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木野雅之&五來貴洋 ヴァイオリン デュオコンサート

2018年10月6日(土) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 木野雅之&五來貴洋 ヴァイオリン デュオコンサート

2つのヴァイオリンのための組曲 ト短調 作品71/モシュコフスキー
第1楽章:Allegro energico
第2楽章:Allegro moderato
第3楽章:Lento assai
第4楽章:Molt vivace
ヴァイオリンソナタ ト短調/ドビュッシー
第1楽章:Allegro vivo
第2楽章:Intermède.Fantasque et léger
第3楽章:Finale.Très animé
F.A.Eソナタより"スケルツォ"/ブラームス
プレスト/バッハ リッチ編
カノン風ソナタ イ長調 作品5-5/テレマン
第1楽章:Vivace
第2楽章:Cantabile
第3楽章:Scherzando
2つのヴァイオリンのためのソナタ ト長調/ルクレール
第1楽章:Allegro
第2楽章:Allegro ma poco
第3楽章:Allegro
ナヴァラ 作品33/サラサーテ

木野雅之、五來貴洋(Vn)
平沢匡朗(Pf)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「2つのヴァイオリンとピアノが織り成す至福の時間を楽しむ」です。
まずはモシュコフスキーの「2つのヴァイオリンのための」。大上段に振り被り、翳る路地から日の当たる広場へ舞出て、光の筆跡(ふであと)を細く長く曳(ひ)き、たっぷりと揺らせて、荒波を乗り越えるアレグロ・エネルジコ。光長閑(ひかりのど)けき春の日差しを受け、互いに追い掛け合って、重なりながら、絡み合うアレグロ・モデラート。ゆったりとなだらかに小川が流れ、高く低く並走して、穏やかに収まるレント・アッサイ。重たげな身体(からだ)を揺らし、後ろから急(せ)き立てて、一旦速度を落とし、優しく暖かい温もりを届けて、一目散に駆け出すモルト・ヴィヴァーチェ。張り詰めた緊張から、快い躍動へと翼を拡げました。続いて師匠のソロでドビュッシーの「ヴァイオリンソナタ」。乾いた悲しみから、潤いのある翳りへとその身を移し、柔らかに力を込めて虹彩を編み上げ、唐草模様に彩られた、水分を含む流線型が、迷彩の海を泳ぐ第1楽章。屈折した光線が、鉱物の質感から、生物の肌触りへ変幻し、艶やかに伸び上がって、速く遅く、下流へと漕ぎ出す第2楽章。晴れ渡る空を幾重にも別れて飛び交い、錐揉みを掛けて、滑らかに収束すると、水飛沫を上げ、足音を立てて滑走し、上空へ舞い上がって、なだらかに降下する第3楽章。秘密の帳(とばり)に包まれた作品の魅力を十二分に引き出しました。
休憩を挟んで後半は弟子の独奏で「F.A.Eソナタ」よりブラームスが作曲した「スケルツォ」。畳み掛けるように闘いの火蓋(ひぶた)が切られ、寒々とした冷気で低く構える鍵盤に対し、燃えるような熱気で追い立てる弦が対立し、一旦は穏やかに相和すも、内に秘めた鼓動が打ち震えて、切迫するように追い立て、一刀両断に切り結びました。ここからは再び2台での演奏。まずはバッハの「無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番」の第4楽章をブラームスがピアノ用に編曲したものを、さらに2台のヴァイオリン用に直した「プレスト」。細やかに速く、2本の糸が絡み合い、響きの衣(ころも)を纏(まと)って、狭(せば)まったり、広がったりしながら、複数の道筋を辿り、一点へ収斂(しゅうれん)しました。次はデュオに戻ってのテレマン作「カノン風ソナタ」。華やいだ明るさで刻み、縦挽きの刃(やいば)を折り重ねて、互いに追い抜き合うヴィヴァーチェ。ゆっくりと影を映して、しとしとと降る雨の音を聞くカンタービレ。にっこりと微笑み、光彩を輝かせて、雲間から差す込む薄日で照らすスケルツァンド。親しみを込めて、愉悦を届けました。さらにルクレールの「2つのヴァイオリンのためのソナタ」では、楽しげに闊歩(かっぽ)し、交互に並走して、ボールを奪い合い、雄弁に言葉を交わす第1楽章。のんびりと草を食(は)み、まろやかな筆跡(ふであと)で、濃淡を付けながら、厚い幅を持って、力強く記(しる)す第2楽章。勢いを持って駆け出し、鍔迫(つばぜ)り合いを演じながら、切っ先を振り下ろし、足早に駆け上がって、波立ちを繰り返す第3楽章。軽やかに舞う蝶々の航跡を鮮やかに描き出しました。プログラム最後はサラサーテの「ナヴァラ」。華麗なる舞踏会の華やいだ雰囲気で持て成し、氷片に反射する灯火(ともしび)が煌めいて、陽気な素振りで振る舞い、賑やかにお喋りを交わし、高らかに光の帯を撒き散らして、優雅に舞い踊りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。ピアノ独奏で「子犬のワルツ」。2台のヴァイオリンが加わり、ショスタコーヴィチの「5つの小品」から「ポルカ」が奏でられ、にぎにぎしく終演となりました。
当代一流の師匠と、その薫陶をしっかりと受け止める弟子、そしてその二人を完璧に支える伴奏者が作り出す素晴らしい世界を体験できたことに感謝して、快い気分で家路を急ぎました。
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