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新潟大学 教育学部 音楽科 第36回定期演奏会

2018年12月7日(金) 19:00 新潟市音楽文化開館大ホール 新潟大学 教育学部 音楽科 第36回定期演奏会

Ⅰ【サキソフォン独奏】
 アルト・サキソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲/イベール
  鷹田わこ(A.Sax) 若島歩美(Pf)
Ⅱ【チェロ独奏】
 ヴォカリーズ Op.34-14/ラフマニノフ
 チェロとピアノのためのソナチネ/コダーイ
  山内睦大(Vc) 四方田真優(Pf)
Ⅲ【ソプラノ独唱】
 歌劇<カプレーティ家とモンテッキ家>より<ああ、幾度か>/ベッリーニ
 歌劇<こうもり>より<侯爵様、あなたのようなお方は>/J.シュトラウス二世
  佐藤友美(S) 小林優香(Pf)
Ⅳ【ソプラノ独唱】
 リディア/フォーレ
 うぬぼれ鏡/平井康三郎
 歌劇<シャモニーのリンダ>より<この心の光>/ドニゼッティ
  加藤茉莉(S) 吉岡恵里奈(Pf)
Ⅴ【2台ピアノ】
 2台ピアノのためのコンチェルティーノ/ショスタコーヴィチ
  福原美香、齊藤日菜子(Pf)

仕事を終えて、音楽文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「音楽を学ぶ学生達の真摯で上質な演奏に感銘を受ける」です。
まずはサキソフォンの独奏でイベールの「アルト・サキソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲」。勢い良く飛び込んで氷の火花を散らすと、細やかに刻みながら、上下に伸福し、滑らかに艶(つや)を紡いで、暗褐色の速き筆跡を残す第1楽章。怪しくも密やかに、ゆっくりと立ち上がり、灰色の美形を認(したた)め、淡々と歩を進めて、黒き結晶の牙城を構築する第2楽章。足早に粒子を連射し、浮き沈みする軌道を高速で駆け下りて、吹き出す無数の水滴を浴び、揺らめきながら、一気に駆け抜ける第3楽章。すっきりと艶やかにカッコよく決めました。
続いてチェロの独奏で2曲。夜更けに訪れる憂愁の香りを漂わせ、煉瓦色の街角を遣る瀬無く彷徨(さまよ)い、心に沁みる歌声を細やかに揺らすラフマニノフの「ヴォカリーズ」。煌めく水面(みなも)に波立ちが広がる中、ゆっくりと海原へ漕ぎ出し、一条の光が眩(まばゆ)く広がって、穏やかに波間を航行し、細い絹糸を繋いで、湧き出す想いを長く引き摺り、大らかに悲しみを奏でて、暗い闇に沈むコダーイの「チェロとピアノのためのソナチネ」。端正な美しさを、確固とした技量で作り上げ、深く濃い表現で、見事に名画を仕上げました。
次はソプラノ独唱で2曲。まずはベッリーニの「歌劇<カプレーティ家とモンテッキ家>」より「ああ、幾度か」。ゆっくりと哀しみを抑え込み、寄り添うさざ波を背に、胸に募る思いを語ると、暗き淵から輝く草原へと歩み出し、細き糸を幅広い帯へと編み上げ、廻る糸車の鼓動を受けて、切ない感情を書き記(しる)しました。続いてJ.シュトラウス二世の「歌劇<こうもり>」より「侯爵様、あなたのようなお方は」。楽しげに弾(はず)み、にこやかに円舞して、心情を訴え、可愛いげに揺らめいて、ちょっと生意気な小娘の我儘(わがまま)を演じました。
休憩を挟んで後半もソプラノ独唱から。最初はフォーレの「リディア」。落ち着いた素振りで、ゆっくりと艶めきを湛え、淡く望郷の調べを綴りました。続いて平井康三郎の「うぬぼれ鏡」。わくわくする心を全開にして、いっぱいに勝ち誇り、喜びを開放して、軽やかに輪舞しました。最後はドニゼッティの「歌劇<シャモニーのリンダ>」より「この心の光」。明るく高く頂きへ駆け上り、目の当たりにする光景に、ふとした疑問を投げ掛け、伸びやかに波打って、歯切れよく飛び跳ねました。
最後は2台ピアノによる演奏。曲目はショスタコーヴィチの「2台ピアノのためのコンチェルティーノ」。重く強い打撃で幕を開け、優しく穏やかに歩を進めて、極寒の雪原を駿馬(しゅんめ)にて駆け抜け、粉雪を散らせて、諧謔(かいぎゃく)を飾り付け、冷たく光る照り返しを映し、徐々に迫(せ)り上がって、頂点から沈み込み、愉しげに足並みを揃えて、並列に伴走し、うねりを上げて加速すると、高みを目指し、闘いを制して、静かに収めました。
会場からは大きな拍手が贈られ、1年の成果を一晩に掛ける学生達を湛えました。
地方の大学で音楽を学ぶ若人(わこうど)が素晴らしい腕前を披露し、快いひとときを頂けたことに感謝して、喜ばしい気分で家路を急ぎました。
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