コンチェルト インストアインストアライブ リュート1台とギター2台による春の音楽会

2018年3月30日(金) 19:00 ギャラリー蔵織 コンチェルト インストアインストアライブ リュート1台とギター2台による春の音楽会

ドレミファに基づいて/ヴィトソン
 山田岳、山本大河(Gt) 佐々木勇一(Lute)
ファンタジー/ダウランド
ノクターナル/ブリテン
 山本大河(Gt) 
ギターのためのエチュード第10番「なぜダメなんだ、Mr.パックリー?」/ドワイヤー
やさしい手品/横島浩
 山田岳(Gt)
即興演奏
 山本大河(Gt) 佐々木勇一(Lute)
Amarilli mia bella/カッチーニ
 風間左智(S) 山本大河(Gt) 
シャコンヌ/ヴァイス
リュート組曲第3番よりプレリュード/J.S.バッハ
パッサカリア/ヴィットナー
 佐々木勇一(Lute)
カンタータ「神の時こそいと良き時」よりソナティーナ/J.S.バッハ
 山田岳、山本大河(Gt) 佐々木勇一(Lute)

仕事を終え、車を駐車場に入れて、自転車で蔵織へ。開演30分前に到着。
感想は、「妙なるリュートと精悍で美しいギターの音色(ねいろ)に魅了される」です。
まずはリュート1台とギター2台によるヴィトソンの「ドレミファに基づいて」。ぽつりぽつりと降り出した雨粒が、爽やかな五月雨(さみだれ)のように、青空を背にトタン屋根を叩くと、速く、遅く交互に入れ替わって、走馬燈を映し出しました。続いてギター1台でダウランドの「ファンタジー」。薄明かりの微睡(まどろ)みから、穏やかに立ち上がり、入り組んだ織り目を紡ぎ出し、細やかな布地を編み上げました。次はブリテンの「ノクターナル」。散発する爪弾きから、鮮烈な彩りで連射し、速度を落として、調べをなぞり、星の瞬(またた)きを模して、急ぎ足で駈け、煌めきを鏤(ちりば)めて、元歌を呼び起こしました。ギタリストが交代して、ドワイヤーの「ギターのためのエチュード第10番」。勢いよく駆け出し、熱を込めて掻き鳴らし、ところどころに強調の一撃を加えて、狂乱の舞を演じました。続けて横島浩の「やさしい手品」。淡い桜色の花びらを散らせ、方々にまき散らした破片を呼び戻して、徐々にその面影を築き上げ、気が付けば"主よ人の望みの喜びよ"が姿を現して、ふっと立ち止まりました。
休憩を挟んで後半はギタリストとリュートによる"即興演奏"。しんしんと降り積もる雪を感じているうちに、せせらぎの音を聞き、吹く風に耳を澄ませて、輝きを眩しく見据えました。ここでゲストのソプラノとギターでカッチーニの「Amarilli mia bella」。深い悲しみを宿して、立ち昇る歌声が、翳りを匂い立たせ、聞く者の胸を締め付けました。独奏最後はリュートで3曲。乾いた明るさで、重く、軽く、優しい春雨(はるさめ)にその身を濡らすヴァイスの「シャコンヌ」。古風な硝子瓶(がらすびん)の中の灯火(ともしび)で照らし、繊細な綴れ織を仕上げるバッハの「リュート組曲第3番」より「プレリュード」。悲劇の薄皮を奏で、ゆっくりと哀しみを積み上げるヴィットナーの「パッサカリア」。古雅な響きに、生きいきとした力を乗せて、古き調べに、新しき生命を吹き込みました。
プログラム最後は再びリュート1台とギター2台でバッハの「カンタータ『神の時こそいと良き時』」より「ソナティーナ」。ゆったりと甘やかに薫りを合わせ、耀きを交わして、美しく相和しました。
客席からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはソプラノも加わって、モンテヴェルディの曲。仄(ほの)かな光差す悲しみの歌を届けて、にぎにぎしく終演となりました。
現代から古楽まで、J.S.バッハを裏のテーマとして考えられた今回の演奏会は、ギター及びリュートの持つ無限の拡がりを示し、その素晴らしさを伝える貴重な機会であったことを確認にして、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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