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外山裕介 ユーフォニアム・リサイタル

2018年12月6日(木) 19:00 新潟市民芸術文化会館スタジオA 外山裕介 ユーフォニアム・リサイタル

「春の日の花と輝く」変奏曲/マンティア
コンクール用小品/バラ
間奏曲/ビッチ
ユーフォニアムとピアノの為の「幻想的変奏曲」/伊藤康英
パルティータ ニ短調(原調:イ短調) BWV1013/J.S.バッハ
 第1楽章:Allemande
 第2楽章:Corrente
 第3楽章:Sarabande
 第4楽章:Bourree Anglaise
ユーフォニアム協奏曲 第1番/スパーク
 第1楽章:Moderato e energico
 第2楽章:Lento
 第3楽章:Vivo e scherzando

外山裕介(Euph)
浅野和子(Pf)

仕事を終えて、りゅーとぴあへ。開演35分前に到着。
感想は、「柔らかで力強いユーフォニアムを快く楽しむ」です。
まずはマンティア「『春の日の花と輝く』変奏曲」から。夏の日の郷愁を香らせ、ゆっくりと一節の奏でが舞い、緩(ゆるく)く波を打って、まろやかに揺蕩(たゆた)うと、楽しげに弾(はず)み出し、足早に走り出して、急な坂を登り、滑らかに駆け下りました。続いてバラの「コンクール用小品」。雪山に響く連なりがゆったりと溶け込み、細やかに震える揺らぎを映して、爽やかな憂愁を届けると、若き日の血潮の高鳴りを翳(かざ)して、歯切れ良く刻み、小さく渦を巻いて、鮮やかに着地しました。次はビッチの「間奏曲」。ふわふわと湧き上がる泡立ちの上を、灰色の雲が彷徨(さまよ)い、水底(みなぞこ)から上昇する水泡を解き放つと、降り掛かる影達を振り切って、急ぎ足で道を切り開き、困難と対峙して、剣劇を演じました。前半最後は伊藤康英の「ユーフォニアムとピアノの為の『幻想的変奏曲』」。懐かしき山河を想起させる調べが、潔(いさぎよ)く立ち上がり、穏やかに動き出して、光と影が追い掛け合い、再び速度を落として、伝承の薫りを漂わせ、軽やかに飛翔して、快い咆哮(ほうこう)を上げました。
休憩を挟んで後半はヨハン・セバスチャン・バッハの元はフルートの為に書かれた「パルティータ ニ短調」。切り立った崖に刻まれた細い階梯(かいてい)を上下し、危うい足元に注意を払って、聖なる頂きを目指すアルマンド。粒立ちを弾(はじ)けさせ、花弁(はなびら)をはらはらと散らせて、九十九折(つづらおり)の山道を駆け上がるコレンテ。乾いた悲しみをゆっくりと慰撫(いぶ)し、浮き沈みする心へ安寧を届けて、野を行く旅人を草書で綴るサラバンド。活発なる動作で駆け出し、柔らかな銃弾を打ち込んで、全速で出口を目指すブーレ・オングレーズ。厳格なる紋様を巧みに編み上げました。プログラム最後はスパークの「ユーフォニアム協奏曲 第1番」。軽快に駿馬(しゅんめ)に騎乗して、青空を駆け巡り、細やかな振幅を伴って、遙かなる地平を巡航し、爽快な足取りで、蹄鉄を鳴らすモデラート。悠々と優しさを捧げ持ち、ふんわりと懐旧の情を燻(くゆ)らせて、夏草が戦(そよ)ぐ原野を、微風(そよかぜ)が吹き抜けるレント。足取りを速め、徐々に加速して、最速へと駆け上がり、軽やかに連射して、曲がりくねった軌道を滑走し、宙空へ跳び上がると、まろやかに曲線を描いて、白く長い航跡を残しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてアンコールが2曲。モーツァルトの「トルコ行進曲」が楽しげに、「ピース」が穏やかに奏でられて、賑々しく終演となりました。
普段聞くことの少ないユーフォニアムの独奏が、りゅーとぴあアウトリーチ事業第3期登録アーティストのリサイタルで届けられ、この楽器の魅力を十二分に味わえたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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