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藤井貴宏 古畑由美子 オーボエとピアノで紡ぐ抒情歌

2018年10月17日(水) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 藤井貴宏 古畑由美子 オーボエとピアノで紡ぐ抒情歌

3つのロマンス Op.22/C.シューマン
シャンソン Op.35-3/グリエール
アンダンテ Op.35-4/ 〃
ヴォカリーズ Op.34-14/ラフマニノフ
オーボエとピアノの為のソナチネ/サンカン
詩曲/ドラニシュニコヴァ
バラード 第2番 Op.38/ショパン
3つのロマンス Op.94/R.シューマン

藤井貴宏(Ob)
古畑由美子(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演40分前に到着。
感想は、「豊かな葦笛の響きと美しい鍵盤の調べに聞き入る」です。
まずはクララ・シューマンの「3つのロマンス」。くっきりと優しく認(したた)め、太く細く、仄(ほの)かに甘い筆跡で記(しる)すアンダンテ。翳りを纏(まと)い、速く遅く、ほろ苦い微糖の味わいを届けるアレグレット。押し寄せる波の上を、初夏の日差しが温かく照らし、空高く飛翔して、穏やかに降下する"情熱的にすばやく"。鮮やかに冒頭を飾りました。続いてグリエールが2曲。碧い海の上を鷗が行き交い、爽やかで濃厚な光の帯が自在に舞って、緑萌える背景に映(は)える「シャンソン」。ゆっくりと哀しみに裏打ちされた明るさを映(うつ)し、北国の影を背負って、広々と羽撃(はばた)く「アンダンテ」。埋もれていた宝物を掘り出して、聴衆へ紹介しました。次はラフマニノフの「ヴォカリーズ」。降り頻(しき)る粉雪を縫って、愁いの調べが切々と香り、夜の帷(とばり)の降りる窓辺に、染み入るように、浮かび上がりました。前半最後はサンカンの「オーボエとピアノの為のソナチネ」。ゴツゴツとした塊(かたまり)を踏み締めて、灰色に蛇行する光の帯が流速を増し、飛び散る氷片を絡み合って、足早に駆け抜けるモデレ。肌寒い谷間をとぼとぼと歩み、日陰の小径(こみち)を抜けて、山頂へと足取りを進めるアンダンテ。高速で駆け出し、くねくねと迷路を巡って、返り血を浴び、幾重にも重なって、上下に飛び回るプレスト。日常から少し離れた響きを聞かせて、新鮮な印象を齎(もたら)しました。
休憩を挟んで後半はドラニシュニコヴァの「詩曲」から。重く暗い足音を響かせ、悲しみを明るさへ転じ、意を決して走り出すと、旋回して降下し、柔らかに減速して、羽根を休め、もう一度高みへ昇華して、地上へと舞い降りました。続いてピアノ独奏でショパンの「バラード 第2番」。可憐な素振りで振る舞い、穏やかに優美さを見せて、荒々しく波濤(はとう)を舞い上がらせ、それまでの勢いを弱め、再び強く撃って出て、周囲を掻き乱すと、静かに頭(こうべ)を垂れました。プログラム最後はロベルト・シューマンの「3つのロマンス」。古(いにしえ)の薫りを漂わせ、煉瓦色の壁に西日が差し込んで、切ない想いを伝え、甘さを抑えた浪漫の風を、ふわりと揺蕩(たゆた)わせる第1曲。厭世の憂鬱を抱え、一筋の光彩に望みを託して、木枯らしに吹かれながらも、弛(たゆ)まず歩を進める第2曲。速足で前進し、懐旧の念を胸に秘め、募る思いを抱きかかえて、懸命に突き進む第3曲。穏やかさの中に、諦念と希望を綯(ない)い交ぜにして、美しく葦笛を奏でました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。同じくシューマンの「リーダークライシス」から「間奏曲」がしっとりと、ピアソラの「アヴェ・マリア」が憂いと喜びを運んで、にぎにぎしく終演となりました。
親しみの有る調べと、新しく貴重な曲を組み合わせて、楽しませて頂いたことに感謝して、喜ばしい調べで家路を急ぎました。
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