ステージで聴く古楽器 第3回 イギリスの秋の空

2017年9月14日(木) 19:00 新潟市江南区文化会館 音楽演劇ホール・ステージ ステージで聴く古楽器 第3回 イギリスの秋の空

〇ディヴィジョン・フルートより
 ジョンバニスターによるディヴィジョン グラウンド/Banister
 フインガーによるグラウンド/Finger
 トレッツによるによるグラウンド//Tollets
〇組曲第6番ニ長調 作品667/Purcell
  前奏曲
  アルマンド
  ホーンパイプ
〇グラウンド 作品221/ 〃
〇今こそ別れ/Dowland
 しばし休んでおくれ無情の心労よ/ 〃
〇歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」/Handel
〇リコーダー・ソナタ イ短調/ 〃
  Ⅰ.Larghetto
  Ⅱ.Allegro
  Ⅲ.Adagio
  Ⅳ.Allegro

大作綾(Rec、歌)
浅野京子(Vc)
宮野美江子(Cemb)

仕事を終えて、バイパスを江南区文化会館へ。開演35分前に到着。
感想は、「枯葉色の響きに耳を澄ます」です。
まずはディヴィジョン・フルートよりの3曲。「ジョンバニスターによるディヴィジョン グラウンド」が、栗色の毛並みをゆったりと靡(なび)かせ、雅(みやび)な趣(おもむ)きを醸し出すと、「フインガーによるグラウンド」で、ゆっくりと櫓を漕ぐ弦に乗って、ひらひらと軽やかに宙を舞う縦笛が流線形を描き、「トレッツによるによるグラウンド」になると、歩幅を大きく取って跳ねるチェロの上を、素早く、微細な波紋を拡げてリコーダーが飛び交い、やがて一体となって加速しました。
ここで当日のチェンバロの製作者による楽器の解説が行われ、それに続けてパーセルの「組曲第6番」から3曲。氷砂糖の煌めきが乾いた叙情を映す「前奏曲」。繊細に飾り、軽やかに踊る「アルマンド」。楽しげに弾(はず)んで、足早に通り過ぎる「ホーンパイプ」。幽(かそけ)き鳴動で聴衆を魅了しました。さらに同じ作曲家の「グラウンド」では、甘やかに奏で、柔らかに包んで、時に翳りを添え、さざ波を揺らしました。
ここでダウランドの歌が2曲。「今こそ別れ」が、儚(はかな)げな喜びを、淡い光の中に開放し、「しばし休んでおくれ無情の心労よ」では、昼の照り返しから、陰翳を含んで、可憐(かれん)に振舞いました。
再びチェロが登場してのヘンデルの「涙の流れるままに」。糖衣を纏(まと)い、まろやかに綴って、心に沁みる旋律を届けました。
最後は三重奏に戻っての「リコーダー・ソナタ」。悲しみを装い、濃厚に寄り添うラルゲット。ジグザグに刻む唸りを傍目に、影を背負って疾走するアレグロ。のどかな春の昼下がりに、曇り空を呼び込むアダージョ。緋色の嘆きを託(かこ)ち、速足で駆け出すフィナーレ。型通りに正装しつつも、感情を露わにして、想念を記(しる)しました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールは「オンブラマイフ」。美しく心を揺さぶり、穏やかな終演となりました。
暑さも収まりつつある時期に、ぴったりと寄り添う英国の古楽に親しんで、歓びを頂いたことに感謝して、帰路のハンドルを握りました。
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