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小山瑠美子 ソプラノリサイタル 動物たちの歌

2018年4月8日(日) 14:00 だいしホール 小山瑠美子 ソプラノリサイタル 動物たちの歌

蝶と花/フォーレ
てんとう虫/ビゼー
蝉/シャブリエ
『博物誌』/ラヴェル
 孔雀
 こおろぎ
 白鳥
 かわせみ
 ほろほろ鳥
あわて床屋/山田耕筰(岩河智子編)
りすのこ/三善晃
仔ぎつねの歌/ 〃
なんのき/ 〃
かっぱ/ 〃
『夢色の風にのる猫』/大中恩
 屋根裏部屋
 仔猫のような
 猫が跳んだ
 かくれてる虹
 粉雪の舞う夜

小山瑠美子(S)
斎藤晴海(Pf)
内藤陽介(朗読)

ヤマハを出て、昼食を済ませ、一旦帰宅して、少し休憩してから、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「清らかで上質な歌と、それに寄り添い、しっかりと支えるピアノに聞き入る」です。
まずはフォーレの「蝶と花」。透き通るような明るさで照らし、軽やかに円舞しました。続いてビゼーの「てんとう虫」。困ったように表情を曇らせ、にこやかに微笑み、うるんだ瞳で訴えて、可愛げに語りました。次はシャブリエの「蝉」。暗がりから灯りを点(とも)し、空間へ香りを拡散し、流れるように尾を引いて、軽快に弾(はず)みました。前半最後はルナールの文章を朗読し、ラヴェルが付けた曲を歌う『博物誌』。くっきりと語られる言葉に続き、不安を喜びで塗り替え、ゆっくりと縁取りを描き、深く鮮やかに響かせる「孔雀」。淡雪が舞い、水溜まりを駆け抜けて、薄明りの中、細く美しい気流を薫らせて、疑問符を投げかける「こおろぎ」。さざめく波立ちを背に、艶やかで華やかな霊気が揺蕩(たゆた)わせ、突然現実に戻る「白鳥」。儚(はかな)く淡い彩りで飾り、ゆっくりと不思議な強さを漂わせる「かわせみ」。意味もなく不機嫌を託(かこ)ち、競うように諍(いさか)いを仕掛け、煩(うるさ)く喚(わめ)き立てて、周りから煙たがられる「ほろほろ鳥」。表情豊かに場面を描写しました。
休憩を挟んで後半は日本の歌達で構成。まずは山田耕筰の「あわて床屋」。愉快な素振りで、喜劇仕立てに演じ、途方に暮れて走り去りました。三善晃作品を並べたパートでは、「りすのこ」で身軽に跳ね、うろうろと歩き回り、「仔ぎつねの歌」になると、空っ風に吹かれながらも、暖かさを保ち、「なんのき」では夕焼けの日差しをはっきりと受け止めて弾(はず)み、「かっぱ」においては、言葉を弾(はじ)けさせ、空気を破裂させて、はめを外しました。プログラム最後は大中恩の『夢色の風にのる猫』。優しく艶やかで水分たっぷりに奏でる「屋根裏部屋」。麗しくまろやかに柔らかさで包む「仔猫のような」。勢いを付け、軽々と飛び越えて、伸びやかに舞い降りる「猫が跳んだ」。冬の荒海を覆う白い波頭が押し寄せ、曇り空の憂鬱がからりと晴れ渡る「かくれてる虹」。不規則な律動でコミカルに舞い踊り、不安を誘う調べを薄明の光で映す「粉雪の舞う夜」。落ち着いた親しみに、新しさを添えて、そっと差し出しました。
客席からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。歌手とピアニストの為に編曲された「おさるのかごや変奏曲」をアクロバティックに、エディット・ピアフの「バラ色の人生」をしっとりと届けて、にぎにぎしく終演となりました。
普段なかなか聞けない歌曲の名品を、卓越した技量と溢れる歌心で心ゆくまで堪能できたことに感謝して、喜ばしい気分で、次の会場へと向かいました。
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