五來貴洋ヴァイオリンリサイタル

2017年9月3日(日) 14:00 だいしホール 五來貴洋ヴァイオリンリサイタル

コレルリの主題による変奏曲/クライスラー
無伴奏パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 よりシャコンヌ/J.S.バッハ
サン=サーンスの「ワルツ形式の練習曲」によるカプリス 作品52/イザイ
組曲「から騒ぎ」 作品11/コルンゴルト
 Ⅰ.新婚夫婦の寝室の中の女中
 Ⅱ.林檎とスローベローワイン
 Ⅲ.庭園の情景
 Ⅳ.仮装舞踏会
ピアノとヴァイオリンのためのソナタ/フランク
 第1楽章.Allegretto ben moderato
 第2楽章.Allegro
 第3楽章.Recitativo-Fantasia
 第4楽章.Allegretto poco mosso

五來貴洋(Vn)
吉兼加奈子(Pf)

10km走って、昼食を取り、少し休憩してから、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「ふくよかなヴァイオリンと豊かなピアノの奏でを楽しむ」です。
まずはクライスラーの「コレルリの主題による変奏曲」。白く光る調べが舞い、細々(こまごま)と口籠(くちごも)り、角張って細分され、伸びやかに歌いました。続いてバッハの「無伴奏パルティータ第2番」より「シャコンヌ」。悲しみを響きで包み、濃厚に煮詰め、脈々と紡いで、糸を撚(よ)り上げると、明るさを取り戻して、長く伸ばし、振出(ふりだ)しへ戻って、感情を絞り出し、静かに消え入りました。前半の最後はイザイの「サン=サーンスの『ワルツ形式の練習曲』によるカプリス」。一陣の疾風が吹いて、甘やかで洒落た味わいを映し、艶(つや)やかに滑らせ、力を込めて刻み、熱情を溢れさせて、想いを解放しました。
休憩を挟んで後半はコルンゴルトの「組曲『から騒ぎ』」。ふわりとした食感で柔らかく仕上げ、小粋な風味で届ける「新婚夫婦の寝室の中の女中」。速度を上げ、迫り来る足音が追い立てる「林檎とスローベローワイン」。まろやかで優しいコクを練り上げる「庭園の情景」。忙(いそが)しく弾(はず)み、活力に満ちて跳ねる「仮装舞踏会」。匂い立つ維納の味わいを運びました。プログラム最後はフランクの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」。微睡(まどろ)みの時を共有し、藤色の帷(とばり)に包まれて、ゆったりと過ごすアレグレット。忙(せわ)しく急(せ)き立てて駆け抜け、減速し、美しく弧を描いて、再び走り出すアレグロ。一筋の筆跡が、太くくっきりと拡がり、ふくよかな軌跡を記(しる)すレチタティーヴォ・ファンタジア。翳りに裏打ちされた明るさで語り、まっとりと奏でて、時に深刻さを増し、ぎりぎりまで追い込んで、ふっと我に返るフィナーレ。回想が巡り、淡く、色濃く映し出す陰翳が映える移ろいを見事に描きました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはリヒャルト・シュトラウスの「子守歌(Wiegenlied)」。波打つピアノの上を耀きで認(したた)めて、にぎにぎしく終演となりました。
ウィーンより戻り、"第2の故郷"である新潟でリサイタルを行って頂けたことに感謝し、喜ばしい気分で、ホールを後にしました。
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