れ出て、大河を成し、息長く伸ばして、散(ち)り散(ぢ)りに弾(はじ)けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは小柳ゆきの「remain~心の鍵~」。美しく奏でて、心地よく終演となりました。
東京交響楽団の弦楽器奏者がポピュラーな音楽を演奏し、さらに自作して、現代の感覚にあったアコースティックなポップスを届けて頂ける幸せに遭遇したことに感謝して、急いで次の会場へと向かいました。

あの頃、ちびっ子だったキミに捧ぐ!大人のためのノンストップ60分! NHKみんなのうたコンサート

2017年3月18日(土) 19:00 ギャラリー蔵織 あの頃、ちびっ子だったキミに捧ぐ!大人のためのノンストップ60分! NHKみんなのうたコンサート

メトロポリタン美術館/大貫妙子
山口さんちのツトム君/みなみらんぼう
虫歯のこどもの誕生日/ 〃
北風小僧の寒太郎/井出隆夫 詞 福田和禾子 曲
子犬のプルー/林權三郎 詞 柳沢剛 曲
空がこんなに青いとは/岩谷時子 詞 野田暉行 曲
ドラキュラの歌/小黒恵子 詞 クニ河内 曲
オナカの大きな王子様/小椋佳
ヒロミ/伊藤アキラ 詞 平尾昌晃 曲
赤い花、白い花/中林ミエ
小さな木の実/海野洋司 詞 ビゼー 曲
トレロ・カモミロ/マレスカ 詞 阪田寛夫 訳 パガーノ 曲
アップルパップルプリンセス/若井丈児 詞 柴田陽平 曲
コンピューターおばあちゃん/伊藤良一
勇気ひとつを友にして/片岡輝 詞 越部信義 曲
赤鬼と青鬼のタンゴ/加藤直 詞 福田和禾子 曲

西谷純代(歌)
山井満樹(Key、鍵盤ハーモニカ)

仕事を終えて、一旦帰宅し、自転車で蔵織へ。開演40分前に到着。
感想は、「楽しさ全開!で繰り広げられる"みんなのうた"の饗宴を味わう」です。
まずは「メトロポリタン美術館」。ポップな軽さで透き通る風が、すっきりと吹き抜けました。続いて「山口さんちのツトム君」。うっすら甘い寂しさを陽気な行進で支えて、表情豊かに届けました。次は「虫歯のこどもの誕生日」。コミカルでリズミカルに跳ねて、日陰から日なたへと抜け出しました。4曲目は「北風小僧の寒太郎」。鍵盤ハーモニカのかっこいいイントロに続いて、楽しげに一節歌うと、歌詞カードを掲げて、聴衆に歌わせ、さらに合唱で盛り上げて、会場をヒートアップさせました。ここでちょっと気分を変えて、「子犬のプルー」。ゆったりと澄んだ声で、碧空に広がる淡い願いを伝えました。引き続いて合唱コンクールの課題曲でもある「空がこんなに青いとは」。清らかで、しっとりと豊かに響かせ、柔らかに場を鎮めました。そして歌詞に出て来る"蚊"を小道具にして届けられたのは、「ドラキュラの歌」。賑やかに盛り立てて、"おふざけ"でかき回し、ホットに雰囲気をわき立たせました。さらに趣向を変えて「オナカの大きな王子様」。穏やかに叙情を誘い、可笑しみを添えて、ゆるりと落ち着きました。次の「ヒロミ」では、にこやかに弾(はじ)けて、裏返しの愛を伝えました。10曲目は「赤い花、白い花」。寂しさを蒸留し、純粋に昇華させて、秋の風情を運びました。続くは「小さな木の実」。黄昏(たそがれ)に似合う豊穣たる響きで、悲しみを歌い上げました。12番目は「トレロ・カモミロ」。情熱的にグングンと押し出し、強烈な足取りも加えて、ヒーローを喜劇的に描き出しました。次に続くは「アップルパップルプリンセス」。可愛い早口なおしゃべりが、気持ちよく韻を踏んで、すいすいと調子を取りました。テクノの風味が新鮮な「コンピューターおばあちゃん」では、増幅された撥弦の振動が下支えする上空を、快く旋回して、愉快な気分を誘いました。15曲目は「勇気ひとつを友にして」。アツく、淡々と前へ進み、波立つ水面に、しっかりと屹立して、想いを貫きました。プログラム最後は「赤鬼と青鬼のタンゴ」。古都の風情で、足早に刻み、明るく愉しく、ステップを踏みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ラジャ・マハラジャー」。大らかに、細やかに歌って、にぎにぎしく終演となりました。
隠れた名曲の多い"みんなのうた"の魅力を引き出し、様々な仕掛けで楽しませ、懐かしくも、新しい気分で心を一心させてくれたこのコンサートが、再演され、また続編が企画されることを願って、会場を後にしました。

栄長敬子ピアノリサイタル ピアノソナタからベートーヴェンを聴く vol.8

2017年3月15日(水) 18:30 りゅーとぴあスタジオA 栄長敬子ピアノリサイタル ピアノソナタからベートーヴェンを聴く vol.8

ピアノソナタ 第11番 変ロ長調 作品32/ベートーヴェン
 第1楽章 変ロ長調 4/4拍子 快活に速く、生きいきと
 第2楽章 変ホ長調 9/8拍子 ゆったりと遅く、とても表情豊かに
 第3楽章 変ロ長調 3/4拍子 メヌエット
 第4楽章 変ロ長調 2/4拍子 ロンド:やや快活に
ピアノソナタ 第15番 ニ長調 作品28《田園》/ 〃
 第1楽章 ニ長調 3/4拍子 快活に速く
 第2楽章 ニ短調 2/4拍子 歩くような速さで
 第3楽章 ニ長調 3/4拍子 スケルツォ:快活に、非常に速く
 第4楽章 ニ長調 6/8拍子 ロンド:快活に速く、しかし速すぎず
ピアノソナタ 第22番 へ長調 作品54/ 〃
 第1楽章 へ長調 3/4拍子 メヌエットの速さで
 第2楽章 へ長調 2/4拍子 やや快速に

栄長敬子(Pf)

西新潟中央病院を出て、一旦帰宅し、ブログを上げて、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「静かに燃え上がる演奏者の熱情に感銘する」です。
まずは「ピアノソナタ 第11番」。急ぎ足で泡立ち、光の杭を打ち込み、脈々と連なる山々を書き記す第1楽章.穏やかな素振りで、氷壁を輝かせ、暖かに鼓動を伝える第2楽章。愉しげに弾(はず)み、心を開放する第3楽章。晴れやかに急(せ)き込み、暗雲を呼び込んで、荒れ模様の空を描き、再び快晴へと駆け上る第4楽章。緊迫しながらも、喜びを解き放つ演奏で序盤を飾りました。
続いて「ピアノソナタ 第15番《田園》」。水面(みなも)を打ち付ける雨粒が騒ぎ立て、蝶たちが一斉に舞い立って、活力に満ちた動きで跳ねるアレグロ。悲しげに瞬(また)たき、軽やかに沸き立ち、様々に形を変えて、穏やかに収まるアンダンテ。鉄槌を何度も下し、響きの鎖を延々と繋ぎ、鼓動をときめかすスケルツォ。身軽に飛び跳ね、自在に変化し、縦横に行き来して、頂きへ駆け上がるロンド。力強さとしなやかさを垣間見せ、堂々とした立ち合いで、勝負しました。
プログラム最後は「ピアノソナタ 第22番」。穏やかに気高く進み、強力に押し進み、細やかに仕分けられる第1楽章。沸き立つ勢いを発散し、内に秘めた熱を思い切り噴出して、火の手を上げる第2楽章。小振りながら密度の濃いアツさを十二分に振りかざして、その魅力を伝えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはショパンの「ノクターン」。それまでの興奮を穏やかに鎮めて、落ち着いた雰囲気の終演となりました。
あと1回で全32曲を制覇するこのシリーズを粛々と進めるピアニストの静かな情熱をひしひしと感じるこのコンサートは、この地の音楽の充実を物語る大切な裏付けとして記録されるであることを確信して、会場を後にしました。

2017年3月15日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第80回)

2017年3月15日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第80回)

ブラボーサックス!/星出尚志
ニューシネマパラダイスメドレー/エンニオ&アンドレア・モリコーネ
ヴァカンス/ダマーズ
青春の輝き/カーペンター&ベティス&ハモンド

鷹田わこ(a.sax)
近藤史奈(Pf)

市役所の食堂で昼食を取り、一旦帰宅し、車で西新潟中央病院へ。開演15分前に到着。
感想は、「素直で美しいサックスとピアノに聞き惚れる」です。
まずは星出尚志の「ブラボーサックス!」から。陽気に弾(はず)み、柔らかに歌って、幕開けを飾りました。続いて映画「ニューシネマパラダイス」からのメドレー。ゆったりと優しく彩り、薄明かりの中、秋の風が麦畑をふんわりと吹き過ぎて、ゆったりと気持ちを暖めました。次はダマーズの「ヴァカンス」。鍵盤が奏でる細かなさざ波の上を、甘やかで芳醇な筆致で描き、爽やかな香りを伝えました。プログラム最後はカーペンターズの「青春の輝き」。まだ見ぬ未来への憧れを宿し、切なく胸に響く息吹をたっぷりと届けて、快く癒しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、もう一度聞きたい曲は?の問いに「青春の輝き」という応えが寄せられ、それをアンコールして、しっとりとした終演となりました。
新潟へ来て、まだ2年とのサックス奏者が、この地を好きになり、こうやってボランティアでの演奏を行うことは大変嬉しいことであり、今後のさらなる活躍を祈って、会場を後にしました。

2017年3月15日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第298回ミニコンサート Ensemble Frosch コンサート 若杉百合恵氏を迎えて

2017年3月15日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第298回ミニコンサート Ensemble Frosch コンサート 若杉百合恵氏を迎えて

フルート吹きの休日より第四楽章/カステレード
仔犬のワルツ/ショパン
フルート三重奏ト短調第二番より第二楽章/クーラウ
365日の紙飛行機/角野寿和、青葉紘季
アンダー・ザ・シー/メンケン
花は咲く/菅野よう子

渡辺梨乃、香川恵理、鈴木芙美子(Fl)
若杉百合恵(Pf)

所用を済ませ、少し休憩してから、市役所へ。開演30分前に到着。
感想は、「フレッシュな3人のフルートとピアノを楽しむ」です。
まずは三重奏でカステレードの「フルート吹きの休日」より「第四楽章」。ひらひらと舞い、ふわふわと浮かんで、春のお花畑の華やぎを届けました。続いてピアノ独奏で「仔犬のワルツ」。素早く転がる水玉が煌(きら)めき、高く低く波頭を靡(なび)かせて、軽々と駆け抜けました。再び3本で奏でたのはクーラウの「フルート三重奏」より「第二楽章」。光と影を入り混じらせ、繊細に風を通し、重なり合い、絡みあって、爽やかに吹き抜けました。2回目の鍵盤の独奏は朝ドラの主題歌で「365日の紙飛行機」。涼やかに歌い、暖かく支えて、優しく拡がりました。さらにピッコロ3本で映画「リトルマーメイド」より「アンダー・ザ・シー」。水色に囀(さえず)り、愛らしく鳴いて、輝きで飾りました。プログラム最後は「花は咲く」。優しくも切なく、心に沁みる調べを、ゆったりと大切に仕上げて、しみじみとした感情をしっかりと伝えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「春よ来い」。来るべき季節への憧れを歌い上げて、しっとりとした終演になりました。
首都圏で活躍する県人を含むトリオが、ここ新潟でその腕前を披露し、音楽の楽しみを伝えてくれることは、大変ありがたいことであり、今後もこの地での活動を継続して頂けることを希望して、会場を後にしました。