ステージで聴く古楽器 第2回 中世の夢 ルネサンスの華

2017年6月30日(金) 19:00 新潟市江南区文化会館音楽演劇ホール・ステージ ステージで聴く古楽器 第2回 中世の夢 ルネサンスの華

(オープニング)
 聖ヴェンセスラスの讃歌/Anon.
■ モンセラート修道院「朱い本」より/ 〃
 おお、輝く聖処女(三声のカノン) O Virgo Splendens 
 黒い聖母 Mariam Matrem Virginem
 輝ける星よ Stella Splendens
■中世 聖母マリアのカンティガ集より/アルフォンソ10世・編
 神に捧げる Par Deus 282 
 ※ ゆめとうつつ
 聖母マリア、夜明けの星よ Santa Maria, Strela do dia 100 
 聖処女を讃える者は Quen a omagen da Virgen 353 
 ※ 世界中の王様
 デウス A Virgen, que de Deus 322 
■ スペイン ルネサンス
 すてきな愛を知らない Calabaca, no se, buen amor/Anon.
 夜の闇が訪れ Si la noche hace oscura /ピサドール
■ イギリス ルネサンス
 時は花祭りの5月 Now is the month of Maying/モーリー
 ※ 草の名
 よき友との気晴らし Pastime with good company/ヘンリー8世
 ※ 草原
 グリーンスリーブス Greensleeves/Anon.
 楽しい日よ来たれ Come, cheerful day/キャンピオン
 ナイチンゲール Nachtegael Ⅰ,Ⅱ/I.H(ファン・エイク)

※金子みすゞ 詩集「わたしと小鳥とすず」より

大作綾(Rec,歌,朗読)
松井美端(Rec,Fl,クレムホルン,プサルテリー,シンフォニー,鈴)
白澤亨(Rec,Lute,ゲムスホルン,中世フィドル,太鼓,シトール,クレムホルン,シンフォニー,ビウエラ,ドゥルチアン,シターン)

仕事を終え、雨降るバイパスを一路江南区文化会館へ。開演40分前に到着。
感想は、「舞台上に中世欧羅巴が蘇る瞬間に立ち会う」です。
定刻となり、演奏者が入場し、定位置について、ゲムスホルンによる「聖ヴェンセスラスの讃歌」からスタート。遥かなる呼び声が、遠い日の記憶を呼び覚ましました。続いて「モンセラート修道院『朱い本』」より3曲。3本のリコーダーによる、厳(おごそ)かで、清らかな祈りがゆったりと絡み合う「おお、輝く聖処女」。鈍(にぶ)く光りを放つ弦に支えられ、聖なる耀きで歌う「黒い聖母」。西日が赤く差し、濁りある悲しみを照らす「輝ける星よ」。数百年前の西班牙へ我々を連れ戻しました。次はアルフォンソ10世が編纂したとされる「中世 聖母マリアのカンティガ集」から4曲。「神に捧げる」が、軽々と囃し立てる鈴と太鼓に乗って、鋭い囀(さえず)りで、お道化ました。ここでシトールの奏でを背に、金子みすゞの「ゆめとうつつ」が張りのある声音(こわね)で朗読され、そのまま「聖母マリア、夜明けの星よ」へ。哀しみに裏打ちされた愉しさが、弾(はず)むように魂を浄化しました。続けて「聖処女を讃える者は」。翳りを纏(まと)って、軽快に飛び跳ねました。2度目の朗読は「世界中の王様」。プサルテリーの儚(はかな)げな爪弾きを伴って、幾分明るめに放たれました。それに続き「デウス」が、金の糸を紡いで、美しく流れました。
ここからはスペインのルネサンス曲達が2つ。クレムホルンの三重奏が醸し出す、ちょっと滑稽な羽音が調子よく行進する「すてきな愛を知らない」。幽(かそけ)きビウエラが艶やかな歌に寄り添う「夜の闇が訪れ」。欧羅巴の西端の調べを届けました。最後のパートはイギリスのルネサンス。「時は花祭りの5月」が可愛いげに燥(はしゃ)ぎ、「草の名」の朗読を挟んで、「よき友との気晴らし」を勇ましく、華奢(きゃしゃ)な出で立ちで進軍しました。「草原(くさはら)」の詩の朗唱に続いて、「グリーンスリーブス」が静謐の奏でに導かれ、麗(うるわ)しく、滑らかな歌声で描かれ、「楽しい日よ来たれ」を抑えめの晴れやかさで賑わしました。プログラム最後は「ナイチンゲール」。爽やかな風を吹かせ、艶(つや)やかに彩り、少し俯(うつむ)き気味に振舞い、再び顔を上げて、輝きを描きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「暗闇はわが歓び」。楽しげに盛り立てて、にぎにぎしく終演となりました。
中世とルネサンスに特化したプログラムで、あっという間に時を遡って、かの時代へと聴衆を連れ去り、どっぷりと浸らせてもらったことに感謝して、喜ばしい気分で、帰路のハンドルを握りました。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する