コンチェルト・インストアライブ 加藤礼子 民衆の魂を奏でる ~日本とアルゼンチン~

2017年7月1日(土) 19:00 コンチェルト コンチェルト・インストアライブ 加藤礼子 民衆の魂を奏でる ~日本とアルゼンチン~

命くれない/北原じゅん ※ 
リベルタンゴ/ピアソラ
雪国/吉幾三 ※
タンゴの歴史より「ナイトクラブ 1960」/ピアソラ
ブルーライトヨコハマ/筒美京平 ※
オブビリオン/ピアソラ
津軽海峡冬景色/三木たかし ※
舟歌/浜圭介
また君に恋してる/森正明 ※
川の流れのように/見岳章 ※

※曲集「演歌ヴァイオリン」より 編曲:後藤丹

加藤礼子(Vn)
中村哲子(Pf)

仕事を終えて、車を駐車場に入れ、自転車でコンチェルトさんへ。開演30分前に到着。
感想は、「器楽による演歌が、新たなる側面を魅力的に見せる現場に立ち会う」です。
まずは瀬川瑛子の「命くれない」。柳揺れる堀を流れる水がせせらぎ、コクと香りの余韻を匂わせて、切なく綴りました。続いてピアソラの「リベルタンゴ」。熱情を込め、溢れ出る情感をいっぱいに放って、渾身の力で振り抜きました。次は吉幾三の「雪国」。むせび泣く音色(ねいろ)が軽やかに舞い、息長く歌って、望郷の思いを伝えました。二度目のピアソラは「タンゴの歴史より『ナイトクラブ 1960』」。急ぎ足で悲しみを揺らし、賑やかな酒場の喧噪を映し、ゆっくりと力を溜めこんで、猥雑な華やぎを演出しました。さらにいしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」を、軽いノリで哀愁を奏で、鍵盤が煌めきを添えて、お洒落に仕上げました。三回目のピアソラは「オブビリオン」。愁いを存分に引き延ばし、僅(わずか)かな希望を垣間見せて、仄暗い淵へと収まりました。ここからは演歌四連発。氷砂糖の打鍵が支える上空を、ぷるんとした触感で寂寥の情を描く石川さゆりの「津軽海峡冬景色」。滑らかな呟(つぶや)きで繫(つな)げ、木霊(こだま)が共鳴する八代亜紀の「舟歌」。足早に駆け、翳りある憧れを囁(ささや)き、頂きへ駆け上がる坂本冬美の「また君に恋してる」。希望の波紋を静々と拡げ、鮮やかな輝きで照らす美空ひばりの「川の流れのように」。心の底に眠るアツい想いを丁寧に、しかし力強く具現化し、聞くものの胸に迫りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「ウィスキーがお好きでしょ?」。小粋で優しく心を擽(くすぐ)って、にぎにぎしく終演となりました。
数十年の歴史を飛び越えて、現在の日本人を魅了する調べの数々を、編曲者立ち合いの場で、見事に再現したこのコンサートは、いつしか伝説となって語り継がれることを夢見て、にこやかに帰路に付きました。
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