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林峰男 リサイタル 魅惑のチェロ

2016年10月28日(金) 19:00 だいしホール 林峰男 リサイタル 魅惑のチェロ

二本のチェロのためのソナタ ハ長調 op.24/ボッケリーニ
 Ⅰ アレグロ・モデラート
 Ⅱ ラルゴ
 Ⅲ アレグロ
  第1チェロ 林峰男 第2チェロ 渋谷陽子
無伴奏チェロのための「BUNRAKU」/黛敏郎
二本のチェロのための組曲/ポッパー
 Ⅰ アンダンテ・グラツィオーソ
 Ⅱ ガボット
 Ⅲ スケルツォ
 Ⅳ ラルゴ・エスプレッシーヴォ
 Ⅴ マーチ・フィナーレ
  第1チェロ 林峰男 第2チェロ 渋谷陽子
アダジオとアレグロ 変イ長調 op.70/シューマン
華麗なる序奏とポロネーズ ハ長調 op.3/ショパン
Requiebros~親愛なる言葉~/カサド
ハンガリアン・ラプソディ op.68/ポッパー

林峰男、渋谷陽子(Vc)
山田美子(Pf)

仕事を終えて、一旦自宅へ戻り、歩いてだいしホールへ。開演30分前に到着。
感想は、「コク深いチェロの響きに打たれる」です。
まずはボッケリーニの「二本のチェロのためのソナタ ハ長調」。鮮烈に切り込んで、楽しげに弾み、大きく小さくメリハリをつけて掛け合い、明るさを放つ第1楽章。穏やかでくっきりと奏で、暖かく、きりりと延ばす第2楽章。はっきりと朗(ほが)らかに羽搏(はばた)き、快活に前進する第3楽章。清濁併せのむ大きさを見せつけて、素晴らしい二重奏を聞かせてくれました。続いて独奏での黛敏郎の「無伴奏チェロのための『BUNRAKU』」。拍子木の連打を想起させ、苦(にが)さの感触を描き出し、憐(あわ)みを誘い、撥捌(ばちさば)きを見え隠れさせ、前衛の術(すべ)を用いて、本邦の古来の姿を炙(あぶ)り出しました。前半最後は再びのデュオでポッパーの「二本のチェロのための組曲」。優しさを含み、ほどよく速い足取りで、歯切れよく進むアンダンテ。暗く刻み、晴れやかに伸ばすガヴォット。活力を炸裂させ、巧妙にくねらせるスケルツォ。愁いを謡い、響きの豊穣を伝えるラルゴ。荒ぶる雄叫びを挙げ、高く寄せる波を勢いよく掻き分けて、気持ちよく航海するフィナーレ。2つの楽器が競い合い、寄り添って、見事な輝きを見せてくれました。
休憩を挟んで後半は、シューマンの「アダジオとアレグロ」から。深く濃い弓遣いが甘さを抑えて息長く語るアダジオ。生きいきと遊び、焙煎された喜びを聞かせ、急(せ)き込んで駆け抜けるアレグロ。香り立つ浪漫を届けてくれました。続いてショパンの「華麗なる序奏とポロネーズ」。鋭利でまろやかに歩を進め、快活に想いを紐解(ひもと)いて、大らかに広がりました。次はカサドの「Requiebros~親愛なる言葉~」。水面をかき回し、すいすいと泳いで、心地よく走りました。プログラム最後はポッパーの「ハンガリアン・ラプソディ」。晴れた日の青空を一文字(いちもんじ)に横切る飛行機雲が鮮やかに描かれ、時に悲しげに綴り、急ぎ足で過ぎ去って、頂点を勝ち取りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールが2曲。ドビュッシーの「月の光」が儚(はかな)げに漂い、サン=サーンスの「白鳥」が胸を締め付けるように供されて、感動のうちに終演となりました。
このような素晴らしいリサイタルがここ新潟で、満員の聴衆に届けられたことは、今後のこの地の音楽界の発展に大きく貢献するであろうことを期待して、悦ばしい気分で会場を後にしました。
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