第75回新潟室内合奏団演奏会

2017年11月11日(土) 18:45 新潟市民芸術文化会館コンサートホール 第75回新潟室内合奏団演奏会

交響曲第29番 イ長調 K.201/モーツァルト
 第1楽章:アレグロ・モデラート
 第2楽章:アンダンテ
 第3楽章:メヌエット―アレグレット・トリオ
 第4楽章:アレグロ・コン・スピリト
ヴィオラ協奏曲 遺作(シェルイ版)/バルトーク
 第1楽章:モデラート
 第2楽章:アダージョ・レリジョーソ
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
弦楽オーケストラのための間奏曲「愛の夢」:叙情的アンダンテ/レーガー
交響曲第8番 ト長調 Op.88/ドヴォルザーク
 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ
 第2楽章:アダージョ
 第3楽章:アレグレット・グラジオーソ―モルト・ヴィヴァーチェ
 第4楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

羽柴累(Va)
新潟室内合奏団
本田優之(指揮)

仕事を終え、りゅーとぴあへ。県民会館でのアイドルのコンサートや他の催しのため駐車場が大混雑し、結果的に市役所のパーキングへ留めて、ホールへ駆け込み、開演15分前に到着。
感想は、「クールで深い独奏とホットで真摯な合奏に心打たれる」です。
まずはモーツァルト。霞立(かずみた)つ響きの中から、弾(はず)むように光が拡がり、快さを運ぶアレグロ。優しさで包み、柔らかな触感で歩むアンダンテ。愉快な気分で舞い、優雅な足取りを見せるメヌエット。朝日の輝きで、軽やかに飛翔するフィナーレ。こじんまりした編成が作り出す、まとまりのある合奏が爽やかな彩りを届けました。続いて独奏者が登場してバルトークの「ヴィオラ協奏曲」。淡く淀む水底から、粘り気のある灰色で描き出し、流線型に推移する運弓と、それに慕うように寄り添う息吹が競い合い、高みへと駆け上って、耀きを放つモデラート。姿勢を低く構え、ゆっくりと揺蕩(たゆた)い、呻(うな)りを上げて、涼しげに燃え上がるアダージョ。忙(せわ)しげに駆り立て、仮初(かりそ)めの伝承を奏で、足早に熱情を吐き出すアレグロ。作曲家の遺作を、アツい想いと冷静な技の冴えで見事に描き出しました。
休憩を挟んで後半はレーガーの「弦楽オーケストラのための間奏曲『愛の夢』」から。碧空(へきくう)に映す希望の色彩を、薄っすらとした、清明なる筆遣いで顕(あらわ)しました。そして本日のメインプログラム・ドヴォルザークの「交響曲第8番」。秋色の足取りで歩み出し、瑞々(みずみす)しい色合いで塗り分け、熱く力を込めて駆け抜ける第1楽章。長閑(のどか)なる山間(やまあい)の風を感じ、囀(さえず)る鳴き声を聞き、美しく光る糸に導かれて、喜びの雄叫(おたけ)びを挙げる第2楽章。葡萄色の誘惑を撒き散らし、まろやかに礼服の裾(すそ)を翻(ひるがえ)す第3楽章。華やかな喇叭の高鳴りに続き、おずおずと歩き出すと、力を込めてそれに応え、祝祭の熱狂を発動して進み、喧噪を通り過ぎて、内なる想いを秘めやかに慈(いつく)しみ、再び走り出して、歓喜を解放する第4楽章。懐かしげで肥沃な調べを奏で、森や草原を背景にして、大らかに叙情を描写して、華やいだ郷愁を伝えました。
会場からは大きな拍手が贈られ、たゆまざる鍛錬の成果と音楽の喜びを十二分に発揮した演奏を讃えました。
地元の人々と、災害からの復興に踏ん張る方々による力闘が、さらに独奏者の氏族への応援も重なって、大きく花開いたことに感動して、喜ばしい気分で、家路を急ぎました。
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