おんぶんリレーコンサート 2017 開館40周年 Premium 第3日

2017年11月25日(土) 18:20~ 新潟市音楽文化会館 おんぶんリレーコンサート 2017 開館40周年 Premium 第3日

クオリティコース②途中から
3.中薹寛 ファゴット独奏
 ファゴット協奏曲 ホ短調 RV.484/ヴィヴァルディ
  中薹寛(Fg) 宮澤夕佳(Pf)
4.江口彩夏 チューバ独奏
 協奏曲 第1番/レヴェジェフ
 糸/中島みゆき
  江口彩夏(Tb) 石澤真実(Pf)
5.夫婦でデュエット 二重唱
 武蔵野を歩く歌/磯部俶
 天使のパン/フランク
 初恋/越谷達之助
  桑野恭子(Ms) 桑野重人(T) 酒井啓子(Pf)
6.笛木晶子 ソプラノ独唱
 歌劇《カプレティー家とモンテッキ家》より「ああ幾度か」/ベッリーニ
 歌劇《リナルド》より「私を泣かせてください」/ヘンデル
  笛木晶子(S) 笛木祥子(Pf)
7.李玹承 ソプラノ独唱
 歌劇《リナルド》より「いとしい妻よ」/ヘンデル
 死んだ男の残したものは/武満徹
  李玹承(S) 小林ちひろ(Pf)
8.水玉、スキとキライ 声楽アンサンブル
 詩編 第8編/エベン
 キリストよ 汝はたたえられん/ラッソ
 愛する音楽!音楽への愛!/ルカーシュ
 無伴奏女声合唱曲集 見えないもの より「空と海」/北川昇
  牟禮諭子、石附久佑子(S) 近藤久美(Ms) 鈴木麻衣(A)
9.アンサンブルTY 管楽六重奏
 歌劇《魔笛》K.620 より 3つのアリア/モーツァルト
  星野裕子(Ob) 髙橋正紀、髙橋光枝(Cl) 篠田正弘、北村妙子、中谷内亮信(Hr)

仕事を終え、音楽文化会館へ。午前11時から続くおんぶんリレーコンサートのエンジョイコース⑤、ジュニア・ピアノ・アドバイス・コース、萩原麻未のピアノトークから続くクオリティコース②に途中から入場。
感想は、「それぞれの持ち味で日頃の鍛錬の成果を十二分に発揮する姿に聞き入る」です。
最初に聞いたのは学生オケの後輩の中薹寛君でヴィヴァルディの「ファゴット協奏曲 ホ短調」。哀しみの波立ちに乗り、速く太く立ち昇る息吹が震える第1楽章。重い足取りで、抑え気味に歩む第2楽章。降りしきる雨の中を、揺れながら飛翔する第3楽章。鍵盤の奏でを従えて、赤毛の司祭の作品を演じました。
続いて江口彩夏さんのチューバ独奏で2曲。レヴェジェフの「協奏曲 第1番」では、大らかな海の広がりを模し、もくもくと上昇する積乱雲を描いて、透き通る水彩で仕上げ、中島みゆきの「糸」を重量感溢れる音色(ねいろ)で、影のある優しさを届けました。
休憩を挟んで、出演順5番目は二重唱の"夫婦でデュエット"。磯部俶の「武蔵野を歩く歌」を爽やかで楽しげに合わせ、フランクの「天使のパン」を長く伸びやかに、清廉なる響きで唱和し、越谷達之助の「初恋」を淡い切なさで映しました。
続いて笛木晶子さんのソプラノ独唱で、最初はベッリーニの「歌劇《カプレティー家とモンテッキ家》」より「ああ幾度か」。すっくと屹立する声音(こわね)が立ち現れ、宮廷の優雅さを身にまとって、悲しみを縁取りました。そしてヘンデルの「私を泣かせてください」。穏やかに、慎み深い甘さを運んで、安らぎを伝えました。
7番目は李玹承さんのソプラノ独唱で2曲。まずはヘンデルの「歌劇《リナルド》」より「いとしい妻よ」。翳りのある足音が迫り、暗さを湛えた光の筋が階段を登って、切々と嘆き、千々に乱れて、願いを語りました。さらに武満徹の「死んだ男の残したものは」では、白日の薄明りに忍び寄る物悲しさを端正に切り取って、胸の奥の大事なところへ侵食するように描写しました。
次は声楽アンサンブルの"水玉、スキとキライ"。無伴奏で届けられた最初はペトル・エベンの「詩編 第8編」。金色の雲が自在に伸縮し、典雅な響きでまとめると、オルランド・ディ・ラッソの「キリストよ 汝はたたえられん」では、ゆっくりと氷晶を浮かべました。続くズデニェク・ルカーシュ「愛する音楽!音楽への愛!」で、音色(ねいろ)を明滅させ、透き通った薄膜で包み、最後は北川昇の「無伴奏女声合唱曲集 見えないもの」より「空と海」を滑らかに艶めかせ、均等に散らばった霞の帯を、ゆったりと溶け合わせました。
長いリレーコンサート、最後の締めは管楽六重奏のアンサンブルTYでモーツァルトの「歌劇《魔笛》」より「3つのアリア」。第5曲の五重唱「ム、ム、ム」を明るく天真爛漫に遊ばせると、第17曲のパミーナのアリア「愛の喜びは永遠に消え去ってしまったことを感じる」では、悠々と陰翳を認(したた)め、第14曲の夜の女王のアリア「私の心は地獄の復讐で沸騰している」になると、迫りくる暗闇を奏で、愉しげに高く天辺(てっぺん)へ駆け上がり、強弱を付けて、しなやかに収めました。
終演を告げるアナウンスが、3日間に渡る多くの団体により継がれてきた音楽の輪がここで締め括られることを示して、一抹の寂しさとこれからの続くであろう演奏の喜びの次のスタートを祝しました。
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