FC2ブログ

トリオコンサート ~2本のフルートとピアノによる~

2017年11月18日(土) 18:30 だいしホール トリオコンサート ~2本のフルートとピアノによる~

2本のフルートピアノのためのメンデルスゾーンとラハナーの旋律による3つの小品/ベーム
 浅井守宏、手島尚子(Fl) 田中幸治(Pf)
ロンド ニ長調 K.V.184/モーツァルト
オデレット/サン=サーンス
  浅井守宏(Fl) 田中幸治(Pf)
2本のフルートとピアノのためのソナタ/矢代秋雄
 浅井守宏、手島尚子(Fl) 田中幸治(Pf)
ファンタジー/ユー
 手島尚子(Fl) 田中幸治(Pf)
ソナタ イ長調 K,V.331/モーツァルト(フルートデュオ)
タンゴエチュード/ピアソラ(フルートデュオ)
 浅井守宏、手島尚子(Fl)  
2本のフルートのためのコンチェルト ニ短調/ドップラー
 浅井守宏、手島尚子(Fl) 田中幸治(Pf)

新発田から戻り、軽食を取って、だいしホールへ。開演20分前に到着。
感想は、「2本のフルートとピアノの変幻自在の奏でに聞き入る」です。
まずはベームの「2本のフルートピアノのためのメンデルスゾーンとラハナーの旋律による3つの小品」。暖かく柔らかに重なる吐息が春風を運ぶ第1曲。淡い愁いを交わし合う第2曲。上品な甘さで持て成す第3曲。華やかに冒頭を飾りました。続いてフルート1本とピアノでモーツァルトの「ロンド ニ長調」。軽やかに天上の光を誘い、無邪気に喜遊して、技の冴えを見せつけました。そのままサン=サーンスの「オデレット」へ。綿毛の奏でから、湯気を立てて流れる息吹が高く涼しく駆け上がって、水飛沫を上げる鍵盤の上を舞い、技巧を駆使して、ゆっくりと着地しました。前半最後は、矢代秋雄の「2本のフルートとピアノのためのソナタ」。妖しげな樽砧(たるきぬた)が囃し、不気味に低く垂れ込める暗雲が棚引いて、古代の祭祀が執り行われる第1楽章。灰色の糸を曳き、不安を掻き立てる暖かさが漂い、硬い岩盤が屹立して、高く悲鳴を上げる第2楽章。低く羽音を集め、速い足取りで駆け、乱気流に巻き込まれて、錐揉(きりも)みする第3楽章。本邦の前衛の響きを鮮やかに再現しました。
休憩を挟んで後半はフルートとピアノでユーの「ファンタジー」から。涼やかな筋雲が靡(なび)き、細やかに靄(もや)が沸き立って、速く遅く不規則に揺れて、軽やかに流れました。続いてフルート2本でモーツァルトの「ソナタ イ長調」。温かな優しさで包み、甘やかな触感で綴る第1楽章。ゆっくりと立ち上がり、快く安らいで、絡み合う第2楽章。哀愁を薫らせ、足早につま先立ちで踊る「トルコ行進曲」。鍵盤の奏でを2本の笛に移し替えて、天才の所業を忍びました。そのままの編成で次はピアソラの「タンゴエチュード」。影が混ざり合い、やがて実像を結んで、再び分かれ分かれになる第1楽章。ゆっくりと揺蕩(たゆた)い、薄曇りの空を駆け、冷たい触感で味覚を惑わし、霞(かずみ)を漂わせる第2楽章。微細な跳躍で踊り、区切りを付ける息吹で彩り、早業を応酬して絡み合い、速度を落として舞い降りる第3楽章。作家の別の一面を切り取って見せました。プログラム最後は、ドップラーの「2本のフルートのためのコンチェルト」。艶やかに始まり、流速を上げて行き交う航跡が光り、悲しみの影を映して、美しく通り過ぎる第1楽章。麗しき歌を奏で、幾重にも重なって飾り、悲しく渦を巻く第2楽章。くるくると廻り、複雑に絡み合って、大きく見得を切り、華やかに刻んで、全力で走り去る第3楽章。懐かしさと明るさを振りまいて、華麗に演じ切りました。
会場からは大きな拍手が贈られ、それに応えてのアンコールはテーラーの「花のワルツ」。華やかに仕上げて、にぎにぎしく終演となりました。
由緒ある楽器を全面に出して執り行われたこのコンサートは楽器の特性を生かしたプログラミングで知的興味に訴えかけ、暖かな音色で癒す独特の感触で持て成して、新しい楽しみをもたらしたことに感謝して、気持ちよく帰路に付きました。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する