東京交響楽団第103回新潟定期演奏会

2017年10月29日(日) 17:00 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 東京交響楽団第103回新潟定期演奏会

ブロウ・ブライト/ビャルナソン
ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品77/ショスタコーヴィチ
 Ⅰ.ノクターン:モデラート
 Ⅱ.スケルツォ:アレグロ
 Ⅲ.パッサカリア:アンダンテ
 Ⅳ.プルレスカ:アレグロ・コン・ブリオ 
交響組曲「シェエラザード」 作品35/リムスキー=コルサコフ
 Ⅰ.海とシンドバットの船
 Ⅱ.カランダール王子の物語
 Ⅲ.若い王子と王女
 Ⅳ.バクダッドの祭り、海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲。

神尾真由子(Vn)
東京交響楽団
ダニエル・ビャルナソン(指揮)

仕事を早退して、りゅーとぴあへ。開演30分前に到着。
感想は、「冷徹でアツいヴァイオリンと百花繚乱の管弦楽に聞くことの幸せを噛み締める」です。
まずは本日の指揮者が作曲した日本初演の「ブロウ・ブライト」。樹々が呟き、鉱石が装飾して微細な跳躍を見せ、響きの化学反応を引き起こして、重金属の海がうねり、極北の大気を発光させて、囁きに回帰しました。続いてソリストが登場し、ショスタコーヴィチの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」。微光の灰色で長く引き延ばし、無重力の質量で覆い被さり、大いなる大地が勢いを持ってせり上がって、張り詰めた静寂に消え去る「ノクターン」。冷ややかで身軽に跳ねまわり、諧謔と苦しみに裏打ちされた明るさで飛ばす「スケルツォ」。重々しく荘厳に歩み出だし、乾いた悲しみが痛みを伴って、ゆっくりとその姿を変え、枝葉を茂らせて、体組織を壮絶に脱皮・変態させ、蛹から成虫へと羽化する「パッサカリア」。俊足で駆け出し、凄まじい速度で刻み、内に秘めた熱源を一気に開放して、全景を焼き尽くす「プルレスカ」。素晴らしい名演で聴衆の心を鷲掴みにしました。
何回ものカーテンコールでも独奏者を讃える拍手が鳴り止まず、それに応えてのアンコールはパガニーニの「カプリス 第24番」。技巧の冴えを披露して、興奮を収めました。
休憩を挟んで後半はリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」。仰々しい物言いに、凛として対峙する冒頭から、大きく揺れる波頭の乗って航海を進め、凪(なぎ)の穏やかさに安らぎ、吹き渡る風を帆に受ける「海とシンドバットの船」。甘く切ない香りを漂わせ、ふんわりと羽毛を舞い散らると、突然の怒気が襲い掛かり、細かく散り散りに分岐し、方々へ拡散して、幾重にも重なり合う「カランダール王子の物語」。さっくりと柔らかな触感で満たし、優しい調べで癒すと、優雅で軽やかに舞い、流麗に円舞して、静々と退場する「若い王子と王女」。怒号を伴って飛び込み、切迫する速さで進軍し、楽しい時間を回想して、丁々発矢(ちょうちょうはっし)と鍔迫り合い(つばぜりあい)を行い、闘いの頂点を極めると、大波に巻き込まれ、運命に翻弄されて、暗礁に乗り上げ、海の藻屑となって、物語を締めくくる「バクダッドの祭り、海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲。」。絢爛たる絵巻を描き出し、鮮烈なる響きで圧倒して、聞くものを魅了しました。
沢山の称賛を喝采が贈られ、大いなる健闘を賛美して、にぎにぎしく終演となりました。
輝かしい独奏と管弦楽の快演に立ち会えたことに感動して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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