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東京交響楽団第103回新潟定期演奏会

2017年10月29日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 東京交響楽団第103回新潟定期演奏会

ブロウ・ブライト/ビャルナソン
ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品77/ショスタコーヴィチ
 Ⅰ.ノクターン:モデラート
 Ⅱ.スケルツォ:アレグロ
 Ⅲ.パッサカリア:アンダンテ
 Ⅳ.プルレスカ:アレグロ・コン・ブリオ 
交響組曲「シェエラザード」 作品35/リムスキー=コルサコフ
 Ⅰ.海とシンドバットの船
 Ⅱ.カランダール王子の物語
 Ⅲ.若い王子と王女
 Ⅳ.バクダッドの祭り、海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲。

神尾真由子(Vn)
東京交響楽団
ダニエル・ビャルナソン(指揮)

仕事を早退して、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「冷徹でアツいヴァイオリンと百花繚乱の管弦楽に聞くことの幸せを噛み締める」です。
まずは本日の指揮者が作曲した日本初演の「ブロウ・ブライト」。樹々が呟き、鉱石が装飾して微細な跳躍を見せ、響きの化学反応を引き起こして、重金属の海がうねり、極北の大気を発光させて、囁きに回帰しました。続いてソリストが登場し、ショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」。微光の灰色で長く引き延ばし、無重力の質量で覆い被さり、大いなる大地が勢いを持ってせり上がって、張り詰めた静寂に消え去る「ノクターン」。冷ややかで身軽に跳ねまわり、諧謔と苦しみに裏打ちされた明るさで飛ばす「スケルツォ」。重々しく荘厳に歩み出だし、乾いた悲しみが痛みを伴って、ゆっくりとその姿を変え、枝葉を茂らせて、体組織を壮絶に脱皮・変態させ、蛹から成虫へと羽化する「パッサカリア」。俊足で駆け出し、凄まじい速度で刻み、内に秘めた熱源を一気に開放して、全景を焼き尽くす「プルレスカ」。素晴らしい名演で聴衆の心を鷲掴みにしました。
何回ものカーテンコールでも独奏者を讃える拍手が鳴り止まず、それに応えてのアンコールはパガニーニの「カプリス 第24番」。技巧の冴えを披露して、興奮を収めました。
休憩を挟んで後半はリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」。仰々しい物言いに、凛として対峙する冒頭から、大きく揺れる波頭の乗って航海を進め、凪(なぎ)の穏やかさに安らぎ、吹き渡る風を帆に受ける「海とシンドバットの船」。甘く切ない香りを漂わせ、ふんわりと羽毛を舞い散らると、突然の怒気が襲い掛かり、細かく散り散りに分岐し、方々へ拡散して、幾重にも重なり合う「カランダール王子の物語」。さっくりと柔らかな触感で満たし、優しい調べで癒すと、優雅で軽やかに舞い、流麗に円舞して、静々と退場する「若い王子と王女」。怒号を伴って飛び込み、切迫する速さで進軍し、楽しい時間を回想して、丁々発矢(ちょうちょうはっし)と鍔迫り合い(つばぜりあい)を行い、闘いの頂点を極めると、大波に巻き込まれ、運命に翻弄されて、暗礁に乗り上げ、海の藻屑となって、物語を締めくくる「バクダッドの祭り、海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲。」。絢爛たる絵巻を描き出し、鮮烈なる響きで圧倒して、聞くものを魅了しました。
沢山の称賛を喝采が贈られ、大いなる健闘を賛美して、にぎにぎしく終演となりました。
輝かしい独奏と管弦楽の快演に立ち会えたことに感動して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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サファリオーケストラ 2017 新潟演奏会

2017年10月28日(土) 19:00 新潟市音楽文化会館 サファリオーケストラ 2017 新潟演奏会

夜想曲 第2番 変ホ長調 作品 9-2/ショパン
 田中健太郎(Pf)
6つの前奏曲(序奏)とフーガより第1番 前奏曲 Adagioとフーガ/モーツァルト=バッハ
 岡田迪子(Vn) 左近允陽子(Va) 神尾美智子(Vc)
弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」第1楽章/ドヴォルザーク
 吉原雄一、岡田迪子(Vn) 真下陽子(Va) 佐藤結美(Vc)
弦楽四重奏曲 第2番 第3楽章/ボロディン
 戸井田てるみ、吉原雄一(Vn) 末千夏(Va) 芳山朋史(Vc)
弦楽六重奏曲 第1番 第1楽章/ブラームス
 岡田迪子、吉水宏太郎(Vn) 左近允陽子、金田綾子(Va) 小柳さゆり、神尾美智子(Vc)
ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調/バッハ
 厚母理恵(Vn) 田中健太郎(Pf) 
弦楽六重奏曲 第1番 第2楽章 弦楽合奏版/ブラームス 山田浩之 編
弦楽のためのシンフォニエッタ/幸松肇

サファリオーケストラ
前澤均(指揮)

仕事を終え、音楽文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「未知なる土地での挑戦をアツく、冷静に仕上げる姿に心を動かされる」です。
まずはピアノ独奏でショパンの「夜想曲 第2番」。優しい調べを、ゴツゴツとした岩肌で支え、キラキラと縁取って、幕開けを飾りました。続いて弦楽三重奏でバッハの原曲にモーツァルトが付け足してできた「6つの前奏曲(序奏)とフーガより第1番」。曇り空の切れ間」から差し込む温もりに、張り詰めた糸が光る「アダージョ」。乾いた悲しみが追いかけ、絡み合って、網目模様を織りなす「フーガ」。二人の作曲家の色合いを端正に映し出しました。次はドヴォルザークの「アメリカ」。朝焼けの薄明りを背に、極太の筆致で長閑(のどか)さを描き、草原のざわめきが揺れ、懐かしい歌をしみじみと伝えて、安らぎを与えました。さらにボロディンの「弦楽四重奏曲 第2番」からの第3楽章では、栗色の夢想がうっすらと漂い、高く低く重なり合って、ゆっくりと舞い降りました。前半最後はブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番」から第1楽章。漉し餡の味わいで揺らぎ、まったりと流れると、影が過(よぎ)り、熱き血を滾(たぎ)らせて、大海原を渡り、再び穏やかに消え入りました。
休憩を挟んで後半は弦楽合奏と鍵盤の通奏低音を背にバッハの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」。鬱蒼(うっそう)たる木立が風に靡(なび)く中、煌めきが抜け出し、大空を駆け巡り、森へと舞い降りる第1楽章。夏の日の平原に点在する茂みをすり抜ける艶やかな光がゆるりと揺蕩(たゆた)う第2楽章。降りしきる驟雨(しゅうう)の雲間を、低空で滑走し、勢いを持って駆け抜ける第3楽章。独奏と合奏体が一体となって、古雅な風景を描きました。続いて弦楽合奏に編曲されたブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番」から第2楽章。愁いの奏でを分厚く引き摺り、濃厚な切なさを塗り込めて、アツい想いを伝えました。プログラム最後は、作曲者同席の下(もと)演奏された幸松肇の「弦楽のためのシンフォニエッタ」。剣劇の喧噪を沸き立たせ、翳りを垣間見せて、ひた走る第1楽章。古い家並みの昼下がりの闇を映し、密やかに過ぎる第2楽章。土を蹴って駆け出し、体毛を毛羽立たせて、一心に突き進む第3楽章。清廉な味わいで、陰翳を照らしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。暖かく爽やかに奏でて、にぎにぎしく終演となりました。
遠路遥々東京よりこの地へ来訪し、溌剌たる熱気と生き生きとした希望を伝えて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路に付きました。 

報恩講コンサート

2017年10月27日(金) 19:00 浄徳寺 報恩講コンサート

愛の挨拶/エルガー
愛の喜び/クライスラー
魅惑のワルツ/マルケッティ
ハンガリー舞曲第5番/ブラームス
スラブ舞曲第2番/ドヴォルザーク
子守歌/ブラームス
小さい秋見つけた/中田喜直
川の流れのように/見岳章
ツィゴイネルワイゼン/サラサーテ

加藤礼子(Vn)
中村哲子(Pf)

仕事を終え、少し迷って、浄徳寺へ。浄土真宗の宗祖親鸞に対する報恩謝徳のために営まれる法要である"報恩講(お取越)"の一環としてのコンサートということで、本堂へ入るとしばらくして浄徳寺の住職様による御伝鈔拝読が始まりました。朗々と発せられる張りのある音声(おんじょう)に聞き入り、安寧を頂きました。
暫時(ざんじ)の休憩の後、出演者のお二人が登場し、コンサートへ。
感想は、「お寺の本堂で聞くたっぷりとしたヴァイオリンとしっかりと支えるピアノを楽しむ」です。
まずはエルガーの「愛の挨拶」から。艶やかに冴え渡り、甘やかに歌って、一気に聴衆を惹きつけました。続いてクライスラーの「愛の喜び」。明朗な響きが一陣の風に乗って吹き過ぎ、お洒落な薫りを撒き散らして、小粋に駆け抜けました。次は映画「昼下がりの情事」から「魅惑のワルツ」。まろやかで口当たりの良い練乳を蕩(とろ)かせ、柔らかな食感を届けました。ここで報恩講に因み、"恩"を大切にした作曲家ということで、ブラームスが選ばれ、「ハンガリー舞曲第5番」。濃厚な味わいから、緩急を付けて弾(はず)み、煌めく切れ味で揺らしました。さらにブラームスに恩を受けたドヴォルザークの「スラブ舞曲第2集 作品72」から「第2番」をクライスラーの編曲で。愁いの調べが秋の深まりを誘(さそ)い、胸に沁みる切なさを運んで、穏やかに消え去りました。気分を変えて日本の曲が2つ。「小さい秋見つけた」では、寂しさを温もりに交え、一歩ずつ階段を登って、光の糸を紡ぐと、美空ひばりの「川の流れのように」を低く呟(つぶや)き、希望を灯して、清流に飛沫(しぶき)を飛ばし、大らかに歌い上げました。プログラム最後はサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」。濃く太い筆致で、アツくたっぷりと綴り、そこここに華麗な飾りを施し、じっくりと練り上げると、一転急ぎ足で駆け出し、輝きを振り撒き、カッコよく飛ばして、スカッと仕上げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはブーランジェの「ノクチュルヌス」。しめやかに奏で、熱を冷ませて、穏やかに終演となりました。
この後、再度休憩を挟み、石川の自坊願慶寺の吉峯教範氏による"お説教"が行われ、浄土真宗のご法義の「聴聞」について、貴重な体験を交えた大切な講話が行われ、"今を大切に生きる"ことの重要さを痛感させて頂きました。
当日の午後に情報を入手し、何の予備知識もなく出掛けた催しでしたが、大きな実りを享受して、安らかな気持ちで帰りのハンドルを握りました。

新潟交響楽団第100回定期演奏会

2017年10月22日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 新潟交響楽団第100回定期演奏会

運命の歌/ブラームス  
交響曲第2番 ハ短調「復活」/マーラー  

澤江衣里(S)
福原寿美枝(A)
新潟交響楽団
「復活」記念合唱団
箕輪久夫(合唱指揮)
川嶋雄介(バンダ指揮)
伊藤翔(指揮)

新潟大学五十嵐キャンパスを出て、途中で昼食を取り、一旦帰宅してから、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「管弦楽(含むバンダ)、合唱、独唱が三位一体になった渾身の演奏に打たれる」です。
まずはブラームスの「運命の歌」。薄墨(うすずみ)の帷(とばり)が覆(おお)い、透き通る霞が棚引いて、穏やかに時が過ぎると、一転荒れ模様の天気が襲い、闇夜の翳りを纏(まと)って、やがて光差す安寧(あんねい)を取り戻りました。
休憩を挟んで後半は、マーラーの交響曲第2番「復活」。一瞬の羽音から、不器用に身体を起こし、武骨でいかつい鎧で武装し、重々しく歩き出すと、激しい力動を放ち、時化(しけ)の海に荒波を立て、蓮の花咲く野辺に、力尽きて倒れ込む第1楽章。春風駘蕩たる草原に舞い降り、紅の縁取(ふちど)りを添え、黄土色の大地を踏みしめて進む第2楽章。跋扈(ばっこ)する魑魅魍魎(ちみもうりょう)がぬめりながら行き交い、滑稽に跳ねまわって円舞し、黄金色(こがねいろ)の閃光が舞い散って、躓(つまず)きながら消え入る第3楽章。降り注ぐ慈愛の日差しが照らし、柔らかな器で象(かたど)る第4楽章。渦巻く嵐を切り裂き、鮮烈に映して、懸命にもがき、彼方に聳(そび)える木霊(こだま)を聞き、来るべきものを迎える儀式を整えると、耀ける息吹が降臨し、光の依代(よりしろ)を高く掲(かか)げて、祈りを届け、少しく逡巡して、力強く咆哮し、大いなる結末を勝ち取る第5楽章。技を尽くし、持てる力を全て解き放って、感動の炎を燃え上がらせました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしい成果と、演奏者たちの健闘を称えました。
第100回という節目で、このような喜び満ちた演奏を聞けたことに満足して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

新潟大学管弦楽団アンサンブル発表

2017年10月22日(日) 11:15 新潟大学五十嵐キャンパス 教育学部棟204 新潟大学管弦楽団アンサンブル発表

1.木管と弦のためのバルス
  オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン
   秋のメドレー
   天空の城ラピュタメドレー
2.トリオ断酒
  オーボエ、クラリネット、ファゴット   
   トリオのための5つの小品より1,2,5/イベール
3.ダブルリードトリオ
  オーボエ、ファゴット
   ディヴェルティメント No.4より Ⅰ,Ⅳ/モーツァルト
4.アンサンブルおじさん
  チェロ、コントラバス
   チェロとコントラバスのための二重奏曲/ロッシーニ

ゆっくりとした休日の朝を過ごし、身支度をして、新潟大学五十嵐キャンパスへ。開演40分前に到着。
感想は、「‎飾らない、真摯なるアンサンブルを楽しむ」です。
まずはヴァイオリン3本とオーボエ、ファゴットでの演奏から。「秋のメドレー」ということで、「ちいさい秋みつけた」を寂しさを塗(まぶ)してほっこりと、「もみじ」を夕日の赤に温(ぬく)もりを添えて、「虫のこえ」ではコミカルにお道化(どけ)て、締めは「里の秋」でゆったりと郷愁を誘(さそ)いました。2曲目は「天空の城ラピュタメドレー」。切なさを運び、勇ましく鼓舞し、駆け出して戦い、優しく包みました。
次はオーボエ、クラリネット、ファゴットのトリオ・ダンシュの編成でイベールの「トリオのための5つの小品」より1,2,5楽章を抜粋で。軽やかに光り、少し角張って弾(はず)むアレグロ。息長く棚引く3つの筋雲が重なり、乾いた悲しみを映すアンダンティーノ。忙(せわ)しく足踏みし、渦巻く気流を従えて走るフィナーレ。仏蘭西の才気を伝えました。
クラリネットともう一人のオーボエが入れ替わり、モーツァルトの「ディヴェルティメント」より第1、4楽章。爽やかに風を起こし、明朗で溌剌とした息吹を聞かせるアレグロ。足早に進み、麗しき音色(ねいろ)で駆け抜けるロンド。澳地利の粋を奏でました。
最後はロッシーニの「チェロとコントラバスのための二重奏曲」。軽快に飛ばし、柔毛を絡め、急ぐと思えば、ゆとりを持って徘徊し、じゃれ合いながらも、快活に歩みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが嬉々とした調子で届けられ、にぎにぎしく終演となりました。
学園祭の出し物としてのコンサートでしたが、賑やかな周りの雰囲気を感じつつ、誠実で懸命な演奏が聞けたことに満足して、次の会場へと向かいました。

トリオ・ペンナ 第六回演奏会 トリオ・ソナタの愉しみ Ⅵ

2017年10月20日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA トリオ・ペンナ 第六回演奏会 トリオ・ソナタの愉しみ Ⅵ

トリオソナタ ト短調 op.4-2/レグナンツィ
 Adagio~(Allegro)~Adagio~Allegro
トリオソナタ ニ短調 op.2-1/カルダーラ
 Preludio~Alemanda~Corrente~Giga
組曲第3番 ハ短調/レイエ
 Allemande~Corrente~Sarabande~Aria~Menuet~Giga
トリオソナタ ト短調 op.2-5/ 〃
 Vivace~Allegro~Largo~Allegro
2つのヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 Op.3-4/ルクレール
 Allegro assai~Aria gratioso~Giga
シャコンヌ ホ短調 BuxWV 160(オルガンのための)/ブクステフーデ
トリオソナタ ニ長調 FaWV N:D4/ファッシュ
 Andante~Allegro~Affettuoso~Allegro

トリオ・ペンナ
 廣川抄子、佐々木友子(Vn)
 笠原恒則(Cemb)

仕事を終え、新潟市民芸術文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「妙なる弦と精妙なるチェンバロの奏でに酔う」です。
まずはレグナンツィの「トリオソナタ」。ゆったりと艶(つや)やかに引き伸ばされ、ふんわりと香り、ちょっとだけ急いで、ふっと緩め、ときめきを揺らしました。続いてカルダーラの「トリオソナタ」では、光を放ち、悲しみを照らしすプレリューディオ。陽炎(かげろう)が揺らぎ、急ぎ足で行き過ぎるアレマンダ。柔らかに刻むコレンテ。跳ねるように舞うジーガ。生きいきとした鼓動を伝えました。次はチェンバロの独奏でレイエの「組曲第3番」。甘やかに煌めきを綴り、爽やかな時雨(しぐれ)を降らせ、優しく銀糸(ぎんし)を編んで、細やかな網目を張り、穏やかに歌い、足早に連射して、宙空を滑走しました。前半最後は同じ作曲家の「トリオ・ソナタ」。古風な装いで愉しげに響きを交わすヴィヴァーチェ。まろやかに翳りを宿すアレグロ。夏の木陰の涼しさを誘(さそ)うラルゴ。ひらひらと薄衣(うすぎぬ)を羽搏(はばた)かせ、絶妙の間合いで切り結ぶフィナーレ。快い喜びを解き放ちました。
休憩を挟んで後半はルクレールの「2つのヴァイオリンのためのソナタ」から。ひんやりとした肌触りを、暖かい羽毛で包み、水飛沫(みずしぶき)を上げるアレグロ・アッサイ。ゆるりとした秋の午後の日差しの温もりを伝えるアリア・グラツィオーソ。耀きを放ち、とろりとした波立ちを誘(さそ)うジーガ。芳醇な音色(ねいろ)で聴衆を魅了しました。続いてヴァイオリン、ヴィオラとチェンバロによるブクステフーデの「シャコンヌ」。愁いの表情で話し始め、栗色の衣装を纏(まと)って、次第に燃え上がり、アツい想いで駆け抜けました。プログラム最後はファッシュの「トリオ・ソナタ」。眩しい陽光で記(しる)し、張りのある糸を巡らせるアンダンテ。輝きを瞬(またた)かせ、忙(せわ)しげに階段を駆け上がるアレグロ。悲しみに裏打ちされた微睡(まどろみ)を映すアフェットゥオーソ。スイスイと遊泳し、ジャブジャブと掻きまわして、明るさを振りまくフィナーレ。軽やかに飛び立って、快晴の空に航跡を残しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはポルポラの「トリオ・ソナタ」から第1楽章。湿り気を帯びた美しさで飾り、しっとりとした終演となりました。
様々なトリオ・ソナタを追求するこのシリーズは、未知なる名曲との邂逅を齎(もたら)し、音楽の新たなる魅力を伝えてくれる貴重な機会であり、素晴らしい演奏でそれを実現して頂けることに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

西新潟中央病院ロビーコンサート(第87回)

2017年10月18日(水) 14:30 西新潟中央病院 西新潟中央病院ロビーコンサート(第87回)

ホール・ニュー・ワールド/メンケン
川の流れのように/見岳章
リベルタンゴ/ピアソラ
愛の挨拶/エルガー
タイスの瞑想曲/マスネ
情熱大陸/葉加瀬太郎

石本多加子(Vn)
斉藤晴海(Pf)

ゆったりとした休日の午前を過ごし、昼食を取り、日曜日の予習をしてから、西新潟中央病院へ。開演10分前に到着。
感想は、「溌剌とした音楽の発現を楽しむ」です。
まずはディズニーの"アラジン"から「ホール・ニュー・ワールド」。煌めきが弾(はじ)け、まろやかなうねりが絡み合って、優しい歌を奏でました。続いて美空ひばりの「川の流れのように」。落ち着いた装いで、まったりと豊かな実りを映し、じんわりと胸に迫りました。次はピアソラの「リベルタンゴ」。打ち寄せる波頭が渦巻き、愁いに勢いを乗せて、アツく舞い踊りました。ここでクラシックから2曲。エルガーの「愛の挨拶」が、甘やかに揺らぎ、快く蕩(とろ)けました。さらにマスネの「タイスの瞑想曲」になると、清らかに綴り、ふんわりと味を付けて、聴衆を魅了しました。プログラム最後は葉加瀬太郎の「情熱大陸」。清冽に立ち上がり、力強く攻め上がり、潔く風を切って、グイグイ飛ばしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしいパフォーマンスを讃えました。
息の合った演奏が、入院患者さんや他の聴衆を楽しませ、気分のひとときを過ごせたことに安堵して、帰りのハンドルを握りました。

田中弦楽アンサンブル第23回演奏会

2017年10月14日(土) 18:00 だいしホール 田中弦楽アンサンブル第23回演奏会

弦楽四重奏曲 第4番 ハ長調 K.157/モーツァルト
 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 アンダンテ
 第3楽章 プレスト
  田中久生、松村牧子(Vn)
  田中多惠(Va)
  安倍信之介(Vc)
弦楽三重奏曲ニ長調 Op.8 「セレナード」/ベートーヴェン
 行進曲 アレグロ
 第1楽章 アダージョ
 第2楽章 メヌエット、アレグレット
 第3楽章 アダージョースケルツォ、アレグロ・モルト
 第4楽章 アレグレット・アラ・ポラッカ
 第5楽章 アンダンテ・クアジ・アレグレット
 行進曲 アレグロ
  田中久生(Vn)
  田中多惠(Va)
  安倍信之介(Vc)
弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 Op.18/ブラームス
 第1楽章 アレグロ、マ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アンダンテ、マ・モデラート
 第3楽章 スケルツォ、アレグロ・モルト
 第4楽章 ロンド、ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ
  田中久生、松村牧子(Vn)
  田中多惠、竹内由木子(Va)
  安倍信之介、阿部佐和子(Vc)

音楽文化会館を出て、コンチェルトさんへ寄り、CDとチケットを買って、だいしホールへ。開演30分前に到着。
感想は、「むせ返るような弦楽の豊穣に酔いしれる」です。
まずはモーツァルトの「弦楽四重奏曲 第4番」。明るく、軽やかで、爽やかに流れ、しかも強靭な筋肉を垣間見せるアレグロ。悲しみを内包した甘やかさで綴るアンダンテ。翳りを帯びながらも、生きいきと快活に弾むプレスト。天賦の才で書かれた筆致を見事に再現しました。続いてベートーヴェンの「弦楽三重奏曲『セレナード』」。軽快で、ちょっと忙しげに「行進曲」を刻むと、ゆるりと動き出し、三本の糸が絡み合い、耀きを見せる第1楽章。弾(はず)むように奏で、端正に筆を進める第2楽章。濃く影を宿し、絞る様に刻む第3楽章。しっかりと鮮やかに描き、鋭い棘(とげ)で威嚇する第4楽章。長閑(のどか)で素直な爽やかさを薫らせる第5楽章。速足で、歩数を稼ぐ「行進曲」。見事な至芸で締め括り、トリオの妙を見せました。
休憩を挟んで後半は、ブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番」。暖かで豊かな奔流が溢れ出し、時に音数を絞って、涼やかに抜け出し、再び芳醇な薫りで満たすアレグロ。甘やかな愁いで癒し、深く低く漕ぎ出し、清涼な風を吹かせて、幾重にも雲海を重ねるアンダンテ。秋の日の晴れやかさを描き、枯葉舞うさざめきを映すスケルツォ。白光(びゃっこう)と栗色の奏でが対比され、潤いが満ち満ちて、充実の響きで駆け抜けるロンド。分厚く、しかも肥沃な響きの塊りが、入り乱れ、追いかけ合い、濃厚に混ざり合って、快い体感を齎(もたら)しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしい成果を大いに讃えました。
このようなハイレベルのコンサートが営々と続けられ、新潟の音楽文化向上を支えていることに感動して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

洋楽の夕べ ジョイントリサイタル

2017年10月14日(土) 14:30 新潟市音楽文化会館 洋楽の夕べ ジョイントリサイタル

サキソフォン協奏曲 Op.26A/クレストン
 第1楽章 Enagetic
 第2楽章 Meditative
 第3楽章 Rhythmic
  五十嵐文(Sax)
  練形美香(Pf)
巡礼の年 第一年<スイス>より/リスト
 オーベルマンの谷
 牧歌(エグローグ)
 郷愁
 ジュネーブの鐘
  品田真彦(Pf)
お菓子と娘/西條八十 詞 橋本國彦 曲
薊の花/北原白秋 詞 橋本國彦 曲
瞳/薩摩忠 詞 小林秀雄 曲
演奏会用アリア「すてきな春に」/峯陽 詞 小林秀雄 曲
オペラ「つばめ」より「ドレッタの美しい夢」/プッチーニ
 滝沢すみれ(S)
 廣木真知子(Pf)
2つのスケッチ/ボザ
歌劇「ルスランとミュドミラ」序曲/グリンカ
 メール・ネージュ&Flute Duo Prfait
  明間奈々江、市橋靖子(Fl)、平松文子(Fl&A.Fl)、本間千鶴子(Fl&B.Fl)
ウエストサイドストーリーより「シンフォンック・ダンス」/バーンスタイン
 1.プロローグ
 2.何処かで
 3.スケルツォ
 4.マンボ
 5.チャチャ
 6.出会いの場面
 7.クール
 8.乱闘
 9.フィナーレ
  アンサンブル・カプリチオ
   石井玲子、斎藤美和子(Pf) 本間美恵子、大越様玲子(Per)

10km走って、昼食を取り、少し休憩してから、音楽文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「様々な独奏やアンサンブルに演奏の喜びを頂く」です。
まずはピアノ伴奏でクレストンの「サキソフォン協奏曲」から。迫りくる戦慄が走り、樹脂のごとき柔らかさで描き、大海原を吹き抜けて、鮮やかに旋回するエナジェティック。凪(なぎ)の昼下がりに、緩やかな航跡(こうせき)を残し、はらりと抜け落ちて、細く長くうねるメディテイティブ。勢いよく跳ね、さらりと滑走して、ごりごりと荒波に揉まれるリズミック。滑らかな息吹で、関門を超えました。
続いてピアノ独奏でリストの「巡礼の年 第一年<スイス>」より4曲。穏やかに歩み出し、仄(ほの)かな灯りで照らし、手早く水面を掻きまわし、優しく光らして、憧れを拡げる「オーベルマンの谷」。秋色に染め、晴れやかに開(ひら)ける「牧歌」。静かに振舞い、ゆっくりと歩を進め、やがて足早に駆け出して、色調を重ねる「郷愁」。美しく水が湧き出(い)でて、煌びやかに燃え上がり、耀きながら収束する「ジュネーブの鐘」。抒情の隙間に技を忍び込ませて、作曲者の想いを綴りました。
前半最後はソプラノの独唱。湿り気のある可愛さで遊ぶ「お菓子と娘」。ゆったりと、寂しさを綺麗な布で包む「薊(あざみ)の花」。打ち寄せる抒情を映し、迫りくる風雨を記(しる)す「瞳」。陽だまりの明るさで支え、喜びを胸に弾(はず)む「すてきな春に」。日本歌曲を表情豊かに仕上げると、プッチーニの「ドレッタの美しい夢」を俯(うつむ)いて口籠(くちごも)り、歓喜の炎を放射して、聴衆を魅了しました。
休憩を挟んで後半はフルート四重奏が2曲。ボザの「2つのスケッチ」ではうっすらと霞(かずみ)立たせ、灰色の水滴で飾り、幾重にも雲海を連ねて、光の帯を映しました。さらにグリンカの「歌劇『ルスランとミュドミラ』序曲」になると、軽々と跳びはね、忙しく駆け抜けて、高速の軌道をすり抜けました。
そして最後は2台ピアノと打楽器のアンサンブルによるバーンスタインの「ウエストサイドストーリー」より「シンフォンック・ダンス」。都会の洗練を漂わせ、冷ややかに忍び寄り、激しく破裂して、快感を誘(さそ)うと、ゆっくりと月光を輝かせ、可愛く鼓動を伝え、沸き立つリズムを叫びました。さらに愛らしく小走りし、黒い煌めきでお洒落に響かせ、細やかに刻み、幾ばくかの不安を煽って、迫力ある対立を描き、左右に入り乱れて、急停止しました。やがて穏やかに囁いて、夜の静寂(しじま)に消え入りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、現代的でカッコいいパフォーマンスを湛えました。
新潟の一線で活躍される方々が一堂に会し、その腕前と音楽性を発揮する催しが半世紀近くも続いていることに喜びを感じて、快い気分で、次の会場へと向かいました。

Aki Rissanen Solo

2017年10月11日(水) 20:00 JAZZ Flash Aki Rissanen Solo

1. amorandom
2. for Jimmy giuffre
3. adventures in Moominland
4. signettes
5. all the things you are (standard)
6. Ligeti Etude No 5
7. pulsar

※曲目は主催者様のご厚意により入手致しました

Aki Rissanen(Pf)

蔵織より一旦帰宅し、ブログを上げ、夕食を取ってから、JAZZ Flashへ。開演30分前に到着。
感想は、「骨太で繊細なピアノの奏でる新しき可能性を楽しむ」です。
1曲目は「amorandom」。張り詰めた水面をゆっくりと不規則に掻き回し、散乱する鏡の破片に光を乱反射させ、氷の塊に凝縮して、穏やかに収め、静々と着地させました。続いての「for Jimmy giuffre」は、明るく軽快に弾み、やがて硬い岩肌の雲海を形成し、擦(こす)れ合って、熱を帯びました。次の「adventures in Moominland 」では、無邪気に跳ねまわり、柔らかに広がって、安らかに降り立ちました。4曲目の「signettes」はクリアな響きで幕を開け、抜けるような透明さを鳴らして、角ばって円舞しました。さらにスタンダード・ナンバーの「all the things you are 」になると、細やかに刻み、高みから飛び降りて、異形なモザイクを組み上げました。Ligetiの 「Etude No 5」では、クラシカルに譜面を見て、透き通る羽毛を浮かべ、比重を上げて、弾丸を打ち込み、声音(こわね)を上下させて、足早に駆け抜けました。セットリスト最後は「pulsar」。軽やかに歩み出し、ゴリゴリと押し上げ、彼方で分解して、ふっと立ち止まりました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「blind desert」。楽しげな印象を届けて、にぎにぎしく終演となりました。
ジャズをベースにアヴァンギャルドな彩りも取り揃えて、北欧よりの風を吹かせて頂いたことに感謝して、高揚した気持ちを胸に家路を急ぎました。