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NHK交響楽団演奏会

2018年10月7日(日) 16:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール NHK交響楽団演奏会

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲/モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」/ 〃
 第1楽章 アレグロ・アペルト
 第2楽章 アダージョ
 第3楽章 ロンド
交響曲第4番 ホ短調 作品98/ブラームス
 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ
 第2楽章 アンダンテ・モデラート
 第3楽章 アレグロ・ジョコーソ
 第4楽章 アレグロ・エネルジコ・エ・パッショナート

辻彩奈(Vn)
NHK交響楽団
井上道義(指揮)

古町5番町から自転車を飛ばし、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「端正で精密ながらアツさを忘れない名演に聞き惚れる」です。
まずはモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」序曲。暗く輝く熱情を発し、ゆっくりと魔性の香りを漂わせ、一筋の光に照らさせて、練乳の甘やかさを燻(くゆ)らせ、角の無い硬さで縁取って、一目散に駆け抜けました。次は、ソリストが登場し、同じくモーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲 第5番『トルコ風』」。爽やかに涼風(すずかぜ)が吹き抜け、天真爛漫な喜びを解き放って、丸みを帯びた硬質さで包み、膨らんだと思うと萎(しぼ)んで、絹糸の艶(つや)やかさで快速に飛ばし、細く膨(ふく)よかにその身をくねらせて、快晴の野原を散歩するアレグロ。柔らかに春風がそよぎ、程よい甘さで灯(ひ)を点(とも)し、輝く帯が馥郁(ふくいく)と膨(ふく)らんで、涼やかに頬を染め、さっぱりとした表情で、挨拶を交わすアダージョ。悲しみを纏(まと)い、暗く吹き荒ぶ疾風を背に受けて、氷の炎で焼き尽くし、謎めいた笑顔で走り去るロンド。刈り込まれた管弦楽を相手に、颯爽とした手腕で、素晴らしい仕上がりを持って、要求に応えました。
拍手鳴り止まず、何回かのカーテンコールの後、届けられた曲目はバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番」より「ガヴォット」。透明な耀きで聴衆を魅了しました。
休憩を挟んで後半は、ブラームスの「交響曲第4番」。すすり泣く曳き波が寂寥(せきりょう)を誘(いざな)い、葡萄色の憂愁に茜の墨を入れ、荒れる海に舟を漕ぎ出して、一杯に力を込め、濡れそぼる枯葉を払い除けて、懸命に格闘し、熱く擦り切れるまで、戦いを止めない第1楽章。穏やかに諦めの表情を浮かべ、忍び寄る寂しさを仕方なく受け入れて、青春の残り香を厚く塗り込め、秋風にその身を晒す第2楽章。アツく血潮を滾(たぎ)らせ、鮮やかに弾(はず)み、渦巻く想いで前に進むと、ひとときの安らぎに心を癒やすも、押し寄せる苦難が怒涛の如く覆いかぶさり、呆気(あっけ)に取られて、座り込む第3楽章。襲い掛かる運命に押し流され、傷ついた脚を引き摺って、灰色の雲の下を憂鬱を抱え込んで歩み、弱りきった足取りで、凍てついた荒野を行き、迫り来る不安に精一杯対峙して、敢(あ)え無く力尽きる第4楽章。老年に訪れる言いようのない諦念(ていねん)と、尚も熱く燻(くすぶ)る若さの残滓(ざんし)を見事に描き切りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはヨハン&ヨーゼフ・シュトラウスの「ピッチカート・ポルカ」。淡い明るさを大切に届けて、にぎにぎしく終演となりました。
日本を代表するオーケストラのひとつであるN響が、ここ新潟でその実力を遺憾無く発揮して頂けたことに感動して、快い気分で家路を急ぎました。
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