第77回新潟室内合奏団演奏会

2018年6月9日(土) 18:45 新潟市音楽文化会館 第77回新潟室内合奏団演奏会

交響曲第38番「プラハ」ニ長調 K.504/モーツァルト
 第1楽章:アダージョ-アレグロ
 第2楽章:アンダンテ
 第3楽章:フィナーレ:プレスト
ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54/シューマン
 第1楽章:アレグロ・アフェトオーソ
 第2楽章:インテルメッツォ:アンダンティーノ・グラチオーソ
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
交響曲第4番 変ロ長調 Op.60/ベートーヴェン
 第1楽章:アダージョ-アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第4楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

小黒秀星(Pf)
新潟室内合奏団
喜古恵理香(指揮)

仕事を終えて、音楽文化会館へ。開演20分前に到着。
感想は、「自然体で奏でられる魅惑の調べに酔いしれる」です。
まずはモーツァルト「交響曲第38番『プラハ』」。淡く立ち昇る影が、薄衣(うすぎぬ)を纏(まと)って包み込むと、一転軽やかに駆け出し、しなやかに弾(はず)んで、優雅な光沢で彩る第1楽章。ゆっくりと柔らかに歩を進め、時折差し込む翳りを宿しつつ、豊かなる実りを響かせる第2楽章。疾風に乗って、時を刻み、遥かなる希望に胸を高鳴らせ、快い気流を受けて、一気に駆け抜ける第3楽章。響きの豊穣と内包する喜びを生きいきと解放しました。続いてソリストが登場し、シューマンの「ピアノ協奏曲」。一瞬の耀きの後、切なげな呟きが水嵩(みずかさ)を増し、潮がいっぱいに満ち満ちて、瑞々しさを育(はぐく)むアレグロ。穏やかに、落ち着きを取り戻し、白金(しろがね)の安らぎを伝えるインテルメッツォ。薄っすらと日の出の予兆が見え隠れすると、嬉しさが満開に咲き誇り、まろやかに煌めきを撒き散らして、しっかりと栄光を勝ち取るフィナーレ。独奏と管弦楽が一体となって、素晴らしい協奏を演じました。
鳴り止まぬ拍手に応えてのソリスト・アンコールは「トロイメライ」。美しい音色(ねいろ)で、冷めやらぬ興奮を鎮めました。
休憩を挟んで後半はベートーヴェンの「交響曲第4番」。茫洋(ぼうよう)たる霧が立ち込める中、こっそりと忍び足で近づき、一呼吸置いて、鋭く圧倒すると、切れ味よく陰翳を付け、大きく振幅を拡げて、全力で突っ走る第1楽章。緩やかに温もりを添えて歩き出し、確固とした足取りで、滑らかな光の帯を引き連れて、安らかに揺らぐ第2楽章。沸き立つ気持ちを隠そうともせず、元気よく跳ね廻り、うねりに身を任せて、心に灯りを点す第3楽章。細やかに足並みを揃え、要所要所で楔(くさび)を打ち込んで、軽快に滑空し、生い茂る森の中へ果敢に攻め入る第4楽章。清新なる響きの建造物を力を結集して築き上げ、見事なる仕上がりに仕立て上げました。
会場は喝采で満ち溢れ、それに応えてのアンコールは「悲愴」ソナタの第2楽章(弦楽合奏版)。心に沁みる調べを伝えて、しっとりとした終演となりました。
小規模な編成の強みを生かしたプログラムで、力まず、ナチュラルな秀演を聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する