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ナオミ・ニスカラ ピアノ演奏会 in 新潟大学 ~アメリカ現代ピアノ作品を中心に~

2019年1月11日(金) 19:00 新潟大学教育学部合唱ホール ナオミ・ニスカラ ピアノ演奏会 in 新潟大学 ~アメリカ現代ピアノ作品を中心に~

6つの小品 Op.19/シェーンベルク
 1.Leicht,zart(軽く、優しく)
 2.Langsam(ゆっくりと)
 3.Sehr langsam(非常にゆっくりと)
 4.Rasch,aber leicht(速く、しかし軽く)
 5.Etwas rasch(いくらか速く)
 6.Sehr langsam(非常にゆっくりと)
<霧の中で>/ヤナーチェク
 1.Andante
 2.Molt adagio
 3.Andantino
 4.Presto
<回想>/ヘルプス
 ・追悼に
 ・間奏曲
 ・エピローグ
5つの前奏曲/ファイン
 1.Allegro
 2.Adagio calmato
 3.Allegretto,un poco rubato
 4.Allegro moderato,ben articolato
 5.Allegro brillante,ben ritmico
シャル・ウィー・ダンス/ヘルプス
ピアノ・ソナタ 第1番/セッションズ
 Andante-Allegro
 Andante-Poco meno mosso-Andante
 Molt vivace

ナオミ・ニスカラ(Pf)

仕事を終えて、海岸道路を一路、新潟大学へ。開演25分前に到着。
感想は、「すっきりと力強く、しなやかで繊細なピアノを十二分に堪能する」です。
まずはシェーンベルクの「6つの小品」。くっきりとした小さな結晶が、幾つもの欠片(かけら)に分裂して、儚(はかな)げに浮遊する《軽く、優しく》。硬質な触手が柔らかく揺蕩(たゆた)う《ゆっくりと》。小さく跳ね回り、氷片(ひょうへん)が辺りへと散らばる《非常にゆっくりと》。不安の影が薄っすらと覆い、軟(やわ)らかに舞い踊る《速く、しかし軽く》。雨粒が急ぎ足で行き過ぎ、淡雪がふわりと浮かんで戯(たわむ)れる《いくらか速く》。微かに光る水玉が静かに煌めき、消え入るようにその存在を主張する《非常にゆっくりと》。端正で小振りながら、永遠なる響きを届けました。続いてヤナーチェクの「霧の中で」。何気ない素振りで悲しみを裏打ちし、耀きを内に秘めて、大きく膨らませ、旧(ふる)くから伝わる調べを模して、忙(せ)しく駆け込み、束の間の喜びを刻み込むアンダンテ。光差(ひかりさ)すひとときに、長閑(のどか)なる香りを匂わせ、ゆっくりと硬軟を対比させて、鮮やかに水飛沫(みずしぶき)を上げ、激しく水面を掻(か)き乱すモルト・アダージョ。ゆったりと歓びで飾り、穏やかに波立ち、意を決して立ち上がるアンダンティーノ。枯葉舞う道を穏やかに進み、哀しみを抱えて塞(ふさ)ぎ込むと、巻き立つ木枯らしが樹々を揺らすプレスト。入り乱れる感情を冴え渡る手腕で導き出しました。前半最後はヘルプスの「回想」。翳りある穏やかさが光りを増し、ゆっくりと歩み出すと、霧雨の中に煌めきが漂う「追悼に」。速く微細な震えを幾重にも重ね、遙かなる空間に微粒子を浮かべる「間奏曲」。不穏な囁きが聞こえ、深く暗い淵(ふち)を覗き込み、冷たく光る剣先が顔面を掠(かす)めて、不規則に乱打する「エピローグ」。迷える心の有り様(よう)を映し出しました。
休憩を挟んで後半はファインの「5つの前奏曲」から。小鼠(こねずみ)が飛び跳ねて、ちょろちょろと駆けずり回るアレグロ。ゆったりと優しく対流する温水が、濁りを伴って緩やかに動き出すアダージョ。優雅に横揺れし、楽しげに遊ぶアレグレット。角張(かくば)った動作で蛇行し、速足で駆け抜けるアレグロ・モデラート。急峻な階段を駆け下り、速い足取りで右往左往するアレグロ・ブリランテ。兼ね備えた強靭な力で、明るさと軽さを描き出しました。続いてヘルプスの「シャル・ウィー・ダンス」。穏やかによろめき、灰色の甘さで味付けて、ふらつくように舞い降り、硬い芽が大きく成長し、複雑に分裂して、再び集結し、キラキラと浮かび上がりました。プログラム最後はセッションズの「ピアノ・ソナタ 第1番」。切なさを石灰にまぶし、僅かな悲しみを不規則に弾(はず)ませて、ゴツゴツとした岩礁を形作るアンダンテ。細かく砕いて、ゴリゴリとねじ込み、垂直に円柱を幾つも打ち込んで、そそり立つ神殿を構築するアレグロ。千鳥足で虚ろな白壁を見つめ、冷たく健(すこ)やかに酩酊するアンダンテ。しなやかで冷たく、穏やかに見え隠れするポコ・メノ・モッソ。水槽に張った海水が揺れ、焼けた鉄板の上を油が勢いよく跳ね飛ぶアンダンテ。なだらかな坂を速度を上げて、輝きながら下り降り、細き網目を織り上げて、力尽くで火花を散らすモルト・ヴィヴァーチェ。茫洋たる地平から旅立ち、熱狂と興奮の坩堝(るつぼ)へと聴衆を叩き込みました。
会場からは大きな拍手が贈られ、素晴らしいパフォーマンスを大いに讃えました。
なかなか聞けないアメリカ及び欧州の近現代曲をまとめて聞かせて頂いたことに大いに喜びを感じ、誇らしい気分で家路を急ぎました。
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