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ソプラノ柳本幸子 イタリア古典アリア・リサイタル with ピアニスト 石井朋子 vol.1

2018年9月29日(土) 14:00 だいしホール ソプラノ柳本幸子 イタリア古典アリア・リサイタル with ピアニスト 石井朋子 vol.1

アマリッリ/Caccini
私を死なせて/Monteverdi
側に居ることは/Mancia
お前は私を苦しめていなかったのに/Caproli
貴女は知っている/Torelli
私を傷つけるのをやめるか/Scarlatti
フロリンドが誠実なら/ 〃
貴女が私の死の栄光を/ 〃
菫~すみれ~/ 〃
たとえつれなくても/作者不詳 伝Caldara
お前を讃える栄光のために/Bononcini
樹木の陰で(ラルゴ)/Handel
私を泣かせてください/ 〃
ああ、私の心の人よ/ 〃
愛に満ちた処女よ/Durante
踊れ優しい娘よ/ 〃
ニーナ/作者不詳 伝Pergolesi
もし貴方が私を愛してくれて/Parisotti?
ああ、私の優しい熱情が/Gluck
もはや私の心には感じない/Pisiello
ジプシー女をお望みの方はどなた/ 〃
愛の歓びは/Martini
いとしい女(ひと)よ/Giordani

柳本幸子(S)
石井朋子(Pf)

10km走って、昼食を摂り、少し休憩してから、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「伸びやかに広がる歌声と暖かくそれを支えるピアノに魅了される」です。
まずはカッチーニの「アマリッリ」から。ゆっくりと落ち着いて、僅かに悲しみを含ませた滴(しずく)を広げ、艶消(つやけ)しを施(ほどこ)した願いを届けました。続いてモンテヴェルディの「私を死なせて」。表情豊かに切なさを香らせ、込み上げる想いを微かな彩りで語りました。次はマンシアの「側に居ることは」。伸びやかに歩み、素直な感情を、淡い甘さにまぶして、穏やかに伝えました。さらにカプローリの「お前は私を苦しめていなかったのに」では、哀しみを大らかに拡げ、しなやかに強く踏み込んで、柔らかに訴えかけると、トレルリの「貴女は知っている」を、優しく、ほのかに灯りを点し、僅かに荷重を掛けて、痛みを沈殿させ、希望の光を収めました。そしてスカルラッティが4曲。愁いが裾を翻(ひるがえ)して、光明へと転じ、胸の内に潜む悲哀を明るく綴る「私を傷つけるのをやめるか」。ウキウキと弾(はず)み、可憐におしゃべりをして、喜びが溢れ出す「フロリンドが誠実なら」。蒼い影が差し込み、襲い掛かる疑念を振り払って、甘やかな味わいで仕上げる「貴女が私の死の栄光を」。楽しげに跳ね廻り、追い掛ける影が鮮やかに重なって、思いを語りかける「菫~すみれ~」。いくつもの角度から、その魅力を照らしました。続いて作者不詳でカルダーラ作と伝えられる「たとえつれなくても」。ゆったり深くと色付き、粘り気のある油脂の手触りで、微睡(まどろ)みを誘(さそ)いました。前半最後はボノンチーニの「お前を讃える栄光のために」。暖かな気持ちを呼び起こし、畳み掛けるように悦(よろこ)びを匂い立たせ、晴れた空に解き放ちました。
休憩を挟んで後半はヘンデルが3曲。心に沁みる安らぎの果実を摘み取り、爽やかに湧き出(い)でる泉にその身を浸(ひた)す「樹木の陰で(ラルゴ)」。恐る恐る足を踏み出し、蕩(とろ)ける甘さを、爽快で涼やかに味付けする「私を泣かせてください」。迫りくる不安を鏡に映し、溢れ出す流線型を、細く長く投げ掛ける「ああ、私の心の人よ」。染み渡る快さで辺りを包み込みました。続いてデュランテを2つ。軽やかに足踏みをして、艶(つや)のある滴(したた)りを、憂鬱な翳りで伸ばす「愛に満ちた処女よ」。足早に階段を駆け上がり、滑らかに上空を滑走する「踊れ優しい娘よ」。鮮やかな動作で、場面を切り取りました。次はペルゴレージと伝えられる「ニーナ」。柔らかに憐れみを宿し、抑えた面立ちで、優しく弾(はじ)けました。この曲集の編纂者であるパリゾッティの作ではないかと疑われる「もし貴方が私を愛してくれて」では、哀しみを装い、丁寧に彩りを添えて、にこやかに呟きました。そしてグルック。「ああ、私の優しい熱情が」を、憂いの風を吹かせ、快い鼓動で、晴れやかに駆け抜けました。さらにピシエーロが2曲。可愛いさも持って跳躍し、軽快な身振りで役を演じて、喜びで満ち満ちる「もはや私の心には感じない」。悪戯(いたずら)っぽく挑発し、夢見がちに振り回す「ジプシー女をお望みの方はどなた」。魅力的な仕草で持て成しました。そしてマルティーニの「愛の歓びは」。清らかに歌い出し、天空を舞い踊って、悲しみを映しました。プログラム最後はジョルダーニの「いとしい女(ひと)よ」。潔(しさぎよ)くふくよかな痛みを綴り、淡々と、切々と想いを記(しる)して、コク深く、大切に愛を奏でました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から「エウリディーチェを失って」が穏やかに美しく歌われ、さらにモーツァルトの「フィガロの結婚」から「恋とはどんなものかしら」が、胸躍る快さで届けられて、にぎにぎしく終演となりました。
パリゾッティが編纂した「イタリア古典アリア」から、親しみやすく、美しい曲達をプレゼントして頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で帰路に付きました。
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