ステージで聴く古楽器 第2回 中世の夢 ルネサンスの華

2017年6月30日(金) 19:00 新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール・ステージ ステージで聴く古楽器 第2回 中世の夢 ルネサンスの華

(オープニング)
 聖ヴェンセスラスの讃歌/Anon.
■ モンセラート修道院「朱い本」より/ 〃
 おお、輝く聖処女(三声のカノン) O Virgo Splendens 
 黒い聖母 Mariam Matrem Virginem
 輝ける星よ Stella Splendens
■中世 聖母マリアのカンティガ集より/アルフォンソ10世・編
 神に捧げる Par Deus 282 
 ※ ゆめとうつつ
 聖母マリア、夜明けの星よ Santa Maria, Strela do dia 100 
 聖処女を讃える者は Quen a omagen da Virgen 353 
 ※ 世界中の王様
 デウス A Virgen, que de Deus 322 
■ スペイン ルネサンス
 すてきな愛を知らない Calabaca, no se, buen amor/Anon.
 夜の闇が訪れ Si la noche hace oscura /ピサドール
■ イギリス ルネサンス
 時は花祭りの5月 Now is the month of Maying/モーリー
 ※ 草の名
 よき友との気晴らし Pastime with good company/ヘンリー8世
 ※ 草原
 グリーンスリーブス Greensleeves/Anon.
 楽しい日よ来たれ Come, cheerful day/キャンピオン
 ナイチンゲール Nachtegael Ⅰ,Ⅱ/I.H(ファン・エイク)

※金子みすゞ 詩集「わたしと小鳥とすず」より

大作綾(Rec,歌,朗読)
松井美端(Rec,Fl,クレムホルン,プサルテリー,シンフォニー,鈴)
白澤亨(Rec,Lute,ゲムスホルン,中世フィドル,太鼓,シトール,クレムホルン,シンフォニー,ビウエラ,ドゥルチアン,シターン)

仕事を終え、雨降るバイパスを一路江南区文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「舞台上に中世欧羅巴が蘇る瞬間に立ち会う」です。
定刻となり、演奏者が入場し、定位置について、ゲムスホルンによる「聖ヴェンセスラスの讃歌」からスタート。遥かなる呼び声が、遠い日の記憶を呼び覚ましました。続いて「モンセラート修道院『朱い本』」より3曲。3本のリコーダーによる、厳(おごそ)かで、清らかな祈りがゆったりと絡み合う「おお、輝く聖処女」。鈍(にぶ)く光りを放つ弦に支えられ、聖なる耀きで歌う「黒い聖母」。西日が赤く差し、濁りある悲しみを照らす「輝ける星よ」。数百年前の西班牙へ我々を連れ戻しました。次はアルフォンソ10世が編纂したとされる「中世 聖母マリアのカンティガ集」から4曲。「神に捧げる」が、軽々と囃し立てる鈴と太鼓に乗って、鋭い囀(さえず)りで、お道化ました。ここでシトールの奏でを背に、金子みすゞの「ゆめとうつつ」が張りのある声音(こわね)で朗読され、そのまま「聖母マリア、夜明けの星よ」へ。哀しみに裏打ちされた愉しさが、弾(はず)むように魂を浄化しました。続けて「聖処女を讃える者は」。翳りを纏(まと)って、軽快に飛び跳ねました。2度目の朗読は「世界中の王様」。プサルテリーの儚(はかな)げな爪弾きを伴って、幾分明るめに放たれました。それに続き「デウス」が、金の糸を紡いで、美しく流れました。
ここからはスペインのルネサンス曲達が2つ。クレムホルンの三重奏が醸し出す、ちょっと滑稽な羽音が調子よく行進する「すてきな愛を知らない」。幽(かそけ)きビウエラが艶やかな歌に寄り添う「夜の闇が訪れ」。欧羅巴の西端の調べを届けました。最後のパートはイギリスのルネサンス。「時は花祭りの5月」が可愛いげに燥(はしゃ)ぎ、「草の名」の朗読を挟んで、「よき友との気晴らし」を勇ましく、華奢(きゃしゃ)な出で立ちで進軍しました。「草原(くさはら)」の詩の朗唱に続いて、「グリーンスリーブス」が静謐の奏でに導かれ、麗(うるわ)しく、滑らかな歌声で描かれ、「楽しい日よ来たれ」を抑えめの晴れやかさで賑わしました。プログラム最後は「ナイチンゲール」。爽やかな風を吹かせ、艶(つや)やかに彩り、少し俯(うつむ)き気味に振舞い、再び顔を上げて、輝きを描きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「暗闇はわが歓び」。楽しげに盛り立てて、にぎにぎしく終演となりました。
中世とルネサンスに特化したプログラムで、あっという間に時を遡って、かの時代へと聴衆を連れ去り、どっぷりと浸らせてもらったことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路のハンドルを握りました。
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インストアライブ 星理恵子 村山和子 ヴァイオリン&ピアノ

2017年6月28日(水) 14:30 コンチェルト インストアライブ 星理恵子 村山和子 ヴァイオリン&ピアノ

愛の挨拶/エルガー
楽興の時/シューベルト
セレナーデ/ 〃
夢の後に/フォーレ
ルーマニア民族舞曲/バルトーク
前奏曲「雨だれ」/ショパン
カンタービレ/パガニーニ

星理恵子(Vn)
村山和子(Pf)

所用を足して、昼食を取り、帰宅してから、コンチェルトさんへ。開演30分前に到着。
感想は、「古民家に響くヴァイオリンとピアノの歌を楽しむ」です。
まずはエルガーの「愛の挨拶」から。艶やかな絃(いと)の調べが、まろやかな鍵盤の奏でに乗って、優しさを伝えました。続いてシューベルトが2曲。懐古の情を搔き立て弾(はず)む「楽興の時」。甘く切なく、恋心を諭(さと)す「セレナーデ」。歌曲王の贈り物を大切に届けました。次はフォーレの「夢の後に」。憂愁を深く練り、蕩(とろ)けるような甘美さで、心に沁みる音色(ねいろ)を響かせました。気分を一新してバルトークの「ルーマニア民族舞曲」。土の香りを放ち、草原の彩りで跳ね、か細く囁(ささや)き、夕焼けで染め上げ、騒(ざわ)めきを伴って駆け抜けました。ここでピアノソロでショパンの「前奏曲『雨だれ』」。穏やかに波打ち、煌めきを鏤(ちりば)め、重々しい影が迫って、黒く染め上げると、しばし佇んで、やがて安寧(あんねい)が訪れました。プログラム最後は、パガニーニの「カンタービレ」。鋭さ含みながらも、香ばしい風味で歌い、競うように収まりました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「タイスの瞑想曲」。美しく仕上げて、にぎにぎしく終演となりました。
至近距離で聴くヴァイオリンとピアノが、親しさと凛々しさを放射して、快(こころよ)さと安らぎを運んで頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路に付きました。

吉田靖アンサンブル Heavenly Me Last Days

2017年6月25日(日) 17:30 喫茶MAKI 吉田靖アンサンブル Heavenly Me Last Days

オープニングアクト
 エレクトリックギターとコンピューターによる演奏/福島諭
 ピアノとコンピューターによる演奏/ 〃
 尺八とコンピューターによる新曲/ 〃

  福島諭(Gt,Pf,Comp)
  福島麗秋(尺八)

吉田靖アンサンブル
 Last days
 in november slumber
 quiet summer
 starcase
 lullaby for rainsongs
 prayer for dawn
 under calf,winged steps
 heavenly me

  籠谷紗希(Pf,Vn)
  秦進一(Vn,Va)
  武田基邦(Vn)
  本倉信平(Vc)
  吉田靖(Gt,Pf,Harmonium)

北区文化会館を出て、バイパスに乗り、途中渋滞を避けるため、竹尾で降りて、赤道を抜けて、みなとトンネル経由で帰宅。駐車場に車を放り込んで、喫茶MAKIへ。開演20分前に到着。
感想は、「コンピューターの作り出す無限の拡がりと、ピアノ&弦楽の平明な響きを楽しむ」です。
まずはオープニングアクトで、エレクトリックギターとコンピューターによる演奏。秘めやかな爪弾きが、空間に拡散し、鐘を鳴らして、幾重にも錯綜し、不意に時を刻んで、ふと立ち止まりました。続いて、ピアノとコンピューターによる演奏。海辺や森の風景が切り貼りされ、しめやかなピアノの動きと相まって、混ざり合い、変位して、歯車をかみ合わせました。このパート最後は、尺八とコンピューターによる新曲。長細い雲が棚引き、鯨が鳴いて、空を塗り込めると、掠(かす)れを含む息吹が、体温を吹き込んで、生命(せいめい)が満ち溢れ、汽笛が遠くに聞こえて、穏やかに収束しました。
休憩を挟んで後半はメインプログラム。まずはピアノと弦楽で2曲。「Last days」が氷砂糖の煌めきを届け、光の糸を長く引いて、驟雨(しゅうう)を降らせました。続く「in november slumber」では、甘く切ない調べが震え、低く伸ばし、響きを点描し、儚(はかな)げに映しました。次の「quiet summer」になると、暗く灯りを照らし、まったりと伸びあがって、ゆっくりと収めました。作曲者が登場して、鍵盤の連弾からの「starcase」。波紋の上を水飛沫が散って、懐かしく哀しい彩りで眉を引き、円周を描いて、淡く広がりました。5曲目は「lullaby for rainsongs」。六弦が放つ粒子を、優しくあやす弓の奏でが次第にその太さを増して、大河へ流れ込み、悠々と広がりを見せました。続いて「under calf,winged steps」。淡々と過ぎ去り、不規則に曲がり、泡を立てて、彼方へと染み渡りました。さらに「prayer for dawn」では、洋菓子の味わいを届け、蕩(とろ)ける甘美さの絃(いと)を張り、静謐な時間を演出して、平穏な空間を提供しました。プログラム最後は、「heavenly me」。乾いた照明で照らし、陽気なファンファーレが鳴り響いて、軽く弾(はず)み、厚く霧を吹き、区切りを刻んで、慰めるように奏でました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。「kim」が弦楽四重奏でゆったりと、「Family」がやんわりとにぎやかに届けられて、にぎにぎしく終演となりました。
関西からの落ち着いて美しい音楽が、ここ新潟でその姿を顕(あら)して、喝采を浴びたことを祝福して、家路を急ぎました。

北区フィルハーモニー管弦楽団第6回定期演奏会

2017年6月25日(日) 14:00 新潟市北区文化会館 北区フィルハーモニー管弦楽団第6回定期演奏会

交響曲第100番 ト長調 「軍隊」/ハイドン
交響曲第5番 ホ長調 作品64/チャイコフスキー

北区フィルハーモニー管弦楽団
長谷川正規(指揮)

10㎞走って、昼食を取り、バイパスを北区文化会館へ。開演50分前に到着。
感想は、「真摯なる力闘と誠実なる取り組みに胸がアツくなる」です。
開演前に行列に並んで待っていると、用意された譜面台の前に5人の管楽器奏者が登場し、木管五重奏で星野源の「恋」を楽しげに演奏して、ロビーコンサートを披露してくれました。
そして本編。まずはハイドンの「交響曲第100番 『軍隊』」。ゆっくりと軽やかに描き、うっすらと影を纏(まと)いながらも、朗らかに振舞うアレグロ。のんびりと巨体を揺らしながら歩き出し、笛や太鼓で囃し立てて、賑やかに行き過ぎるアレグレット。するりと優雅に舞い、洗練された出(い)で立ちで弾むメヌエット。そよ風を吹かせ、それが疾風に変わり、響きの層を重ねて、厚く塗り分けるフィナーレ。明るくすっきりとした風貌の曲想を、手厚い心づくしの筆致で、丁寧に仕上げました。
休憩を挟んで後半はチャイコフスキーの「交響曲第5番」。仄暗い夜明けの予感から、静々と進み出し、秘めた決意を胸に抱(かか)え、毅然とした態度で、眦(まなじり)を決して、戦いへと漕ぎ出す第1楽章。優しく切なげな表情で、ゆったりと大きく包み込み、募る想いがいっぱいに溢れ出て、時に不安げな面持ちで駆け出す第2楽章。ちょっと惚(とぼ)けて、滑る様に円舞し、サクサクと刻む第3楽章。堂々と前を向き、懸命に坂を上り、全勢力を結集して総力戦を闘い、しっかりと勝利を捥(も)ぎ取り、誇らしげに腕を振りかざして、栄光の道を駆け抜ける第4楽章。強力な相手とがっぷり四つに組んで、豪快に投げ勝ちました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「アンネンポルカ」。可愛げに演じて、にぎにぎしく終演となりました。
困難な目標に果敢に立ち向かい、見事にクリアして、感動を齎(もたら)す頑張りを見せてくれる楽団の気概に勇気を頂いて、次の会場へと向かいました。

Noism2 特別公演 2017 『よるのち』

2017年6月24日(土) 20:00 新潟県政記念館 Noism2 特別公演 2017 『よるのち』

『よるのち』

演出振付/平原慎太郎
音楽/熊地勇太 他
演出助手/渡辺はるか
出演/Noism2

(ご注意)
 以下の記述は一部内容に触れる可能性があり、ネタバレの恐れがあります。数行の空白を入れますので、これから公演を見られる方で、内容について知りたくない方は見ないようにしていただいた方が良いと思われます。
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仕事を終え、一旦帰宅し、夕食を取ってから、コンチェルトさんでチケットを買って、県政記念館へ。開演30分前に到着。
感想は、「Noism2のアナザー・サイドを垣間見て、新たなる喜びを頂く」です。
開演待ちの時間にも、既に動き出すメンバーたち。現実と創作の汽水域を徐々に、塩分の濃い水域へと導き出しました。時を告げる鐘が鳴り、鑑賞の注意事項が述べられ、そのまま科白(せりふ)へと変容し、立ち上がって、舞踊が動き出しました。語られる言葉に反応して切り貼りされる動作、恐ろしげに蠢(うごめ)き、ゆっくりと粘液を吐き出し、不気味に揺れました。そして祭壇から夢魔たちが這いずり出し、獲物目掛けて群がり、様々に絡み合って、貪(むさぼ)り食いました。悪夢の時間が過ぎ、物語を綴るものが、顔を覗かせ、情景を描写しつつ、時間を捻じ曲げて、前後を行き来させ、場面を連射して、時空を入れ替えました。さらに多様な人格が顕(あらわ)れては隠れ、次第にその数を増し、互いに競い合って、舞踏の塊りが大きな渦で暴れ回りました。少しずつ潮が引いて、個別の筋書が描き出され、それぞれの特徴を生かして、色を変えて描き分けられました。言葉たちが戻り、幾重にも重なり合い、細かくもズレながら、帯状に流れ去りました。思い出したように、そちこちで、思い思いに佇む時へ経て、笑顔が狂気を誘い、大波が全てを呑み込み、沈黙が辺りを制して、厳(おごそ)かな幕切れとなりました。
客席からは大きな拍手が贈られ、何度もカーテンコールがなされて、演出振付家が呼び出され、演者を称え、さらに大きな喝采が叫ばれて、にぎにぎしく終演となりました。
新たなる振付家による作品が、Noism2から今までにない表情を導き出し、新鮮な感動を届けてくれたことに、大いに喜び、足取りも軽く家路を急ぎました。

IkiAtariBattari na Live 水無月の巻 partⅡ

2017年6月20日(水) 13:30 コンチェルト IkiAtariBattari na Live 水無月の巻 partⅡ

第1部
 きょうの料理/冨田勲
 守ってあげたい/松任谷由実
 明日に架ける橋/サイモン
 風のとおり道/久石譲
 雨音はショパンの調べ/ジョンビーニ
 虹の彼方に/アーレン
 宝島/和泉宏隆
第2部
 ローズ~追憶のテーマ
 空も飛べるはず/草野マサムネ
 アリス/小林武史
 不思議の国のアリス/エルフマン
 ジブリメドレー/久石譲
 糸/中島みゆき
 ジッパ・ディー・ドゥ―・ダー/リューベル

川崎祥子(Pf)

市役所ロビーより急いでコンチェルトさんへ。開演15分前に到着。
感想は、「まったりと楽しく、時にムーディなピアノの響きにどっぷりと浸(ひた)る」です。
まずはNHK「きょうの料理」からの「守ってあげたい」。ふんわりと優しく、身を委(ゆだ)ねる誘惑で包み込みました。続いてサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」。遥かなる憧れが広がり、じんわりと心に沁みました。次は本日の天候に合わせ「風のとおり道」。懐かしい風景を想起させ、胸をキュっと締め付けました。その流れで「雨音はショパンの調べ」。コードの海に見え隠れする旋律が、切ない想いを響かせました。"風"、"雨"と来ての「虹の彼方に」。ゆったりと揺れて、ジャジーに弾(はず)みました。第1部最後はT-SQUAREの「宝島」。ノリノリで賑やかに駆け抜けました。
休憩を挟んで第2部は映画音楽から、「ローズ」がゆっくりと愛を綴り、「追憶のテーマ」が、帰らぬ思い出を淡々と語って、在りし日の残り香を懐かしみました。続いてJ-POPが2曲。スピッツの「空も飛べるはず」が明るさを纏(まと)い、軽々と悲しみを吹き飛ばすと、マイリトルラバーの「アリス」が、くすぐったい甘さで弾(はじ)けました。そしてジブリメドレー。「天空の城ラピュタ」や「魔女の宅急便」などのメロディーを様々に織り交ぜ、晴れた日の爽やかさや、曇り空の憂鬱を写し取りました。さらに中島みゆきの「糸」で誠実な想いを、しなやかに届けて、最後は「ジッパ・ディー・ドゥ―・ダー」で賑やかに締めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、緩くも素晴らしいライブへ称賛の思いを伝えました。
リクエストやその場の雰囲気に合わせて、自在に進められる手際の鮮やかさと、ピアノから流れ出る美しい響きに魅せられて、心躍る時間を過ごせたことに感謝して、家路を急ぎました。

第301回ミニコンサート 音遊楽(おとゆら)~箏とフルート調べ

2017年6月21日(水) 12:20 新潟市役所1階市民ロビー 第301回ミニコンサート 音遊楽(おとゆら)~箏とフルート調べ

哀歌/吉崎克彦
六段の調/八橋検校 宮田耕八朗編
春興/杵屋正邦
フォスター名曲集/フォスター 佐藤義久編
 おおスザンナ
 故郷の人々
 オールドブラックジョー
 草競馬

音遊楽(おとゆら)
 紫野芳枝(箏)
 福井英子(箏、三弦)
 坂田翔祐(箏、三弦、十七弦)
 大村浩子(箏、十七弦)
 水嶋あや(Fl)

みなとトンネルを4往復走り、身支度を整えて、市役所ロビーへ。開演20分前に到着。
感想は、「ヴァラエティーに跳んだ和楽器とフルートの共演を楽しむ」です。
まずは十七弦とフルートで吉崎克彦の「哀歌」。ゆらゆらと舞う花弁(はなびら)の間を吹き過ぎる息吹が絡み合い、桜吹雪が一面に降り注ぎ、次第に速度を上げて過ぎ去りました。続いて箏2面、十七弦と三弦で奏でる「六段の調」。煌めきを放ち、張りを効かせて、要所を締め、華やぎを描きました。次は三弦2棹で杵屋正邦の「春興」。細く強い音色(ねいろ)が、交叉し、追いかけ合って、儚げに行き過ぎました。プログラム最後は、フォスター名曲集。明るく軽快な「おおスザンナ」。遥かな懐かしさが香る「故郷の人々」。哀しさを陽気に飾る「オールドブラックジョー」。愉快にノリノリで駆ける「草競馬」。亜米利加南部の調べを、メドレーで届けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「北国の春」と「ふるさと」。客席の歌声を誘い、にぎにぎしく終演となりました。
様々な和楽器とフルートの組み合わせで、古今東西の調べで楽しませてくれたこのコンサートが邦楽の普及に寄与することを願って、次の会場へと向かいました。

ANTI MUSIC LIVE IN JUNE

2017年6月20日(火) 19:00 NEXT21アトリウム ANTI MUSIC LIVE IN JUNE

1st set
 鎌田悠(haikarahakuti)による演奏1
 能勢山陽生による演奏1

2nd set
 鎌田悠(haikarahakuti)による演奏2
 能勢山陽生による演奏2

鎌田悠(haikarahakuti)
能勢山陽生(元DIESEL GUITAR)

弥彦神社に詣でて、弥彦山へ登山し、だいろの湯で汗を流した後、所用を済ませて、NEXT21アトリウムへ。開演20分前に到着。
感想は、「鳴り響くノイズに、最新の音楽を聴く喜びを頂く」です。
1st setは、haikarahakutiから。幼い声のシュプレヒコールが切り刻まれ、反戦のフレーズが繰り返される中、巨大な戦車が疾駆し、射撃の雨が激しく降り注ぎ、身を揺さぶる重い音圧が一杯に迫りました。さらに虚無を思わせる空間に磁気嵐が吹き荒れ、凶暴な叫びが耳を劈(つんざ)き、響きを様々に変容させて、いきなり立ち止まりました。続いてDIESEL GUITAR。鋼の霧が立ち上がり、上空へ舞い上がると、分身が左右へ棚引き、揺らめいて、ゆっくりと漂いました。しばらくして鐘が打ち鳴らされ、次第に分裂して、細分化し、絡み合って、幅広い帯になり、勢いを付けて走り出すと、見る見る光束を超えました。そして砂塵を散らし、穏やかに収まりました。
休憩を挟んで2nd setは、再びのhaikarahakuti。独裁者の演説が流れ、不気味に変質して、角張り、騒ぎ出し、爪を立てて、神経を逆なでました。知らぬ間に気柱が共振して、聴覚を満たし、棘を飾り付けて、言霊を包みました。そして次はDIESEL GUITAR。静かな錆が塗り込められた霞(かすみ)が描かれ、絨毯のような雲海に見え隠れする金属の鯨がその尾びれをはためかせて、悠々と泳ぎ去りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、未踏の地へ足を進める勇者たちを大いに讃えました。
最新のテクノロジーと鮮やかイマジネーションを駆使して、響きの最前線を作り上げる演奏者達に触れられたことに感動し、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

SanDoコンサート vol.78 美しき空想(ファンタジー)の世界へようこ

2017年6月17日(土) 15:00 朝日酒造エントランスホール SanDoコンサート vol.78 美しき空想(ファンタジー)の世界へようこそ

FANTASIA ~淑女たちはハモるのが好き in SanDoコンサート
第1部
 ヴァイオリン協奏曲 作品8「四季」より「春」/ヴィヴァルディ  いとうたつこ編
 主よ、人の望みの喜びよ/J.S.バッハ 麻生圭子 編
 ただ憧れを知る者のみが/ゲーテ 詞 チャイコフスキー 曲
 スペインのカンツォネッタ/ロッシーニ
 愛の神様、ようこそ/ペーシ 詞 チマーラ 曲
 埴生の宿/里見義 詞 ビショップ 曲 若林千春 編
第2部
オペラRemixⅡ!
「アイーダ」より 凱旋行進曲/ヴェルディ
「カルメン」より シャンソン・ポエーム/ビゼー
「ワルキューレ」より ワルキューレの騎行/ワーグナー
「ジャンニ・スキッキ」より わたしのお父さん/プッチーニ
「イーゴリ公」より ダッタン人の踊り/ボロディン
「タンホイザー」より 行進曲/ワーグナー
淑女セレクト
 聖母たちのララバイ/山川啓介 詞 木森敏之 曲
 時代/中島みゆき
 愛燦燦/小椋佳

石上朋美(S)
渡邊史(S)
向野由美子(Ms)
谷合千文(Pf)

Dr.可児から戻り、少し休憩してから、昼食を取って、高速を一路朝日酒造へ。開演40分前に到着。
感想は、「美しいハーモニーを歌う喜びを乗せて、全方向へ発信するパワーに幸福感を頂く」です。
まずはヴィヴァルディの「四季」より「春」をア・カペラのスキャット三重奏で。優しい風が、ふんわりと絹の手触りで流れ、忙(せわ)しく羽搏(はばた)く羽音(はおと)を伴って、軽やかに届けられました。続いてピアノが加わり、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。緩やかに寄せる波が重なり、また離れて、透き通った音色(ねいろ)を奏で、弾(はじ)ける泡を切り貼りして、声の浮雲を実らせました。次は3人が一人ずつソロで歌うコーナー。チャイコフスキーの「ただ憧れを知る者のみが」が、ゆったりと艶(つや)やかに、高みへと伸びあがって、艶(あで)やかに着地しました。2人目はロッシーニの「スペインのカンツォネッタ」。少し悲しげに駆け出し、明るさを取り戻して振舞い、徐々に加速して、勢いよく舞い上がりました。独奏最後はチマーラの「愛の神様、ようこそ」。夢見るように微睡(まどろ)み、穏やかにたっぷりと響かせて、憧れを慈(いつく)しみました。三重唱に戻って、若林千春編曲の「埴生の宿」。涼しげに声を合わせ、ところどころ、つかず離れず絡み合って、緑灰色(りょくはいしょく)に縁取(ふちど)り、再度綺麗に溶け合って、見事に収めました。
休憩を挟んで後半は歌劇の美味しいところを抜き出して歌う「オペラRemixⅡ」。輝かしく黄金(きん)の塊りを放射する「アイーダ」の「凱旋行進曲」。妖艶で生きいきと弾(はず)む「カルメン」の「シャンソン・ポエーム」。天翔(あまかけ)る鋼の翅(はね)を木霊(こだま)させ、炎の剣(つるぎ)を高々と振り翳(かざ)す「ワルキューレの騎行」。麗しく棚引き、美しく飾る「ジャンニ・スキッキ」の「わたしのお父さん」。ピアノ独奏で、煌(きら)めきを鏤(ちりば)める「イーゴリ公」の「ダッタン人の踊り」。調子よく勝鬨(かちどき)の声を上げ、栄光の誉れを大らかに誇(ほこ)る「タンホイザー」の「行進曲」。旋律を響かせ、伴奏を巧みに仕掛けて、場面を想起させ、歌う喜びを爆発させました。
一旦退場し、鳴りやまない拍手を受けて、舞台へ戻り、淑女セレクトへ。「聖母たちのララバイ」がじわじわと沁みるように癒し、「時代」で大切に包み込んで、希望の光を灯(とも)し、「愛燦燦」で安らぎを与えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「天使にラブ・ソングを」と思われるゴスペル調の曲で、手拍子も楽しく、盛り上がり、にぎにぎしく終演となりました。
好きな曲を持ち寄り、それを"ハモって"作り上げ、音楽の楽しさを身をもって体現する姿に感動を覚えて、快い気分で帰路のハンドルを握りました。

朝からクラシックコンサート

2017年6月17日(土) 10:00 Dr.可児 朝からクラシックコンサート

ジュ・トゥ・ヴ/サティ
ため息/リスト
ワルツ第6番 Op.64-1/ショパン
ワルツ第7番 Op.64-2/ 〃
道化師の朝の歌/ラヴェル

小林浩子(Pf)

朝食を取り、身支度をして、Dr.可児へ。開演30分前に到着。
感想は、「休日の朝に響く快いピアノを堪能する」です。
まずはサティの「ジュ・トゥ・ヴ」。甘く軽やかな回転木馬が廻り、しなやかに弾(はず)んで、冒頭を飾りました。続いてリストの「ため息」。流麗に溢れ出て、浪漫の薫りで味付けしました。次はショパンのワルツが2曲。「第6番」、所謂(いわゆる)「子犬のワルツ」が、急ぎ足で駆け出し、クルクルじゃれ合って、可愛げに転げました。一転「第7番」は、翳りを帯びた赤を装い、落ち着いて、時雨の粒を受け止めました。プログラム最後は、ラヴェルの「道化師の朝の歌」。暗い情熱が小刻みに燃え、火花が爆(は)ぜて、激しく踊ると、洞窟の奥に冷気が揺らめいて肌を刺し、再び焔(ほのお)が高く上がって、急停止しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはショパンの「雨だれ」。優しげな寂しさを湛えて、穏やかな終演となりました。
土曜日の朝の身体に残る程よい疲れと、少しばかりの眠気を爽やかに癒してくれるピアノの音色(ねいろ)に明日を生きる活力を頂いて、気分よく会場を後にしました。