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東京交響楽団第109回新潟定期演奏会

2018年9月30日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 東京交響楽団第109回新潟定期演奏会

序曲「フィンガルの洞窟」 作品26/メンデルスゾーン
ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」/ベートーヴェン
 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 アンダンテ・ウン・ポコ・モッソ
 第3楽章 ロンド:アレグロ
交響曲 第1番 ハ短調 作品68/ブラームス
 第1楽章 ウン・ポーコ・ソステヌート~アレグロ
 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート
 第3楽章 ウン・ポーコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ
 第4楽章 アダージョ~ピュウ・アンダンテ・~アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ

スティーヴン・ハフ(Pf)
東京交響楽団
マクシム・エメリャニチェフ(指揮)

古町7番町から、急いで自転車を飛ばし、りゅーとぴあへ。開演20分前に到着。
感想は、「若くアツい迸(ほとばし)りを十二分に受け止める」です。
まずはメンデルスゾーンの「序曲『フィンガルの洞窟』」から。曇り空の下、柔らかに翳るうねりを巻き込み、前のめりに進む波立ちが、弱い日差しを伴って、懸命に力動を伝えました。続いてソリストが登場し、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』」。勢い良く飛び込み、溢れ出す水脈が命の躍動を伝え、柔らかに揺蕩(たゆた)うと、涼やかに吹き過ぎ、秘めた熱を放出して、折り重なるように、鮮明さを際立たせるアレグロ。穏やかに湧き出(い)ずる流れを、暖かく受け止める縁取りが包み込み、瑞々(みずみず)しい光をなだらかに支えるアンダンテ。溌剌と弾(はず)み、青春の息吹を伴って、氷の欠片(かけら)を撒き散らし、燃えるような情熱で突き進むロンド。独奏と管弦楽が真摯に対峙し、素晴らしい調和で飾りました。
休憩を挟んで後半はブラームスの「交響曲 第1番」。立ち込める硝煙の中、粛々(しゅくしゅく)と歩を進め、萌えいづる若き熱情を、灰色の枠組みに嵌め込み、大きくうねりながら、しなやかに力を込める第1楽章。落ち着いた彩りで、優しい表情を浮かべ、暗く艷(つや)やかな翳りを纏(まと)い、ゆっくりと動き出す第2楽章。滑らかな触感で灯りを点し、流れるようにゆらぎながら、沢山の光の滴(しずく)を浴び、和みの時を楽しむ第3楽章。思い詰めたように悲壮な面持ちで救いを求め、山間(やまあい)の谷間に差し込む陽の光に照らされ、ひとときの安らぎを得て、立ち込めた霧が晴れるのに合わせて、喜びの調べを奏で、若さゆえのアツさを持って、懸命に畳み掛け、溢れ出る想いを厚く塗り込めて、うねるように突進し、結末へと急(せ)き込む第4楽章。心の内に潜む青春の滾(たぎ)りを、存分に爆発させて、感動へと導きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、熱の籠もった演奏を称賛しました。
久々にオーソドックスなプログラムを楽しめたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。
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フルマチ・クラシック・フェスタ in mall 7

2018年9月30日(日) 14:45 古町7番町モール フルマチ・クラシック・フェスタ in mall 7

「パリ旅情」より/高田三郎
 街頭の果物屋
 市の花屋
月の光/ドビュッシー
夏の名残りのバラ/アイルランド民謡
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲/マスカーニ
最後の陶酔/レスピーギ
歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」/プッチーニ
小さな空/武満徹

廣澤ひとみ(S)
小林浩子(Pf)

クラリネット・ポルカ/作者不詳
マルコポーロ/ジェームス
自転車通勤/川崎祥子
紅風/ 〃
ユー・レイズ・ミー・アップ/ロブランド
夕焼け小焼け/草川信
ラスト・エンペラーのテーマ/坂本龍一
コンドルは飛んで行く/アロミア=ロブレス

伊奈るり子とユーフォルビア
 伊奈るり子(Cl)
 市橋靖子(Fl)
 川崎祥子(Pf)
 本間美恵子(Per)

一旦帰宅し、ブログの準備をして、古町7番町特設ステージへ。開演15分前に到着。
感想は、「オープン・スペースで聞く素敵な演奏に心躍る」です。
最初はソプラノと電子ピアノの組み合わせ。まずは高田三郎の「パリ旅情」から2曲。爽やかで水分を多く含んだ寂しさを、くっきりと映す「街頭の果物屋」。薄曇りの空の下、広がっていく嬉しさを語る「市の花屋」。透き通る歌声を真っ直ぐに届けました。続いてピアノ独奏でドビュッシーの「月の光」。氷の欠片(かけら)が、ゆっくりと崩れ、想いを膨らませて、辺りに散らばりました。ソプラノが戻って、アイルランド民謡の「夏の名残りのバラ」。澄んだ翳りが伸びやかに滲みて、清らかな余韻を残しました。再びピアノソロでマスカーニの「歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲」。涼やかに香り、暖かに包み込んで、穏やかに収めました。次はイタリア歌曲でレスピーギの「最後の陶酔」。薄手の布地を一面に広げて、優しい歓びを伝えました。さらにプッチーニの「歌劇『ジャンニ・スキッキ』」から「私のお父さん」。美しき波立ちが大らかに揺れて、とろりとした手触りで仕上げました。このセクション最後は武満徹の「小さな空」。響きの煉瓦を積み上げ、遥かな憧れを紡ぎ、懐かしき切なさを奏でました。
休憩を挟んで後半はクラリネット、フルート、ピアノとパーカッションの器楽合奏。最初は「クラリネット・ポルカ」から。泡立ちを弾(はず)ませ、陽気に囃しました。続いてボブ・ジェームスの「マルコポーロ」。紫煙が舞い、視界を遮(さえぎ)ると、微風(そよかぜ)が爽やかに吹き過ぎて、古(いにしえ)の調べを模倣しました。ここでピアニストのオリジナルが2曲。ビルの窓を駆け上る朝日が、声を震わせる「自転車通勤」。波打ち際に拡がる海風の足跡を、強い日差しが焼き尽くす「紅風」。親しみの調べを届けました。ここでクラリネットをマイクに持ち替えての「ユー・レイズ・ミー・アップ」。ゆっくりと立ち上る薫りを味わい、水飛沫(みずしぶき)の掛かる浜辺を、希望の轍(わだち)で満たしました。次はマリンバ独奏で「夕焼け小焼け」。淡い柔らかさを重ね、共鳴する硝子を響かせて、漂う浮雲を照らしました。カルテットに戻って「ラスト・エンペラーのテーマ」。切り立った絶壁を見上げ、流れるせせらぎを愛でて、冷え冷えと映る情景を描きました。プログラム最後は「コンドルは飛んで行く」。茜立つ夕映えを背に、小粋にスイングして、自在に形を変え、丁々発止の掛け合いで、賑やかに剣(つるぎ)を交わしました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはベートーヴェンの"第九"、即ち「歓喜の歌」。ジャジーにアレンジが施され、にぎにぎしく終演となりました。
アーケードの下で行われたコンサートが街角の人々に、音楽の贈り物を届けたことを確認して、喜ばしい気分で、次の会場へと向かいました。

東響ロビーコンサート ~ヴィオラ・カルテット~

2018年9月30日(日) 13:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール・ホワイエ 東響ロビーコンサート ~ヴィオラ・カルテット~

ミザルー/作者不詳
アディオス・ノニーノ/ピアソラ
現実との3分間/ 〃
リベルタンゴ/ 〃
鮫/ 〃
ウエスト・サイド・ストーリー/バーンスタイン

青木篤子、大角彩、小西応興、木村正貴(Va)

ゆっくりとした日曜の午前を満喫し、昼食を摂って、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「カッコよく楽しいヴィオラ四重奏に明日への活力を頂く」です。
まずは作者不詳の「ミザルー」。木枯らしが吹き荒れ、水面(みなも)を波立てると、葡萄の香りのほろ酔いを奏で、揺らぎながらも、足早に駆け抜けました。続いてピアソラが4曲。濃厚にステップを踏み、たっぷりと愁いをあふれさせ、甘やかに揺れる「アディオス・ノニーノ」。キツめの足捌(あしさば)きで、力任(ちからまか)せに押し込み、鋭く頭(かぶり)を降って、辺りの空間を切り裂く「現実との3分間」。細やかに刻み、甘やかな憂いを奏でて、秋色の装いで、喧騒の巷(ちまた)を飾る「リベルタンゴ」。切れ切れに見え隠れし、水面(みなも)から、徐々にその身を現して、蛇行する曲線を描く「鮫」。憂愁に満ちた亜熱帯の舞踊を届けました。プログラム最後はバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」。都会の洗練を纏(まと)う軽やかな足取りで歩み、忍び寄る夜の香りを匂わせて、まったりと美貌を晒し、灼熱の躍動を軽やかに見せ、楽しげに弾(はず)んで、流麗に歌いました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ルパン三世のテーマ」。小粋に飛ばして、にぎにぎしく終演となりました。
一見渋い楽器であるヴィオラから、お洒落で美しい奏でで持て成して頂いたことに感謝して、快い気分で帰路に付きました。

新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル第44回定期演奏会

2018年9月29日(土) 18:30 新潟市音楽文化会館 新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル第44回定期演奏会

第1部 ~マンドリン・オリジナル曲より~
 「滅びし国」/フィリッパ
 櫻舞散る小径/武藤理恵
 マンドリンオーケストラの為のボカリーズ 第1番「暁の歌」/熊谷賢一

第2部 ~J-POP~より
 風/端田宣彦 武藤理恵編
 卒業写真/荒井由実 武藤理恵編
 糸/中島みゆき 武藤理恵編
 夏の終わりのハーモニー/玉置浩二 飯野勝弘編
 未来へ/玉城千春 飯野勝弘編
 栄光の架橋/北川悠仁 飯野勝弘編
第3部 ~クラシック・アレンジ曲より~
 歌劇「セビリアの理髪師」序曲/ロッシーニ 小穴雄一編
 歌劇「ファウスト」より/グノー 藤田正明編
  トロイの娘たちの踊り
  門出の前に
  ワルツ

新潟ドルチェ・マンドリン・アンサンブル
阿部見和子[第1部]、白井章彦[第2部]、藤田正明[第3部](指揮)

だいしホールより戻り、ブログの準備をして、コンチェルトさん経由、音楽文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「繊細なマンドリンの音色に聞き入る」です。
第1部はマンドリン・オリジナル曲。最初にプログラムにはない、恒例の「希望のささやき」がコンマスの合図で開始され、暖かく軽やかに微風(そよかぜ)を吹かせました。プログラム最初はフィリッパの「滅びし国」。幻の剣(つるぎ)を力を込めて振り上げ、明るくそよぐ草原を、華やぐ香りで満たし、透き通る切なさで描いて、粛々(しゅくしゅく)と歩を進めました。続いて武藤理恵の「櫻舞散る小径」。ゆったりと優しいざわめきで飾り、ホッとする爽快さで、碧(あお)い遠景を映しました。次は熊谷賢一の「マンドリンオーケストラの為のボカリーズ 第1番 『暁の歌』」。昇る日輪がゆっくりと照らし、キラキラと波立って、さざめく光が速足で駆け出すと、凛とした表情で穏やかに歌い、速度を上げて、大らかに叫びました。
1回目の休憩の後、第2部はJ-POPよりの選曲。まずは端田宣彦の「風」。寂しさを温もりで包み、幽(かそけ)き希望を呟きました。続いてユーミンの「卒業写真」。早春の淡い切なさを歌い、溢れ出る憧れを映しました。次は中島みゆきの「糸」。淡々とした表情で、惜しみない感謝を伝え、裾を翻(ひるがえ)して、階段を駆け上りました。さらに玉置浩二の「夏の終わりのハーモニー」では、僅かな光の羽音を響かせ、洗練された懐かしさで染め上げました。そしてキロロの「未来へ」。煌めきを集め、まろやかに拡げて、願いを認(したた)めました。第2部最後はゆずの「栄光の架橋」。耐え忍ぶ鍛錬の日々を思い、培(つちか)った力を発揮して、勝利を目指しました。
2回目の休憩を挟んで、第3部はクラシックのアレンジ編。最初はロッシーニの「『セビリアの理髪師』序曲」。大見得を切って始まり、軽快に飛ばして、翳りを纏(まと)い、急流を乗り越えて、結末へなだれ込みました。最後はグノーの「ファウスト」から3曲。優雅に舞い、柔らかに微笑んで、穏やかに締める「トロイの娘たちの踊り」。望郷の想いを胸に、悲しみをポケットに入れて、決意を込めて進む「門出の前に」。華やかに円舞し、ドレスをしなやかに靡(なび)かせて、賑やかに囃(はや)す「ワルツ」。清々しい装いで四方を盛り立てました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー・ハイライト」。都会の洗練を涼やかに奏でて、にぎにぎしく終演となりました。
軽やかで爽やかなマンドリン・アンサンブルに安らぎを頂いて、快い気分で家路を急ぎました。

ソプラノ柳本幸子 イタリア古典アリア・リサイタル with ピアニスト 石井朋子 vol.1

2018年9月29日(土) 14:00 だいしホール ソプラノ柳本幸子 イタリア古典アリア・リサイタル with ピアニスト 石井朋子 vol.1

アマリッリ/Caccini
私を死なせて/Monteverdi
側に居ることは/Mancia
お前は私を苦しめていなかったのに/Caproli
貴女は知っている/Torelli
私を傷つけるのをやめるか/Scarlatti
フロリンドが誠実なら/ 〃
貴女が私の死の栄光を/ 〃
菫~すみれ~/ 〃
たとえつれなくても/作者不詳 伝Caldara
お前を讃える栄光のために/Bononcini
樹木の陰で(ラルゴ)/Handel
私を泣かせてください/ 〃
ああ、私の心の人よ/ 〃
愛に満ちた処女よ/Durante
踊れ優しい娘よ/ 〃
ニーナ/作者不詳 伝Pergolesi
もし貴方が私を愛してくれて/Parisotti?
ああ、私の優しい熱情が/Gluck
もはや私の心には感じない/Pisiello
ジプシー女をお望みの方はどなた/ 〃
愛の歓びは/Martini
いとしい女(ひと)よ/Giordani

柳本幸子(S)
石井朋子(Pf)

10km走って、昼食を摂り、少し休憩してから、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「伸びやかに広がる歌声と暖かくそれを支えるピアノに魅了される」です。
まずはカッチーニの「アマリッリ」から。ゆっくりと落ち着いて、僅かに悲しみを含ませた滴(しずく)を広げ、艶消(つやけ)しを施(ほどこ)した願いを届けました。続いてモンテヴェルディの「私を死なせて」。表情豊かに切なさを香らせ、込み上げる想いを微かな彩りで語りました。次はマンシアの「側に居ることは」。伸びやかに歩み、素直な感情を、淡い甘さにまぶして、穏やかに伝えました。さらにカプローリの「お前は私を苦しめていなかったのに」では、哀しみを大らかに拡げ、しなやかに強く踏み込んで、柔らかに訴えかけると、トレルリの「貴女は知っている」を、優しく、ほのかに灯りを点し、僅かに荷重を掛けて、痛みを沈殿させ、希望の光を収めました。そしてスカルラッティが4曲。愁いが裾を翻(ひるがえ)して、光明へと転じ、胸の内に潜む悲哀を明るく綴る「私を傷つけるのをやめるか」。ウキウキと弾(はず)み、可憐におしゃべりをして、喜びが溢れ出す「フロリンドが誠実なら」。蒼い影が差し込み、襲い掛かる疑念を振り払って、甘やかな味わいで仕上げる「貴女が私の死の栄光を」。楽しげに跳ね廻り、追い掛ける影が鮮やかに重なって、思いを語りかける「菫~すみれ~」。いくつもの角度から、その魅力を照らしました。続いて作者不詳でカルダーラ作と伝えられる「たとえつれなくても」。ゆったり深くと色付き、粘り気のある油脂の手触りで、微睡(まどろ)みを誘(さそ)いました。前半最後はボノンチーニの「お前を讃える栄光のために」。暖かな気持ちを呼び起こし、畳み掛けるように悦(よろこ)びを匂い立たせ、晴れた空に解き放ちました。
休憩を挟んで後半はヘンデルが3曲。心に沁みる安らぎの果実を摘み取り、爽やかに湧き出(い)でる泉にその身を浸(ひた)す「樹木の陰で(ラルゴ)」。恐る恐る足を踏み出し、蕩(とろ)ける甘さを、爽快で涼やかに味付けする「私を泣かせてください」。迫りくる不安を鏡に映し、溢れ出す流線型を、細く長く投げ掛ける「ああ、私の心の人よ」。染み渡る快さで辺りを包み込みました。続いてデュランテを2つ。軽やかに足踏みをして、艶(つや)のある滴(したた)りを、憂鬱な翳りで伸ばす「愛に満ちた処女よ」。足早に階段を駆け上がり、滑らかに上空を滑走する「踊れ優しい娘よ」。鮮やかな動作で、場面を切り取りました。次はペルゴレージと伝えられる「ニーナ」。柔らかに憐れみを宿し、抑えた面立ちで、優しく弾(はじ)けました。この曲集の編纂者であるパリゾッティの作ではないかと疑われる「もし貴方が私を愛してくれて」では、哀しみを装い、丁寧に彩りを添えて、にこやかに呟きました。そしてグルック。「ああ、私の優しい熱情が」を、憂いの風を吹かせ、快い鼓動で、晴れやかに駆け抜けました。さらにピシエーロが2曲。可愛いさも持って跳躍し、軽快な身振りで役を演じて、喜びで満ち満ちる「もはや私の心には感じない」。悪戯(いたずら)っぽく挑発し、夢見がちに振り回す「ジプシー女をお望みの方はどなた」。魅力的な仕草で持て成しました。そしてマルティーニの「愛の歓びは」。清らかに歌い出し、天空を舞い踊って、悲しみを映しました。プログラム最後はジョルダーニの「いとしい女(ひと)よ」。潔(しさぎよ)くふくよかな痛みを綴り、淡々と、切々と想いを記(しる)して、コク深く、大切に愛を奏でました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から「エウリディーチェを失って」が穏やかに美しく歌われ、さらにモーツァルトの「フィガロの結婚」から「恋とはどんなものかしら」が、胸躍る快さで届けられて、にぎにぎしく終演となりました。
パリゾッティが編纂した「イタリア古典アリア」から、親しみやすく、美しい曲達をプレゼントして頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に付きました。

ヴェリタス ミュージック セミナー 受講生コンサート

2018年9月23日(日) 18:15 新潟市音楽文化会館13練習室 ヴェリタス ミュージック セミナー 受講生コンサート

第1部
 ピアノ・ソナタ 第26番『告別』より第1楽章/ベートーヴェン
  岩本剛輝(Pf)
 喜びの島/ドビュッシー
  小林優香(Pf)
 パルティータ 第2番 BWV826 ハ短調/バッハ
  田中健太郎(Pf)
 ポロネーズ 第6番 作品53『英雄』/ショパン
  松木裕起子(Pf)
第2部
 4曲のサロン曲 第2集より パストラーレ、踊りの歌/アンデルセン
  矢島まゆ美(Fl) 岩本剛輝(Pf)
 赤とんぼ/山田耕筰 林光編
  羽田由利子(Fl) 岩本剛輝(Pf)
 マドリガル/ゴーベール
  大西潤子(Fl) 小林優香(Pf)
 ソナタより第1、第2楽章/ボニス
  大嶋ナガミ(Fl) 松木裕起子(Pf)
 ルーマニア民族舞曲/バルトーク
  大岩勝衛(Fl) 田中健太郎(Pf)
 ファンタジー/フォーレ
  田代育夫(Fl) 松木裕起子(Pf)
 ディープ・ブルー/クラーク
  花岡澄(Fl) 小林優香(Pf)
 カンタービレとプレスト/エネスコ
  竹岡由希子(Fl) 田中健太郎(Pf)
 コンチェルティーノ/シャミナーデ
  佐野有香(Fl) 小林優香(Pf)
 フルート・ソナタ ヘ短調より第1、第2楽章/テレマン
  山田郁子(Fl) 松木裕起子(Pf)
 ソナタ『パンの笛』より第2、第3楽章/ムーケ
  松井美端(Fl) 田中健太郎(Pf)

りゅーとぴあを後にし、コンチェルトさんへ寄って、県民会館のロビーでブログの準備をしてから、音楽文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は、「セミナー受講生の向上心がいっぱいに発揮されたコンサートに元気を頂く」です。
第1部は伴奏者の独奏で、まずはベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ 第26番『告別』」から第1楽章。ゆっくりと歩み出し、勢い良く駆け出し、堅実に刻む上を、自在に飛行して、光の中をテンポよく影踏みしました。続いてドビュッシーの「喜びの島」。キラキラと結晶を舞い散らせ、じゃぶじゃぶと水面を掻き混ぜて、水飛沫(みずしぶき)を上げ、楽しげに弾(はず)みました。次はバッハの「パルティータ 第2番」。翳りの有る氷片を着実に積み上げ、細やかに刻んで、互いに追い掛け合うシンフォニア。ゴツゴツとした波立ちが、震えながら、押し寄せるアルマンド。淡々と悲しみを綴り上げるクーラント。ゆったりと影を香らせるサラバンド。、角張りながら、互いに絡み合うロンドー。さざ波が競うように追い掛け合うカプリッチョ。乾いた美しさを届けました。第1部最後はショパンの「ポロネーズ 第6番『英雄』」。栄光の進軍を見せつけ、耀きを届けて、低く地を這い、階段を駆け登って、再び虹彩を手に入れました。
休憩を挟んで第2部はフルート独奏。まずはアンデルセンの「4曲のサロン曲 第2集」より「パストラーレ」と「踊りの歌」。ゆっくりと微風(そよかぜ)を吹かし、ゆらゆらと弾(はず)む「パストラーレ」。哀しげに跳ね、細やかに急ぐ「踊りの歌」。しっかりと重責を果たしました。続いて山田耕筰の「赤とんぼ」。郷愁をそそり、息吹を崩して、日暮れの情景を映しました。次はゴーベールの「マドリガル」。淡い春風を吹かし、鰯雲を震わせました。次はボニスの「ソナタ」より第1、第2楽章。煌めく陽炎(かげろう)が廻り、低空から一気に駆け上がり、輝きながら旋回する第1楽章。くるくると渦を巻き、ひらひらと舞い飛ぶ第2楽章。めくるめく光景を描きました。続いてバルトークの「ルーマニア民族舞曲」。草いきれが眩しい旋律で弾(はず)む「棒踊り」。ぎこちなく、短く刻む「帯踊り」。塩加減の効いた調べを届けました。さらにフォーレの「ファンタジー」では、微かな哀しみを含ませ、切なさを香らせて、足早に揺れました。2部の前半最後はクラークの「ディープ・ブルー」。ゆっくりと霞(かすみ)を煙らせ、太い筆跡(ひっせき)で草書しました。
後半はエネスコの「カンタービレとプレスト」から。淡雪が連なり、暖かに桜舞うカンタービレ。細やかに翳りを纏(まと)い、素早く階段を駆け上がるプレスト。彩りを変え、緩急を綴りました。続いてシャミナーデの「コンチェルティーノ」。優しげに幼さを映し、草原を駆け抜けて、滑り台から降下しました。次はテレマンの「フルート・ソナタ」より第1、第2楽章。凛とした影で語り、波立ちを揺らせて、太い幹に絡める第1楽章。勇敢に悲しみを映して、速足で駆け抜ける第2楽章。引き締まった面立ちで認(したた)めました。最後はムーケの「ソナタ『パンの笛』」より第2、第3楽章。柔らかに鶯が鳴き、優雅で上品に装い、ゆったりと回る第2楽章。溌剌と跳ね廻り、ふわふわと上昇し、一気に駆け下りる第3楽章。真珠の光沢で飾りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、出演者の健闘を讃えました。
忙しいセミナーの合間を縫って行われたこのコンサートは、研鑽の成果を披露し、次へのステップを駆け出す貴重な機会を目撃できたことに感謝し、」喜ばしい気分で家路を急ぎました。

新潟メモリアルオーケストラ第28回定期演奏会

2018年9月23日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 新潟メモリアルオーケストラ第28回定期演奏会

ロビーコンサート
 オーボエ六重奏
  カノン/パッヘルベル
 二重奏①(ヴィオラとコントラバス)
  ガヴォット/グリマル
 二重奏②(ヴァイオリンとチェロ)
  パッサカリア/ヘンデル ハルヴォルセン編
 木管五重奏
  スタンダード・ミュージカル・コレクション/近衛秀健編

悲劇的序曲/ブラームス
交響曲第6番 イ短調「悲劇的」/マーラー
 第1楽章 Allegro energico,ma non troppo Heftig,aber marking
 第2楽章 Andante moderato
 第3楽章 Scherzo.Wuchig
 第4楽章 Finale Allegro moderato-Allegro energico

新潟メモリアルオーケストラ
工藤俊幸(指揮)

10km走って、昼食を摂り、急いでりゅーとぴあへ。開演1時間15分前に到着。
感想は、「過酷な障壁に総力戦で取り組む昔の仲間の奮闘ぶりに感動の波が押し寄せる」です。
入場して、すぐにホワイエに行き、まずはロビーコンサートから。1番目はオーボエ六重奏でパッヘルベルの「カノン」。ゆっくりと立ち上がる柔らかな波が、ふんわりと幾重にも重なり、細やかな糸が繊細に絡み合いました。続いてヴィオラとコントラバスの二重奏でグリマルの「ガヴォット」。明るく軽やかに弾(はず)み、しっかりと刻む支えの上を、曲線を描いて航跡を残しました。次はヴァイオリンとチェロの二重奏でヘンデルの「パッサカリア」。翳りを帯びた疾風が吹き過ぎ、愁いを含む筆跡で記(しる)し、速く遅く自在に振る舞って、ざわめきで木の葉を揺らしました。最後は木管五重奏で「スタンダード・ミュージカル・コレクション」。ふわふわと舞い踊り、代わる代わる彩りを変え、淡い哀しみで塗り替えて、伸びやかに華やぎました。
席に戻って本編の開演を待ち、定刻となって、始めはブラームスの「悲劇的序曲」から。厳格なる翳りが色濃く覆い被さり、吹き荒ぶ強風が悲しみで塗り込めて、煉瓦色の寂寥(せきりょう)を表し、足取りを緩めて、落ち着きを取り戻すと、再び駆け出して、鬱蒼たる森を抜け、鳴り止まぬ雷鳴が所々に突き刺さって、激しい怒りを叩きつけました。
休憩を挟んで後半はマーラーの「交響曲第6番『悲劇的』」。勢いを込めて軍靴を踏み鳴らし、血の色で辺りを塗布して、果敢に攻め入ると、悲しみに裏打ちされた明るさで照らし、水飛沫(みずしぶき)を上げて、その身を投げ出し、襲い来る稲光(いなびかり)を掻い潜って、暗澹たる雲間を行き、魑魅魍魎が跋扈する地平を、確固たる意思で突き進むアレグロ。諦めを含む安らぎで満たし、遣る瀬無い郷愁を裏返しの喜びで塗り分け、暗く大らかな揺らぎを伴って、微かな望みをチラつかせ、苦悩する懐かしさに想いを巡らせて、静かに消え入るアンダンテ。粗暴な苦しみを撒き散らし、不気味な辛(つら)さを映して、深刻に戯(おど)け、厳しい寒さを耐え抜いて、微かな日差しに望みをかけ、陰陽を反転させて、醜悪な容姿を映し出し、速度を落として、一点へ収束するスケルツォ。氷の火花が舞い散り、淡い希望が出ては消え、前進する部隊を鉄槌で打ちのめして、光を追い落とし、暗澹たる闘いを仕掛けて、一体で浮き沈みを見せるフィナーレの前半。暗闇から光明へと抜け出すも、傷口から血を流し、満身創痍で倒れ込み、再び立ち上がって、運命の足音を聞き、過酷な一撃で倒されて、地面に顔を埋め、往時を回想して、熱量を取り戻し、最後の力を振り絞って、光の彼方へと歩を進めるも、襲い掛かる災厄に力尽きる後半のアレグロ。作曲家の描く大いなる苦悩を見事に演じきりました。
客席からは大きな拍手が贈られ、この困難な道のりを制覇した勇者達を大いに讃えました。
仲間達の頑張りを身体全体で受け止めて、明日への活力を頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、会場を後にしました。

月待ち湊

2018年9月22日(土) 18:40 入船みなとタワー広場 月待ち湊
 
奉祝 謡曲と小鼓の調べ
 海人 玉ノ段
  中村裕(観世流能楽師)
月に捧げる調べ
 ムーンリバー
 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
 ミラベル
 リベルタンゴ
 オブリヴィオン
 ******
 チコチコノフバー
 ダニー・ボーイ
 ジョアンとマリア
 枯葉
 パリの空の下
 バラ色の人生
  田中トシユキ(Acc)

仕事を終え、車を駐車場に入れて、自転車で入船みなとタワー広場へ。開演5分前に到着。
感想は、「煌々と輝く月の下で湊の夜景を背に聞くアコーディオンに魅了される」です。 
最初は"奉祝 謡曲と小鼓の調べ"で「海人 玉ノ段」。低く朗々と地を這うように、濁りを含む楷書で、竜宮にまつわる語りを演じ、さらに舞を披露しました。
続いてアコーディオンの登場で"月に捧げる調べ"。まずは「ムーンリバー」。細やかに震え、柔らかに憧れを奏でました。次は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。穏やかに光を燻(くゆ)らせ、銀のさざ波で揺れて、愛(いと)しい想いを伝えました。さらにミュゼットから「ミラベル」。明るく哀愁漂う調べで、軽やかに円舞しました。ここからはタンゴが2曲。匂い立つ流麗さで、憂愁のステップを踏む「リベルタンゴ」。ゆったりと淡い哀しみで塗り込める「オブリヴィオン」。繊細で美しい彩りで飾りました。そのまま次の曲へ移り、楽しげに弾(はず)み、可憐な素振りで舞い踊りました。すると今度はブラジルへ飛んで「チコチコノフバー」。愁いを含んだ陽気さで、軽快に身体を揺らしました。続いてはアイルランド民謡の「ダニー・ボーイ」。咽(むせ)び泣くように郷愁をそそり、幾重にも波立ちを重ねました。再びブラジルへ戻り、「ジョアンとマリア」。銀鱗を煌めかせ、悲しみを綴りました。ここでリクエストに応えての「枯葉」。胸に沁みる寂しさを認(したた)め、お洒落な装いでスイングしました。フランス繋がりで「パリの空の下」。艷(つや)やかなせせらぎを映し、軽い足捌(あしさば)きで優美に舞踊しました。最後は「バラ色の人生」。甘やかに口紅を光らせ、上品に化粧を直して聴衆を魅了し、さり気なくステージの幕を引きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えて再度「ムーンリバー」が流れて、お別れの挨拶でしめやかに終演となりました。
名月の下で、心に染みるアコーデオンの調べを満喫できたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

清水研作企画レクチャーコンサート 「心に響く演奏の秘密」 すばらしい音楽って?

2018年9月21日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 清水研作企画レクチャーコンサート 「心に響く演奏の秘密」 すばらしい音楽って?

レクチャー
 モーツァルト ピアノ・ソナタ K.545 による実演付き説明
 ビゼー 「アルルの女」よりメヌエットによる実演付き説明
コンサート
 「アルルの女」よりメヌエット/ビゼー
 「荒城の月」による幻想曲(プロフェッショナル版)/清水研作
 英雄ポロネーズ 変イ長調 作品53(ピアノ独奏)/ショパン
 トリオ・ソナタ ニ長調 QV.2:13/クヴァンツ
  1.アダージョ 2.アレグロ 3.ラルゴ 4.アレグロ
 「ロンドンデリー」による幻想曲(スペシャル版)/清水研作
 フルート・ソナタ/プーランク
  1.アレグロ・マリンコリーコ 2.カンティレーナ 3.プレスト・ジョコーソ

 時任和夫(Picc)
 清水理恵(Fl)
 依田彰子(Pf)
 清水研作(レクチャー)

りゅーとぴあコンサートホールを出て、昼食を摂り、一旦帰宅して、少し休憩後、ブログを上げ、早めの夕食を済ませて、再度りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「音楽をより味わい深くするやり方の講義を聞くと共に、鮮やかな笛達の饗宴を楽しむ」です。
まずはレクチャーから。最初にピアノでモーツァルトのK.545を例に、譜面からより生きいきとした表情を作り出す技巧について、実演を交えての説明。さらにフルートが登場し、予め配布された楽譜を参考にして、ビゼーの「アルルの女」より「メヌエット」をもとに、対位法の判り易い解説と、音楽の表情を変えるための転調とその予告編の存在の例示を示しました。
続けてコンサートとなり、前出の「メヌエット」からスタート。ふわふわとした舌触りでゆらゆらと揺れ、優しく切ない調べで暖かく吹き抜け、スラスラと行書体で書き記(しる)しました。続いて本日の講師の作品で「『荒城の月』による幻想曲」。煌めく氷片の上を柔らかな微風が涼しさを運び、木の葉を乱舞させて、高みへと駆け上がり、穏やかに着地しました。前半最後はピアノ独奏でショパンの「英雄ポロネーズ」。畳み掛ける拳(こぶし)が繰り出され、暖かな愉しさで前進し、悲しみを喜びに移し替え、細やかに弾(はず)んで、輝きの内に凱旋しました。
休憩を挟んで後半はゲストのピッコロが加わって、クヴァンツの「トリオ・ソナタ」。光の帯が航跡を残し、筋雲が長く寄り添って、ゆったりと流れる第1楽章。明るいさざ波が揺れながら絡み合い、足早に駆け抜ける第2楽章。淡い哀しみを浮き上がらせ、鋭い刃先で切り結ぶ第3楽章。耀きの糸が、素早く交差しながら、布地を縫い上げる第4楽章。音楽の綴(つづ)れ織りを編み上げました。さらにフルートとピアノで講師作曲の「「ロンドンデリー』による幻想曲」。キラキラと瞬く鍵盤の上を、透き通った郷愁が吹き過ぎ、並び立つ行列から、要素を引き抜いて、上空のジェット気流を地上へと導きました。プログラム最後はプーランクの「フルート・ソナタ」。風変わりな出で立ちで翳りを引き摺り、細やかに渦を巻いて、軽やかに走り去るアレグロ。擦り硝子の向こうに見え隠れする悲しみを細く引き伸ばし、鋼鉄の皮膜で包んで、ゆっくりと舞い上がるカンティレーナ。活気に満ちたお茶目さで跳ね廻り、軽妙な素振りで追い掛けっこをして、一瞬立ち止まり、くるりと踵(きびす)を返して、一目散に逃げ出すプレスト。洒脱な香りを漂わせ、粋でクールな装いで飾りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはピッコロも加えてのJ.S.バッハの「マタイ受難曲」からのヴァイオリン、アルトと弦楽合奏のための「神よ憐れみたまえ」。しめやかに胸に迫り、穏やかな終演となりました。
より深く鑑賞できるように音楽の裏に潜むカラクリを解き明かす講義と、それを具現化し、耳と心で体感できる演奏で楽しませて頂いたことに感謝して、快い気分で帰路に付きました。

りゅーとぴあ1コインコンサート vol.97 魅惑の美声“バス”

2018年9月21日(金) 11:30 新潟市民芸術文化会館コンサートホール りゅーとぴあ1コインコンサート vol.97 魅惑の美声“バス”

楽に寄す/シューベルト
さびしいカシの木/木下牧子
歌劇「魔法の森」より"畏れ敬うその名に"/リギーニ
歌劇「セヴィリアの理髪師」より“陰口はそよ風のように”/ロッシーニ
歌劇「エウゲニー・オネーギン」より“誰でも一度は恋をして”/チャイコフスキー
歌劇「ラ・ジョコンダ」より"彼女は死なねばならぬ"/ポンキエッリ
落葉松/小林秀雄
マイウェイ/フランソワ

森 雅史(Bs)
岩渕 慶子(Pf)

お彼岸のお墓参りへ行き、戻ってから大急ぎで自転車を飛ばし、りゅーとぴあへ。開演15分前に到着。
感想は、「豊穣なる低音の歌声とそれを支える鍵盤に聞き入る」です。
まずはシューベルトの「楽に寄す」から。柔らかなさざなみが揺らぎ、渋く甘やかな香りがゆったりと漂って、穏やかな優しさで包みました。続いてやなせたかしの詩に木下牧子が曲を付けた「さびしいカシの木」。爽やかな秋の風が吹き過ぎ、ふんわりと膨らむ大気が寄り添って、艶(つや)やかに、ホクホクとした味わいを伝えました。
ここからはオペラアリアのコーナー。最初はリギーニの「歌劇『魔法の森』」より「畏れ敬うその名に」。大らかで包み込むような歌声が、まろやかにたっぷりと拡がり、快く抑えられた豊かさを届けました。次はロッシーニの「歌劇『セヴィリアの理髪師』」より「陰口はそよ風のように」。軽快なさざめきに乗って、ちょっと気取った口振りで、諭(さと)すように語り掛け、ざわめきを背に、慌てふためいて走り抜け、細やかな揺らめきを伸びやかに収めました。さらにチャイコフスキーの「歌劇「エウゲニー・オネーギン」より「誰でも一度は恋をして」では、甘さを抑えた、コクのあるとろみを響かせ、ゆっくりと切なくその想いを訴え、鋭さを含んだ浪漫を描きました。アリアの締めはポンキエッリの「歌劇『ラ・ジョコンダ』」より「彼女は死なねばならぬ」。不安の影が急(せ)き込む直中(ただなか)を、怒りを弾(はじ)けさせ、一旦は落ち着きを取り戻すも、艱難辛苦と闘い、胸張り裂ける思いを耐えて、癒やしの一時(ひととき)へと至りました。
最後の2曲は日本語の歌を。儚くも物悲しく、けれど淡い日差しを受けて光り、涼しげに穏やかさを認(したた)める小林秀雄の「落葉松」。遥か遠くからの灯りが、残された希望を照らし、やがて全てを輝きに変えて、しっかりとした足取りで歩む「マイウエイ」。聞く者の心を真っ直ぐに捉えて、感動の波が押し寄せました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。マリーニの「世界で一番美しい君へ」をたっぷりと美しく、フレンニコフの「酔っ払い」を、会場へ降り立ち、客席を巡って、コミカルに歌い、にぎにぎしく終演となりました。
素晴らしい低音の歌声で、オペラの一場面を再現し、心に沁みる旋律で大いに楽しませて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に着来ました。