新潟の作曲家たち 越の風 vol.6

2017年11月12日(日) 14:00 だいしホール 新潟の作曲家たち 越の風 vol.6

Capriccio~木管五重奏のための(初演・公募作品)/山本準
 市橋靖子(Fl) 田中宏(Ob) 広瀬寿美(Cl) 小武内茜(Fg) 宮野大輔(Hr)
みずかみかずよの詩による歌曲/富山珠実
 「かぜのふくひ」
 「さみしがりやの秋だから」
 「燃える樹」
 伊藤舞(S) 小黒亜紀(Pf)
ある記憶の断片(初演)/斎藤竜夫
 佐々木友子(Vn) 若杉百合恵(Pf)
セレナード オーボエ、ファゴット、ピアノのための(初演)/小西奈雅子
 田中宏(Ob) 小武内茜(Fg) 箕輪豊(Pf)
この世の風 第3番(初演)/阿部亮太郎
 宮野大輔(Hr) 広瀬寿美(Cl) 若杉百合恵(Pf)
ピアノ組曲「高原の町から」より/後藤丹
 《さあ町に着いた》
 《谷川に沿った道》
 《いちご農園で》
 《花束を抱えて》
 《博物館の午後》
 《黒つぐみと話す》
 《湖の夜明け》
 小黒亜紀(Pf)
問い(三つの女の歌 より)/木下大輔
 伊藤舞(S) 小黒亜紀(Pf)
〈紡ぐ〉木管五重奏のための(初演)/遠藤雅夫
 市橋靖子(Fl) 田中宏(Ob) 広瀬寿美(Cl) 小武内茜(Fg) 宮野大輔(Hr)

所用を済ませ、昼食を取り、少し休憩してからだいしホールへ。開演30分前に到着。
感想は、「新しき音達に興味深く耳を傾ける」です。
まずは公募作品の山本準「"Capriccio~木管五重奏のための"」。細切れの小片を並べ、ゴツゴツした塊りを置いて、静かなる轟音を撒いて、気まぐれに疾走し、凹凸(おうとつ)のある形を見せました。続いて富山珠実の「みずかみかずよの詩による歌曲」。爽やかに跳ね、優しく揺れる「かぜのふくひ」。ゆっくりと豊かに翳りを映す「さみしがりやの秋だから」。曇り空の下、重い足取りで歩み、抑えた彩りで進み、劇的に立ち上がる「燃える樹」。まっすぐな歌唱と寄り添う鍵盤の対比が、影を宿す心持ちを写し取りました。次は斎藤竜夫の「ある記憶の断片」。歪んだ直線が交差し、氷山が壊れて、破片が飛び散り、長く伸びた悲鳴が混入して、羽音を模しました。前半最後は小西奈雅子の「セレナード オーボエ、ファゴット、ピアノのための」。乱反射する水面(みなも)の上に、枝分かれして成長する息吹が這い回り、細く太く急ぎ足で覆い尽くしました。
休憩を挟んで後半は阿部亮太郎の「この世の風 第3番」。凍てついた極地に鯨が舞い、長く重い雄叫びが絡まり、角ばった泡が通り過ぎて、自らの木霊に聞き入りました。続いて後藤丹の「ピアノ組曲『高原の町から』」より。明るく晴れやかに弾(はず)む「さあ町に着いた」。細かく布切れが舞う「谷川に沿った道」。柔和な硬さで転がる「いちご農園で」。綺麗に細分されて跳ねる「花束を抱えて」。ゆったりとまろやかに揺れる「博物館の午後」。暖かく柔らかに鳴撫でる「黒つぐみと話す」。きらりと光って、じっくりと船を漕ぐ「湖の夜明け」。鍵盤が夢を綴りました。次は木下大輔の「三つの女の歌」より「問い」。古代の祭祀を執り行う巫女が響きを拡げ、優しく波立って、祝詞(のりと)を上げました。最後は遠藤雅夫による木管五重奏のための「紡ぐ」。途切れる塊りが絡み合い、交差して、俊敏に動き回り、一瞬と立ち止まって、低く潜む持続を感じつつ、一陣の風を吹かせました。
客席からは大きな拍手が贈られ、作曲者達が全員舞台上に並んで、新作達のお披露目を讃えました。
21世紀に生きる作曲家の最新の成果を聞くことができた幸運に感謝して、フレッシュな気分で帰路に付きました。
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