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大瀧拓哉 近現代音楽の夕べ

2018年8月6日(月) 19:00 スタジオスガマタ 大瀧拓哉 近現代音楽の夕べ

映像第1集/ドビュッシー
"...枯葉..."/クルターク
ラプソディ 作品1/バルトーク
マクロコスモス 第2巻 ~アンプリファイド・ピアノのための黄道十二宮にちなんだ12の幻想的小品~/クラム

大瀧拓哉(Pf)

仕事を終えて、車を駐車場に入れ、歩いてスタジオスガマタへ。開演30分前に到着。
感想は、「"凄い!"、"カッコいい!"としか言いようのない、現代の作品の演奏に興奮し、感動する」です。
まずはドビュッシーの「映像第1集」。淡い水彩画を認(したた)め、水飛沫(みずしぶき)を蹴散らして、軽やかで激しく移ろう「水の反映」。ふんわりと温かく焼き上げた生地がサクサクとした歯触りを伝え、ゆっくりと柔らかく波打つ「ラモーへのオマージュ」。水面を細やかに掻き混ぜ、生きいきと沸き立ち、頂きへと速足で駆け上り、熱量が溢れ出す「運動」。夢見るような淡雪の感触から、風を切る氷片の鋭利さまで、余すところなく映し出しました。続いてクルタークの「"...枯葉..."」。静寂の中にポツンと点在する水泡を緩やかに描き、漂う光の粒がゆっくりと成長し、儚くも減衰しました。間を置かず始められたバルトークの「ラプソディ」では、緩やかに歩み出し、力強く地面を蹴って、素早く駆け出し、鋭い切っ先で顔面を掠(かす)り、降りしきる驟雨(しゅうう)に身を晒(さら)して、時に浪漫の薫りを放ち、静と動が入り乱れて、万華鏡の彩りで飾りました。
一旦退場後、休憩前に後半の曲目の解説を行い、さらにピアノへの仕掛けを準備して、再度控えへ戻り、休憩明けを待ちました。
そしてクラムの「マクロコスモス 第2巻」。パラパラと火花と散らし、鋭く切り込む「朝の音楽(蟹座)」。静かに移ろい、ゴリゴリと呟く「神秘的なコード(射手座)」。甲高く硬質に刻む「死の雨のヴァリエーション」。力任せに軋(きし)ませ、轟音を響かせて、鋼鉄の竪琴を奏でる「双子の太陽(双子座)」。第1部のまとまりが、異界への扉を抉(こ)じ開けました。楽器への細工を変更して、第2部へ。白日夢に魘(うな)され、騒音で目覚める「亡霊の夜想曲(ストーンヘンジの遺跡のための)(乙女座)」。固く回り込み、鎌を振り下ろす「ガーゴイルズ(牡牛座)」。暴力的に打ち鳴らし、上昇下降しながら錐揉みで飛行する「トラ!トラ!トラ!(黙示録的カデンツァ)(蠍座)」。こっそりと近づく恐れが影を成す「ノストラダムスの予言(牡羊座)」。恐怖と不安を、激しさと静けさで示しました。再度仕掛けをセットし直し、第3部へ。ひたひたと近寄り、周辺の磁場を乱(みだ)す「宇宙の風(天秤座)」。心細く繋がる糸を慎重に引き寄せ、乾燥した物音を探る「"冠座"からの声(水瓶座)」。浮遊する霧が流れ、枯れた声の鐘が鳴り渡る「銀河の鐘のリタニー(獅子座)」。霞(かす)む靄(もや)に寄り添い、沈黙の悲鳴を上げる「アニュス・デイ(山羊座)」。虚ろな喜びを乾いた筆で認(したた)めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが3曲。バッハの「フランス組曲」から「サラバンド」。ドビュッシーの「月の光」。バルトークの「3つのチーク地方の民謡」。冒険からの帰還を優しく包んで、感動の終演となりました。
難解と言われる現代曲を、エキサイティングで胸のすくパフォーマンスで聞かせて頂いたことに感謝して、快い思いを胸に家路を急ぎました。
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