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風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第1回

2018年4月20日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第1回

ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV 1021/J.S.バッハ
 Adagio
 Vivace
 Largo
 Presto
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 BWV1001/ 〃
 Adaigo
 Fuga Allegro
 Siciliana
 Presto
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 BWV1002/ 〃
 Allemnda
 Double
 Courante
 Double Presto
 Sarabande
 Double
 Tempo di Bourree
 Double
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第2番 BWV1015/ 〃
 dolce
 Allegro
 Andante un poco
 Presto

風岡優(Vn)
八百板正己(Cemb)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「バッハの深遠への旅路を十二分に味わう」です。
まずは「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」。硬質の骨組みに柔らかな肉質を盛り、天鵞絨(びろうど)の肌触りで、滑らかに奏でるアダージョ。晴れやかに階梯を上(のぼ)り、薄っすらと影を纏(まと)うヴィヴァーチェ。俯(うつむ)きながら、微(かす)かな悲しみを映すラルゴ。溌剌と前へ進み、入り組んだ繊維を編み上げるプレスト。簡潔で温暖な奏でを届けました。続いて「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番」。響きの諸相を塗り分け、孤高の峠道をゆっくりとした足取りで登るアダージョ。細やかなる葉擦れが囁き、傾きを成して拡がり、欠片(かけら)が舞い散って、一点に収束し、錐揉みしながら降下して、張り詰めた緊張が波打つフーガ。長閑(のどか)なる日差しを受け、温かな安らぎの時を過ごすラルゴ。急(せ)き込んで強く刻み、切迫した勢いで駆け抜けるプレスト。きりりとした墨痕(ぼっこん)で認(したた)め、鮮やかな筆致に綴(つづ)りました。
休憩を挟んで後半は「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番」。艶やかな音色(ねいろ)で紡(つむ)ぎ、琥珀(こはく)の色合いを映して、透徹した厳しさで身を正すアルマンダと、さらさらとせせらぎが濯(すす)ぐそのドゥーブル。涼しげな速さで、芳醇な豊かさを伝えるクラントと、急流の飛沫(しぶき)を集めて、素早く流れ去るそのドゥーブル。白色光に照らされ、ゆったりと飴色に蕩(とろ)けるサラバンドと、うねうねと柔らかく絹糸を編み上げるそのドゥーブル。生きいきと跳ね、喜びを重ねるブーレと、一筋の泉が脈々と溢れ出し、響き合う豊穣が彩りを添えるそのドゥーブル。抽象へと純化された舞踊を、豊潤に描き出しました。プログラム最後は「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第2番」。春めいた日向(ひなた)の温もりに、ゆっくりと優しく振る舞うドルチェ。まろやかに羽搏(はばた)き、すいすいと木立の中を飛び回るアレグロ。驟雨の夜の憂鬱を託(かこ)ち、愁いの帯(おび)を長く引き回し、寂しさを独(ひとり)り言(ご)ちるアンダンテ。希望の光で畳みかけ、大いなる波動を被膜で覆い、黄金の塵を見に纏(まと)って、奔流を巻き上げるプレスト。流麗で厳格に競い合い、高め合って、崇高なる彫像を築き上げました。
会場からは大きな拍手が送られ、それに応えてのアンコールが2曲。「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番」から「ガヴォット」が愉しげに、「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番」から第1楽章をゆったりと悲しみを湛えて奏で、にぎにぎしく終演となりました。
偉大なる作品に一人で立ち向かい、その真の価値をしっかりと伝える偉業に大いに感嘆し、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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