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TOKI弦楽四重奏団2018 15周年記念コンサート

2018年7月30日(月) 19:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール TOKI弦楽四重奏団2018 15周年記念コンサート

弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K.458 「狩」/モーツァルト
 Ⅰ.Allegro vivace assai
 Ⅱ.Menuetto Moderato
 Ⅲ.Adagio
 Ⅳ.Allegro assai
弦楽六重奏曲 変ロ長調/ドホナーニ
 Ⅰ.Allegro ma tranquillo
 Ⅱ.Scherzo
 Ⅲ.Adagio quasi Andante
 Ⅳ.Finale animato
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34/ブラームス
 Ⅰ.Allegro non troppo
 Ⅱ.Andante,un poco adagio
 Ⅲ.Scherzo:Allegro
 Ⅳ.Finale:poco sostenuto-Allegro non troppo-presto

TOKI弦楽四重奏団
 岩谷祐之、平山真紀子(Vn)
 鈴木康浩(Va)
 上森祥平(Vc)
平山有紀子(Pf)
小熊佐絵子(Va)
福富祥子(Vc)

みなとトンネルを4往復走り、昼食を摂って、少し休憩し、所要を足して、早目の夕食の後、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「弦楽とピアノの織り成す、響きの豊穣を楽しむ」です。
まずはモーツァルトの「弦楽四重奏曲 第17番『狩』」から。羽毛の軽さで弾(はず)み、滑らかで繊細に認(したた)めて、時に緩やかな実りを届けるアレグロ。柔らかでまろやかに糸を紡ぎ、細やかに小躍りして刻むメヌエット。ゆったりと灯りを点し、ふと過(よ)ぎる翳りを映して、葡萄酒の味わいを残し、光の帯を繋ぐアダージョ。軽快に走り出し、我先に獲物を追い詰め、生きいきと競い合う2度目のアレグロ。極上の舌触りで、軽やかに仕上げました。続いてドホナーニの「弦楽六重奏曲」。爽やかな波立ちが広がり、朝靄(あさもや)が沸き立って、その中から輝きが抜け出し、大海の上を滑走する第1楽章。さやさやとそよぎ、まったりと練り上げて、小さな泡立ちで飾り、たっぷりと歌う第2楽章。甘やかな雲海を厚く引き伸ばし、高く低く幾重にも重なって、響きの均衡を見せる第3楽章。活力を持って歩み、旋律の襷(たすき)を繋いで、なだらかに滑空し、頂きへ昇る第4楽章。豊かな纏(まと)まりが、暖かく拡がって、快い波動で包みました。
休憩を挟んで後半はブラームスの「ピアノ五重奏曲」。憂鬱そうに語り出し、突如切迫した面持ちで駆け出して、不安げに大きく揺さぶり、青春の熱い滾(たぎ)りを、悲壮感と共に訴えるアレグロ。穏やかに、明るさを伴った寂しさを綴り、優しさを含んだ心の揺らぎを静かに呟くアンダンテ。忍び足で近づき、せっかちに追い上げて、高々と旗を振り、次々と捲(まく)し立てて、光明を呼び込み、裏返しの喜びを顕(あらわ)するスケルツォ。冬の道を木枯らしが巻き上げ、悲しみで駆け抜けて、躁鬱を繰り返し、凍(い)てつくような厳しさを膨らませて、入り乱れて争い、気合を込めて切り結ぶフィナーレ。思い詰めたように激情を吐露し、時に安らぎを求めて、真剣勝負を極めました。
解除からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは弦楽四重奏での「ふるさと」。柔らかく艶やかに奏でて、しっとりとした終演となりました。
15年の長き月日を超え、素晴らしい音楽の贈り物を届けて頂いていることに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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バロエン クラリネットとチェンバロで楽しむ古楽と演歌

2018年7月21日(土) 14:00 ギャラリー蔵織 バロエン クラリネットとチェンバロで楽しむ古楽と演歌

バロック編
 クラヴサン組曲より/フィオッコ
  アダージョ~アレグロ
 テオルボ組曲より/ヴィセ
  アルマンド~クラント~ガヴォット~シャコンヌ~マスカレード
 もし音楽が恋の糧ならば/パーセル
 ぼくは見た、あのひとが泣くのを/ダウランド
 リコーダーソナタ ヘ長調/マルチェッロ
  アダージョ~アレグロ~ラルゴ~アレグロ
演歌編
 蘇州夜曲/服部良一
 おゆき/弦哲也
 また君に恋してる/森正明
 つぐない/三木たかし
 初恋列車/北野明
 天城越え/弦哲也

伊奈るり子(Cl、歌)
笠原恒則(Cemb)

みなとトンネルを4往復走り、昼食を摂って、少し休憩してから、ギャラリー蔵織へ。開演30分前に到着。
感想は、「欧州の古(いにしえ)の響きと、本邦の昭和歌謡を一度に楽しめる機会を喜ぶ」です。
前半は"バロック編"。まずはクラリネットとチェンバロで、フィオッコの「クラヴサン組曲」より。豊かなざわめきに乗って、ゆっくりとふくよかに認(したた)めるアダージョ。草萌ゆる野原の上を、可憐に小躍りし、高みから駆け降りるアレグロ。軽やかに冒頭を飾りました。続いてチェンバロ独奏でヴィセの「テオルボ組曲」より。涼やかに五月雨(さみだれ)を降らすアルマンド。甘やかな翳りを弾(はず)ませるクラント。十重二十重(とえはたえ)に銀の刺繍を編み上げるガヴォット。細やかな悲しみを網掛けするシャコンヌ。軽快ながら果敢に立ち向かい、勝ち名乗りを上げるマスカレード。繊細で鮮烈なひとときを届けました。クラリネットが戻り、英国のアリアが2曲。ゆっくりとまろやかに、哀しみの影がはためくパーセルの「もし音楽が恋の糧ならば」。深い悲哀を映し、穏やかに佇(たたず)むダウランドの「ぼくは見た、あのひとが泣くのを」。慎み深く、落ち着いた薫りを漂わせました。前半最後はマルチェッロの「リコーダーソナタ」。灯りを点(とも)し、陰影を浮かび上がらせるアダージョ。楽しげに行進し、快活に廻るアレグロ。大らかに揺れる波を背に、光の帯が闇を貫くラルゴ。駆け足で過ぎ去り、愉悦を手渡す2度目のアレグロ。晴れやかな陽光を運びました。
休憩を挟んで後半は"演歌編"。まずは李香蘭の「蘇州夜曲」。悠久の山河に舞う鳥を想い、雨水(うすい)を集めて流れる潺(せせらぎ)を切望して、柔らかに奏でました。続いて鍵盤独奏で内藤国雄の「おゆき」。切なく銀糸で縫い上げ、旨味(うまみ)を含む捻(ひね)りを混ぜ合わせて、願いを繋(つな)ぎました。次は二重奏に戻り、坂本冬美の「また君に恋してる」。寂しさで彩り、憧れを塗り込めて、味わい深く、胸に迫りました。さらに歌と楽器で楽しませたテレサテンの「つぐない」では、連綿と想いを綴り、しっとりと切なさを描きました。三度(みたび)のチェンバロ・ソロで届けられたのは、氷川きよしの「初恋列車」。粉雪が舞い散り、サクサクと掻き分けて、明るく仕上げました。プログラム最後は石川さゆりの「天城越え」。控え目に歩み出し、徐々に熱を帯びて、高々と駆け上がり、もの悲しさでいっぱいに満たしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは『カノエン』。パッヘルベルの「カノン」に乗せて、様々な演歌のフレーズを挟んで、楽しませる趣向で、にぎにぎしく終演となりました。
時代を隔てた楽器の組み合わせを面白く、楽しく聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に付きました。

西新潟中央病院ロビーコンサート(第94回)

2018年7月18日(水) 14:30 西新潟中央病院外来ロビー 西新潟中央病院ロビーコンサート(第94回)

1.メヌエット(組曲「アルルの女」より)/ビゼー
2.ポロネーズ・パディヌリ(管弦楽組曲第2番より)/J.S.バッハ
3.小舟にて/ドビュッシー
4.美しきロスマリン/クライスラー
5.セレナーデ/ウッダール
6.浜辺の歌/成田為三

中林恭子(Fl)
髙橋雅代(Pf)

りゅーと大橋を1周走って、所要を足し、昼食を摂って、一旦帰宅し、少し休憩してから、西新潟中央病院へ。開演15分前に到着。
感想は、「フルートとピアノの優雅な調べに耳を傾ける」です。
まずはビゼーの「アルルの女」より「メヌエット」。甘やかに香り、柔らかに歌って、暖かな春風を吹かせました。続いてバッハの「管弦楽組曲第2番」より2曲。毅然とした面立ちで、悲しみと立ち向かい、まろやかに、曲がりくねった道を通り抜ける「ポロネーズ」。つま先立ちで、先を急ぎ、翳りを纏(まと)って疾走する「パディヌリ」。凛とした表情で、輝きを映しました。次はドビュッシーの「小組曲」より「小舟にて」。微睡(まどろ)みながら、緩やかな波間を涼やかに吹き過ぎ、時々起こる波紋に、微笑みを交わしました。ここでヴァイオリンの小品から、クライスラーの「美しきロスマリン」。軽やかに舞い、朗(ほが)らかに弾(はず)みました。さらにウッダールの「セレナーデ」では、長閑(のどか)な昼下がりに漂う和らぎを奏で、細やかに囀(さえず)って、優しいひとときを届けました。プログラム最後は成田為三の「浜辺の歌」。穏やかに打ち寄せる波に乗って、淡い切なさを揺蕩(たゆた)わせ、幾千の羽衣を靡(なび)かせて、高く駆け上がり、華麗に舞い踊り、緩やかに降下しました。
客席からは大きな拍手が贈られ、優しさに満ちたプレゼントへの返礼を伝えました。
灼ける様な暑さの午後に爽やかな演奏が届けられたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。

演劇公演「14歳の国」

2018年7月14日(土) 18:00 新潟市江南区文化会館 演劇公演「14歳の国」

14歳の国 作 宮沢章夫 演出 大作綾

CAST
 横山剛史
 和田淳也
 風間健太
 吉田恵理
 大作綾

みなとトンネルを4往復して、昼食を摂り、少し休憩をして、所要を足してから、バイパスを一路江南区文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「日常に潜む様々な歪(ひず)みを顕微鏡で腑分けする舞台を鑑賞する」です。
以下はネタバレの可能性を含みますので、少し空間を開けてから記述いたします。
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学校のチャイムが鳴り、観劇の注意事項を説明するところから、すでに物語の導入部となっており、2ベルのチャイムから舞台がスタート。並べられた教室の机と椅子。なにげなく置かれた生徒の私物が置かれたところへ、主人公たちが登場。持ち物検査を行う設定で、登場人物たちが動き始めました。たわいない会話から、口論や軽いいさかいが起こり、個人の性癖までもが暴かれ、見えない影に怯(おび)え、小さな発見が成され、得体の知れないものに掻き回されて、その日の検査は終了。舞台暗転の後、日を置いて、再び成される捜索の場面へ。しだいに平凡な日常に潜むいろいろな闇を暴き出し、その頂点で悲劇へと駆け上り、場を凍り付かせて、幕引きへとなだれ込みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えるように激しい音楽に乗って、ダンスをしながらのカーテンコールが行われ、にぎにぎしく終演となりました。
毎日の暮らしの一部が、コミカルでグロテスクに変幻し、人間の内面をさらけ出して、その存在を問いかける物語を、鮮烈に描き出して頂いたことに感動して、喜ばしくも、少し複雑な気分で、会場を後にしました。

風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第2回

2018年7月13日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第2回

ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023/J.S.バッハ
 (無題)
 Adagio ma non tanto
 Allemande
 Gigue
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 BWV1006/ 〃
 Preludio
 Loure
 Gavotte en Rondeau
 Menuet Ⅰ,Ⅱ
 Bouree
 Gigue
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 BWV1003/ 〃
 Grave
 Fuga
 Andante
 Allegro
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番 BWV1017/ 〃
 Largo
 Allegro
 Adagio
 Allegro

風岡優(Vn)
八百板正己(Cemb)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「孤高なるヴァイオリンの響きに心揺さぶられる」です。
まずは「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」から。急ぎ足で斜面を滑走し、涼やかに流れ去る(無題)。厳粛に襟を正して、悲しみを深く刻み、まろやかさを金網で囲(かこ)うアダージョ。締め付けるような暗さを背負い、一旦は明るさを取り戻すも、滔々(とうとう)と隘路(あいろ)を掻い潜って、哀惜(あいせき)の影を纏(まと)うアルマンド。細く長い流線形を描き、緩やかに波打って、遅く早く、谷間へと収束するジーグ。物語の序章を鮮やかに記(しる)しました。続いて「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番」。怜悧(れいり)な波動が幾重(いくえ)にも重なり、厚く鍔(つば)を広げ、鋭く切っ先を光らせて、稲妻の俊足で駆け抜けるプレリュード。儚(はかな)くも強い筆跡を残し、ゆっくりと艶やかに光の帯を伸ばすルール。翳りのある喜びで舞い、我先に競い合い、地面すれすれに舞い降りて、再び高みへ駆け上がるロンド形式によるガボット。二重(ふたえ)の灯火(ともしび)を塗り分け、いぶし銀に染めるメヌエットⅠ、飴色(あめいろ)の足取りで細やかに歩み、風通し良く、鋭角に縁取るメヌエットⅡ。澱(よど)み無く流れ出し、速き流速で擦り抜けるブーレ。要所要所で膨らみを入れ、一目散に走り出すジーグ。高き頂きへと磨き上げられた舞踊達を、渾身の技で具現化しました。
休憩を挟んで後半は、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番」から。はらりと水滴が散り、胸に迫る哀しみが代わる代わる押し寄せて、彼方へ続く細道を巡るグラーヴェ。九十九折(つづらおり)の坂道を、鮮明な生き生きとした陰影で彩り、乾燥した潤いで、生命(いのち)の血流を隅々へと送り出すフーガ。穏やかな春の暖かさを、柔らかく、サクッとした触感で仕上げ、かっちりとした優しさを、安らかに揺蕩(たゆた)わせるアンダンテ。襲い掛かる疾風に立ち向かい、絡み付く塵芥(ちりあくた)を払い除けて、勢い良く快活に弾(はず)むアレグロ。緩急を自在に操(あやつ)り、秘められた感情をはっきりと明示して、作品の真の価値を聴衆へ届けました。プログラム最後は「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番」。深々(しんしん)と降り積もる粉雪を背に、神秘的な香りを漂わせ、抑えた甘やかさで、ゆるりと湧き立たせ、安らかに窓辺で揺れるラルゴ。繊細な布地を編み込み、なだらかな斜面をカーブを描いて滑り降り、旋回の振幅を大きく広げるアレグロ。しとしとと降り続く霧雨の中、速度を落とし、柔和な味わいで、波間に揺れるアダージョ。加速する哀しみが網目を抜けて染み出し、まろやかに爆(は)ぜて、早瀬(はやせ)で渦を巻き、滑らかに跳ねる2度目のアレグロ。落ち着いた優しさで、対話を交わしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。独奏ヴァイオリンで、「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番」より、「シャコンヌ」のサワリを一くさり、そして「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第3番」より第3楽章。爽やかに奏でて、にぎにぎしく終演となりました。
今までのキャリアに裏打ちされた高い音楽性を十二分に発揮して届けられたこのリサイタルが、聞くものの心を鷲掴みにして、素晴らしい成果を上げたことに感動して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

東京交響楽団第108回新潟定期演奏会

2018年7月8日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 東京交響楽団第108回新潟定期演奏会

レクイエム/ヴェルディ
 Ⅰ レクイエム
 Ⅱ 怒りの日
 Ⅲ オッフェルトリオ(奉納唱)
 Ⅳ サンクトゥス(聖なるかな)
 Ⅴ アニュス・デイ
 Ⅵ ルクス・エテルナ(永遠の光)
 Ⅶ リベラ・メ(解き放ちたまえ)

市原愛(S)
池田香織(Ms)
望月哲也(T)
ジョン・ハオ(B)
にいがた東響コーラス(Chr)
安藤常光(合唱指揮)
飯森範親(指揮)

りゅーとぴあを出て、昼食を摂り、コンチェルトさんへ寄った後に帰宅し、ブログを挙げて、再びりゅーとぴあへ。開演20分前に到着。
感想は、「極大から極小まで、迫りくる管弦楽、独唱と合唱の融合に聴く喜びを頂く」です。
曲目は休憩なしでヴェルディの「レクイエム」一曲のみ。最初の「レクイエム」では、僅かに立ち昇る朝霧が匂いたち、淡く漂う雲海を成すと、硬き石柱群がすっくと屹立し、輝く光が一直線に貫いて、波濤(はとう)が溢れ出しました。続く「怒りの日」では、撃ち付ける砲弾が降り注ぎ、混沌が渦巻いて、疾風が吹き荒れると、警告するように輝きが鳴り響き、激烈なる嵐が収まると、忍び寄る足音に、落ち着いた素振りで応対し、艶めきを光らせて、哀切を綴(つづ)り、強靭な矢羽を柔和な綿で包みました。そして追い込むよう責め立てると、叢雲(むらくも)が湧き出し、優しく慰めて、白金の艶めきで飾り、悲しみを豊潤に盛り付けて、雲間から抜け出しました。さらに抜け殻の現身(うつしみ)より大きく潮を引いて、穏やかに邁進し、珠玉の息吹で駆け抜けました。そのままじっくりと身を低く構え、艶やかに尾を引いて、無数の糸を纏(まと)うと、怒気を露わにし、しめやかに収めて、巻き起こる怒涛をやり過ごしました。そして火花を散らした傷跡を残して、不穏な予感をすり抜け、涙を誘(さそ)う歌を奏で、冷徹な微風を暖かく包み、散り散りの流れを一点に集めて、大河を成し、がっちりと受け止めて、足元をしっかりと固め、ふわりと立ち上がり、柔らかく落ち着きました。静寂の合間を縫っての「オッフェルトリオ」では、緩やかに揺らぎ、厚く層を成して、流れに収束し、調べを受け渡して、幾重にも折り重なりました。次の「サンクトゥス」では、輝かしく号砲を奏で、鋼(はがね)の城壁を築いて、晴れやかに照らし出しました。続く「アニュス・デイ」では、秘めやかに綴る糸路を伝(つた)い、徐々に膨らみを増し、温かな水煙を纏(まと)って、穏やかに降下しました。次の「ルクス・エテルナ」になると、不安の影が押し寄せ、それに抗(あらが)う呪文を唱えて、災厄を防ぎました。そして「リベラ・メ」。苦しみを受け止め、切なく陰る心を鼓舞して、細やかに弾(はず)み、愁いを隠して、流れを引き戻し、大きくうねって、安寧へと進みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、この大きな障壁を乗り越えた者たちを称賛しました。
管弦楽、独唱、混声四部合唱が混然一体となり見事なチームワークを発揮して、素晴らしい成果を上げたことを確認して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

東響ロビーコンサート 弦楽八重奏

2018年7月8日(日) 12:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール・ホワイエ 東響ロビーコンサート 弦楽八重奏

弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20/メンデルスゾーン
 Ⅰ.アレグロ・モデラート・マ・コン・フォーコ
 Ⅱ.アンダンテ
 Ⅲ.スケルツォ:アレグロ・レジェリシモ
 Ⅳ.プレスト

竹田詩織、加藤まな、福留史紘、河裾あずさ(Vn)
大角彩、多井千洋(Va)
西谷牧人、伊藤文嗣(Vc)

所要を足し、少し休憩してからりゅーとぴあへ。開演20分前に到着。
感想は、「紡ぎだされる弦楽の波に圧倒される」です。
プログラムはメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲の一曲のみ。気合一閃、鮮やかな新緑のさざめきが、爽やかに駆け抜け、生きいきと溢れ出す活力が、胸の鼓動を脈々と伝えるアレグロ。ゆっくりと憂いを含む霞(かすみ)が、サクサクとした歯触りで絡み合い、煌々(こうこう)と照り映える光の帯がまっすぐに線を引くアンダンテ。軽やかで細やかに弾(はず)み、低く大らかにうねるスケルツォ。ときめきが、地の底から上空へ駆け登り、軽快に時を刻んで、爽快に捻(ひね)りを効かせ、快活に駆動するプレスト。弦楽での八重奏が持つ機動性と俊敏さを駆使して、目の覚めるような喜びを伝えてくれました。
会場からは大きな拍手が贈られ、この素晴らしい演奏を大いに讃えました。
無料のロビーコンサートで、胸のすく快演を楽しませて頂いたことに大いに感謝して、喜ばしい気分で帰路につきました。

新潟大学管弦楽団第39回サマーコンサート

2018年7月7日(土) 18:30 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 新潟大学管弦楽団第39回サマーコンサート

組曲「仮面舞踏会」/ハチャトゥリアン
交響曲第31番 ニ長調「パリ」K.297/モーツァルト
交響曲第5番 ニ長調/ヴォーン・ウィリアムズ

新潟大学管弦楽団
河地良智(指揮)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演10分前に到着。
感想は、「英国の自然・気候が織りなす風景を音で感じられることに心和む」です。
まずはハチャトゥリアンの「組曲『仮面舞踏会』」。厚手の布地を重たそうに引き摺りながら、不器用に円舞する「ワルツ」。細く濃厚な悲しみを連綿と綴り、硬質な艶めきを交わす「ノクターン」。喜びを湧き立たせ、キラリと囀(さえず)る「マズルカ」。憂鬱な昼下がりに、切々と遣る瀬無く揺れる「ロマンス」。賑やかに弾(はじ)け、曲技団が起こす熱狂を模して、あたふたと駆け抜ける「ギャロップ」。北國(ほっこく)の憂愁と、照り映える陽気さを描いて、物語の場面を顕(あらわ)しました。続いてモーツァルトの「交響曲第31番『パリ』」。まろやかな疾風が流線形を描いて、暖かく爽やかに吹き過ぎ、白金(しろがね)の灯りを点(とも)す第1楽章。優雅で軽やかに、優しく柔らかに揺らぐ第2楽章。さらさらとそよぎ、光と影を交差させて、急流を快速で下る第3楽章。すっきりと爽快に、輝きの響きを伝えました。
休憩を挟んで後半はこれが新潟初演となるヴォーン・ウィリアムズの「交響曲第5番」。緩く波打つ温もりを背に、そこはかとない哀しみが流れ、薄っすらと耀くと、一転俄かに掻き曇り、爽やかな夕立が通り過ぎて、晴れやかな光が差し込み、大きく伸び上がって、穏やかに収まるプレリュード。ふんわりと綿毛を纏(まと)い、込み合う雑踏で舞い踊り、海原(うなばら)に銀鱗が飛んで、ぎこちなくお道化るスケルツォ。厚ぼったい霧が辺りを包み、淡い憧れを映して、希薄な郷愁で塗り込め、葉擦れの囁きを絡み合わせて、寒風吹き荒(すさ)ぶ氷雨の荒野をゆっくりと歩むロマンツァ。萌え出ずる草原を楽しげに染めて、伝承の調べを吹き鳴らし、帰り来る哀しみをたおやかに慈(いつく)しんで、一等星の煌めきを惜しむように、静かに消え入るパッサカリア。濃い霧に包まれた街並みや風景をくっきりと描写しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは弦楽のみでウォーロックの「カブリオール組曲」より「バスダンス」。軽快で明るく奏で、にぎにぎしく終演となりました。
新潟ではなかなか聞けない曲目に挑戦し、それを見事に具現化してくれたことに感謝し、快い気分で家路を急ぎました。

Noism1×SPAC 劇的舞踊vol.4 「ROMEO & JULIETS」

2018年7月6日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 Noism1×SPAC 劇的舞踊vol.4 「ROMEO & JULIETS」

一幕
二幕

Cast
チームC(奇数)
患者190057335973 グレゴリー/キャピュレット 貴島豪
患者573079913773 キャピュレット夫人 布施安寿香
患者377109331793 サムソン/パリス 三島景太
患者793591173539 ティボルト 中川賢
患者975133153975 ジュリエット 浅海侑加
患者173391533377 ジュリエット 鳥羽絢美
患者375133153975 ジュリエット 西岡ひなの
患者573301533377 ジュリエット 井本星那
患者773391533377 ジュリエット 池ヶ谷奏

チームM(偶数)
患者284608826466 エイブラハム/召使 野口俊丞
患者484608826466 エイブラハム/召使 大内米治
患者846682804446 ロミオ 武石守正
患者668022860242 ベンヴォーリオ 吉崎裕哉
患者062284006846 マキューシオ チャン・シャン・ユー

患者204266880428 ポットパン/ピーター/パルサザー 山田勇気

看護師 乳母/コロス/キャピュレット夫人 館野百代
看護師 乳母/コロス/モンタギュー夫人 鈴木真理子
看護師 ロザライン 井関佐和子

医師 ロレンス 金森穣

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「閉ざされた空間に巻き起こる新しい刺激に息を呑む」です。
以下ネタバレを含む可能性がありますので、余白を入れておきます。
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一幕
夜明けの光が鳴り響き、立ち尽くす隊列が、散り散りに放たれ、華々しく狂騒が黄金(こがね)の糸を撒き散らすと、派手やかな祝祭の幻想が現(うつつ)へと収束し、乙女の分身達が、その感情を様々に分解して、幾重(いくえ)にも広がりました。大袈裟で滑稽な饗宴が繰り広げられ、挿入された異物が乱気流を生じさせると、孤独な闇へと舞い降りました。
二幕
憎しみの心が沸き上がり、激しくぶつかって、絶命を呼び込み、裁きの帷(とばり)が訪れると、悲しみの波紋を広げました。無理強いされる絆が伸(の)し掛かり、心が千々(じぢ)に乱れて、仮初(かりそめ)の寂滅へと駆け出し、自(みずか)らの幕引きを演じるも、その思いは無残にも届かず、苦しみへと転じ、暗黒の奈落へとその身を投げ入れました。
会場からは大きな拍手が贈られ、この前代未聞の舞台への賛辞を表しました。
舞踊と演劇が一体と成り、古典の名作に新たなる息吹を吹き込んだ瞬間に立ち会えたことに感動して、快い気分で帰路に付きました。

北区フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会

2018年7月1日(日) 14:00 新潟市北区文化会館 北区フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会

歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より第1幕への前奏曲/フンパーディンク
交響曲第7番「未完成」ロ短調 D.756/シューベルト
チェロ協奏曲 ロ短調 作品104/ドヴォルザーク

片野大輔(Vc)
北区フィルハーモニー管弦楽団
長谷川正規(指揮)

10㎞走って、昼食を摂り、バイパスを一路、北区文化会館へ。開演30分前に到着。
感想は、「力漲(みなぎ)る独奏と、それを懸命に支える管弦楽に感動する」です。
まずはフンパーディンクの「歌劇『ヘンゼルとグレーテル』」より「第1幕への前奏曲」。ゆったりと立ち込める朝霧の中、柔らかで優しい調べが香り、大らかに波を打って、可憐に弾(はず)み、賑やかに踊りました。続いてシューベルトの「交響曲第7番『未完成』」。ざわめきの草原を悲しみの風が吹きすぎ、ゆっくりと浪漫の薫りを漂わせると、突然鋭利な翳りが切れ込み、悲壮な面持ちで徘徊し、忍び寄る胸騒ぎに怯えて、鋼の響きで一途に句読点を打つアレグロ。穏やかな温もりで包み、緩やかな安らぎで癒すと、大胆に一歩を踏み出し、大股に歩んで、風にそよぐ哀しみを歌うアンダンテ。美しい旋律に秘められたアツい想いを鮮やかに描き出しました。
休憩を挟んで後半はドヴォルザークの「チェロ協奏曲」。ほの暗い夜明けの薄闇から、脈々と潮(うしお)が満ち満ちると、まろやかでコク深い筆致で郷愁の奏でが溢れ出て、懐かしい土の匂いで満たし、広やかに海を割って、豊かなる実りを一杯に捧げ持つ第1楽章。真珠の艶めきを映し、光り差す憂愁がふくよかに咲き乱れ、晩秋の静けさが安寧を連れてくる第2楽章。隊列を組んで前進し、力強く足を踏み鳴らして、切なさを鳴り響かせると、身一つで果敢に立ち向かい、切っ先鋭く立ち回りを演じて、勇壮に凱歌を奏で、葡萄色に塗り込めて、遣る瀬無い気分を切々と認(したた)め、輝ける陽光を背に結末へと駆け出す第3楽章。立ちはだかる巨大な難関を見事に突破しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それ応えてのアンコールが2曲。ソリストが奏でる「鳥の歌」。オーケストラが演奏する「スラブ舞曲第1番」。大きく盛り上げて、にぎにぎしく終演を迎えました。
初挑戦の協奏曲で胸に迫るパフォーマンスを聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路のハンドルを握りました。