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美しいものには棘がある

2019年8月29日(木) 19:00 Dr.可児 美しいものには棘がある

1st.set
 Softly as in a morning sunrise/ロンバーグ
 I wish you love/トレネ
 Love Me Tender/プレスリー・マトソン
 ラブ・イズ・オーバー/伊藤薫
 Love for sale/ポーター
2nd.set
 Makin' whoopee/ドナルドソン
 Close to you/バカラック
 Can't help falling in love/ワイス、ペレッティ、クレイトアー
 Kiss/プリンス
 さよならの向こう側/宇崎竜童
 
阿部真由美(Vo)
川崎祥子(Pf)

仕事を終えて、車を駐車場に入れ、自転車でDr.可児へ。開演30前に到着。
感想は、「艶のあるジャズ・ヴォーカルと、それをサポートする変幻自在のピアノを楽しむ」です。
まずは「Softly as in a morning sunrise」から。明るく軽やかに弾(はず)み、伸びやかに突き抜けて、魂を揺さぶる歌声で聴衆を魅了しました。続いて「I wish you love」。しっとりとした優しさで悲しみを包んで、切ない願いを届け、心からの喜びで満たしました。次はエルビス・プレスリーの「Love Me Tender」。爽やかに蕩(とろ)ける甘やかさを届け、熱い想いをグラスの氷に浮かべました。ここで日本の曲を1曲。欧陽菲菲の「ラブ・イズ・オーバー」。通り過ぎた愛を懐かしみ、優しく包み込む大らかさで、全てを癒やしました。1st.set 最後はコール・ポータの「Love for sale」。歯切れ良く揺れ、パワフルにシャウトして、パンチの効いた歌声を響かせました。
休憩を挟んで 2nd.set はエラ・フィッツジェラルドの「Makin' whoopee」。甘えるように誘(さそ)い、ファンキーに輝いて、可愛いキャラで微笑みました。続いてカーペンターズの「Close to you」。爽快な風を吹かせ、薄明かりに映える大人びた仕草で、喜びを解き放ちました。ここで再びのプレスリーで「Can't help falling in love」。ゆっくりと、心を込めて歌の花束を届け、ふんわり柔らかに仕上げました。そしてプリンスの「Kiss」。カッコよく挑みかかり、ソウルフルにパワーを解放して、コク深く練り上げ、心からの渇望を描き出しました。セット・リスト最後は山口百恵の「さよならの向こう側」。ゆったりと寂しさを立ち上げ、切なさを添えて、溢れ出る想いを形にして、高らかに歌い上げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはビリー・ジョエルの「Just the way you are」。都会の洗練をさらりと届けて、賑々しく終演となりました。
歌詞に含まれる"棘"のある部分を、笑いを交えて、名曲を提供するライブを、楽しい雰囲気で体験できたことに感謝して、快い気分で帰路に就きました。
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大瀧拓哉・星野紗月 ピアノデュオリサイタル

2019年8月28日(水) 19:00 スタジオスガマタ 大瀧拓哉・星野紗月 ピアノデュオリサイタル

2台のピアノの為のカプリッチョ「みだれ」Op.11/尾高尚忠 ★☆
ひばり/グリンカ~バラキレフ ☆
ゴールデン・スランバー/レノン&マッカートニー 武満徹編 ★
ムジカ・リチェルカータ 第7番/リゲティ ★
エチュード第5番"トッカータ"/ウンスク
喜びの島/ドビュッシー ☆
ピアノ曲Ⅸ/シュトックハウゼン ★
即興演奏 ☆
リンダラハ/ドビュッシー ★☆
ラ・ヴァルス/ラヴェル ★☆

大瀧拓哉:★ 星野紗月:☆(Pf)

仕事を終えて、車を駐車場において、徒歩でスタジオスガマタへ。開演30分前に到着。
感想は、「個性的なソロ、圧倒的なデュオによるピアノの饗宴を楽しむ」です。
まずは2台ピアノで尾高尚忠の「2台のピアノの為のカプリッチョ『みだれ』」。ゆっくりと重き梵鐘が立ち上がり、束(つか)の間に揺蕩(たゆた)うと、一転急ぎ足で駆け出し、魚醤(ぎょしょう)の香りを千々(ちぢ)に舞い散らせ、喜びの光が細やかに千切れて、幾筋もの雨粒が降り注ぎ、祝祭の熱を囃し立てる時を経て、曙(あけぼの)の薄明かりの中、速度を落とし、幾重にも折り重なって、たっぷりと揺らぎ、永遠の時間を刻むと、どきどきと鼓動を刻み、激しく、強く乱打して、興奮を掻き立て、力が抜けるように倒れ込んで、穏やかな海の波間に、差し込むご来光を受け、国造りの余韻を漂わせて、足早に駆け抜けました。
続いて独奏で、バラキレフがグリンカの調べを編み直した「ひばり」。寂しそうな呟きを切れ切れに発し、穏やかに語りだすと、水面を掻き回し、煌めきで飾って、絡みつく水泡(すいほう)を身に纏(まと)い、一瞬の内にその身を膨らませて、涼しげに輝きました。
選手交代で3曲。まずは武満徹が編曲したビートルズの「ゴールデン・スランバー」。柔らかな調べを、淡い翳りが包み、安らぎを伝えて、ゆっくりと波が砕け散りました。続いてリゲティの「ムジカ・リチェルカータ 第7番」。内燃機関の振動が蠢(うごめ)き、甘やかな光の粒がゆったりと浮かんで、夢の中での不安と恍惚(こうこつ)を描きました。最後はチン・ウンスクの「エチュード第5番"トッカータ"」。乾燥し、硬質な宝飾を連ね、無作為に打ち鳴らして、角張った波濤が騒ぎ立ち、孤立した鐘の音(ね)が生まれては消え、冷たい破片が散り散りに砕けました。
再度奏者が入れ替わって、前半最後はドビュッシーの「喜びの島」。細やかな波紋が広がり、小さな氷片が床に転がって、綺羅びやかに耀くと、ゆったりとした凪(なぎ)の海を、帆船が波を蹴って進み、沸き出(いで)る気泡(きほう)を大きく包み込んで、楽しげに浮遊し、強く華麗に終止符を打ちました。
休憩を挟んで後半はピアノ・ソロでシュトックハウゼンの「ピアノ曲Ⅸ」から。警鐘を打ち鳴らし、僅かな光源が瞬(またた)いて、何度も階段を駆け下り、降り掛かる塵(ちり)を払い除けて、鋭利な輝きを発し、重量のある鉄槌を振り下ろして、僅かな鳴動を小さく固く丸めて、大きな硝子窓を激しく振動させました。
続いて選手交代し、休憩時間中に回収した聴衆からの"お題"を基にした即興演奏。氷塊が転げ落ち、暖かさを運んで、喜びを表し、力強く駆け上がり、勇気の旗を掲げて、浪漫の薫りを匂わせ、輝かしく弾(はず)みました。
デュオに戻って2曲。明るい愁いを漂わせ、爽やかに海風が吹き抜け、陽光が眩(まぶ)しい青空を背に、夏の海辺を彷徨(さまよ)い、やがて来る荒天の予感を力を込めて描き出すドビュッシーの「リンダラハ」。曇り空の中、どんよりと浮上する水蒸気が揺れ、ぼんやりと姿を表す優美さが円舞して、やがてくっきりと舞い踊り、時に強烈に蹴りを入れて、甘やかで優雅に裾を揺らし、くるりと踵(きびす)を返して、調子を狂わせ、形を崩し始め、破片を飛び散らせて、崩壊へと突き進むラヴェルの「ラ・ヴァルス」。煌めく美しさと、切れ味鋭く、迫力に満ちた二重奏で聴衆を魅了しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはプーランクの「シテール島への船出」。楽しげに弾(はず)んで、賑々しく終演となりました。
現代の作品を中心とし、フランス風味を加えて、新潟ではなかなか聞けない曲を楽しませて頂いたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。

アフィニス夏の音楽祭 2019 長岡 室内楽演奏会 [1]

2019年8月23日(金) 19:00 長岡リリックホール・コンサートホール アフィニス夏の音楽祭 2019 長岡 室内楽演奏会 [1]

弦楽四重奏曲 第82番 ヘ長調 op.77-2 Hob.III:82/ハイドン
 Ⅰ.Allegro moderato
 Ⅱ.Menuetto:Presto ma non troppo
 Ⅲ.Andante
 Ⅳ.Vivace assi
  川崎洋介、猶井悠樹(Vn) 南條聖子(Va) 加藤陽子(Vc)
弦楽六重奏曲 第1番 変ロ長調 op.18/ブラームス:
 Ⅰ.Allegro ma non troppo
 Ⅱ.Andante ma moderato
 Ⅲ.Scherzo:Allegro molt-Trio animato
 Ⅳ.Rondo:Poco allegretto e grzioso
  ヘンリック・ホッホシルト、 戸原直(Vn) 太田玲奈、デイヴィッド・メイソン(Va)  鈴木穂波,西村絵里子(Vc)
六重奏曲 ハ長調 op.37/ドホナーニ
 Ⅰ.Allegro appassionato
 Ⅱ.Intermezzo:Adagio
 Ⅲ.Allegro con senitiment
 Ⅳ.Finale:Akllegro vivace,grazioso
  吉岡 奏絵(Cl)  鈴木一裕(Hr) ヨーン・ストルゴーズ(Vn) 西悠紀子(Va) 玉木俊太(Vc) 居福健太郎(Pf)

第1スタジオを出て、2階へ登り、コンサートホールへと続く行列に並んで、無事入場。
感想は、「アフィニス音楽祭参加3組が作り出す室内楽の素晴らしさを十二分に堪能する」です。
まず1組目はハイドンの「弦楽四重奏曲 第82番」から。明るく柔らかに弾(はず)み、歯切れ良く、艷やかに輝いて、軽やかに鼓動を打ち鳴らし、若鮎の如き生命力で、生き生きと飛び跳ねるアレグロ。細やかに、切れ味良く刻み、柔らかで弾力を持った滑らかさで舞い、内側から喜びを照り返すメヌエット。ゆっくりと静かに動き出し、にこやかに微笑んで、悠々と歩を進めるアンダンテ。勢い良く、熱を込めて走り出し、軽快に光を放ち、紳士的に振る舞って、結末へと急ぐフィナーレ。上品さと熱っぽさをうまく混ぜ合わせて、極上の仕上がりで決めました。
続いてブラームスの「弦楽六重奏曲 第1番」。ゆらゆらと潮(うしお)が満ち始め、幾重にも折り重なって、時折水泡(すいほう)が割れ、乳白色の靄に覆われて、熱い想いが沸々と湧き出すアレグロ。愁いが深く心に沁み入り、幾筋も罅割(ひびわ)れが走って、波高く荒れる海へ漕ぎ出し、伸(の)し掛かる曇り空と対峙するアンダンテ。軽やかに跳んで、細き茎(くき)が伸び上がり、太き幹へと成長すると、黒く渦巻く気流が、大きく波打つスケルツォ。優しくも力強く、水面を蹴って、溢れ出す若さを存分に放出し、アツき記憶が、青春の名残を迸(ほとばし)らせて、力一杯駆け抜けるロンド。絡み合う情念を見事に解きほぐして、浪漫の香りを伝えました。
休憩を挟んで後半はドホナーニの「六重奏曲」。暗く翳(かげ)る雲間に、光が垣間見え、大きくうねる偏西風が、雨雲を呼んで、吹き荒れる嵐が、捧げられた松明(たいまつ)を吹き消すように、地上を走破する第1楽章。穏やかに朝靄が掛かり、不安の足音が忍び寄って、薄っすらと辺りを包み込むと、それを振り払うかのように、力強く前進し、行く手を切り開いて、地上に舞い降りる第2楽章。細やかに速く振動し、時に鋭く切り込んで、急き込むように追い込み、たっぷりと抱え込んで、憂鬱を解き放つ第3楽章。大急ぎで駆け出し、持てる熱量を全て吐き出して、滞留する蒸気を弾(はじ)けさせ、沸騰する液体を軽々と飛び越える第4楽章。襲い掛かる苦難を力に変えて、アツく激しい闘いを制しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、六人の健闘を讃えました。
第一線の勇者たちによる素晴らしい演奏を十二分に堪能できたことに感謝して、喜ばしい気分で、帰りのハンドルを握りました。

アフィニス夏の音楽祭 2019 長岡 プロムナードコンサート I

2019年8月23日(金) 18:00 長岡リリックホール・第1スタジオ アフィニス夏の音楽祭 2019 長岡 プロムナードコンサート I

六重奏曲 変ホ長調 Op.81b/ベートーヴェン
 Ⅰ.Allegro con brio
 Ⅱ.Adagio
 Ⅲ.Rondo Allegro

ジュリア・パイラント、鈴木一裕(Hr)
外園彩香、巖埼友美(Vn)
ポール・ペシュティ(Va)
イヴ・サヴァリ(Vc)

ゆったりとした休日の午前を過ごし、昼食を摂って、少し休憩し、高速を一路長岡へ。開演30分前に到着。
感想は、「公開セミナーの参加者によるプロムナード・コンサートを楽しむ」です。
曲目はベートーヴェンの「六重奏曲」一曲のみ。ゆったりと快活に弾(はず)み、明るく朗らかに足取りを進め、速足で階段を登って、清明な午後の薄明かりを受けるアレグロ。速度を落として、柔らかく伸びやかに包み込み、温もりの残る木製の器に、黄金の水を注ぐアダージョ。足早に飛び跳ね、艷やかにメリハリを付けて、輝ける曲線を描き、生きいきと楽しげに遊んで、豊かな立体を構成するロンド。音楽する喜びを交わし合い、真剣に熱意をぶつけ合って、素晴らしい成果を披露しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、ここ数日での取り組みの見事な仕上がりを讃えました。
音楽祭が生んだ上質の演奏を間近で確認できたことに感謝して、快い気分で、本公演の行われるコンサートホールへ向かいました。

第22回日本電子音楽協会定期演奏会

2019年8月21日(水) 18:30 新潟市民芸術文化会館能楽堂 第22回日本電子音楽協会定期演奏会

undulation / floating organs/廣木勇人+映像:阿部康太
Caldera /カルデラ/田口雅之
《一二三松風》for a Shakuhachi and Computer /《hi fu mi matsu-kaze》for a Shakuhachi and Computer/福島諭+尺八:福島麗秋
Palimpseste / パリンプセスト/渡邊裕美
UTSURO-BUNE / 空舟/大谷安宏+振付:和田敦子 ダンサー:角正之
Makiginu-巻絹/宮木朝子+映像:小阪淳
Lake District for voice, soprano and electroacoustics / 湖水地方 ― 声・ソプラノと電子音響のための/小坂直敏+声・ソプラノ:Sara Perez

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演5分前に到着。
感想は、「人間と電子機器が織り成す未知の体験を興味深く堪能する」です。
まずは廣木勇人の音楽に阿部康太の映像が加わった「undulation / floating organs」。短く鋭い断片が交差し、沈黙の間(はざま)に稲妻が走って、場面が切り替わり、薄く丸い靄(もや)が幾つもの触手を伸ばし、空間に漂うと、全てがかき消され、深海より気泡が浮かび上がり、滔々(とうとう)と水脈が溢れ出して、あらゆるものを流し去りました。
続いて田口雅之の「Caldera /カルデラ」。ゆっくりと警鐘が呼吸し、無重力の空間に、ふんわりと浮遊し、時を区切る閃光が走るたび、曲線が変化して、その幅を伸ばし、滑らかな鼓動を強く弱く打ち付けて、静寂の闇へ収束しました。
次は福島諭の「《一二三松風》for a Shakuhachi and Computer」。振り下ろされる重き槌音(つちおと)が山野に響き渡り、微かに漂う霧の薄絹(うすぎぬ)が纏(まと)わり付いて、吹き抜ける巻雲(けんうん)が風の中に棚引くと、雅(みやび)な奏でへと昇華し、透明な覆いで囲い、生命の息吹を取り戻して、振り出しへと逆流しました。
前半最後は渡邊裕美の「Palimpseste / パリンプセスト」。乾いた地平に砂塵(さじん)が舞い、蒸気を吹き上げて、上下左右を走り回り、小雨降る中、微細な破片が粉々に砕け散って、炭酸が泡立ち、幾筋もの裂け目を生じて、繊細な細糸(ほそいと)へ分解され、洞窟の天井から滴る水滴を数えて、吹く風に消え去りました。
休憩を挟んで後半は大谷安宏の「UTSURO-BUNE / 空舟」。陰鬱な空の下、売れる海が揺らぎ、水飛沫(みずしぶき)を上げて、ゆらりと浮遊し、梵鐘が包み込んで、粘りけのある体液を帯び、響きが調(しら)べへと移り変わって、乾いた六弦の記憶を呼び覚まし、ゆったりと重く揺蕩(たゆた)い、冥界からの使者により、水底へと引き戻されました。
続いて宮木朝子の音楽に小阪淳が映像を付けた「Makiginu-巻絹」。鮮やかな空白に鋭く切り込み、噴射される気流が言の葉を模して、未分化な会話を交わし、涼やかに鈴が鳴ると、厚くのびやかな煙の帯(おび)が長く連なって、空間を歪曲(わいきょく)し、警笛を繰り返して、彼方へと飛び去りました。
最後は小坂直敏の「湖水地方 ― 声・ソプラノと電子音響のための」。立ち込める水蒸気を背に、小声で呟(つぶや)き、木霊(こだま)が幾重にも絡み付いて、歌い出す声を掻き消し、剥離(はくり)する金箔(きんぱく)が空中で共鳴して、長き隧道(ずいどう)に響き渡り、冷たい滴(しずく)を落とすと、一瞬の静寂の後、歌声が戻り、翳りを纏って、谷川の清流に溶け込み、氷の刃(やいば)がその切っ先を光らせて、固く切り結ぶと、話し声を取り戻し、穏やかに収めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、人間と機械が織り成す最先端の音楽作成の成果を讃えました。
ここ新潟で日本の電子音楽を担う方々の作品を鑑賞できたことに感謝し、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

ピアノサロンコンサート 古川大智・本間千朝

2019年8月18日(日) 13:00 ヤマハミュージック新潟店1階グランドピアノサロン ピアノサロンコンサート 古川大智・本間千朝

ベルガマスク組曲よりプレリュード/ドビュッシー
巡礼の年報 第2年への補遺『ヴェネツィアとナポリ』よりタランテラ/リスト
ピアノソナタ 第7番 変ロ長調『ピーターと狼』Op.83より第3楽章/プロコフィエフ
ポロネーズ 変イ長調『英雄』/ショパン
恋/星野源

古川大智、本間千朝(Pf)

みなとトンネルを4往復走って、身支度を整え、ヤマハミュージック新潟店へ。開演20分前に到着。
感想は、「高校生男女2人によるピアノのソロ及び連弾に、明日を生きる活力を頂く」です。
まずは女性のソロでドビュッシーの「ベルガマスク組曲」より「プレリュード」。照り付ける陽光の森に聳(そび)える寺院の鐘が打ち鳴らされ、余韻を引き摺って、優しく降下し、キラリと飛び散る水滴が飛び散って、大らかに、波がうねりを見せました。選手交代して、次はリストの「巡礼の年報 第2年への補遺『ヴェネツィアとナポリ』」より「タランテラ」。ごろごろと褐色の念珠が連なり、切れ味鋭く、銃弾を連射して、力強く飛び跳ねると、ゆったりと水面(みなも)が揺れ、煌めきが粒を成して、優雅に歌い、安らぎを楽しんで、活力を補充し、再び狂乱の舞踊へ向かいました。続くは連弾でプロコフィエフの「ピアノソナタ 第7番『ピーターと狼』」から第3楽章。ギザギザと刻む鋸(のこぎり)の刃を長く並べ、時折顔を出す親しげな調べが微笑んで、速足で飛ばし、やがて鋼鉄の破片を巻き込んで、歪(いびつ)な形態へと変化しました。男性の独奏に戻って、ショパンの「『英雄』ポロネーズ」。黒雲が巻き起こり、一陣の風がそれを吹き飛ばすと、誇らしげに旗を高く掲げ、白き光を背に、喜びを鼓舞すると、奔流する水が渦を巻いて、運河へと流れ込み、溢れ出す勇敢な耀きを伴って、堂々とした姿勢で、栄冠を勝ち取りました。最後は連弾で星野源「恋」。楽しげに弾(はず)み、生きいきと青春を謳歌して、心から湧き出(いで)る熱量を、輝かしく爆発させました。
会場からは大きな拍手が贈られ、若き俊英たちの健闘を讃えました。
希望に満ちた未来を夢見る若者たちの眩しい耀きに接して、微笑ましい瞬間に立ち会えたことに感謝し、喜ばしい気分で、帰路に就きました。

樅の木の下で ヴァイオリン&チェンバロ小品集

2019年8月17日(土) 19:00 ギャラリー蔵織 樅の木の下で ヴァイオリン&チェンバロ小品集

朝/グリーグ
古風なる樹の歌/吉松隆
亜麻色の髪の乙女/ドビュッシー

R博士の肖像/吉松隆
たんぽぽの花瓶/ 〃
すみれの花瓶/ 〃
木漏れ日のロマンス/ 〃

九官鳥のロンド/ 〃
抒情的瞑想 第3番 ユモレスク/シベリウス
抒情的瞑想 第7番 ロンドレット/ 〃
古風なる樹の舞曲/ 吉松隆
緑のワルツ/ 〃
虹色の薔薇のワルツ/ 〃
ベルベットワルツ/ 〃

道化師の昼の歌/ 〃
ペンギン公園の午後/ 〃
祭りのあと/ 〃

歌と踊り 第7番/モンポウ
樅の木/シベリウス

月の光/ドビュッシー
過ぎし春/グリーグ

エリーゼのために/ベートーヴェン
忘却の木の歌/ヒナステラ

ブラジル風バッハ 第5番/ヴィラ=ロボス
オブリヴィオン/ピアソラ

哀歌 1/モンポウ
哀歌 2/ 〃
哀歌 2/ 〃

小さな人形の子守唄/吉松隆
春 5月の夢の歌/ 〃
夏 8月の歪んだワルツ/ 〃
秋 11月の夢の歌/ 〃
冬 子守唄/ 〃

杉原桐子(Vn)
笠原恒則(Cemb)

仕事を終えて、ギャラリー蔵織へ。開演30分前に到着。
感想は、「一枚一枚頁(ぺーじ)を捲(めく)り、新たなる瞬間に出会う旅を大切な気持ちで楽しむ」です。
か細く紡ぐ絹糸が、やがて太く豊かに実りを迎えて、打ち寄せる波にキラキラと戯れる「朝」。どこか懐かしく、幼き日の陽光を浴びて、複雑な模様を、錦糸(きんし)で編み上げる「古風なる樹の歌」。木の温もりを伝え、低く身構えて、艶めきを伴い、水を跳ねて、高く飛ぶ「亜麻色の髪の乙女」。柔らかく穏やかに、物語の幕を開きました。
悪戯(いたずら)っぽく駆け出し、速く滑らかに刻む「R博士の肖像」。過ぎし日を懐かしみ、光の帯を長く曳いて、無邪気に戯れる「たんぽぽの花瓶」。軽やかでまろやかに円舞し、愉しげに遊ぶ「すみれの花瓶」。繊細な網目が煌めき、涼しげなかき氷が、力なく崩れる「木漏れ日のロマンス」。洒落っ気を一杯に盛り付けました。
速く、歯切れ良く弾(はず)み、足踏みをしながら、くるくると回る「九官鳥のロンド」。ゆっくりと飛び上がり、後ろ髪を引かれながらも、言の葉をやり取りする「抒情的瞑想 第3番 ユモレスク」。誇らしげに語り、嬉しい気持ちを一杯に抱えて、細やかに震える「抒情的瞑想 第7番 ロンドレット」。まったりと哀しみを揺らし、水面に広がる波紋に想いを馳せる「古風なる樹の舞曲」。可愛いキラキラを飾り、伸びやかに輪舞して、つらつらと筆跡(ふであと)を認(したた)める「緑のワルツ」。光を放つ綺羅星(きらぼし)が、ゆっくりと近寄り、はたまた遠ざかって、上空より降下する「虹色の薔薇のワルツ」。優しく引き留め、やんわりと抱擁し、細やかな水滴を散らす「ベルベットワルツ」。揺れ動く心の襞(ひだ)を美しく切り取りました。
けたたましく警報が鳴り響き、迫り来る影に怯(おび)えて、頻闇(しきやみ)の谷をにげまとう「道化師の昼の歌」。淡々と忍び寄る怖れが背筋を冷やし、低く飛び交う物の怪が鋭利な切っ先で空を切って、身を隠す陥穽(かんせい)を脅(おびや)かす「ペンギン公園の午後」。不規則な足取りで、暗い森を行き、切れ味の鋭い不安が、速足で飛び跳ねる「祭りのあと」。心の暗がりの蓋(ふた)を開け、禍々(まがまが)しき者共を召還しました。
懐かしさに寂しさをまぶし、ゆっくりと微睡(まどろ)みを誘(いざな)う「歌と踊り 第7番」。昔を振り返り、思い出に浸(ひた)って、夢見心地で過ごす「樅の木」。ひとときの安らぎに身を委(ゆだ)ねました。
休憩を挟んで後半はドビュッシーの「月の光」から。冷たい井戸水を汲み上げ、水面を揺らして、地上に降り立ちました。グリークの「過ぎし春」では、萌え出(いず)る新芽が、愁いの表情を見せ、薄明かりの谷間に、惜別の寒さを運びました。
続いてはベートーヴェンの「エリーゼのために」。サクサクとした砂糖菓子の触感で、綺羅びやかな錦繍(きんしゅう)を織り上げると、ヒナステラの「忘却の木の歌」では、千鳥足でふらつき、愁いを滲ませて、右へ左へとよろめきました。
次はヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ 第5番」。熱に浮かされたように悲しみを綴り、白日夢の霧の中で、嘆きの声を上げました。さらにピアソラの「オブリヴィオン」になると、気怠(けだる)い覆いを被せ、憂鬱が通り過ぎて、生温(なまぬる)い空気を纏(まと)い、夢の彼方へと旅立ちました。
ここでモンポウの「哀歌」を3つ。湖上の波立ちの上で、ゆっくりと揺れる「哀歌1」。ざわめきの間(はざま)を、ふらふらと彷徨(さまよ)う「哀歌2」。速い足取りで、光の広場を駆け抜ける「哀歌3」。簡潔な物言いで、胸の奥の思いを伝えました。
プログラム最後は吉松隆が5曲。繊細な秒針が細やかに時を刻み、幼少の頃の想い出の照り返しを描く「小さな人形の子守唄」」。故郷(ふるさと)の里山に遊び、山並みに沈む夕陽を背に、家路を急ぐ「春 5月の夢の歌」。冷たい風が吹き、月光が冴え渡って、寂しさが乱れ飛ぶ「夏 8月の歪んだワルツ」。木漏れ日を受け、燃え盛る暖炉の火を眺め、儚さに思いを寄せる「秋 11月の夢の歌」。淡々と時を過ごし、遥かな彼方にある希望を夢見て、満ち満ちる潮(うしお)にこの身を任(まか)せる「冬 子守唄」。季節の移ろいを淡い筆遣(ふでづか)いで切り取って、優しく仕上げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはフォーレの「夢の後に」。憂愁の調べを届けて、賑々しく終演となりました。
全体を貫く淡き叙情と、それを具現化する素晴らしき腕前が相まって、親密な空間を優しく包み込んで、得も言われぬひとときを醸し出して頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路に就きました。

Isa's Jazz @monk's mood

2019年8月16日(金) 20:00 MONK'S MOOD JAZZ CLUB Isa's Jazz @monk's mood

1st.set
 Indiana/マクドナルド
 Dear Old Stockholm/スェーデン民謡
 Smoke gets in your eyes/カーン
2nd.set
 Sometime Ago/コリア
 In Walked Bud/モンク
 Sandu/ブラウン
 Say It/コルトレーン
3rd.set
 Danceland/パウエル
 Well,you needn't/モンク
 Freight trane/フラナガン
 Cute/ヘフティ

  ※曲名等は聞き取りの為、不正確な場合があります。

伊佐瞳(Bcl)
山本悠(Drs)
皆川陽介(Gt)

みなとトンネルを4往復走って、昼食を摂り、ゆっくりと休憩した後、所用を足して、夕食を済ませ、MONK'S MOOD JAZZ CLUBへ。開演30分前に到着。
感想は、「軽やかで濃厚なサウンドを楽しむ」です。
まずは「Indiana」から。突き抜けた明るさで弾(はず)み、ご機嫌な軽さで、にこやかに微笑みました。続いて「Dear Old Stockholm」。古き良き木陰(こかげ)に佇み、琥珀(こはく)色に塗り込めて、濃厚な味わいを届けました。1st.set最後は「Smoke gets in your eyes」。ゆっくりと安らぎを伝え、たっぷりと胸に沁みる調べを奏でました。
1回目の休憩の後はチック・コリアの「Sometime Ago」から。陽光降り注ぐ大地に、まろやかなうねりを描きました。続いてセロニアス・モンクの「In Walked Bud」。足早に駆け出し、ノリよくファンキーにスイングし、快く揺れました。次はクリフォード・ブラウンの「Sandu」。燦々(さんさん)と照り付ける日光を浴び、湧き立つ砂嵐を縫って、長く太い筆跡(ふであと)で行書しました。2nd.set最後はジョン・コルトレーンの「Say It」。ゆったりと優しく、柔らかに微睡(まどろ)みを誘(さそ)い、甘やかな泡立ちで飾りました。
2度目の休憩の後はバド・パウエルの「Danceland」。洗練の肌触りで、たっぷりと言の葉を認(したた)め、揺れながら上下して、快活に駆け抜けました。続いて再びのセロニアス・モンクで「Well,you needn't」。ちょっと惚(とぼ)けた顔付きで、あちこちを行ったり来たりし、低い悲鳴を上げて、壁際へ追い込みました。つぎはトミー・フラナガンで「Freight trane」。細やかに震えて、激しく鍔迫り合いを演じ、穏やかに収めました。3rd.set最後は「Cute」。軽快に弾(はず)み、ジグザグに走り抜けて、軟らかに擦り抜けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてアンコールが1曲演奏され、賑々しく終演となりました。
管楽器を含むトリオ編成での、濃厚で楽しいジャズのシャワーを浴びて、快く酔いしれたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

新潟イタリア協会オープンセミナー サロンコンサート ~PLAZA VOCE の愉しみ~

2019年8月15日(木) 18:00 ホテルイタリア軒地下1階「PLAZA VOCE」 新潟イタリア協会オープンセミナー サロンコンサート ~PLAZA VOCE の愉しみ~

アマポーラ/ラカシェ
「わんわん物語」より ベラノッテ/バーク
ひまわり/マンシーニ
「海の上のピアニスト」より 愛を奏でて/モリコーネ
プレリュード/ロザウロ
「ロミオとジュリエット」より 愛のテーマ/ロータ
君と旅立とう~タイム・トゥ・セイ・グッバイ~/サルトーリ
「道」より ジェルソミーナ/ロータ
ニュー・シネマ・パラダイス メドレー/モリコーネ
「紅の豚」より 時には昔の話を/加藤登紀子
冷静と情熱の間/吉俣良
「ホタルノヒカリ」メインテーマ/菅野祐悟

Euphorbia
 市橋靖子(FL)
 本間美恵子(Marmb,Per)
 川崎祥子(Pf)

仕事を終えて、車を駐車場に入れ、徒歩でイタリア軒へ。開演15分前に到着。
感想は、「イタリアに関する映画音楽の妙なる調べにうっとりと耳を傾ける」です。
まずは「アマポーラ」から。太陽が燦々(さんさん)と降り注ぐ中、爽やかな風が吹き過ぎて、甘やかな香りを運びました。続いて「わんわん物語」より「ベラノッテ」。ふわふわと楽しげに舞い、柔らかく弾(はず)んで、軽やかにスイングしました。次はソフィア・ローレン主演の「ひまわり」。優しげに哀しみを包み、ゆったりと鼓動を刻んで、物憂げに昼下がりの愁いを奏でました。ここでピアノ・ソロで1曲。「海の上のピアニスト」より「愛を奏でて」。細かい水滴がはらはらと散って、穏やかに煌めきを鏤(ちりば)め、愛しき想いを訥々(とつとつ)と、熱を込めて語りました。続くはマリンバの独奏で「プレリュード」。透明な泡が乱れ飛び、響きの硝子玉が揺らめいて、淡い悲しみを描き出しました。三人に戻って、「ロミオとジュリエット」より「愛のテーマ」。暖かな息吹が、迫り来る運命の重さに耐えて、胸に沁み入る調べを歌い、微かな望みを夢見て、ときめきを伝えました。前半最後は「君と旅立とう~タイム・トゥ・セイ・グッバイ~」。ゆったりと希望の光を灯(とも)し、口籠(くちごも)るように言葉を並べて、行き過ぎる流星を眺め、徐々に立ち上がって、喜びを解き放ち、過去を振り返りながら、前を向いて、高く遠くへと、その足取りを進めました。
休憩を挟んで、後半はプログラムにない「荒野の用心棒」でカッコよくスタートすると、フェリーニの「道」より「ジェルソミーナ」。朝靄(あさもや)がきれいに晴れて、愁いの雲を振り払い、足早に駆け出して、通り過ぎる影を、懸命に追い掛けました。続いて「ニュー・シネマ・パラダイス メドレー」。夢現(ゆめうつつ)の微睡(まどろ)みから、乳白色の朝焼けが輝き出し、明け行く空を、穏やかな気持ちで眺めると、軽やかで愉しげに踊り出し、懐かしき憧れに思いを馳せました。ここからは日本の映画から。まずは「紅の豚」より「時には昔の話を」。青春の名残が香り立ち、仄暗い灯りに照らされた想い出を、しみじみと語り、心の襞(ひだ)に深く刻まれた一途な願いを胸に、勇気を持って、一歩づつ前へ踏み出しました。続く「冷静と情熱の間」では、立ちはだかる暗い影に向かい、不安な面持ちで駆け出し、切なさを胸に秘めて、急(せ)き込みながらも、頂上へと登り詰めました。最後は「『ホタルノヒカリ』メインテーマ」。突き抜けた明るさで弾(はず)み、快活に振る舞って、楽しげに羽撃(はばた)き、晴れ渡る大空へ、大きく魂を開放しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしく、楽しい演奏を讃えて、賑々しく終演となりました。
洋の東西を超えて、イタリアに因んだ映画で、心に灯火(ともしび)を点けて頂き、暖かく、愉快に過ごせたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。

オーケストラはキミのともだち(2019)

2019年8月10日(土) 11:30 新潟市民芸術文化会館コンサートホール オーケストラはキミのともだち(2019)

オペラ「カルメン」より前奏曲/ビゼー
ディズニーのメロディによる管弦楽入門/小室昌広 編 
  1.グループの紹介(星に願いを)
  2.フルート、ピッコロ(ハイ・ディドゥル・ディー・ディー)
  3.オーボエ(ホール・ニュー・ワールド)
  4.クラリネット(狼なんか怖くない)
  5.ファゴット(ビビディー・バビディー・ブー)
  6.ヴァイオリン(イッツ・ア・スモール・ワールド)
  7.ヴィオラ、チェロ(いつか王子様が)
  8.コントラバス(イッツ・ア・スモール・ワールド)
  9.ハープ(イッツ・ア・スモール・ワールド)
10.ホルン(美女と野獣)
11.トランペット(チム・チム・チェリー)
12.トロンボーン、チューバ(ジッパ・ディー・ドゥーダー)
13.打楽器(ミッキーマウス・マーチ)
14.トゥッティによるフーガ(エレクトリカル・パレード)
  ナレーション:榎本広樹(りゅーとぴあ事業企画部)
鍛冶屋のポルカ/ヨーゼフ・シュトラウス
ポルカ「狩り」/ヨハン・シュトラウス2世
スター・ウォーズ「王座の間とフィナーレ」/ジョン・ウィリアムズ
バレエ音楽「くるみ割り人形」より/チャイコフスキー
 金平糖の精の踊り
 トレパック
行進曲「威風堂々」第1番 ニ長調/エルガー

東京交響楽団
飯森 範親(指揮とお話)

ゆったりとした休日の午前を過ごし、身支度をして、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「親しみやすい選曲と分かりやすい解説付きの楽しいコンサートを十二分に味わう」です。
まずはビゼーの「オペラ『カルメン』」より「前奏曲」。勢い良く喜びを解き放って、弾(はず)むように賑(にぎ)わし、ちょっと気取って勇ましげに練り歩き、急(せ)き込むように突進しました。続いて楽器紹介の曲である「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」。大らかな光が差し込み、ゆったりと優しさを運ぶと、木管楽器が柔らかに流れ出し、弦楽器が艷(つや)やかに塗り込めて、金管楽器がまろやかで輝かしく照らし出し、打楽器が綺羅びやかに飾り付けると、個々の楽器紹介の一番手はフルート&ピッコロ。ふわふわと軽やかに舞い、続くオーボエ&イングリッシュ・ホルンが優しく濃厚に絡み、クラリネットは楽しげに踊って、ファゴットが愉快な素振りで笑わせました。弦に移り、生きいきと躍動するヴァイオリン。ゆったりと豊かに微笑むヴィオラ。和やかにたっぷりと包み込むチェロ。厚く太い声で嘶(いなな)くコントラバス。さらにハープが華麗な美技を見せて弦セクションを締め括(くく)ると、次は金管の出番。切なく翳りを響かせるトランペットを、豪快なトロンボーン&チューバが元気づけ、さらに打楽器が多彩な個性を発揮して、個別の見せ場で、その特徴を大いに見せ付けました。そして全合奏。フルート&ピッコロがするりと抜け出して、それを追うオーボエを皮切りに、紹介順に次々と走り出し、複雑に絡まり合って、大きな奔流へと転じ、それを包み込むように金管が日の出の輝きを奏でて、壮大な幕切れとなりました。
次はウィーンのシュトラウス・ファミリーのポルカが2曲。繰り返す槌音(つちおと)が、チクタクと時を刻み、甘やかで歯触りの良いお菓子の風味を伝えて、調子良く弾(はじ)ける「鍛冶屋のポルカ」。駆け足で踏み出し、爽快に風を切って、ウキウキと駆け抜ける「狩」。音楽の都(みやこ)の粋(いき)を、軽やかに伝えました。
ここで映画音楽から「スター・ウォーズ」より「王座の間とフィナーレ」。高らかに勇気の旗を振り、耀きの冠(かんむり)を掲げて、力強く進撃すると、哀しみの調べが寄り添い、胸に沁みる夕陽がその色どりを強めて、感情の昂(たかぶ)りを表し、頂きへ登り詰めると、再び活力を取り戻し、堂々とした姿勢で、全員の力を結集して、広大な宇宙(そら)へと向かいました。
さらにチャイコフスキーの「くるみ割り人形」より2曲。暗がりに小さな灯火(ともしび)がほっこりと点(とも)り、覚束(おぼつか)ないあしどりでよちよち歩いて、仄(ほの)かな光で照らす「金平糖の精の踊り」。足早に駆け出して、身軽に飛び跳ね、嬉しそうに賑わす「トレパック」。彼方に広がる夢の国へ聴衆を誘(いざな)いました。
プログラム最後はオルガンが加わってエルガーの「行進曲『威風堂々』第1番」。その前にオルガンでバッハの「トッカータとフーガ」の一節を披露して、その音色(ねいろ)の味わいを届け、本編へ。威勢良く泡が弾(はじ)け、歯切れ良く足並みを揃えて、悠然と行進し、派手やかに爆竹を鳴らして、一旦落ち着きを見せると、静々と心の襞(ひだ)に染み入るように、甘やかな練乳を注ぎ込み、やがて一杯に満ち満ちて、喜びに打ち震え、それを振り切るように一斉に駆け出して、畳み込むように収めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは映画「天空の城ラピュタ」より「君を乗せて」。勇壮に攻め入り、どこか懐かしげに想い出を語って、賑々しく終演となりました。
新潟市内の小学校へのアウトリーチの総纏(そうまと)めの意味も込めて行われたこのコンサートが、家族連れや音楽好きへの安価で大きなプレゼントとなったことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。