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加藤礼子ヴァイオリンリサイタル vol.3 ラテンアメリカ

2018年11月28日(水) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 加藤礼子ヴァイオリンリサイタル vol.3 ラテンアメリカ

ソナタ・ファンタジー 第1番 作品27「絶望」/ヴィラ=ロボス
 Moderato
ソナタ・ファンタジー 第2番 作品49/ 〃
 Ⅰ.Allegro non troppo
 Ⅱ.Largo-Moderato
 Ⅲ.Allegro
オデオン/ナザレー
パンペアーナ 第1番/ヒナステラ
エストレリータ/ポンセ ハイフェッツ編
タンゴの歴史/ピアソラ
 Ⅰ.Bordel 1900
 Ⅱ.Cafe 1930
 Ⅲ.Nightclub 1960
 Ⅳ.Concert d'aujourd'hul

加藤礼子(Vn)
小林浩子(Pf)

24km走って、昼食を摂り、少し休憩をしてから、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「中南米の作品群の入魂の演奏と、その素晴らしい仕上がりに大いに感銘を受ける」です。
前半はヴィラ=ロボスが2曲。まずは「ソナタ・ファンタジー 第1番『絶望』」から。鈍(にぶ)く光るさざ波の上を、漆塗(うるしぬ)りの艶(つや)めきを長く伸ばし、石灰(せっかい)の感触を付加して、乾いた悲しみを映し、煉瓦を敷き詰めた小径(こみち)に濃厚な味わいの影を練り込み、か細い絲(いと)を張り詰めて、大上段に悲劇へと切り込み、疲労の色を揺蕩(たゆ)わせて、一気呵成に大立ち回りを演じ、足早に着地しました。続いて「ソナタ・ファンタジー 第2番」。不安を抱えつつ、平静さを保ち、細やかに刻んで、強靭な弾力を見せ、忙(せわ)しく階段を昇り下りして、速度を落とし、哀しみを宿しながらも明るく振る舞って、艶(つや)やかに航跡を曳き、軋(きし)みを発しながら、高みへと駆け上がる第1楽章。裏返しの優しさで装(よそお)い、浮き上がる泡の群れの中を、優雅に泳ぎだす光跡が輝き、大きく波打つ揺らぎの間(あいだ)を縫って、湿り気のない愁いが過ぎ去ると、速足(はやあし)で力強く切り込み、ゆっくりと舞い降りる第2楽章。光りを呼び込み、軽やかに弾(はず)んで、悲哀を楽しさに変え、激しさを穏やかさに移して、風変わりな味わいを届け、嵐の只中(ただなか)へ迷い込み、調子よく飛び跳ねて、伴走する雪塊と絡み合う第3楽章。複雑に錯綜(さくそう)する作品を、弛(たゆ)まざる熱情と、技巧を尽くした演奏で見事に再現しました。
休憩を挟んで後半は、ナザレーの「オデオン」から。軽やかで、細い毛並みを靡(なび)かせ、速く跳ね廻って、魅惑の舞いを奏でました。続いてヒナステラの「パンペアーナ 第1番」。引き伸ばされた絹糸が耀き、濃厚な肉汁を煮込み、張り詰めた綱の上を均衡を取りながら進み、薄っすらと味付けされた甘みを溶かし、揺れる波間に漂うと、軽快な祭り囃子が鳴り響き、不規則な舞踊が始まって、ジグザグに坂を登り、宝石をバラ撒いて、グイグイと追い込みました。次はハイフェッツがヴァイオリン用に編曲したポンセの「エストレリータ」。まろやかで優しく、甘やかにゆっくりと旋律を捧げて、たっぷりと美しさを湛(たた)えました。プログラム最後はピアソラの「タンゴの歴史」。表向きは陽気に小躍りして、都会の憂愁を切り刻む「Bordel 1900」。水底(みなぞこ)へ沈む翳りが包み込み、沈鬱(ちんうつ)な想いを切り取り、足取りを速めて、鋭くステップを踏み、哀愁を悦びに転ずる「Cafe 1930」。沸き立つ賑わいを盛り付け、洒落た装飾を施して、速さに制動を掛け、再び加速して、浪漫の香りを漂わす「Nightclub 1960」。クネクネと身を捩(よじ)り、ゴツゴツした岩山を踏破して、細切れの紙片を撒き散らす「Concert d'aujourd'hul」。世俗の舞踊が芸術へと変幻する様(さま)を、生きいきと素晴らしい腕前で具現化しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは次回のテーマ"ベルギー"からイザイの「子どもの夢」。ゆったりと美しく癒やしを届けて、賑々しく終演となりました。
周到な準備と大胆な演奏で、日頃聞く機会の少ない中南米の音楽を極上の仕上がりで聞かせて頂いたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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