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真冬の夜のコンサート

2018年2月23日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 真冬の夜のコンサート

薔薇/トスティ
セレナード/R.シュトラウス
歌劇<連隊の娘>より
 フランス万歳!/ドニゼッティ
  佐藤友美(S) 小林優香(Pf)
たんぽぽ/中田喜直
歌曲集<花のかず>より/木下牧子
 あさっておいで
 竹とんぼに
歌劇<ロメオとジュリエット>より/グノー
 私は生きたい
  渡邉ちひろ(S) 馬場睦(Pf)
オラトリオ<クリスマス・オラトリオ> BWV248より./J.S.バッハ
 私は、ただあなたの栄光のためのみに生きよう
オラトリオ<サムソン>より/ヘンデル
 ああ、目が見えない~皆既日食のようだ!
 太陽が地平線から朝焼けの雲に彩られ
歌劇<イドメオネ>より/モーツァルト
 やっと海から逃れたというのに 
  奥山裕樹(T) 本間優(Pf)
ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110/ベートーヴェン
  小林優香(Pf)
エレジー/フォーレ
チェロソナタ/ドビュッシー
  山内陸大(Vc) 四方田真優(Pf)
ピアノソナタ 第11番 <ワルトシュタイン> ハ長調 Op.53より/ベートーヴェン
 第1楽章
  馬場睦(Pf)

鹿瀬温泉への日帰り小旅行より帰り、支度を整えて、りゅーとぴあへ。開演20分前に到着。
感想は、「若き精鋭たちの活気に満ちた演奏に元気を頂く」です。
まずは一人目のソプラノでトスティの歌曲「薔薇」から。櫻舞う絨毯の上を細くしなやかな息吹が、くっきりとした筆跡で記して、好調にスタートを切りました。2曲目はR.シュトラウスの「セレナード」。水飛沫(みずしぶき)を上げ、嬉しそうに、ゆっくりと弾(はず)みました。締めはドニゼッティの「歌劇<連隊の娘>」より「フランス万歳!」。光差す哀しみを、切なげに記(しる)すと、突然馬の足音が聞こえ、やがて来る良き知らせに喜びを爆発させました。
続いてもう一人のソプラノは日本の歌曲から。春風に乗って、爽やかに、艶めいて届けられる中田喜直の「たんぽぽ」。童(わらべ)の無邪気さを、率直に写す木下牧子の「あさっておいで」。きらきらと華やいで、ゆっくりと穏やかに願いを込める「竹とんぼに」。日本語の響きを柔らかく包んで、丁寧に伝えました。さらにグノーの「歌劇<ロメオとジュリエット>」からの「私は生きたい」を、まろやかに心躍らせて、楽しげに円舞しました。
次はテノールの登場。バッハの「オラトリオ<クリスマス・オラトリオ> 」からの「私は、ただあなたの栄光のためのみに生きよう」では、悲しみを織り上げるように奏でる鍵盤を背に、いぶし銀の色合いで、懸命に長き幟(のぼり)を振り回しました。続けてヘンデルの「オラトリオ<サムソン>」より。優しさを秘め、たっぷりと歌わせて、翳りを映す「ああ、目が見えない~皆既日食のようだ!」。暖かく、伸び伸びと羽根を拡げ、軽く滑らかに息を使う「太陽が地平線から朝焼けの雲に彩られ」。端正な歌唱が心を揺らしました。そしてモーツァルト。「歌劇<イドメオネ>」より「やっと海から逃れたというのに」を、忙(せわ)しなく駆け出す伴奏に急(せ)かされて、勇ましく踏み出(い)で、情熱を込めて、喜びを訴えました。
休憩を挟んで後半はピアノ独奏から。ベートーヴェンの「ピアノソナタ 第31番」全曲。晴れやかな音色(ねいろ)で幕を開け、大きく縦に波を打って、少しく影を纏(まと)い、時に強く打ち込んで、厳格に飛び跳ねる第1楽章。ゆっくりと重く沈み、美しくも暗く前進し、追いかけ、絡み合いながら、現身(うつしみ)を重ねる第2楽章。豊かに膨らみを増し、緋色の弾丸を掃射して、大らかに歩を進め、振幅を強弱させて、がっちりと固める第3楽章。楽聖の傑作を見事に具現化しました。
続いてチェロの独奏。フォーレの「エレジー」では、心に滲みる愁いを弓の先から導き出し、淡く光る響きで装い、水面(みなも)をかき乱す嵐を描き出しました。続くドビュッシー「チェロソナタ」では、からりと晴れた空に向かい、軽やかで程よくコクのある彩りで大きく伸び上がる「プロローグ」。軽快な泡立ちで跳ね、清朗なる蒼空に白浪(しらなみ)が押し寄せる「セレナード」。次第に暮れゆく海辺を照らし、息をも詰まらせる競(せ)り合いが小気味よい「終曲」。それぞれに特徴ある美しさを映して、聴衆へ新しき価値を捧げました。
最後はピアノ独奏でベートーヴェンの「ピアノソナタ 第11番 <ワルトシュタイン>」より第1楽章。急(せ)き立てるように並走し、胸の張り裂けるような想いで駆け抜け、速度を緩め、煌めきを随所に鏤(ちりば)めることで、微かな喜びを顕(あらわ)し、再び悲しみの疾走を貫いて、ぱったりと息絶えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、出演者全員がカーテンコールに応えて、にぎにぎしく終演となりました。
同窓の若き演奏家達が、研鑽の成果を公の場で行い、音楽を演奏する楽しみと聞く喜びを持てる場がまた一つ広がったことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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