竹心 環太平洋コンサートシリーズ in 新潟

2018年6月7日(木) 18:30 青陵ホール 竹心 環太平洋コンサートシリーズ in 新潟

第一部 箏・三絃(日本)
1.さくら~主題と変奏~/武藤祥圃
2.六段調/八橋検校
3.花想歌三題/武藤祥圃
4.さらし/深草検校
5.初夏の印象/中能島欣一
 武藤祥圃
 樋口千清代
 筝曲松濤會
  武藤岡紫圃、川口岡美咲圃、井上千夏
第二部 尺八・舞踊(米国)
 1.夜明け/古賀将之
 2.アメイジンググレイス/Newton
 3.さくら/古賀将之 編
 4.六段調/八橋検校
 5.赤とんぼ/山田耕筰
  古賀将之
  JMI Performing Group
   John Takeshi Morris,Jordan Simmons,Tim Hamano,Stuart Goodnick
   Jim Behrends, Rick kruse,Brian Kahrs,Anna Zoztek
  小椋蘭香(舞踊)
 6.尺八によるインプロビゼーション1
 7.鹿の遠音/琴古流尺八本曲
8.尺八によるインプロビゼーション2
  古賀将之
第三部 尺八と箏によるインプロビゼーション(即興)
  古賀将之(尺八)
  武藤祥圃(箏)

仕事を終えて、みなとトンネルを抜け、海岸道路を一路青陵ホールへ。開演15分前に到着。
感想は、「箏と尺八が織り成す和の饗宴が、洋の東西を超えて響き合う様に聞き入る」です。
日本勢の箏・三弦による第一部は、箏五面での「さくら~主題と変奏~」から。花びらが舞い散り、枝を揺らす一陣の風が過ぎ、低くうねる波頭が地を這い、錦糸が上を飾って、飛沫(しぶき)を巻き上げました。続いて箏一面で八橋検校の「六段調」。張り詰めた雨粒(あまつぶ)が、ゆっくりと弾(はじ)け、やがて勢いを増して、繊毛(せんもう)を編み上げ、銀の雫(しずく)を迸(ほとばし)らせました。次は箏と歌で「花想歌三題」。足早に春の麗(うら)らかさを愛(め)で、柔らかい響きの帯がまろやかに漂(ただよ)って、茨(いばら)の棘(とげ)を光らせる「つぼすみれ」。ゆっくりと艶(つや)めいて、よろめく吐息で誘(さそ)い、はらはらと舞い落ちる「牡丹」。細やかな波立ちを纏(まと)い、少し物悲しく、行く雲を見送り、淡い余韻を儚(はかな)く揺らす「大和撫子」。長く伸びる歌と、瞬間を切り取る箏が相和(あいわ)して、美しさの極みを作り上げました。さらに箏三面と三絃一棹による深草検校の「さらし」。澱(よど)みなく溢れ出す大河を、競うように照らす光の粒が飛び交い、耀きを乱舞させて、我先に飛沫(しぶき)を上げ、金糸の織物を縫い上げました。第一部最後は箏二面で中能島欣一の「初夏の印象」。ゆったりと穏やかに絡み合い、敷石を間隔を開けて置く上を、煌めきが爆(は)ぜて飾り、高く低く滑空して、ふんわりと包むと、一転鋭く跳ね、細やかに寄り添い、抑えめの華やかさで、速度を上げて駆け抜けました。
休憩を挟んで第二部は米国からの賓客(ひんきゃく)が織り成す尺八の奏で。まずは古賀将之の「夜明け」から。朝霧が立ち込め、陽光が照り映えて、湧き出す雲が幾重にも重なりました。続いて「アメイジンググレイス」。遥かなる峡谷(きょうこく)に鳴り渡る木霊(こだま)が憧れを誘(いざな)い、甘やかな想いで満たしました。次は日本古謡を編曲した「さくら」。霞立(かすみた)つ響きが大らかに揺らぎ、真っ直ぐな息吹に蛇行して並走し、ひらりと降り立って、淡紅色の彩りを綴りました。さらに尺八による「六段調」。吹き過ぎる木枯らしが、やがて巻き上がって、鋭い切っ先となり、灰色の刃(やいば)で交差し、集合離散しました。JMI Groupの最後は「赤とんぼ」。素朴な音色(ねいろ)が、淋しさを沸き立たせ、夕暮れの寂寥をじんわりと滲ませました。
ここで尺八のソロで3曲。一つ目のインプロビゼーションでは、深山の谷間に響く猿声(えんせい)がもの悲しさを惹き立て、湿り気の多い暖かさで子守唄を唄って、長き吊り橋へと足を踏み出し、散り散りに裂けた破片を撒き散らしました。続いて「鹿の遠音」。くっきりと足跡を刻み、掠れの有る筆跡(ひっせき)で認(したた)め、螺旋(らせん)を描いて、彼方へとその身を投げ撃ちました。このパート最後は2度目のインプロビゼーション。広大な草原に立ち、濃淡を際立たせて、流れを制し、哀しみを滲ませて、穏やかに佇(たたず)みました。
そして間を開けずに始まった第三部は「尺八と箏によるインプロビゼーション」。弾(はじ)け飛ぶ漣(さざなみ)を受けて立つ長い息吹。柔と剛とのぶつかり合いが熱を帯び、乱れが層を成して、うず高く積み上がり、雲間に見え隠れする稲妻の耀きが漏れ聞こえて、反撃の狼煙(のろし)が高鳴りました。
会場からは大きな拍手が送られ、丁々発止の即興の出来栄えを讃えました。
日米で、日本古来の音楽への研鑽の成果を交わし合い、より友好を深めたことを確認して、暖かな心持ちで家路を急ぎました。
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