FC2ブログ

本間優 ピアノ・リサイタル

2018年12月3日(月) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 本間優 ピアノ・リサイタル

ノクターン 第10番 変イ長調 Op.32-2/ショパン
ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 Op. 57「熱情」/ベートーヴェン
 第1楽章:Allegro assai
 第2楽章:Andante con moto
 第3楽章:Allegro ma non troppo-Presto
ドゥムカ ~ロシアの農村風景~ Op.59/チャイコフスキー
ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op. 23(ピアノ2台版)/ 〃
 第1楽章:Allegro non troppo e molto maestoso
 第2楽章:Andantino semplice
 第3楽章:Allegro con fuoco

本間 優、中川賢一(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「繊細と豪放、燃え上がるピアノに快くノックアウトされる」です。
まずはショパンの「ノクターン 第10番」。ゆっくりと歩み出し、明るく軽やかな足取りで、澄んだ結晶を煌めかせ、珠玉の光を連綿と絆(つなぎ)ぎ、滾々(こんこん)と湧き出る泉が、涼しげに暖かさを運び、氷の欠片(かけら)で飾りました。続いてベートーヴェンの「ピアノソナタ 第23番『熱情』」。忍ぶように一歩ずつ歩を勧め、生きいきと輝き出し、溢れ出す想いが強烈な一打を誘(さそ)い、大胆に切り込んで、濁り水を掻き回し、熱い砂の上を闊歩して、流れる河に幾つもの楔(くさび)を打ち込み、ひらひらと舞い、持てる技を尽くし、嵐の中を駆け抜ける第1楽章。穏やかに包み込み、開けた明るさで耀き、少しづつ癒やしを与えて、滑らかに前を向き、なだらかな坂を登ると、程良い太さの綱を紡ぎ出し、足早に歩幅を詰めて、頂上を目指す第2楽章。決意を胸に、眦(まなじり)を決して、吹き荒ぶ風に立ち向かい、降り頻(しき)る雨に濡れながら、速く強く闘いを演じ、晴れやかで強烈に体当りし、雨戸を打つ驟雨(しゅうう)を感じて、迸(ほとばし)る感情を一気に吐き出す第3楽章。内に秘めたアツさを身体中(からだじゅう)から放射して、音の伽藍を築き上げました。次はチャイコフスキーの「ドゥムカ ~ロシアの農村風景~」。透明な悲しみが光り、穏やかに水滴(すいてき)を集めて、嬉しさの発露を迎え、慎(つつし)みと怒りを交互に発し、楽しげに燥(はしゃ)いで、速足で走り出し、飾りを身に纏(まと)って、輝きながら減速し、落ち着きを取り戻して、昔からの伝承を語りました。
休憩を挟んで後半はピアノ2台による同じ作者の「ピアノ協奏曲 第1番」。絢爛たる庭園で颯爽と歩みを進め、派手やかに着飾って、優雅に振る舞うと、舞台が暗転し、獣(けもの)を追う鋭さで身を屈(かが)め、獲物(えもの)を見定めて、獰猛(ねいもう)に襲い掛かり、速さを競い、力を結集して、強さと繊細さを対比し、溢れ出る熱情を一気に燃え上がらせるアレグロ。穏やかに北国(ほっこく)の愁いを綴り、点から面へ、面から立体へと造形を変え、全てを引き寄せて、内なる炎へ誘い込み、幾重にも襞(ひだ)を重ね、静かに舞い降りるアンダンティーノ。不意を突いて叩き付けられる一撃を受けて、襲い来る苦難と対峙し、戦場を絨毯爆撃(じゅうたんばくげき)して、細やかに氷片(ひょうへん)を散らし、しめやかにその身を匿(かくま)い、一旦は動きを止めるも、再び鼓動を感じて、闘いの場へと身を乗り出し、持てる生命力を全開にして、荒ぶる神々と懸命に格闘し、勝利を掴み取るフィナーレ。素晴らしき技巧とそれを支える強靭な気合で、鮮烈なる表現を描き出しました。
会場からは、スタンディングオベーションを含む、大きな拍手が贈られ、それに応えて、アウトリーチでも最後に弾くシューマンの『子供の情景』より「見知らぬ国々と人々」をアンコールして、賑々しく終演となりました。
りゅーとぴあアウトリーチ事業第3期の登録アーティストが、その締め括りとして行うリサイタルにて、想像を遥かに超える名演を聞かせて頂いたことに感銘を受け、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する