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白と黒 ピアノ+チェンバロ 二つの鍵盤楽器の和

2018年6月1日(金) 14:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 白と黒 ピアノ+チェンバロ 二つの鍵盤楽器の和

ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545より第1楽章/モーツァルト グリーグによる2台ピアノ編
タンドルマン イ短調/ジュミニアーニ
巡礼の年 第1年「スイス」より ウィリアム・テルの大聖堂/リスト
ピアノ協奏曲第11番 ニ長調 Hob.ⅩⅤⅢ-Ⅱより第3楽章/ハイドン
火祭りの踊り/ファリャ
オブリヴィオン/ピアソラ
チェンバロとフォルテピアノのためのタンゴ/平林朝子
2台のチェンバロのための組曲 ハ短調 HWV446/ヘンデル
 Allemande-Couranre-Sarabande-Chaconne
クラヴサン・コンセール 第5番/ラモー
 La Forqueray-La Cupis-La Marais
小組曲/ドビュッシー
 En Bateau-Cortege-Menuet-Ballet

品田真彦(Pf)
笠原恒則(Cemb)

一旦りゅーとぴあを離れ、コンチェルトさんへ寄ってから、昼食を摂り、県民会館の資料室で雑誌を拝読した後、再びりゅーとぴあのスタジオAへ。開演30分前に到着。
感想は、「前代未聞の組み合わせによる上質で美しい奏でを味わう」です。
まずはグリーグによる2台ピアノへの編曲のモーツァルト「ピアノ・ソナタ ハ長調」。明るく軽快な調べが涼しさと暖かさの対比で彩られ、哀しみを見え隠れさせて、優しく包みました。続いてチェンバロ独奏でジュミニアーニの「タンドルマン」。銀色の葉脈(ようみゃく)を編み上げ、淡雪(あわゆき)の欠片(かけら)を、ふわふわと舞い散らせました。次はピアノ独奏でリストの「巡礼の年 第1年『スイス』」より「ウィリアム・テルの大聖堂」。堂々とした足取りで鳴り渡る鐘を模し、絢爛たる響きで確固とした歩みを記(しる)しました。デュオに戻りハイドンの「ピアノ協奏曲第11番」。明快で愉悦を運ぶ急流が弾(はず)み、渦を巻いて前進し、翳りを寄り添わせて、競い合いを演じました。ここで小品を二つ。ファリャの「火祭りの踊り」では、導火線に点火して、炎を揺らし、悩ましく魅惑の香りを匂わせて、民衆の熱気を描き出すと、ピアソラの「オブリヴィオン」では、憂愁を熾火(おきび)で蒸(む)らせ、気怠さを漂わせて、切なさを焙(あぶ)り出しました。前半最後は今日の為に作曲者から楽譜を取り寄せた平林朝子の「チェンバロとフォルテピアノのためのタンゴ」。溜めを効かせてステップを踏み、酸味を含む甘さで彩って、畳みかけるように追い詰めて、速(すみ)やかに歩みを加速しました。
休憩を挟んで後半はヘンデルの「2台のチェンバロのための組曲」。もの悲しさを宿す光で照らし、細やかに縫い上げて、淡々と綴るアルマンド。足早に乾きを癒し、交互に彩りを移して、鮮やかに世界を二分(にぶん)するクラント。ゆっくりと落ち着いて、微(かす)かな影を交わし合うサラバンド。寂しさを分け合い、悲しみを交差させるシャコンヌ。掛け合いを楽しみ、相違を際立たせました。続いてはラモーの「クラヴサン・コンセール 第5番」。曇り空から差し込む灯(あか)りが時を刻み、遠くで鳴く鳥に聞き耳を立てるフォルクレ。ゆっくりと揺蕩(たゆた)い、ぽたりと雫(しずく)を落とすキュピ。喜びを一杯に飛び跳ね、霧雨(きりさめ)に煙(けむ)るマレー。洒落た装いで軽やかに着飾りました。プログラム最後はドビュッシーの「小組曲」。優雅に水を掻き、戯れに魔法を掛ける「小舟にて」。伸び伸びと飛翔し、ひらひらと花びらを散らす「行列」。枯葉舞う淋しさに、淡い懐かしさを紛れ込ませ、心地良い微睡(まどろ)みを誘(さそ)う「メヌエット」。快活に無邪気さを溢れさせ、水溜まりで飛沫(しぶき)を上げて、一気に加速する「バレエ」。透き通る軽さを、鮮明に写し取って、彩り溢れる風景を点描しました。
会場からは大きな拍手が送られ、それに応えてのアンコールはフォーレの組曲「ドリー」から「子守歌」。繊細なチェンバロを温かいピアノが包んで、ほんのりとした終演となりました。
ピアノとチェンバロの共演というレアな組み合わせを、奇跡のバランスで成功させた手腕に驚き、溢れる歌心とアツい想いを十二分に感じて、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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