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とある楽器の二重奏曲 FIFTH

2018年11月16日(金) 18:00 燕喜館 とある楽器の二重奏曲 FIFTH

(Side-B)
 教会カンタータ 131番「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」/バッハ *1
  1.合唱「深き淵より私はあなたを呼びます」
  2.アリア「もしもあなたが罪を数え上げるなら」
  3.合唱「私は主を待ち望みます」
  4.アリア「私の魂が主を待つさまは」
  5.合唱「イスラエルの民よ、主に希望を」
 組曲「優雅なインドの国々」/ラモー *2
  1.序曲
  2.アフリカ奴隷のエール
  3.コントルダンス
  4.花のエール
  5.シャコンヌ
 (Side-A)
  ファンタジア(ガンバコンソートのための) ト短調/バード *1
  ファンタジア(ガンバコンソートのための) 二短調/パーセル*1
  マドリガル/ゴーベール *3
  シシリエンヌ/ 〃 *3
  ルパン三世'80/大野雄二 *1
  炎のたからもの/ 〃 *1
  サンバ・テンペラード/ 〃 *1
  ソング・オブ・バビロン/ 〃 *1
  セクシー・アドベンチャー/ 〃 *1

   *1 笠原恒則編 *2 岡田龍之介編 *3 飯田万里子編

笠原恒則、飯田万里子(Cemb)

朝一で休日出勤を1時間程行い、所用を足して、昼食を摂り、ゆっくりと休養してから、燕喜館へ。開演30分前に到着。
感想は、「2台のチェンバロが奏でる時空を超えた響きを楽しむ」です。
まずは(Side-B)と言うことでバロックの曲達から。最初はバッハの「教会カンタータ 131番『主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ』」。抑制の効いた悲しみがサクサクと砂地を踏んで、 ゆっくりと歩みを進めると、速い足取りで降り頻(しき)る時雨(しぐれ)を駆け抜ける「深き淵より私はあなたを呼びます」。光差す小径(こみち)を過ぎ、細やかに網掛けされた壁面を伝って、小ぶりの綴れ織りを編み上げる「もしもあなたが罪を数え上げるなら」。一歩一歩階段を登り、ひと針ごとに込み入った刺繍を編み上げて、幾重にもさざ波を重ねる「私は主を待ち望みます」。翳りを纏(まと)い、渋く煌めく呟(つぶや)きを発して、天上へ続く階梯(かいてい)を厳(おごそ)かに昇る「私の魂が主を待つさまは」。輝きを抑えた装飾を施し、速い筆使いで細密画を描き、ゆっくりと甘味を添付して、密度濃く斜を付け加え、ざっくりと切り込みを入れる「イスラエルの民よ、主に希望を」。繊細で荘厳(そうごん)な奏でが齎(もたら)す心の安寧を、穏やかに、アツく届けました。続いてラモー の「組曲『優雅なインドの国々』」。明るく楽しげに弾(はず)み、小ぶりな渦を巻いて、戯(たわむ)れに追い掛けっこをする「序曲」。哀しみを振り切って、足早に小雨の中を走り抜け、涼やかに喜びを持って石蹴りする「アフリカ奴隷のエール」。にこやかに舞い、寂しさを隠して、陽気な笑顔で燥(はしゃ)ぐ「コントルダンス」。光の絲を細く絆(つな)ぎ、十重二十重(とえはたえ)に結晶を鏤(ちりば)めて、水蒸気を昇華させる「花のエール」。勢い良く波打ち、ザクザクと金箔を連射して、互いに追い掛け合い、永く続く布地を紡ぐ「シャコンヌ」。華やかで瀟洒(しょうしゃ)な賑わいで彩りました。
時計が正時を刻んで(Side-A)がスタート。まずはバードがガンバコンソートのために書いた「ファンタジア」から。ゆったりと優雅に灯りを点し、速度を上げて、揺らぎを見せ、頂上から駆け下りました。続いて同じくパーセルの「ファンタジア」。ゆっくりと揺蕩(たゆた)い、儚(はかな)き憂(うれ)いを引き連れて、雅(みやび)なる光を放ち、競うように駆け出して、やがて落ち着きを取り戻しました。 次はゴーベールが2曲。揺れるように円舞し、不思議な明るさで照らして、愉しい気持ちを届け、辺り一面を包み込む「マドリガル」。大らかな振り幅で上下する波頭(なみがしら)を、細やかに刻んで裏打ちし、連なる句読点を切々と打ち込む「シシリエンヌ」。古(いにしえ)の調べを伝えました。
ここからは一気に時代を飛び越えて、大野雄二の世界へ。軽やかに、羽の生えた鍵盤が、洗練の疾走を見せる「ルパン三世'80」。物思いに耽(ふ)ける夜更けに、程良い甘さの微睡みを誘(いざな)う「炎のたからもの」。電信の符号を連打し、涼しさを運んで、愁いの疾風が吹き抜ける「サンバ・テンペラード」。打ち寄せる波が哀しみを洗い流し、胸に迫る熱情を幾重にも重ねる「ソング・オブ・バビロン」。軽快な爆音を鳴らし、快い振動で酔わせて、アツい想いを打ち明ける「セクシー・アドベンチャー」。カッコよく、親しみ易い調べ達を、練達の腕前で届けました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてアンコールはスコット・ジョプリンの「メイプル・リーフ・ラグ」。軽やかで洒落た響きを鳴らして、にぎにぎしく終演となりました。
チェンバロでのオーソドックスな曲目と、挑戦的で快い調べを一度に楽しませて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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