チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団 長岡特別演奏会

2017年7月29日(土) 19:00 長岡リリックホールコンサートホール チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団 長岡特別演奏会

ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37/ベートーヴェン
 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ 
 第2楽章:ラルゴ
 第3楽章:ロンド、アレグロ
交響曲第3番 変ホ長調 op.55「英雄」/ 〃
 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ
 第2楽章:葬送行進曲、アダージョ・アッサイ
 第3楽章:スケルツォ、アレグロ・ヴィヴァーチェ
 第4楽章:フィナーレ、アレグロ・モルト

清水和音(Pf)
東京フィルハーモニー交響楽団
チョン・ミョンフン(指揮)

だいしホールを出て、買い物をして、一旦帰宅し、軽く夕食を取って、高速を一路長岡へ。開演40分前に到着。
感想は、「立体的な造形の演奏にベートーヴェンの偉大さを再認識する」です。
まずは「ピアノ協奏曲第3番」。忙(せわ)しげな羽音が舞う草原が広がり、硬質ながら透明で意志を持った鍵盤の響きが、毅然と我を主張して、管弦楽と果敢に対峙するアレグロ。涼しげに湧き出し、穏やかに流れ出す独奏を、優しく豊かにを包み込み、ゆったりと過ぎ行くラルゴ。すっきりと駆け出し、珠玉の艶やかさで渦を巻くソロと、しっかりと厚く重ね、時に追いかけ合うオケが美しく絡み合って、結末へと突き進むロンド。影を背負い、それを全力で振りほどいて、栄光へ駆け抜ける道筋を映す様を、鮮やかに切り取って見せました。鳴りやまぬ拍手に応えてのソリスト・アンコールはブラームスの「間奏曲 6つの小品より第2曲」。冷めやらぬ興奮を安らかに鎮めました。
休憩を挟んで後半は「交響曲第3番『英雄』」。指揮棒一閃、2打の和音の後、生きいきと沸き立ち、彫りの深さを印象付けて、鮮明に写し取る第1楽章。ゆっくりと歩み出し、重荷を力一杯引き摺り、静謐と荒々しさを対比し、一抹の光を覗かせて、静かに打ち沈む第2楽章。軽快に鼓動を弾(はず)ませ、交互に輝きを鏤(ちりば)めて、重量のある気体を急き込ませ、黄金の咆哮を聞かせる第3楽章。粒を置き、骨組みを立て掛け、筋肉を張り、身体を組み立て、さらに様々な装置を飾り立てて、形を変え、柔らかな心まで盛り込んで、大いなる生命体を構築する第4楽章。きりりと作り上げ、胸のすくような仕上がりで、聴衆を魅了しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、数回のカーテンコールで、楽団員たちを称えて、にぎにぎしく終演となりました。
これまでに幾度となく演奏された楽聖の作品の素晴らしさを、改めて、しかも鮮明で躍動感溢れる傑作であることを身をもって示してくれたことに大いに感動して、喜ばしい気分で、帰りのハンドルを握りました。
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