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帰ってきた バロエン クラリネットとチェンバロで楽しむ古楽と演歌「ゆく年くる年・南の国から北の国へ」

2019年12月29日(日) 19:00 ギャラリー蔵織 帰ってきた バロエン クラリネットとチェンバロで楽しむ古楽と演歌「ゆく年くる年・南の国から北の国へ」

リコーダーソナタ 変ロ長調 HMV377/ヘンデル
涙の流るるままに/ 〃
四季 より 冬 第2楽章/ヴィヴァルディ
リコーダーソナタ ニ短調/マルチェッロ
「星影のワルツ」組曲/遠藤実~笠原恒則
津軽海峡・冬景色/三木たかし
雪椿/遠藤実
雪國/吉幾三
涙そうそう/BEGIN
川の流れのように/見岳章

伊奈るり子(Cl,歌)
笠原恒則(Cemb)

仕事を終えて、車を駐車場に入れて、自転車で蔵織へ。開演40分前に到着。
感想は「妙なる古楽に聴き入り、ネタ満載の演歌に爆笑する」です。
前半はバロックのパート。まずはヘンデルの「リコーダーソナタ」から。抜けるような明るさで、ひらひらと滑らかに舞い飛ぶ第1楽章。高貴な哀しみをゆっくりと認(したた)める第2楽章。楽しげに弾み、まろやかに刻む第3楽章。軽やかでしなやかに冒頭を飾りました。
続いてチェンバロの独奏で同じ作曲家の「涙流るるままに」。銀色の小雨が降り注ぎ、さざめきが連鎖して、流れを装飾し、美しき調べを彩りました。
次はヴィヴァルディの「四季」より「冬」の第2楽章。暖かな懐かしさが心を暖め、優しく包み込んで、穏やかに時を刻みました。
そしてマルチェッロの「リコーダーソナタ」。ひんやりと悲しみを湛え、明るさに裏打ちされて、遥かなる海上の幻(まぼろし)を追い掛ける第1楽章。翳りを纏(まと)い、足早に駆け出して、まろやかに刻む第2楽章。昼下がりの倦怠を漂わせ、ゆったりと安らぎを届ける第3楽章。急ぎ足で走り去り、細やかに羽ばたいて、大空に羽根を広げる第4楽章。光と影を対比させ、鮮やかな縁取りで、緩急を描き分けました。
古楽編の最後は後半への橋渡しとして、チェンバロで千昌夫の「星影のワルツ」をバロックの組曲形式で再編する趣向。冷たい練乳に煌めきを添えて、軽やかに円舞するワルツ。ざっくりと鋭く編み上げるアルマンド。速度を上げ、細やかに縫い上げるクーラント。ゆっくりと喜びと悲しみを交差させるサラバンド。楽しげに弾(はず)むガヴォット。砂利道に足を取られながらも、速歩(はやあし)で駆け抜けるジーグ。親しみある旋律が、様々な様式で変奏される喜びを届けました。
ここからは演歌のパート。まずは石川さゆりの「津軽海峡冬景色」。客席からの波の音を受けて、切なげに咽(むせ)び泣き、悲しみの叫びを演じました。
続いてチェンバロのソロで「雪椿」。絢爛たる装飾を施した和服に身を包み、秘めやかな哀しみを切々と綴り、暖かな優しさを伝えました。
クラリネットが戻って、吉幾三の「雪國」。遠ざかる汽笛を背に、切なさを訴え、燃えるような胸の内を問い掛けて、吹き荒ぶ吹雪の中で絶唱しました。
楽器を置き、マイクスタンドを設置して歌うのは夏川りみの「涙そうそう」。軽やかに南国の風を呼び込み、ゆったりと揺らいで、伸びやかに願いを届けました。
プログラム最後は美空ひばりの「川の流れのように」。ふんわりとさざめき、遠くを見詰めるように歩み出し、これから行く道程(みちのり)を思いやって、大らかに飛ぶ鳥の如く、悠然と足取りを進めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは、ベートーベンの「歓喜の歌」の歌詞を、「川の流れのように」のメロディで歌う企画。客席からの爆笑も含めて、賑々しく終演となりました。
"古き革袋に新しき酒を注ぐ"試みを、楽しくも興味深く聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に就きました。
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Harmonia Niigata

2019年12月28日(土) 19:30 ブティック文文 Harmonia Niigata

1st.set
 ドライブ・アロング・ザ・コース
 ホワイト・スノー
 滔々
 万代の朝
 薫風
 グリッター・オブ・ドーン
2nd.set
 いつか王子様が
 枯葉
 ブルース・ファイブ・スポット
 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
 恋に落ちた時
 アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト

Harmonia
 伊佐瞳(B.Cl)
 斉藤宣孝(Pf)

りゅーとぴあより戻り、少し休憩して、ブログの準備をし、身支度を整えて、ブティック文文へ。開演20分前に到着。
感想は「ブティックの2階にある親密な会場での御機嫌なライブを楽しむ」です。
1st.setはオリジナル曲のステージ。まずは「ドライブ・アロング・ザ・コース」。明るくウキウキと弾(はず)んで、楽しげに振る舞い、細やかに崩して、生き生きとハンドルを握りました。
続いて「ホワイト・スノー」。まっさらに冴え渡る一片(ひとひら)の哀しみが煌めき、濃厚な息吹がふらふらと揺らめいて、身体をくねらせ、壁際へ追い込んで、儚(はかな)くも消え入りました。
次は「滔々(とうとう)」・ひたひたと水位が上がり、悲しげに波立って、熱情が高まり、想いが燃え上がって、夜半の涼しさを呼び込み、彫り深く刻んで、天空へ舞い上がりました。
4曲目は「万代の朝」。爽やかな風が吹き過ぎ、のんびりと明るく舞いながら、肩の力を抜いて、嬉しさを撒き散らし、並々と旨酒をそそいで、楽しげに飛び跳ねました。
そして「薫風」では、低く分厚い塊をぶつけ、翳りを宿した明るさで舞い踊り、憂愁の影を纏(まと)って、柔らかな煌めきで、微睡(まどろ)みを誘(いざな)いました。
1st,set最後は「グリッター・オブ・ドーン」。穏やかで優しく包み込み、しなやかに揺らいで、高みへと登攀(とうはん)し、酔眼で歩んで、九十九折(つづらお)りの山路(やまみち)を頂きへと進みました。
休憩を挟んで2nd.setはスタンダードな選曲で。まずは「いつか王子様が」。晴れやかに光を受け、細やかに弾(はず)んで、自在に切り崩し、煌めきを鏤(ちりば)めました。
続いて「枯葉」。寂しさの断片を寄せ集め、次第に形を成して、街角の愁いを奏で、細やかに分解して、破片を貼り付け、哀しみを彩りました。
次は「ブルース・ファイブ・スポット」。軽やかに刻み、御機嫌に弾(はず)んで、もくもくと煙を上げ、ノリノリで挨拶を交わして、粋な会話を楽しみました。
4曲目は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。澄み渡る夜の空気が張り詰め、ほろ酔いの眼(まなこ)刺激して、太く濃く筆跡(ふであと)を残し、流れる息吹に旋律が張り付いて、柔らかに刻みました。
さらに「恋に落ちた時」では、ゆらゆらと紫煙を燻(くゆ)らせ、ゆったりと時を過ごして、落ち着いた気分を演出し、煌めきを揺らしました。
セットリスト最後は「アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト」。愉快で楽しい軽快さを届け、ウキウキと身体を揺らし、にこやかに微笑んで、じゃれ合い、戯れを演じました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「バット。ビューティフル」。柔らかく豊かに調べを届けて、賑々しく終演となりました。
ブティックの2階の素敵な空間で御機嫌なライブを聞かせて頂いたことに感謝し、快い気分で帰路に就きました。

第20回新潟第九コンサート2019

2019年12月28日(土) 14:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 第20回新潟第九コンサート2019

歌劇『劇場支配人』序曲K.486/モーツァルト
交響曲第9番 二短調 作品125『合唱付き』/ベートーヴェン 
 第1楽章:Allegro ma non troppo,un poco maestoso
 第2楽章:Molto vivace
 第3楽章:Adagio molt e cantabile
 第4楽章:Presto-Allegro assai 

別府美沙子(S)
松本やすこ(A)
青栁素晴(T)  
小鉄和広(B)
新潟第九合唱団(合唱)
箕輪久夫(合唱指揮)
新潟交響楽団
大河内雅彦(指揮)

10km走って、昼食を摂ってから、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は「響き渡る合唱とそれを支える管弦楽の調和を楽しむ」です。
まずはモーツァルトの「歌劇『劇場支配人』序曲」。明るき疾風が吹き過ぎ、細やかに翳りを刻んで、暖かい泡立ちが弾(はじ)けて、軽やかに弾(はず)み、熱く鮮やかに駆け抜けました。
続いて本日のメイン、ベートーヴェンの「交響曲第9番『合唱付き』」。朝靄(あさもや)が立ち込める中、微かなる光の筋(すじ)が、徐々にその姿を現(あらわ)し、轟音と共に、一撃を加えると、眥(まなじり)を決し、持てる力を全て注ぎ込んで、挑みかかり、力尽くで躍動し、時に爽やかに吹き抜けて、一旦は低く沈むも、張り詰めた緊張を耐え抜き、苦しみを気力で乗り越えて、全力で力闘し、濁流を押し流して、勇ましく嵐を切り抜け、過酷な闘いに決着を付ける第1楽章。
気合い一閃。坂道を駆け下りると、黙々と前進し、勢力を増しながら、土煙(つちけむり)を上げ、一歩一歩確実に踏み締めて、勢いに乗り、手綱(たずな)を引き締めて、人馬を先に進め、忙(せわ)しく出口へ向かうと、細やかにうねり、しなやかに流れ出して、暖かな息吹を香らせ、大らかに波打って、幾重にも折り重なるも、やがて停滞を余儀なくされ、やむを得ず行き詰まって、振り出しへ戻る第2楽章。
緩やかに浮遊し、柔らかに揺らいで、まろやかな春霞(はるがすみ)に包まれ、さやさやとそよいで、ふんわりと動き出し、麗(うら)らかに優しく振る舞って、連綿と連なり、時に声高(こわだか)に耀きを掲げ、過ちを断罪するも、やがて安らぎに溶け込む第3楽章。
混沌へ雪崩(なだ)れ込み、苦しみを訴えるも、夾雑物(きょうざつぶつ)に塗(まみ)れ、来し方を振り返って、その度毎(たびごと)に過去を振り切り、新しき響きを呟くと、友が寄り添い、仲間が集まって、高みを目指すも、混迷が帰り来て、全てを押し流し、荒れ野に立ち尽くすと、力強き雄叫(おたけ)びが高鳴り、前へ前へと、篝火(かがりび)を抱えて、一歩一歩前進し、民衆の力を巻き込んで、それぞれに競い合い、頂きへと登り詰めると、軽やかに弾(はず)んで、口笛を吹き、艶めきを鼓舞して、行進を続けると、同胞が相集い、声を上げて、賛同するも、新たなる困難が襲い掛かり、懸命に力闘して、なんとか潜り抜けると、声を合わせ、大らかに歌い上げて、地を揺るがし、喜びを共有して、ふと立ち止まると、しめやかに行く末を思い、声を鎮めて、祈りを捧げ、谷間を伝い、山路(やまみち)に沿って、手探りで進み、割れるような歓声を交わし合い、嵐のように響きを交差させて、足元を踏み締め、松明(たいまつ)を手に、堂々と突き進むと、足早に抜け出て、我先に競い合い、幾重にも畳み掛けて、高みへと駆け登り、神聖な宴を催(もよお)すも、恐る恐る前へ踏み出し、熱気を爆発させて、結末へと駆け抜ける第4楽章。幾多の山河を乗り越えて、歓喜の瞬間を迎えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。柔らかで優しく疲れを癒して、賑々しく終演となりました。
数十年に渡る長き伝統を引き継ぎ、市民が一体となって、困難な障壁に立ち向かい、見事勝利を勝ち取る瞬間に立ち会えたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

Clarinet & Guitar 岩渕仁美×根本隆司 Classic Duo Concert

2019年12月27日(金) 19:00 新潟市秋葉区文化会館練習室1 Clarinet & Guitar 岩渕仁美×根本隆司 Classic Duo Concert

タンゴの歴史 より カフェ1930/ピアソラ
ブラジル風バッハ 第5番 より アリア/ヴィラ=ロボス
ラグリマ/タレガ
アデリータ/ 〃
モンターニャール/コスト
間奏曲/イベール
エストレリータ/ポンセ
アラビア風奇想曲/タレガ
協奏風ソナタ/パガニーニ

岩渕仁美(Cl)
根本隆司(Gt)

仕事を終えて、秋葉区文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は「艶やかなクラリネットと端正なギターを楽しむ」です。
まずはピアソラの「タンゴの歴史」より「カフェ1930」。昼下がりの愁いが、陰翳を伴って、ゆったりと流れ、忍び寄る葡萄酒の艶めきが寄り添って、軒を打つ小雨がぱらぱらと弾(はじ)け、差し込む乳白色の日差しが、遥かなる青空を想起させました。
続いてヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ 第5番」より「アリア」。薄紫の哀しみが穏やかに立ち上がり、降りしきる俄雨(にわかあめ)がぽつぽつと音を立てて、細き絹雲(けんうん)が黒く棚引き、暗く弾(はず)むように波打って、心に沁みる調ベが、やがて来る晴天を予感させました。
ここでギターの独奏でタレガが2曲。遠い記憶の中に、微かに光る暖かさが耀き、影差す一時(ひととき)を経て、白昼の夢想を誘(いざな)う「ラグリマ」。甘やかで涼しげな哀しみを綴り、光差す広場へと抜け出て、ゆっくりと散歩する「アデリータ」。かそけき奏でが、どこか懐かしい思いを届けました。
前半最後はコストの「モンターニャール」。控えめに咲き誇るお花畑の中を、軽やかに乱舞する蜜蜂が飛び交い、ゆっくりと楽しげに歩みを進め、淡く優しい波立ちが揺れて、くるくると渦を巻き、豊かな郷愁を掻き立てる第1曲。翳りを纏(まと)い、濃厚な旨みを匂わせて、明るく光る水面(みなも)の上を、しなやかに舞い飛んで、明暗が入り組み、淡い悲しみを香らせると、涙を拭いて、懸命に駆け出す第2曲。温暖で乾燥した地中海の薫りを匂い立たせました。
休憩を挟んで後半はイベールの「間奏曲」。不規則に揺らぎ、速歩(はやあし)で駆け出して、華やかに鼓舞し、しめやかに走り抜けて、波打つ暗雲の中を錐揉みしながら旋回し、熱情を叩き付けて、高く細き炎が立ち昇りました。
続いてギターソロで2曲。南欧の柔らかな日差しを受け、淡い郷愁が胸に広がり、降り注ぐ陽光に、哀しみを紛らわせるポンセの「エストレリータ」。秘密の暗がりで情熱を蓄え、切なく歌って、憂愁を奏で、陽だまりの中、ゆったりと午睡(ごすい)するタレガの「アラビア風奇想曲」。六弦の爪弾きが、南欧の豊穣を伝えました。
プログラ最後はパガニーニの「協奏風ソナタ」。軽快に弾(はず)み、にこやかに微笑んで、優しく豊かに舞い踊り、寄り添い、追い掛け合いながら、楽しげに並走し、清涼なる味わいを届けて、山路(やまみち)を上下するアレグロ。寂しさを纏(まと)い、ゆっくりと温もりで包み込み、優しく安らぎを覆い被せて、冷たい外気から身を守るアダージョ。軽やかに鼓動を弾(はず)ませ、楽しげに振る舞って、生命力に満ちた動きで走り出し、光る風を追い掛けて、華やかに駆け抜けるロンド。追い掛け、絡み合って、鮮やかな協奏を作り上げました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ムーン・リヴァー」。夜明けの薄明かりに、甘やかな息吹が揺らめいて、賑々しく終演となりました。
クラリネットとギターの稀な共演がもたらす、艶やかで、落ち着いた響きの一時(ひととき)を経験させて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

BASUYA

2019年12月26日(木) 19:30 MONK’S MOOD JAZZ CLUB BASUYA

蝶々
****
カストルラムの曲
G線上のアリア
WAVE
アヴェ・マリア
タンゴ・エチュード第4番
ミスティ
ザラストロのアリア
カリニューソ
****
ラボディキュル
オブビリオン
ジュピター

渡瀬英彦、浅利守宏、渡辺優子(B.Fl)
寺田正彦(Pf)

仕事を終え、一旦帰宅し、軽食を摂ってから、MONK’S MOOD JAZZ CLUBへ。開演10分前に到着。
感想は「渋さの中に光る耀きを楽しむ」です。
まずはソロで「蝶々」。ゆっくりと影を纏(まと)い、掠れを伴って、ゆらゆらと浮遊しました。
続いての曲では、暗く細やかに動き出し、明るさを呼び込んで、切なく弾(はず)みました。
次はトリオでカストルラムの曲。そこはかとない物の哀(あわ)れが漂い、一条の光が差し込むと、足早に駆け出し、ひらひらと舞い飛びました。
さらに「G線上のアリア」では、後ろ髪を引き、軽やかに弾(はず)んで、甘やかに吹き抜けました。
ここでボサノヴァから1曲。「WAVE」が涼やかに風を吹かせ、抜けるような青空を伝えて、奔放に揺らぎを描きました。
次はデュオでピアソラの「アヴェ・マリア」。ゆっくりと悲しみを綴り、暖かな吐息で美しく仕上げました。
ピアソラをもう1曲。「タンゴ・エチュード第4番」。愁いの霧が棚引き、ふわふわと漂い、哀しみを匂い立たせました。
休憩を挟んで後半はコントラバス・フルートで「ミスティ」。憂いの息吹が、ゆっくりと息づいて、優しく、甘く大気を揺らしました。
続いてモーツァルトの「魔笛」から「ザラストロのアリア」。ゆったりと穏やかに大らかさを届け、十重二十重(とえはたえ)に絡まって、暖かな薫りを奏でました。
次は「カリニューソ」。ほのぼのと温もりを運び、高々と駆け上がって、ゆるりと着地しました。
続く曲では柔らかくうねり、靄(もや)の中で羽ばたいて、角張った波立ちを起こしました。
さらに「ラボディキュル」では、緩やかに遊泳し、憂愁を認(したた)めて、切なさを内に秘めて、頂きへと駆け登りました。
そして「オブビリオン」。諦めと憂いを香らせ、紫煙を燻(くゆ)らせて、哀愁を匂わせ、胸に消え残る情熱を燃やしました。
最後は「ジュピター」。暖かな希望が流れ出し、切なく郷愁をそそって、押し寄せる情動を届けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてアンコールは「黄昏のビギン」。温かな哀しみを伝えて、賑々しく終演となりました。
普段なかなか聞けないバス・フルートの饗宴を堪能し、低音の魅力を楽しませて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

キエフ国立フィルハーモニー交響楽団 「2つの第九」

2019年12月22日(日) 14:30 新潟市民芸術文化会館コンサートホール キエフ国立フィルハーモニー交響楽団 「2つの第九」

交響曲第9番「新世界より」ホ短調 作品95/ドヴォルザーク
交響曲第9番「合唱付き」ニ短調 作品125/ベートーヴェン

イワンナ・プリシュ(S)
オリガ・タブリナ(A)
オレクサンドル・チュフピロ(T)
アンドリー・マスリャコフ(Br)
キエフ国立フィルハーモニー交響楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)
仁階堂孝(合唱指揮)

白山神社へ御札を頂きに行き、10km走って、昼食を摂ってから、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は「輝ける管弦楽、冴え渡る合唱を心行くまで楽しむ」です。
まずはドヴォルザークの「交響曲第9番『新世界より』」。甘やかな憂愁の薫りが寄り添い、一条の光明が差し込むと、荒々しい一撃が打ち込まれ、押し寄せるうねりが幾重にも重なると、勇壮な面持ちでそれに立ち向かい、襲い掛かる苦難に懸命に抗(あらが)って、一時(ひととき)の安らぎを求め、輝きを取り戻して、明るき希望を胸に、闘いの地へ敢然と立ち上がるアダージョ-アレグロ・モルト。
ゆったりと雲間より暁の光が差し込み、暖かく実りの豊穣を伝え、胸に迫る郷愁を掻き立てて、愁いを含む温もりを届けると、森の木々が歌い、穏やかな鼓動が脈打って、部厚い憂愁を描き出し、包み込む霧の中へと分け入ると、突然明るく鳥が囀り、陽光が降り注いで、哀愁の調べを取り戻すラルゴ。
不意を突いて輝き出し、一斉に蒸気を噴き出して、力強く前進すると、鋭く囁きを交わし、忙(せわ)しく追い立てて、全てが押し流されると、迷いながら佇み、やがて仲間達と収穫の踊りを舞い、賑やかに囃してて、くるくると輪舞し、喜びを分かち合うも、再び翳りが忍び寄り、動輪を回転させ、寄せる波を受け止めて、力なく寄り切られるスケルツォ。
重々しく力を込め、徐々に加速して、勇気の印を掲げ、闘いの火蓋を切ると、掟(さだめ)と格闘して、前のめりに押し込み、力尽くで抑え込んで、穏やかな安息へと持ち込むと、遥かなる故郷へと思いを馳せ、五月雨を集めて、奔流が溢れ出し、輝きを放って、穏やかに収まると、急ぎ足で駆け出し、日差しを受けて光り輝く懐旧の情を絡めて、決戦の場へと向かい、激戦を制して、勝ち取った楕円球を次々と受け渡し、未明の光明を輝かせて、負った傷の記憶を昂ぶらせ、長き光の尾を消え入るように引き伸ばすアレグロ・コン・フッコ。望郷の想いと新天地での希望を綯(な)い交ぜにして、素晴らしい交響楽に仕上げました。
休憩を挟んで後半はベートーヴェンの「交響曲第9番『合唱付き』」。朝靄の中、細かい断片が次々と集積し、堅牢な団塊となって咆哮し、力強く瀬踏みして、足場を確保すると、硬く擦(こす)れ合い、幾重にも奏なり合って、厚い層を成し、激しく畳み掛けて、雷鳴を轟かせ、迫り来る不安と対峙し、強靱な意志を持って、苦しみと格闘し、束の間の安息を享受するも、忍び寄る苦難と最後の争いを交わす第1楽章。
不安を覚えながらも、忙(せわ)しなく刻み、少しずつ厚みを増して、硬く打ち付け、うねりを呼び込んで、自らを追い込み、首筋を締め上げ、狂おしい光を弾(はず)ませると、しなやかに流れ出し、波立ちを伴って、大河へと合流し、彼方へと遠ざかると、一瞬の隙を突き、一撃を喰らわせて、辛苦の行軍へと誘い込む第2楽章。
穏やかな光が折り重なるように生まれ、柔らかでまろやかに包み込んで、優しく涼やかに傷を癒し、安らかに休養を取って、明日への力を蓄(たくわ)えると、ふくよかな豊穣を楽しみ、さやさやと波打って、落ち着きを取り戻し、硬く拳(こぶし)を握り締め、力動の感触を確かめて、新たなる闘いの準備を整える第3楽章。
押し寄せる激流を受け止め、来し方を顧(かえり)みて、その全てを捨て去り、低く身を構えて、明日への望みを掻き立て、輝ける未来を夢見るも、再び洪水が押し寄せ、辺りのものを奪い去って、一人立ち尽くすと、新たなる希望を叫ぶ友が現れ、励ましを歌って、仲間が相和し、溢れ出す情熱を高らかに燃え上がらすと、一歩ずつ前へ進み、軽やかに行進して、喜びを分かち合い、肩を組んで、声を合わせ、降り掛かる災厄を懸命に駆け抜け、吹き荒れる嵐を乗り越えて、輝ける歓喜を十二分に受け止め、豊かな響きの饗宴を楽しむと、暗く重い苦難を耐え忍び、親しきものへの愛情に望みを繋ぎ、豊かに膨らむ優しさに包み込まれ、しなやかに振る舞って、遥か彼方にある幸福へと想いを馳せ、光と影を交差させて、高みへと登り詰め、小走りに駆け上がって、耀きを濃縮させ、艶めきが絡み合って、柔らかに収まると、そろそろと歩み出し、力強く鼓舞して、一気に浴びせ倒し、未知なる世界へと懸命に駆け抜ける第4楽章。
そそり立つ高き峯へと果敢に挑戦し、頂きへの登攀を完遂して、見事に勝利する行程を共に体感し、身体を突き抜ける歓喜を聴取へと届けました。
一つの演奏会で、大曲2曲を十二分に味わえたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

細川千尋クリスマスライヴ CLASSIC×JAZZ

2019年12月20日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 細川千尋クリスマスライヴ CLASSIC×JAZZ

ピアノ・ソロ
 アヴェ・マリア/グノー=J.S.バッハ
 「ベルガマスク組曲」より第3曲“月の光”/ドビュッシー
 「8つの演奏会用エチュード」より第7曲“間奏曲”/カプースチン
 「白鳥の湖の主題による幻想曲」より第4曲“メインテーマ”/ローゼンブラット=チャイコフスキー
  パガニーニの主題による“ジャズ”変奏曲/細川千尋
トリオ
 アヴェ・ヴェルム・コルプス/モーツァルト=細川千尋
 モーツァルトの主題によるきらきら星“ジャズ”変奏曲/ 〃
 そりすべり/アンダーソン
 ホワイトクリスマス/バーリン
 サンタが街にやってくる/クーツ
 ナーディス/デイヴィス
 Espoir/細川千尋
 “Jazz” Variations on a Espoir of A Child is born/Tジョーンズ=細川千尋


細川千尋(Pf)
澤田将弘(Cb)
石川智(Ds,Per)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は「思いの一杯詰まったピアノソロと楽しさを仲間と交わすトリオを十二分に楽しむ」です。
前半はピアノソロで、まずは「アヴェ・マリア」。繊細で彫りの深い音色(ねいろ)で、柔らかく、感情の起伏が激しく揺れて、波間に漂う煌めきを輝かせました。
続いてドビュッシーの「月の光」。水底(みなそこ)に光る小石が、淡くまろやかに波立ち、一歩一歩石段を登って、蕩けるような夢見心地に誘(いざな)いました。
次はカプースチンの「8つの演奏会用エチュード」より第7曲「間奏曲」。楽しげに弾(はず)み、小粋なノリでスイングし、ちょっと気取って、ウキウキと華やいで、軽やかに駆け抜けました。
4曲目はA.ローゼンブラット=チャイコフスキーの「白鳥の湖の主題による幻想曲」より第4曲「メインテーマ」。美しき哀しさが波打ち、溢れ出る泉がこんこんと湧き出でて、細やかで硬質な結晶を撒き散らし、力を行使して分け入り、粉々に砕け散って、柔らかに包み込みました。
前半最後はピアニストのオリジナルで「パガニーニの主題による“ジャズ”変奏曲」。焼け付くような焦燥に駆られ、足早に時を刻むと、豊かさを花開かせ、渦巻く水面(みなも)を掻き回して、響きを大きく広げ、ざわめきを拡散して、一旦穏やかに煌めき、しめやかに奏で、徐々にその勢いを伸ばして、熱く燃える炎を揺らめかせ、年寄りの戯言(たわごと)をかき消しました。
休憩を挟んで後半はピアノ、ベース、ドラムスのトリオ。最初はモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。優しく軽快に裾を翻し、明るさを全開にして、砂塵を巻き起こし、開放的な明るさで歌って、細やかに刻みました。
続いて「モーツァルトの主題によるきらきら星“ジャズ”変奏曲」。細やかに千切って、速歩で駆け出し、丘の上へ登り詰め、後ろ髪を引かれつつ、前のめりの走り出し、その後ろを影のように寄り添い、熱い鉄板の上で弾(はじ)けて、心に沁みる寂しさを塗(まぶ)して、感情を露わにしました。
ここからはクリスマスに因んで3曲。氷片を蹴散らして、楽しげな表情で、ノリ良く上下動し、速度を上げて、強く激しく打ち込み、やがてゆっくりと着地する「そりすべり」。ゆったりと揺れ、快く雪原を滑走し、氷の舞台に立って、微睡(まどろ)みを誘(さそ)う「ホワイト・クリスマス」。軽やかに舞い、そっと愁いを忍ばせて、喜びを満面に綻(ほころ)ばせて、微笑みを満開に咲き誇らせ、生き生きと駆け抜ける「サンタが街にやってくる」。季節の彩りを十二分に届けました。
そしてマイルス・デイヴィスの「ナーディス」。暗く呪術的な闇を覗き込み、ぶつ切りの肉塊をゴロゴロと転がして、想いを交わし、入り組んだ模様を編み上げて、熟れた果実に熱を加え、重量を掛けて調理して、満ち満ちる潮を受け入れ、差し込む光を屈折して、落ち着きを取り戻しました。
ここでプログラムにない曲を1曲。オリジナル曲でタイトルは「Espoir(えすぽあーる)」。細かい水滴を鏤めちりば)め、優しく穏やかに歌って、暖かいおやすみの声を交わし合いしました」。
プログラム最後は「“Jazz” Variations on a Espoir of A Child is born」。未明の暗がりから、夜明けの光が差し込み、明け行く東の空がゆっくりとその姿を表すと、足早に駆け出し、ニヤリと笑い合い、歯切れ良く刻んで、息つく間もなく追跡し、大らかに舞い踊って、速度を落とし、ふんわりと舞い降りました。
会場からは大きな拍手が贈られb、それに応えてのアンコールは「Pasion」。美しく、スリリングに飛ばして、賑々しく終演となりました。
ひと味違った風情で楽しめるクラシック。コンサートホールで繰り広げられる華麗なジャズを一度の公演で楽しめたことに、大いに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

新潟大学教育学部音楽科 第37回定期演奏会

2019年12月19日(木) 19:00 新潟県民会館大ホール 新潟大学教育学部音楽科 第37回定期演奏会

巡礼の年 第3年「エステ荘の噴水」/リスト
 諸橋ののか(Pf)
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 第1楽章/メンデルスゾーン
 石井柚花(Vn) 若島歩美(Pf)
愛の夢 第3番/リスト
献呈/シューマン リスト編
 田中健太郎(Pf)
ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110/ベートーヴェン
 若島歩美(Pf)
リディア/フォーレ
歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」より「ああ、幾度か」/べッリー二
 宮下絵玲奈(S) 田中健太郎(Pf)
バラード/マルタン
 水品葵(Fl) 栗林里帆(Pf)

東京より帰還し、ゆっくりと休憩して、昼食を摂り、所用を済ませてから、県民会館へ。開演40分前に到着。
感想は「音楽を学ぶ学生達の真摯で素晴らしい演奏に耳を傾ける」です。
まずはピアノ独奏でリストの「巡礼の年 第3年『エステ荘の噴水』」から。涼やかに水滴を散らし、きらきらと光を反射して、豊かな広がりを伴い、細やかに震えて、ずっしりと荷重を掛け、速く刻む時の鼓動の上を、ゆっくりと輪郭をなぞりました。
続いてヴァイオリン独奏で、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」から第1楽章。影にある艶めきで歌い出し、哀しみに浪漫を塗(まぶ)して、大らかに刻み、暖かな灯(あか)りを点(とも)して、安らぎを届け、喜びへと駆け上がって、暗く翳りを纏(まと)い、明るくひらひらと舞って、中空を自在に飛び回り、高く低く軌道を描いて、忙(せわ)しく駆け抜けました。
次は再びピアノのソロで2曲。甘やかで夢見がちなさざめきを香らせ、ゆっくりとときめいて、慈(いつく)しむように、大らかに波打つリストの「愛の夢 第3番」。爽やかに波立ち、溢れ出る浪漫を匂い立たせて、水玉が弾(はじ)け飛び、装いも新たに、気品溢れる表情で、内に秘めた情熱の炎を燃やすリストが編曲したシューマンの「献呈」。落ち着きを見せ、繊細さと大胆さを巧みに使い分けて、優雅で力強く鍵盤を奏でました。
休憩を挟んで後半はベートーヴェンの「ピアノソナタ 第31番」。優しく精悍な表情で、細やかに飾り付け、軽やかに燻(いぶ)し銀の煌めきを発し、落ち着きのある明るさで、描き出すと、影が過(よ)ぎり、低くうねって、艶消しの耀きを放ち、穏やかな熱情で、結末へと駆け抜けるモデラート。挑み掛かる強さと、包み込むような優しさを兼ね備え、さりげなく力を発動し、翳りを借用して、彩りを添えるアレグロ。ゆっくりと諦観を香らせ、深い思索の果てに、優しく強く階段を駆け登り、明るく上下に揺れて、小さな渦を巻き、楽しげに振る舞うと、光と影を弄(もてあそ)んで、幾重にも折り重なり、清明な明かりを、天窓から取り入れるアダージョ。派手さを抑え、渋く煌びやかな響きの贈り物を見事に編み上げました。
続いてソプラノ独唱で2曲。強靱で優しく明るさに満ちた歌声が、伸びやかに放たれ、艶やかに彩りを添えて、瑞々しい若さで、一歩一歩歩(あゆ)むフォーレの「リディア」。湿り気を帯びた明るさを発信し、伸びやかで繊細な一条の糸が散り散りに解き放たれ、暗がりから日向へとその身を転じて、哀しみと愁いを耐え忍び、気丈に歌声を届けるベッリーニの「歌劇「『カプレーティ家とモンテッキ家』」より「ああ、幾度か」。艶やかで広がりを持った耀きで、舞台を満たしました。
最後はフルート独奏でマルタンの「バラード」。ふわふわと浮遊し、不安の影を背負って、ジグザグに揺れ動き、四方八方へ向きを切り替えて、速歩(はやあし)で決戦の場へ急ぎ、軽やかに滑空して、錐揉みしながら旋回し、不可思議な耀きで辺りを照らして。綿菓子の柔らかさを届け、ざわめきを掻き立てて、頂きへと登り、山麓へと駆け下りて、ふんわりと舞い降りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、本日出演の方々の素晴らしい演奏を讃えました。
音楽を専門的に学び、厳しい鍛錬で見事な成果を上げた学生さん達の、今後の発展を祈って、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill


2019年12月13日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館劇場 Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill

「シネマトダンスー3つの小品」
演出振付:金森穣
衣装:堂本教子
1.クロノスカイロス
音楽:J.S.Bach(Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV1052 Ⅰ.Allegro
出演:池ケ谷奏、ジョフォア・ボブラウスキー、井本星那、
   林田海里、チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、
   スティーヴン・クィルダン、タイロン・ロビンソン、鳥羽絢美、西澤真那、
   三好綾音
2.夏の名残のバラ
音楽:F.V.Flotow《Martha》より《Last Rose of Summer》
出演:井関佐和子、山田勇気
3.Fratres Ⅱ
音楽:A.Part《Fratres for Violin and Piano》
出演:金森穣

「Farben(ファルベン)」
演出振付:森優貴
衣装:堂本教子
出演:井関佐和子、池ケ谷奏、ジョフォア・ボブラウスキー、井本星那、
   林田海里、チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、
   スティーヴン・クィルダン、タイロン・ロビンソン、鳥羽絢美、西澤真那、
   三好綾音

10km走り、昼食を摂って、ゆっくりと休憩し、インフルエンザの予防接種を受け、所用を足して、軽食を食してから、コンチェルトさん経由、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は「従来から続く慣れ親しんだ表現と、新しく鮮明な衝撃を一度の公演で楽しむ喜びを頂く」です。

以下ネタバレを含みますので、余白を入れておきます。
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走り去る色彩が、映し出される分身を伴い、幾つも眼前を過(よ)ぎり、やがて混じり合って、速くしなやかに揺れ、光と影がきっちりと同期し、時に分離して、寄り添い、裏切りを演じて、活き活きと躍動し、繊細に微動して、集団を形成し、一部が乖離して、それぞれに自在な運動を見せ、一瞬動きを止めて、高みへと駆け上がり、集合離散を繰り返して、巡り会う場面と、経過する時間を視覚化する「クロノスカイロス」。
現(うつ)し身から幻(まぼろし)へ羽化するための優しい時が流れ、現世への入り口を抜けて、足を踏み出すと、そこは落ち葉散る広大な原野、構えられた装置が光学の像を写し取って、小さな実像と、巨大な虚像が、同じ平面で相和し、複数の視線を同時に獲得して、演じられる哀しみと愛憎を描き、匂い立つ悲劇と、静かなる格闘を放射して、柔軟で円滑に心の動きを映し出し、敷き詰められた花の残骸を、引き摺り、踏み締める「夏の名残のバラ」。
孤独に存在する事の苦難や焦燥(しょうそう)に藻掻(もが)き苦しみ、嘆き悲しむと、自らの影が、意思を汲み取って、先走りを演じ、それを追従して、やがて並走し、ゆっくりと伸び上がって、ぎこちなく揺らぎ、厳格と可憐を融合して、見えざる敵と格闘し、痛みや傷と対峙して、安らぎを強く求め、襲い来る衝撃をしっかりと受け止めて、降り注ぐ落水に身を任せ、悟りの境地へと、結跏趺坐(けっかふざ)するも、打ちのめされて、崩れ落ちる「Fratres Ⅱ」。
実演と映像が作り出す、一筋縄では行かない、夢幻と実在の混在が織り成す3つの場面を、多くの網膜に焼き付けました。
休憩を挟んで後半は「Farben(ファルベン)」。鼓動が鳴り響き、多人数が一団となって、揺らぎ、波打ち、渦を巻いて、躍動すると、生け贄を差し出し、象徴を高く掲げて、教室の机に集合し、苦しみ悶えて、煩悶の表情で崩落し、静寂の中を緩慢に動作して、やがて動きを止めて佇(たたず)み、穏やかに波立ちを生じさせ、ゆっくりと崩れ去って、生命が生まれ落ち、集まり、やがて別れを演じて、親しく戯れるもの、孤独に苛(さいな)まれるものが、一つの空間を共有する眷属(けんぞく)の苦悩と対立を描き出し、絡み付く群衆が、細やかにときめき、台の上で揺れ動いて、時を刻み、複数の灯りを点(とも)して、旅立ちを照らし、帆布を揺らして、高く飛び、運び込まれた枠の中で、一連の絵画を描くと、矩形が作る空間が、彼方への入り口へと変貌して、異界へと遷移し、番(つがい)が激しく乱舞して、一群が集い、足早に交差し、次々と入れ替わって、残像を映し、消え残る影達が塊となり、個々に分離して、揺らぎ、回り込んで、団塊を呼び込み、大きく羽を広げて、雲散霧消し、僅かな残滓が不規則に歩んで、前のめりに進み、わらわらと集まる人混みが入り乱れ、一斉に捌(は)けて、耀きを広げ、残ったもの達が家庭を形成して、父母娘となり、男親の苦悩を描き出しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、幾度となくカーテンコールが繰り返され、この素晴らしいコンテンポラリーダンスの見事な成果を結実させた全員を讃え、祝福しました。
慣れ親しんだ振付家の新しき創作と、外部から招聘された作家の新鮮な驚きを、一晩の公演で享受出来たことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。

ペッカ・ピルッカネン カルテット

2019年12月12日(木) 20:00 Jazz Flash ペッカ・ピルッカネン カルテット

1st.set
 イエス・アンド・ノー
 アラ・チューブ
 サムライン・オン
 ラン・アンド・グレイ
 ルース・フォア・カエン
2nd.set
 リズム・パウダー
 ラフェ・ブルース
 ハンプティ・ダンプティ
 ネバー・レット・イット・ゴー
 オーシャン・ビトゥイーン

  ※曲目は聞き取りのため、正確でない場合があります

ペッカ・ピルッカネン(Sax)
デニス・ランバート(Pf)
高橋陸(Cb)
ジーン・ジャクソン(Ds)

仕事を終えて、一旦帰宅し、夕食を済ませてから、Jazz Flashへ。開演30分前に到着。
感想は「タイトでソリッドなサックス・カルテットを楽しむ」です。
まずは「イエス・アンド・ノー」。カウント一閃。切れ味良く立ち上がる砂塵を背に、灼熱の塊がヒリヒリと斜行し、目眩(めくるめ)く技の応酬を交わして、沙漠の砂を蹴散らしました。
続いて「アラ・チューブ」。焦げ臭い硝煙が立ち込め、際立つリズムが塩辛いビートを刻んで、焼け焦げたような香りを匂わせて、開かれた世界へと、位相を変えて、突入しました。
次は「サムライン・オン」。速い足取りで飛ばし、冷たい肌触りで疾走して、細やかに渦を巻き、熱く興奮を掻き立て、華麗に駆け抜けました。
4曲目は「ラン・アンド・グレイ」。氷片を飛ばし、熱き魂を吹き込んで、優しく燃えるように夜の帷(とばり)を開いて、悠々と時間の壁を越えました。
1st.set最後は「ルース・フォア・カエン」。明るく弾(はず)み、生き生きと打ち込まれる銃弾を浴びて、硬質に刻まれる時の記憶を綴り、哀しく激しい熱量で、速く細かく表情を変え、積み上げられた煉瓦を打ち崩して、ゆっくりと着地しました。
休憩を挟んで2nd.setは「リズム・パウダー」から。辛口の音色(ねいろ)で戯(おど)け、幾つもの波が押し寄せて、粘り気のある足取りで歩み、速く硬い響きの流線型が長く尾を引いて、焼けるような焦燥感を届けました。
続いて「ラフェ・ブルース」。軽く楽しげに弾(はず)み、太く頑丈な綱を曳いて、耀きの萌芽を描き、細かく口を塞いで、結束して結末へ突進しました。
次は「ハンプティ・ダンプティ」。にこやかに刻み、可愛げに振る舞って、小粋に気取り、明るく舞い踊りました。
2nd.set 4曲目は「ネバー・レット・イット・ゴー」。ゆっくりと揺蕩(たゆた)い、甘辛く揺らめいて、大人じみた気分で浮遊し、匂い立つ霧が辺りを覆って、咽(む)び泣く声音(こわね)で訴え、くっきりと彩りを際立たせました。
セット・リスト最後は「オーシャン・ビトゥイーン」。錆色(さびいろ)の鼓動で駆け抜け、素早く颯爽に登場して、色相を次々と変え、幾重にも絡み合いました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「酒と薔薇の日々」。甘やかに優しく調べを届けて、賑々しく終演となりました。
北欧からの素敵なジャズの薫りを届け、シャープでタイトな演奏を聞かせて頂いたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。