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ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ 全曲演奏会 第2回

2018年4月14日(土) 18:30 だいしホール ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ 全曲演奏会 第2回

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24 「春」/ベートーヴェン
 第1楽章:Allergo
 第2楽章:Adagio molt espressivo
 第3楽章:Scherzo,Allegro molt
 第4楽章:Rondo,Allegro ma non troppo
ヴァイオリン・ソナタ 第4番 イ長調 Op.23/ 〃
 第1楽章:Presto
 第2楽章:Andante scherzoso piu Allegretto
 第3楽章:Allegro molt
ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 Op.96/ 〃
 第1楽章:Allergo moderato
 第2楽章:Adagio espressivo
 第3楽章:Scherzo,Allegro
 第4楽章:Poco allegretto

廣川抄子(Vn)
石井朋子(Pf)

仕事を終え、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「しなやかで、力(りき)みのない強靭な演奏に心動かされる」です。
まずは「第5番『春』」。艶やかに流れ出す弦を、端正でふくよかな響きで支える鍵盤。伸びやかに振舞い、大らかに波打って、たわわに実る葡萄の粒を絡め、時に勢いを持って振り抜き、一瞬の濁りから澄み渡る耀きを放って、水を得た魚のように、生きいきと走り去る第1楽章。毅然とした優しさで、柔らかく歩み、きっちりとしたまろやかさで仕上げ、ゆっくりと豊かな足取りで互いに追い抜き、穏やかな時を過ごす第2楽章。溌剌と歯切れよく跳ね、熱を込めて駆け込む第3楽章。真っ直ぐに伸びる光が差し込み、明暗を塗り分けて、透き通る音色(ねいろ)で駆け、苦悩を宿す翳りで彩り、輝きを取り戻して、さりげない装飾を施し、押し寄せる荒波と対峙して、ふっと立ち止まる第4楽章。気負いなく、自然な表情で、聳(そび)え立つ高峰へ立ち向かい、見事に制覇する様に心奪われました。
休憩を挟んで後半は「第4番」から。切迫した影を纏(まと)い、足早に歩を進め、時折差し込む日差しを受け、静かなる嵐を切り抜けて、迫りくる悲しみと向き合う第1楽章。安息の時を過ごし、確固とした歩みを見せ、言の葉をやり取りして、微(かす)かに翅を震わせ、静謐(せいひつ)なひとときを区切る第2楽章。木枯らしが吹き過ぎ、暖炉に燃える火が揺らめき、切なさで駆け抜け、我先に切磋琢磨し、胸を締め付ける想いを滲ませ、角張った表皮を滑らかに鞣(なめ)し、厳しい季節風が激しく吹き荒れ、熱情を全開にして紡ぎ出す第3楽章。暗めの色調を、アツく落ち着いた絵筆で描き、整った描写で、丁寧に届けました。プログラム最後は「第10番」。爽やかに水滴を散らし、跳ねあがる様に刻んで、しなやかに廻り込み、沸き立つ波頭がさざめき、羽音を煌めきに変え、陽光を写し込み、水泡が沸き上がって、快く軽やかに遊泳し、愉悦を放って、足取りを止める第1楽章。まったりと芳醇に香り、とろりとした緩やかな水の上を行き、微睡(まどろ)みを誘(いざな)って、ゆっくりと降り立つ第2楽章。真剣勝負で鍔迫(つばぜ)り合いを交わし、一転明朗な会話で和み、きらきらと光の矢を射る第3楽章。平穏な郊外の日溜りを散歩し、思い出したように急いで走り出し、力を込めて区切り、ゆるりと寄り添って、透き通る階段を速度を落として降り、緩やかに上下する水面(みなも)を見渡して、心地良く広がる潮(うしお)で満たし、速足で駆け出して、派手やかに剣を振るう第4楽章。深山幽谷に分け入り、その表情を丹念に写し取り、普段足を踏み入れることのない領域を映し出して、聴衆を未知の世界へと連れ出しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコール執り行われ、快適で明朗な奏でを伝えて、にぎにぎしく終演となりました。
楽聖の作り出す様々な場面を、抜かりなく再構築し、ナチュラルで力の抜けた演奏に仕上げて、素晴らしい成果を残したことを確認して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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