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風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第3回

2018年11月30日(金) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 風岡優 ヴァイオリン・リサイタル バッハのヴァイオリン独奏曲全15曲 第3回

ヴァイオリンと通奏低音のためのフーガ ト短調 BWV1026
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第1番 BWV1014
 Adagio
 Allegro
 Andante
 Allegro
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 BWV1004
 Allemanda
 Corrente
 Sarabanda
 Giga
 Caccona
ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第3番 BWV1016
 Adagio
 Allegro
 Adagio ma non tanto
 Allegro
  ※作曲者は全てJ.S.バッハ
風岡優(Vn)
八百板正巳(Cemb)

みなとトンネルを4往復走り、昼食を摂って、少し休憩し、ブログの準備をしてから、りゅーとぴあへ。開演30に到着。
感想は「渾身の無伴奏パルティータを十二分に堪能する」です。
まずは「ヴァイオリンと通奏低音のためのフーガ」から。深い海の底を思わせる彩りを伴い、幾重にも重なる襞(ひだ)が揺らめいて、彼方へと重き櫓(ろ)を漕ぎ、目まぐるしく輪舞しました。続いて「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第1番」。静かにそぼ降る小雨を横切って、光る絲(いと)を張り、輝く帯へと悲しみを引き伸ばす第1楽章。翳りある波立ちを脈々と紡ぎ、交差する錦糸(きんし)を掻(か)い潜(くぐ)って、疾(はや)き風を巻き起こす第2楽章。暖かく穏やかな日差しを浴び、艷(つや)やかな長閑(のどか)さを満喫する第3楽章。立ち上る水煙(みずけむり)を上手(うま)く躱(かわ)し、茨(いばら)の道の上の標的へと弾丸を打ち込む第4楽章。2つの奏でが相まって、厳しくも美しい素描を描きました。
休憩を挟んで後半は、「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番」。悲痛さを隠し持つ索条(さくじょう)を編み上げ、鞣(なめ)し革(がわ)の質感で、穏やかに仕上げるアルマンダ。九十九折(つづらおり)の山道を登り、律動を伴って、跛行(はこう)するコレンテ。哀しみを鼈甲(べっこう)色で飾り、海原を行く船がゆったりと揺れるサラバンダ。速き足取りで、柔らかく刻み、曲がりくねった軌道を滑るように急(せ)き込むジーガ。絞り込むように感嘆し、大海へ漕ぎ出して、押し寄せる波濤(はとう)を押さえ込み、込み入った網目を解(ほぐ)して、日向(ひなた)へと抜け出し、絡まった糸を解き明かして、鬼気迫る緊張を描き出すチャッコーナ。作品の持つ耀きを一つ一つ具現化して、素晴らしい表現を届けました。プログラム最後は「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第3番」。ゆっくりと滑らかに滑り出し、濃厚なコクを照らす第1楽章。棘(とげ)の有る道程(みちのり)を楽しげに歩み、足早に悦びを畳み掛ける第2楽章。薄っすらと消えかかる哀惜(あいせき)を注ぎ、胸に迫る切なさをざっくりと切り取る第3楽章。曇天(どんてん)を切り裂く稲光(いあびかり)が走り、銀色に染まる霧雨が降り注ぐ第4楽章。陽光に照らされた束(つか)の間の安らぎを伝えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番」から第1楽章。優しい慰めを届けて、賑々しく終演となりました。
バッハの偉大さをここ新潟で再現するリサイタルが大成功したことに安堵して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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